つれづれなるままに・・・

日々の思ったことを綴っていきます。

2016-17シーズン ワールドへの道

今シーズンも大きな大会はジュニアワールドとワールドだけとなった。今季のワールドは五輪の枠がかかる重大な大会だ。ワールドの出場(見込みも含む)予定選手の今シーズンを振り返る。フィギュアスケートは大会ごとに採点のさじ加減が変わる。ただシーズン中の流れを見る分には目安となるだろう。

 

                       ユーロ/
      B級   GPS1  GPS2  GPF  四大陸  B級/ユニバ/アジア等  平均 
J・フェルナンデス                  292.98    285.38   268.77  294.84                                285.493
宇野 昌磨 258.93   279.34    285.07   282.51   288.05    281.27      279.195
羽生 結弦 260.57   263.06    301.47   293.90   303.71                               284.542
田中 刑事 212.29   224.91    248.44                 220.18   185.98  252.09    223.982
N・チェン   256.44   264.80     268.91  282.85   307.46                                276.092
J・ブラウン 256.49   268.38    218.47  245.85    254.04                               248.646
P・チャン    248.73  266.95     279.72  266.75   267.98                               266.026
レイノルズ    227.80  245.06                                222.31                               231.172
ボーヤン・ジン                 245.08    278.54                 267.51    280.08                267.803
ハン・ヤン       209.11    230.19                 235.45    271.86                236.653
M・コリャーダ   219.55   245.30    225.69                 250.18                               235.180
M・コフトゥン  229.57    230.75   221.43                 266.80                               237.138
M・ブレジナ   227.42    211.77   215.52                 225.05                               219.940
ビチェンコ   203.75    255.52   229.87                 239.24   228.08  231.74    231.367
デニス・テン                  269.26                                             266.97  198.88    245.037
ミーシャ・ジー  230.57    226.07   229.06                 239.41   233.93                 231.808

シーズンの流れで見た時、よいシーズンを送れていると感じるのはネイサンと羽生、そして中国勢の二人ではないだろうか。実際には中国とロシアの二人は国内戦などもっとたくさん試合を出ているがここでは一応国際戦に絞ることにする。ブレジナとミーシャは点数的に見ればかなり安定したシーズンとなっている。ただブレジナは自己ベストからみればかなり低迷しているといえる。テンは試合数が少なくしかも後半2試合はユニバと冬季アジアというお祭り的な試合なので参考にならない。それでも冬季アジアの出来からするとあまりいい練習ができているように見えない。若手が大きく飛躍している今シーズンのワールドはかなり厳しそうな点数の落とし方だ。

 

<今季最高点>              <今季最低点>

1位 ネイサン・チェン 307.46   1位 フェルナンデス  268.77
2位 羽生 結弦    303.71   2位 羽生 結弦    260.57
3位 フェルナンデス  294.84   3位 宇野 昌磨    258.93
4位 宇野 昌磨    288.05   4位 ネイサン・チェン 256.44
5位 ボーヤン・ジン  280.08   5位 P・チャン    248.73
6位 P・チャン    279.72   6位 ボーヤン・ジン  245.08
7位 ハン・ヤン    271.86   7位 ミーシャ・ジー  226.07
8位 デニス・テン   269.26           8位 レイノルズ    222.31
9位 J・ブラウン   268.38   9位 M・コフトゥン   221.43
10位 M・コフトゥン  266.80   10位 M・コリャーダ   219.55

<平均>

1位 フェルナンデス  285.493
2位 羽生 結弦    284.542
3位 宇野 昌磨    279.195
4位 ネイサン・チェン 276.092
5位 ボーヤン・ジン  267.803
6位 P・チャン    266.026
7位 J・ブラウン   248.686
8位 デニス・テン   245.037
9位 M・コフトゥン  237.138
10位 ハン・ヤン    236.653  

上位の6人についてはどの項目もこの6人で占めているのでワールドでもおそらく10位以下になることはないと思われる。そういう意味では二人そこに入っている日本の3枠の可能性はかなり高いといえる。フェルナンデスは1人で出場すれば3枠の可能性も高いが必ずしも3枠必要という国ではないのでラヤが出場しないという選択はしないだろう。中国もそれは同じなのだがハン・ヤンの滑りが戻ってきている感じが四大陸からあるのでうまくいけば3枠取れる可能性がある。3人目のミニマム獲得選手を育てたい。アメリカはブラウンの怪我の回復次第だろう。4回転入れなくても250点取れるので無難に行った方が10位以内の確率は高いかもしれない。3枠のためにはネイサンにぜひ表彰台に乗って欲しいところだがシーズン進むにつれて点数が伸びてきているのでその可能性はかなりあるといえる。

一方難しいのがロシアとカナダだ。ロシアは二人とも似たような点数で落ち着いている。二人とも10位以内に入る可能性はあるが下位では13ポイントをオーバーしてしまう。どちらかが5位以内に入る必要があるが今季の調子では270点超えるのはかなり難しいと感じる。カナダはチャンが5位以内に入れるかもしれない。しかしレイノルズが4回転をある程度着氷している割に点数が伸びてこない。今季は10位でも240超えそうなので250点超えてこないと3枠は厳しい感じだ。

3枠は必要ないが2枠欲しいのがイスラエルだろう。ナショナルはサモヒンがとったがワールドは多分ビチェンコが来ると思う。昨季はユーロで2位、今季はロステレコムで表彰台と実績を作ってきている。ロステレはかなり甘めの採点だったがそれに近い点数が出せれば10位以内に入れるかもしれない。そのためにはFSで4Tと3A2本ずつ何としても決める必要がある。サモヒンと二人で五輪出場するために頑張りたいことろだ。

このほかに10位以内に入ってくるかもと思っているのがケリーとラトデニだ。ケリーは今季4回転の着氷率が上がってきている。2種確実に降りて3Aまで決まれば上位に飛び込んでくるかもしれない。そしてラトデニ君も地味に点数を伸ばしてきている。3Aの軸がちょっと怖いが結構降りているので少し前のブラウンみたいに安定した演技ができるかもしれない。強豪国が確実に枠を取っていくというのも面白みがないのでぜひかき回す存在になって欲しい。

 

ワールドまであと半月あまり・・・時間があったらTESとPCSの変遷も比べてみたいところだ。土曜日がすべて仕事になってしまったのでできるかどうかはわからないけど・・・

たまには女子の話、そしておまけ

本日は溜まったメールを整理することから始まりました。3日ほど放置するだけでyahooや楽天・昔やっていたポイントサイトのメールで500通以上に溜まってしまいます。ほとんどがダイレクトメールなのでバシバシ削除すればいいのですがその中で見つけてしまいました。「アイスクリスタル落選のお知らせ」を。
もともと当たるとは思っていないので残念でも何でもないのですが、このメール見ることが本当に久しぶりでした。たぶんいつも気づかずに削除していたんだと思います。


さて今回アイスクリスタルに応募する際に悩みに悩んだことがあります。一つは選手名、そしてもう一つは最後にある要望欄です。
入ったことも利用したことも無い、その有益さも不便さも知らない会に入会するときに何の要望をすればいいのか非常に困ってしまいました。本気で「返答に困る質問を出さないようお願いします」と書こうかと悩みましたよ。

そして選手名書く欄。長年小塚氏の名前を書き続けてきました。しかし昨年引退したので書けなくなってしまいました。前回は応募し忘れたので良かったのですが、今回はどうしようか選手名の画面でたっぷり15分くらい悩みました。男子のジュニア選手にしようかなとも考えたのですが結局のところ某女子選手の名前にしました。応募しだして初めて女子選手の名前を選んだことになります。彼女が世界で活躍できる選手になれるかどうか未知数ですが私にしては珍しく目を引いて仕方ないので小塚氏のように競技を続ける限り選んでいこうと思いました。
ちなみにですが現役女子シングル選手で現在特に好きな選手はアメリカのポリーナ・エドモンズとロシアのユリア・リプニツカヤ、そしてアンナ・ポゴリラヤです。ジュニアではザキトワの可愛さにやられています。前半の二人にとってはなかなか試練のシーズンとなりましたが是非来季は元気な姿を見せて欲しいです。
ただ今回私が選んだ選手は先ほど上げた好きな選手のタイプとはかなり違う印象です。むしろ現在やこれまでの日本女子選手の中で割と多いタイプかもしれません。なぜ彼女が目を引くのか自分自身で良くわからないのですが、それを知りたいから見てるという気持ちもあるのかもしれません。今のところテレビではなかなか放映されることが少ない選手ですが見続けていきたいと思っています。

 

ところで留守の間にもそして昨日から今日にかけてもコメントをいただいています。皆様ありがとうございます。時間がたってしまったコメントにはお返事がかけなくて申し訳ありません。すべて読んでいますのでお許しください。
非表示希望のコメントも頂いています。読んで色々思うところはあるのですが今は特に申し上げることはないです。頂いた文章の内容は受け止めましたというだけです。


以前から私はこのブログについて倉庫のような場所だ、日記のようなものと書いてきました。今回の件でおそらく来るだろうと思ったコメントがやはり来ました。「人目に触れないようにエクセルにでも書けば良いのに」というものです。


はい、書いていましたエクセルに実際。一太郎からワードになって最後にエクセルでトータル10年分くらいは過去に書いていました。ここにはフィギュアのことしか書きませんが以前は今よりもっと頻繁に色んなこと(様々なスポーツのこと、好きな音楽のこと、お金のこと、健康のことなど諸々)を雑多にPCに書いていました。しかしこういったもので書いた文章は時間が経ってから探したり確認したりしようとすると非常に不便でした。ついでにPCがクラッシュするとデータが飛んでしまう。色んなことをごちゃごちゃ書いているだけなので別媒体に保存するほどでもないとはいえ時には以前書いたことが読みたいと思うこともあります。
だいぶ以前のことになりますが同じような悩みを持っていらした私よりかなりご年配の方のブログを見つけました。ネットのブログに書くようになって文章が消えることも無くなり読み返すのも楽になったと。それは良いなと素直に思いました。

そんなこともあり自分でもブログをはじめました。それでもいくつかの無料ブログを回ってそれほどメジャーではない場所を選んだつもりでした。意外に検索に引っかかることは結構経ってから気づきましたが今更別の場所に移ることも面倒だったのでそのままにしました。

ここも当初は別にフィギュアのことだけを書くつもりではなかったのですが最初に2015年の世界選手権のことをつらつら書いてしまったので他のことを書きにくくなってしまいました。その代わり特に話題がなければ何か月も放置してしまいます。それでいいかなと今では思っています。

 

現在というものはある程度時間をかけて形成されたものです。ただ訪れるだけではわからない思いというものがあるのです。それは私だけではなくいろいろなサイトやブログをされているすべての方が持っているものだと思います。意見が合わないサイトを非難することは簡単なことです。それを否定するつもりはありません。多くの方がそういう意識があってそれでも運営されているのではと思います。そして非難されたからといって自分の当初の目的や思いを変えることはないのです。それならばさっさとやめてしまった方がいいと私は考えます。ですから今後も書き続けるとしたら同じような感じになるでしょう。それが我慢できないといわれるなら無視したほうが良いのです。

残酷なことですが同じ思い同じ考え同じ感覚を持った人間がいない以上言葉で分かり合えることには限界があります。合わないものはどこまでも合わない可能性は高いのです。どうか無理せずに嫌なものは見ないそういった対応をしてください。

 

「最高点」の上を目指す―――ネイサン・チェン構成予想

本来なら生産が落ち着き暇になってくる頃なのに毎日残業、結構しんどい生活をおくっております。色々問題があって社内の雰囲気も悪く夢にまで見てしまってすっかり睡眠不足です。早く落ち着いてくれないか、と祈るような気持ちで毎日出社しています。今日も本来休みだったんですがあちこちがたがたしているため人手が必要とかり出されました。


そんなわけでここしばらくゆっくりネットをさまよう時間がありません。何か情報が無いかツイッターをとちら見するくらい。でも疲れているせいか頭に入らない。現在はかなり浦島状態と思われます。

 

体力的にも精神的にもしんどくなると現実逃避したくなるもの。ここのところちょこっと時間が空くと思い浮かべるのはネイサン・チェンの構成のこと。何日か前にたぶんツイだと思うけどネイサンと7クワドというワードをを見た。ぼんやりする頭で見たので他のことを覚えていないのだが私の中ではネイサンがFSで7クワドを考えていると理解された。それでついその場合はどんな構成になるのか考えてしまうわけだ。実際ネイサンは5クワドをプログラムの中で飛ぶことができている。さらに増やそうと考えることは簡単に想定できる。そんなわけで7クワドという言葉を見ても特に驚かなかった。あーネイサン来季7クワドにするのかなー程度だった。

ただ考えてみると7クワドということは5種必要になってくる。ネイサンはアクセルは得意でないのであるとしたら4Loだろう。エッジジャンプだけど大丈夫かと思わないでもないけれど4Sも飛べているわけで成功率を考えなければ回ることはできそうな気がする。そんなわけで夢の?7クワド構成をあげてみる。


まずは一番あり得そうな構成から考えてみる。
一応条件としては、7クワドだけどリスクを高めすぎない構成、というもの。
ネイサンは羽生とは違いリスク冒しても後半ボーナスを勝ち取ると言う方策をとっていない。何より基礎点確保を大事にしているので前半4ジャンプ、コンボも早めに消化が前提だ。

 

<4Lzと4T2回構成>

1.4Lz+3T 4Lz 4F+2T+2Lo 4Lo // 4T+2T 4T 4S 3A =103.89
2.4Lz+3T 4Lz 4F+2T 4Lo // 4T+Lo+3F 4T 4S 3A=107.04

係数×0.7ジャンプが無くなりました!そして当然の基礎点100超え、7クワドの基礎点のすごさを感じます。
足を変えるタイプの3連は現在の処実戦では成功していませんのでどの程度の実演が出来るか未知数ですが基礎点ではだいぶ大きいです。1と同じように前半でも考えたのですが、四大陸の構成では後半になっていたので今回はそちらで計算しました。
ネイサンはどちらかと言えばフリップの方が得意そうに感じますが基礎点が高いことを考えるとどちらかを2本としたときやはりルッツになるかなと思います。
気を抜くジャンプが一つも無い過酷な構成ですがネイサンは現在「4回転を回る」感覚がしっかり掴んでいるように見えますので案外出来そうなんて思えてしまいます。大きく身体的な感覚のぶれが無ければ平昌で見られそうな予感がする構成です。

 

<4Lzと4F2回構成>

3.4Lz+3T 4Lz 4F+2T+2Lo 4F // 4Lo 4T+2T 4S 3A =106.06
4.4Lz+3T 4Lz 4F+2T 4F // 4Lo 4T+Lo+3F 4S 3A =109.21

基礎点の高さをより求めれば上位2種を2本と言うことを当然考えるだろう。しかし面白いのはこれまで通りのコンボだと4T2本のサード3Fより低くなってしまう。やはり2回転が多いと基礎点的に効率が悪い。
一方サード3F構成にすると基礎点がほぼ110点と言うことに。スピンステップで18点足してPCSが仮に88としても215点を超える。ジャンプのGOEがマイナスにならなければ220を超えることは難しくないことが想像できる。転倒さえしなければ最高点が確実に見える構成だ。
ただ心配なのは後半の構成。エッジジャンプとトゥージャンプが混ざるのはネイサンにとってあまり良くなさそうな印象がある。(シーズン冒頭3番目に4S入れて転倒していたため)そうなると先に4Tコンボ飛んで残りエッジジャンプ3連発にするか・・・それはそれでネイサンにとってはリスクがありそうな感じだ。

 

<難しいコンボを入れてみるよ>

5.4Lz+4T 4Lz 4F+3T+2Lo 4F // 4Lo 4S 3A 3Lz+2T =110.33
6.4Lz+3T 4Lz 4F+Lo+4F 4Lo // 4T+2T 4S 3A 3Lz =108.86
7.4Lz+4T 4Lz 4F+Lo+4F 4Lo // 4S 3A 3F+3T 3Lz =112.66

あれ???あんまり基礎点が上がらない。と言うか6の構成なんて全くお得じゃ無い。凄く拍子抜けになってしまった。
以前羽生の未来構成で4S+Lo+4Sの基礎点を超えるコンボがあるのかと書いたことがあった。でも4F飛べると可能だなと考えたんだけど、かなりがっかりです。何だろう凄くもったいない。後半ボーナスというものが結構大きいと言うことだけはよくわかりました。
7もやたらとコンボがしんどいだけであまり旨味がない。これなら4の構成で十分といった感じです。計算するまでは凄く楽しみだったのに・・・


結果的に前半4ジャンプ、コンボ早めという組み合わせでは思ったほど基礎点が上がらないと言うことがよくわかった結果だ。
5種羽生が飛べたらと言う仮定で計算したらもっと凄くなりそうだけどその場合は4Fじゃなくて4Aになりそうだし現実的じゃ無いのでやめておきます。
ちなみに7の構成で後半5ジャンプにすると113.86でスピンステップ18点とPCS88足しても微妙に220行かないという結果になりますが、羽生の最高点は超えます。そう思うと3クワドでその得点を出した羽生は凄かったんだなと改めて実感します。

 

ネイサンが大きなけがや体型変化がない限り今後も構成を上げるだろうということは予想できる。むしろ四大陸の結果を見れば当然だろうとすら感じる。何しろ基礎点で25点以上差があったのに結果的に4点ほどしか差はなかったのだ。
羽生がいい演技をしてもそれを上回って勝つことを想定するならば当然構成を上げなくてはならない。そしてネイサンは現在のところ4回転を着氷する確率は一番高い選手であるといえる。決して無謀な賭けではないのだ。羽生が計画的に構成を上げてきている実績があるわけだからますますその傾向は強まるだろう。

上位の選手がいい演技をしてもそれを上回って勝つことを想定して基礎点を上げるというのは4年前羽生が使った戦法だ。ただ羽生がチャンに対して留意したのはPCSの差だけだったと思う。エレメンツのGOEは羽生はチャンと同等かそれ以上稼ぐことができたからだ。基礎点で6点ほどの差をつけ後は自身がいい演技をすればよかった。

しかし対羽生をネイサンが想定するとPCS差だけでは足りない。羽生は良いジャンプをすればGOE+3が並ぶがネイサンはそこまでなかなかいかない実情がある。GOE差まで考慮するとどの程度の基礎点差が必要か、四大陸を思えばあればあるほどいいとしか言えないだろう。7クワドと思う気持ちはわからないでもないし、実際やってくる可能性は高い。どの程度まとめられるかは本当に未知数であるが平昌金メダルを本気で狙うとしたらやり遂げる覚悟はありそうな気がする。

それでもネイサン自身怪我明けのシーズンだ。怪我には十分気を付けて欲しい。ついでに着氷の技術ももう少し高めて欲しい。どうしても前傾になりやすい着氷は膝に負荷が多そうだと感じる。体か軽い少年体型時だけのジャンプとならないよう羽生やチャン・フェルナンデスような後方に綺麗に流れるようになって欲しいと願っている。

 

雑記―――コメントへのお返事

昨日の深夜2時前に3回にわたる非常に長文のコメントを書かれた方がいらっしゃいました。それは本当に長くてあの狭いコメント欄に良くこれだけ書いたなと感心すると共に、コメント欄そのものの容量にも驚いてしまいました。
月末で遅くなりましたがきちんと読ませて頂きました。長文お疲れ様でした。

 

ここまでの力作ですが非表示希望と言うことで承認できないことがとても残念に思ってしまいます。ただ何となくですが私の反応を求めていらっしゃる雰囲気がありますのでこちらでお返事させて頂きます。

 

コメントの内容を簡単に纏めると、私が書く文章から宇野に対して嫌いという印象を受ける。親御さんが見ている可能性もあるので貶めることはやめて欲しい、そういったものでした。直接話せるとありましたのでどうやら宇野の身近に居る方のようです。

 

おっしゃりたいことは理解しましたし以前の文章で書いた通り不快を感じたとしたら申し訳ないという気持ちはあります。
その一方で書かれたコメントから感じるのは偏見を持って読まれるとこういう風になっちゃうんだなぁというものです。諦めに近い気持ちを抱きました。
直接話せる方のようですのでおそらく宇野を大事に思っているのでしょう。それは構いませんし、擁護的な視点で読まれるのも当然だと思います。
しかし、書いてもいないことを勝手に付け加えて非難されるとそれはどうなのかなという心境にもなるのです。

 

一部分だけ引用しますとこんな文章がありました。

「1年くらい前にkamiyannさんが書いたブログに(世界選手権終わった頃でしょうか。)宇野のシットはもう少し早く腰を落とせ、着氷が汚い(これはずっと書いてますね)というのがあったかと思います。」

 

シットスピンの腰高については確かに何度か書いた覚えがあります。ただこれは別に宇野に対してだけでは無くハン・ヤンなど他の選手にも腰高傾向について書いています。
ただし腰高の指摘をしたときも頂いたコメントのようにもっと早く落とせなんて命令的な文章では無かったです。そうなれば良いなと思うことは書きますがそうしろなどと言うつもりは無いのです。もしそうする必要を感じたらブログなどでは無く直接実名で手紙でも書くでしょう。ここで書いているのはあくまで緩いスケートファンの感想や期待なのです。

 

さらにジャンプについては本当に首をかしげてしまいました。
私宇野の着氷が汚いなんて書いたっけ?しかも何度も???
思い出せないので1年ほどさかのぼって確認していまいました。

 

私が過去の記事で宇野のジャンプについて書いたのは主に2つの点です。
1つめは「宇野の高難度ジャンプは回転を止められないジャンプだ」と言うこと、もう一つは「体を開きながら降りる着氷が気持ち悪いと感じる」と言うことです。
回転を止められないジャンプというのはコントロールできていない未熟なジャンプであると言うこと、トップ選手としては問題なのではと思うのです。
そして体を開きながら降りるという点については非常に危険を感じます。見ていて背中がぞわぞわするような気持ち悪さを受けるのです。軸が上半身と下半身でゆがんでいるのでクリーンに見え無いだけで無く着氷におかしな力がかかり足首や膝への大きな負荷をもたらしている。必要な無い負荷は怪我を生み出す原因になります。怪我の危険を感じるものを見せられて落ち着いていられるのでしょうか?私はその方が気になります。
たまたま宇野は重心が低くその割に肩幅と体重が有り足首が柔らかくエッジコントロールが上手いためある程度上手く流せるのかもしれません。しかしもっと重心の高い選手が同じようにやろうとしたら怪我をする可能性が高い着氷の仕方です。
宇野は昨年末全日本チャンプとなりました。トップ選手というのは若い選手の見本になるべき存在なのです。あのジャンプで本当に良いのでしょうか?これが正しいジャンプだと勧められるのでしょうか?そういう疑問を感じるのでジャンプコーチを付けて良くして欲しいと何度も書いた覚えがあります。
しかしシニアに上がってもう二年、そんな気はさらさらなさそうなので最近はほとんど宇野のジャンプについて触れなくなりました。せいぜい「着氷はいつもの感じ」とか「いまいちな着氷」という程度だと思います。期待してはいけないのだなと感じたからです。それは貶めたわけでも何でも無い、単純に諦めた視点で見た感想なのです。


宇野について書いた文章を読み返して「貶めた」と受け取られるかもと思ったのはつい先日の「ネイサンや羽生の域に達していないと感じる」と書いた文章くらいです。しかしこれは実際リアルタイムで見ていた時に抱いた感想なので特に書き直すつもりはありません。まだ羽生とネイサンが演技前だったのに2転倒したあの演技で満足なんだ、と残念に思ったからです。

 

書き方についての受け取りは受け取る側の見方もあると思うのでそれについてはどうこう言うつもりはありません。同じ文章も立場によって感じ方は違うでしょうから。
ただ書いてもいないことを書いたと言われたり貶めていないものを貶めたと言われてもそう感じるなら読まない方が良いですよとしか言えません。
まして選手やその関係者にわざわざこんな辺境ブログに書かれたことを話題にする必要は無いのです。嫌な話題よりもっと建設的なことを伝えれば良いのに、と頂いたコメントを見て思いました。

応援する選手に対して喜ばしくないことを目にして不快になる気持ちはわからないでも無い。しかし書かれた言葉を曲解して大げさに受け止めるというのは問題だと思います。言いたいことはわからないでも無いです。しかし少し思い込みが激しすぎるなとも感じました。

 

今回私がお伝えしたかったことはこれだけです。
宇野のジャンプが好みじゃ無いと私が書くのは「着氷が汚い」からでは無い、「危険な着氷」だと思うからです。
クリーンなジャンプは怪我の防止につながると私は思っています。トップ選手として若手の選手の見本になれる技術を身につけて欲しいと願うのです。
貴方がもし宇野のジャンプがクリーンで無いと感じるのなら是非矯正を勧めて欲しいです。それがこれからの人生長くスケートをしていくための正しい道筋であると私は思います。

 

私は小学生のころミニバスとソフトボールをやっていました。しかし膝を痛め負担の大きなスポーツはできなくなりました。私の場合は怪我ではなかったのですがもうできないと理解したときは非常に悲しかった記憶があります。ですから不本意な怪我で競技をあきらめるようなことになってほしくないのです。

スポーツ選手に怪我なく頑張って欲しいと願うことは普通のことだと思います。危ないことはなるべく避けて欲しい。できるだけいい状態で試合に臨んで欲しい。私は全ての選手に対してそう願っています。

 

四大陸選手権上位5選手SPデータ

冬季アジア大会が開催中。女子の結果は把握しました。四大陸からの連戦が多く選手は大変。でも表彰台メンバーはそれぞれ良い演技をしていた。

本郷はジャンプがまともに決まらなかったのは残念だ。これで今季終了はつらいだろう。色々乱れている部分がありそうなのでいったんゆっくりして気持ちを切り替えて新たな目標に向かって頑張って欲しい。

一方男子は今のところ宇野・無良・ハン・ヤン・ボーヤン・テン・アブザルのみ映像を見つけた。四大陸組はやっぱりお疲れかな。ただハン・ヤンがすごくよかった。私の中ではハン・ヤン、無良、ボーヤンの順でいい演技だと思ったが基礎点が高いボーヤンが順位では上に来るでしょう。上位は僅差なのでFSで表彰台メンバーが決まる形だ。どの選手も怪我しないよう注意しながらもいい演技をしてほしい。

 

さて先日の騒ぎで四大陸のSPデータが保留になっていました。明日は更新できないのでひやひやしていますが上げておきます。獲得率は今回初めてだけど基本の形は2年前から変わってません。都合の良い数字などではなくこのブログではずっとこういう風にまとめてきているんです。

 

<予定構成>

1位 ネイサン・チェン  4Lz+3T 4F // 3A =39.55
2位 ボーヤン・ジン   4Lz+3T 3A // 4T =37.73
3位 宇野昌磨      4F 4T+3T // 3A =36.25
4位 羽生結弦      4Lo 4S+3T // 3A =36.15
5位 パトリック・チャン 4T+3T 3A // 3Lz =29.70

ここでは5位だが実際にはチャンより高い構成の選手はまだ何人もいた。チャンの構成はソチシーズンから変わっていない。ソチ五輪では2クワドはレイノルズだけ、基礎点30点超えたのは他に羽生とフェルナンデスだけだった。たった3年でここまで伸びるとは驚くしかない。5人の中で唯一SP1クワドのチャンも来季に2種にしてくるという情報がある。もしかしたら来季の五輪やワールドではSP2種飛ばないと最終グループに残れないかもしれない。


<実施構成>

                    実施内容          予定獲得率
1位 ネイサン・チェン  4Lz+3T 4F // 3A =39.55  100%
2位 ボーヤン・ジン   4Lz+3T 3A // 4T =37.73  100%
3位 宇野昌磨      4F 4T+3T // 3A =36.25   100%
4位 パトリック・チャン 4T< 3A // 3Lz+3T =27.83 93.70%
5位 羽生結弦      4Lo 2S+3T // 3A =26.95  74.55%

上位3名は予定通りにこなした。チャンは4TをUR転倒し3Lzをコンボに。単なる転倒であればむしろ高くなったりするリカバリだがURなので基礎点を落とした。
羽生は4Sが2Sに抜けたので9.2マイナス。3つしかないSPなのでぐっと比率は下がってしまう。ただそれでも3Tをつけてコンボにできたのでましなのかもしれない。見た目の印象はともかく基礎点的には2回転に抜けるくらいなら転倒の方がずっとましというのが今のルールだ。


<TES計>
              TES  減点  獲得点
1位 ネイサン・チェン  59.58
2位 宇野昌磨      56.07
3位 ボーヤン・ジン   51.26 
4位 羽生結弦      50.11
5位 パトリック・チャン 45.70 -1 =44.70

チャンと羽生はTESになると順位が変わる。これは転倒の-4とコンボのマイナスが大きい&2Sコンボに地味に加点がついているあたりによる。
ついでに基礎点では12点以上あったネイサンとの差も9.5ほどに縮んでいる。ボーヤンとは1点ほどしか変わらない・・・これは羽生に抜けたコンボ以外にGOEが多いという理由もあるがネイサン・ボーヤンの単独にステップがほとんどないためGOEがつかないからという側面もある。尤もこの二人は基礎点の高さを求めているのでステップ減点はあっても仕方ないと思っているだろう。羽生としては本来単独のGOEの高さで4Lz組との基礎点差を埋める予定だったはず。ワールドでその強みを見せて欲しい。
マイナスエレメンツが1つもなかったネイサンが1位、1つの宇野が2位、1つだったけど転倒に近い減点のボーヤンが3位、1つだけど抜けて大幅基礎点ダウンの羽生が4位、転倒とコンボミスのチャンが5位とある意味では分かりやすい順位となっている。


<ジャンプ得点計>
             TES 減点 獲得点  予定構成獲得率  実施構成獲得率
1位 ネイサン・チャン  41.92           105.99%    105.99%
2位 宇野昌磨      38.76           106.92%    106.92%
3位 ボーヤン・ジン   35.76            94.78%       94.78%
4位 羽生結弦      32.94            91.12%     122.22%
5位 パトリック・チャン 24.72  -1 =23.72    79.87%       85.23%

構成率でみるとネイサンよりも宇野の方がGOEがついていることがわかる。宇野は今季初めて決まった4Tコンボと3Aで4Fのマイナスを補った形だ。
さすがに3つしかない要素で9点以上を失ったため羽生は予定構成では90%程度しか予定構成を得られなかったが実構成率ではやはり断トツ。抜けコンボですらプラスがついた&決まればGOE2以上が確実につく質の良さというところがこの数字を生み出している。
チャンは2ジャンプにマイナスがついているためジャンプではあまり稼げていない。高構成が幾人も出てくると自分の構成を確実に決めていけないとSPで上位に残るのが難しい時代だ。

 

<スピン得点計>

1位 パトリック・チャン 12.98 ALLレベル4
2位 羽生結弦      12.44 レベル4 2つ レベル3 1つ
3位 ネイサン・チェン  12.06 ALLレベル4
4位 宇野昌磨      11.91 ALLレベル4
5位 ボーヤン・ジン   10.40 レベル4 1つ レベル3 2つ

チャンは3つ全てでGOE+2以上という素晴らしい出来だった。
羽生はコンボミスでキャメル8回転に足りず。タイミング的にはNHK杯の時が一番合っていたと思うので頭を撃つ振りはやめた方が良いと思う。
FSで1位だった宇野はSPでは4位。もともとシットはGOEがつきにくい傾向があるがラストのコンボもGOEが低めだった。トラベリングが酷かったからだろう。
ボーヤンはとりあえずレベルを確保したい。キャメル姿勢があまり綺麗じゃ無い&回転にぶれがあるのでやっぱりGOEは付きにくいと感じる。スピードは悪くないと思うのでその辺りを強化したい。
それにしてもスピン中に上半身のみ映すのはやめてくれないか。足下や姿勢が確認できないじゃないか!

 

<ステップ計>

1位 パトリック・チャン 6.00 レベル4
2位 ネイサン・チェン  5.60 レベル4
3位 宇野昌磨      5.40 レベル4
4位 ボーヤン・ジン   5.10 レベル4
5位 羽生結弦      4.73 レベル3

ステップはレベルでGOEの係数が変わるので何よりレベルを確保することが大事。羽生は満点に近いGOEを貰っていてもレベル4の4人には及ばない。
チャンは納得のGOE満点で1位。宇野は平均的に+2評価でネイサンは宇野よりばらけた評価だが3を付けているジャッジが多くて上になっている。
ボーヤンもFSに比べればステップのGOEは付いている。スピードもあるし動きが大きいのでスピンに比べればそれ程他の選手と差が開かない。とにかくステップはレベルが大事。

 

<GOE計>
            ジャンプ  スピン   ステップ   合計
1位 羽生結弦      5.99          +3.14       +1.43    =10.59
2位 ネイサン・チェン  2.37          +2.36       +1.70    =  6.43
3位 宇野昌磨      2.51          +2.21       +1.50    =  6.22
4位 パトリック・チャン  -3.11          +3.28        +2.10   =  2.27
5位 ボーヤン・ジン    -1.97          +1.50        +1.20   =  0.73

ジャンプ2ミスで大きなマイナスを受けたが他2項目でトップGOEを稼ぎボーヤンを上回ってしまうチャンの強さが見える。
それでも今回は単独ジャンプ前のステップを厳しくとるジャッジがあまり居なかったのでネイサンもボーヤンも宇野もは多少救われているかもしれない。

そのステップからの単独ジャンプをきちんと入れられるところが羽生がこの項目でトップになれる強さとなっている。単独前のステップを厳しくとるならこの差は更に広がるが基礎点の高いジャンプを飛べばそれで埋め合わせできると考えて若手は高難度を入れてきている。
ステップやスピンは要件が足りなければ基礎点が下がるのだからSPに関してはジャンプもそうしたら良いのにと思わないことも無い状況だ。

 

<PCS>
                                              SS TR PE  CO IN  合計
1位 羽生結弦      9.46    9.25    9.29    9.39    9.54    46.93
2位 パトリック・チャン 9.18    9.11    8.93    9.25    9.29    45.76
3位 宇野昌磨      8.96    8.64    8.89    8.79    8.93    44.21
4位 ネイサン・チェン  8.68    8.50    8.93    8.75    8.68    43.54
5位 ボーヤン・ジン   8.18    7.68    8.21    7.93    8.07    40.07

羽生は4Sが2Sになっただけで要素抜けにはならなかった。ミスがあったチャンよりは1点以上高い評価を受けている。昨季までは羽生の場合割とCOとINが似た数字になっていたが今季SPはINが高いのが印象的だ。
チャンは転倒とコンボと2つ大きなミスしているのでPEが9点台に乗らなかったのは仕方ない。それにしても昨季までを思えばSSがひどく低い印象がある。
宇野とネイサンはPEのみネイサンが上という結果に。宇野は単独でミスっているので実行力という意味では上回ったのも妥当だろう。ただSSとIN以外はほとんど評価は変わらない。ネイサンは今季シニア入りしてまだ実績が無いが今回タイトルを取り宇野に2連勝したことで今後は更に近くなるまたは逆転するという現象も起きてくるかもしれない。
ボーヤンは平均8点台、TRは他選手に比べて差があるため低いのは仕方ない。ただスケーティングは昨季に比べて格段に良くなっているのでノーミスできればもう少し上がりそう。今のところ昨季のような安定したジャンプが飛べていないため伸び悩んでいる感じだ。

 

 

SPは要素の数が少ないので取りこぼしが少なかった者が上位に立つ。そういう意味ではネイサン(ジャンプノーミスALLレベル4)が1位宇野(ジャンプ1ミスALLレベル4)が2位なのは妥当といえる。
ただスピンステップ取りこぼし4Sが2Sに抜けた羽生が3位に入ってしまうところはさすがというしかない。PCSに優位性があるといっても失った基礎点からすればそこまでの差はないのだから。
チャンは構成が弱いためとにかくノーミスするしか無い。PCSも宇野とは1.5,ネイサンとは2点ほどしか無い。質の良い要素を行いより多くGOEを得ないとSPで差を付けられてしまう。来季2クワド構成にするという情報もあるが取り残されないためには必要なのかもしれない。
ボーヤンは構成の優位性が無くなってしまったためなかなか上位は厳しい状況だ。ジャンプも稼ぎ頭の4Lzがクリーンに着氷できていないことが痛い。今は我慢の時でネイサン・宇野に離されないようついて行くしか無いといった感じだ。

回転数の違うジャンプを飛ぶということ

四大陸は面白い大会だった。特に最終グループはアクセルを除く5種のクワドが飛び交う空中戦で最後まで誰が勝つかわからない熾烈な争いになった。
その試合を見終わって私は思った。
そろそろ誰か答えを出してくれないかぁ、と。

 

四回転論争を引き起こしたバンクーバー五輪の後再び4回転が活発に飛ばれるようになったきっかけはパトリック・チャンだった。優勝大本命の彼がプログラムに入れたことでそれを打ち勝つためには飛ばなけれないけなくなったからだ。
そして羽生やコフトゥン、ハン・ヤンといったジュニアから上がってくる選手が当然のように飛んでくるとよりその流れが加速していくことになる。


現在も現役の選手の中でいち早く多種クワドをプログラムに入れてきたのはケヴィン・レイノルズハビエル・フェルナンデスだ。
もっともレイノルズはあまり成功率が高くなく着氷しても回転不足を取られることが多かった。入れたからといってもそう大きく点数を伸ばすのはなかなかに困難だったように思う。4回転というジャンプは本当に難しいんだな、とレイノルズを見て思ったものだ。


フェルナンデスはレイノルズよりは成功率は良かったが試合ごとに結果の波が大きかった。大きく下位に沈む試合もあれば表彰台近くまで行くこともあるというように。4回転はわりに決めるのに簡単な3回転でミスる、そういう試合を結構見た記憶がある。
ある時解説(誰かは忘れたが)が「彼は4回転を回る体になっている。だから3回転で回転を止められない」みたいなことを言ったことがあって、4回転ってそういう影響もあるんだと驚いたこともあった。

4回転の感覚が染みついているのなら全部のジャンプ4回転で飛べばいいじゃん、なんて意地悪なことを思わなかったのはキスクラで疲れましたーという表情のフェルナンデスを見ていたからだ。その姿を見るたびに4回転って本当に大変なんだとつくづく感じたものだった。
世界王者となった今のフェルナンデスから思えば、あの当時は十分な練習ができてなくて体力がなかったこととジャンプの技術が未熟だったことが原因だったのだろう。それを手に入れた今はもう4回転降りて簡単な3回転でボロボロになるなんてことはない。
だからあの時解説の人が言っていたように4回転を割と成功させて3回転で良くミスするなんてことは過去のフェルナンデス以外には・・・いやいるな、コフトゥンとかコフトゥンとか無良とかアーロンとか・・・・・・いや、彼らは別に3回転を止められないわけじゃないだろう・・・とりあえず彼らの問題は今回は置いておこう。

 

4回転について3回転の延長上のジャンプという意見を聞いたことがある、一方で3回転と4回転は全く異なるジャンプだと話してる人もいたような気がする。本当のところどうなんだろう?いつか4回転を飛ぶ選手が教えてくれないかなぁといつのころからか思うようになった。

 

4回転ではないが、かなり以前から3Aが得意な無良と羽生は2Aが飛べないという話をネット上で見かける。実際に無良はTVでそれは本当だというようなことを口にしていた。羽生はどうか知らないが少なくともソチの前から練習でも2Aを飛んでいるのを見たことがないので案外本当にそういうこともあるのかもしれない。
それとは別に少し前のことだが何かのショーでハン・ヤンが3Tを飛べないみたいなことを話していた。コンボではつけているのでこの場合の飛べないはファーストジャンプとしてという意味だろう。
そして2014-15シーズンだったか3Lzにミスが多い理由を聞かれて羽生が4Lzを練習してたから、みたいなことを口にしてファンを騒然とさせたこともあった。
回転数の多いジャンプを得ようとすると飛べたジャンプに影響が出てくるものなのか、とこういう話を耳にするたびに思ったものだ。

だとするのなら回転数を増やしたジャンプを飛ぶというのはそれまでのジャンプの延長上にあるってことなのかな、と考えたものだった。

 

しかし昨季再びその考えは違うのか?と思うことになる。ボーヤン・ジンシニアデビューによって。


ボーヤンは昨季いきなり4Lzコンボを決め一躍注目を浴びた。ところが彼のFSには3Lzが別に入っていた。4Lzは着氷が乱れることがあっても回転不足になることもなく3Lzコンボも公式戦ではしっかり決めていた。着氷の技術がいまいちでステップアウトや詰まったりすることはあるけれど回転数そのものはクリーンなジャンプをシーズンを通して飛んだのだ。
回転増やすと感覚って影響受けるものじゃないの???とボーヤンの演技を見るたびに頭をひねったものだった。
ただボーヤンは明らかに人とは違うジャンプの才能があるので特異的な存在なのかもしれない、ととりあえずあまり考えないようにしていた気がする。

 

そして今季そのボーヤンをさらに超えるネイサンが登場する。ルッツもフリップも2つの回転数をFSに入れてきた。4回転の方は時に転倒することもあるが3回転はしっかり飛んでいるネイサンを見て思ったのだ。


この子たちは3回転と4回転の飛び方の違いを認識しているのだろうか?と。

 

つまりは体力があるときに飛べば4回転が飛べて疲れてくると自然に3回転になるのか、それとも今は3回転次は4回転というようにきちんと違う飛び方が彼らの中に感覚としてあるのかどうか?ということだ。

 

ボーヤン一人の時は前者かなぁとなんとなく思っていたのだがネイサンが登場すると後者の方が正しい気がしてくる。だとすると彼らにとって3回転と4回転のジャンプは延長上のジャンプでではなく全く違うジャンプということになる。だからより多回転を飛んでもそれまで飛んできたジャンプに影響がでない。

 

こうしてもはや女子の3回転のように当たり前に多くの4回転を飛ぶようになってきたのだからそろそろその答えを誰か出してくれないだろうかと思うのはいけないだろうか?

別に違いそのものの内容を知りたいわけじゃない。聞いても多分わからないだろうし。ただ仮にボーヤンやネイサンがこう飛べば4回転になり3回転がこう飛ぶといったような違いを持っているのならそれがあるかどうかだけを知りたいのだ。それとも延長線上のジャンプで少し大きく飛ぶとか高く飛ぶといった感覚の違いだけ、よりハードなだけのジャンプなのかどうかを。

 

現役時代に練習ですべての4回転を飛んだと噂される本田氏でも今でも練習すれば4回転が飛べる織田氏でもいい。別の記者でもフィギュアライターの誰かでもいい。多種クワドを飛ぶ選手に答えがどちらか聞いてもらえないだろうか?

あなたにとって4回転ジャンプとはどんなジャンプなのか、3回転ジャンプとどう違うのかと。気になりだしてから長い時間を経たこの疑問、今その答えを切望している。

 

雑記

昨日のアクセス数が30976となってました。はっきり覚えていませんがこれまでの最高が4500くらいだったので桁違いの数字です。頂いたコメントも読んでおります。厳しいコメントもいくつかいただいています。「都合の良い数字・・・」などと書かれているところをみるとおそらく初めてここにきて当該記事前後のみ読まれたのだろうと感じます。特にお返事はしませんがご意見は受け止めましたと申し上げておきます。頂いたコメントは肯定も否定も体裁が問題なさそうなものは全て承認しておきます。

 

私はツイッターのアカウントを持っています。昨日の19時頃私の記事を紹介したツイが私のアカウントにも流れてきました。そのことはコメントで教えてくださった方がいたので知っていたのですが、そのあとにそこから読まれたらしい方が「陰〇論めいている」とか「好みじゃないと先に書けばいいのに」とか書かれたツイがいくつも流れてきてガクッと肩を落としました。ここに頂いたコメントに対してこういう場合はこうしようとか対応を考えた後だったのでそこに書くのかとさすがに脱力してしまいました。正面に対して心構えしたら後頭部を殴られた感じです。

 

以前書いたことがあるような気もするのですがひと昔以上前に全く違うジャンルのサイトを作っていたことがあります。検索サイトに登録しまして同じ趣味の方とやり取りしたりしていました。当時は掲示板で交流をしていたのですが1年半から2年ほど経った頃でしょうかもめごとが起こりました。もともと志向が異なっていたお二人がぶつかり合ってしまったのです。一度収まってもまたすぐ別のことでぶつかる。そのうちに他の方もまじりあって収拾がつかなくなって閉めざるを得なくなりました。私がうまく立ち回れればよかったのですがもめ始めた原因に全くかかわっていなかったため手が出しにくく役割を果たすことができませんでした。

 

2015年の世界選手権のあとこのブログを始めたのですがそういう経験もあってどこにもかかわらないようにしたい、あくまで私個人の日記として書きたいとそういった検索サイトには登録しませんでした。それでも無料ブログなので何かしら引っかかってしまいます。それは仕方ないことです。ですので辿りついた方が私が書いた文章に対して批判することを否定するつもりはありません。不快に感じた人がいた、それは理解しました。

 

さて今日からフィギュアがアジア大会で始まります。

ただ今回はこの大会について感想などを書かないと思います。今回の件でメンタルをやられたから・・・ということが全くないわけではないのですが単純に見れる環境にないからです。何度かここに来たことがある方ならご存じだと思いますが私のテレビBSは映るのですが録画できないのです。土日は予定がありますし、今日明日も時間的に見るのは無理そうです。あとで動画を見つけたら見ようと思っていますがいつになるかわかりませんので・・・

 

それにしてもネットというものは本当に難しいものです。繋がらないようにしても繋がっていて伝わるように見えて全く伝わらない。顔が見えない世界だけにその怖さだけを改めて実感しました。