つれづれなるままに・・・

日々の思ったことを綴っていきます。

シーズンが動き出す

 

8月に入りました。試合もいよいよ始まります。
 
毎年クリケットで行われる公開練習もそろそろでしょうからまもなく羽生のFS曲も判明するでしょう。
SP曲が判明する前に私が予想していたのはSPがトスカ、FSがオペラ座の怪人でした。五輪シーズンでありますので両方が新作というのはないと思っていました。ただクレイジー持ち越しというのはないと思ったのでSPが新作になるだろうと予想したわけです。FSは五輪が韓国ということでSEIMEIではないと思い3度目のロミジュリもあるかもながらノーミス演技がなかったオペラ座と予想したわけです。
結果的に3度目のバラ1がSPだったのでおそらくFSが新作になるのでしょう。カルミナとかありそうですがどうなるのでしょう。案外あまり使われてこなかった曲を選びそうな気もするのですがなんにせよ楽しみです。
 
フェルナンデスはSPがチャップリンメドレー、FSがラ・マンチャの男で発表されました。SPの方はすでにFaOIで滑っていますが衣装のためか今のところあまりピンと来てないです。そもそもチャップリンの場合ライムライトがないとらしさが出ないというか・・・チャンプリンは喜劇王と呼ばれましたがどこか常にもの悲しさを漂わせていたので音楽でそれを感じられる曲がないとなんとなく物足りないという気がするんですよね。ただSPですからそう多くの曲を入れることもできなかったのでしょう。衣装も変わるでしょうしただ面白いだけではないフェルナンデスの演技を見せて欲しいと思います。
ラ・マンチャの男はスペイン人らしい選曲ですね。色々な音源がありますがどのアレンジを使うのでしょうか。スペイン人をイメージした曲でフェルナンデスの夢の五輪のメダルを掴めることを願っています。
 
チャンはハレルヤという情報を耳にしたのですが確定なのかな?ハレルヤはカナダ人にとっては特別なのだそうで五輪という舞台で代表選手が滑るのには応援しがいがあるかもしれません。新たな4回転を入れるということですが滑りの良さを生かしたままであることを願います。あのカーブでぐぃーんと伸びる滑りこそが魅力ですのでそれを堪能できる振付だと嬉しいです。

冷え対策とリハビリの効果かだいぶヘルニアの痛みは軽減してきました。
そろそろ試合の情報も出てきますしぼちぼち書いていこうかと思います。
大した内容でもないですがよろしくお願いいたします。
 

雑記―――きわめて個人的な悩み

この記事にフィギュアスケートは全く関係ありません。

 

 

 

7月に入り本格的に暑くなってきた頃から両肩に何かのしかかっているような感触に悩まされてきました。原因はクーラー。私の勤務先は昨年の夏の終わりにリフォームを行いましてその際クーラーも新しいものに付け替えられました。その前は取り付けて軽く20年を超える音がでかく電気代を食うわりには向いているところしか涼しくならないという効率の悪い代物だったのですが新しくしたことのよって部屋全体に効果が出るようになりました。それでもやはり一番近いところが冷えることは間違いないわけでクーラーの真下の私の席は設定26度でもかなり冷気を感じる。結果、両肩にクーラーが乗っているみたいな感じになってしまいました。

これはまずいということで肩こりにいいストレッチや肩こり改善のネックレスなどしていたのですがなかなか良くならない。それどころか10日過ぎ頃から首の左側から背中にかけて痛みを感じるようになってしまいました。当初は寝違えたのかと短絡的に考えていたのですが3日経っても痛みは消えない、それどころか月の後半に入ると左腕に痛みやしびれを感じるようになってしまいました。

首や背中の痛みの頃はいいマッサージか整体でも行った方がいいのかなと考えていたのですが腕のしびれまで来ると医者に行ったほうがいいと整形外科に行くことにしました。その結果「頸椎椎間板ヘルニア」という診断を頂きました。首の骨の1か所間隔が狭くなっているところがあってそこにちょうど腕に行く神経があるためしびれや痛みを感じるのだそうです。3か月ほどリハビリに通ってくださいと言われてしまいました。

私は実は右利きなのですが右手の握力が学生時代でも12キロほど、2年ほど前に測定したときは8キロもありませんでした。一般的に人は利き手の方が握力が高いそうなのですが私の人生の中で右手の握力が左手を上回ったことは一度もありません。単純に子供の頃からそうだった、というだけで原因も良くわかりません。そんなわけで右手に力が入らないとかしびれを感じるということについては今更驚きも困惑もしないのですが今回全くノーマークだった左腕の痛みやしびれに非常に戸惑っております。痛みだけならまだいいのですがしびれてくると弁当箱の蓋も開けないほど力が入らない時もある。両手が常時そんな状態になってしまうと今後生活に支障が出てくるので老後を考えるとかなり悲観的になってしまいます。

痛みやしびれはやはり冷えると強く感じます。そんなわけで今仕事では事務所にいるときは上着を着て仕事をしています。室内にいるときに上着を着て外に出ると脱ぐという相反する使用をしているのですが、席が移ることもできず私のためにクーラーを止めてくれるわけもないので仕方ありません。

新プログラムの情報など色々出てきますが、現在こんな状態のため自宅ではパソコンの使用をできるだけ自粛しております。そんなわけで現在こちらも放置状態となっております。コメントなどお返事が遅くなってしまい申し訳ありません。

今年は暑い夏のようでクーラーの使用も長期間になりそうです。年齢を重ねればいろいろ不調も出てくるものですので何とかうまい落としどころに収まって欲しいとリハビリをしながら願っております。

新年あけました―――DOIの感想など

2016-17シーズンで私が見た中で最も好きだったプログラムはケイトリン・オズモンドのSPだった。初めて見た時非常に喜んだ覚えがある。「私が見たいフィギュアスケート女子シングルってこういう演技だわ!」と久々に感じたからだ。

ジャンプの成否が勝利を大きく左右するようになってすっかり少女潮流になってしまった女子シングル。軽やかに元気に躍動する姿も楽しいがそれでもヴィットから入った私には物足りなく感じることが多くなった。せめてEXで違ったものが見たいなと思ってもせいぜい少女が少し背伸びしたしっとり演技になるくらいだ。悪くないけどなんか違うんだよな・・・そういう印象が付きまとうシーズンをいくつも越えてきた。

そんな中で見たオズモンドのSPは本当に久しぶりの「大人の女性の美しさやおしゃれ感」満載のプログラムだった。今現在でも十分素晴らしいが10年後にジャンプの難度を落として滑ったとしてもきっとさらに美しいプログラムになっているのだろうな、そう思えるプログラムだった。音楽・振り付け・オズモンドの個性・衣装や化粧すべてが好きだと感じた。来季もぜひこの路線のプログラムをお願いしたい。持ち越しさえ期待してしまいます。

 

さて年が改まりはらはらどきどきの五輪シーズンがスタートしました。新プロ情報もぼちぼち判明しています。

DOIは放送が見れなかったんでちょろちょろ動画探して見ています。ネイサンちょっと背が伸びた?髪型のせいかもしれないけどちょっと大人びたというかおっさん臭い印象が。たださすがアメリカン、魅せるショースターをしっかり演じていました。そういうところは日本の若手は少し弱いな。男子だけではなく女子も全体的に。昔に比べればショー慣れしている感じはするけど盛り上げる盛り上がるというよりはかわいさアピール的な印象に収まっている。外国人スケーターを見てしまうとなんか違うなとあまり昔から変わらない感想を抱いてしまいます。新作が多いのでこれから進化することを期待します。

そんな中世界女王のメドベデワはやはり違うな、と映像を見て思いました。どちらかといえば女優派スケーターの部類に入りプログラムも好みではないことが多いのですが、それでも見るとやはりすごいなという感想を抱きます。彼女のすごさは足元の多彩さ、ジャンプした後何もしないことはほとんどないという技術力の高さと安定性、更にそれを難しいと感じさせない滑らかさでしょう。それはこの2シーズン十分認識してきました。

今回のDOIでそれ以上に印象的だったのは彼女の非常に優れた体の動きでした。腕を伸ばす足を上げる体を反らす、何をするにつけピタっピタッと形がきまる、曖昧なポージングが全くないそのコントロールされた肉体にとても感銘を受けました。動きの滑らかな美しさや華という点では本田真凜にも可能性を感じますが、美しい動き・整えられた美の形状・的確な表現ができる肉体という点ではまだ差があるなと思いました。

もちろん同じプロセスでプログラムや体を作っていくわけではないので本田をはじめとする日本選手もそれぞれの求める「美」や「形」を作っていけばいいのです。ただメドベデワにはプロセスと形を結びつける法則というか肉体のコントロールの仕方やメンテナンスの仕様がどういうものかわからないけどあるのだなと感じました。調子がいいからミスしないではない確固たる自信につながる何か、それこそがこの2シーズン勝ちまくった強さなのかもしれないとアンナ・カレーニナを見て感じました。

女子はやはり今シーズンもメドベデワを中心に回りそうです。そしてジュニア女王のザギトワは2プロ持越しでシニア入りします。あの後半固め打ち構成を安定して飛べば上位に十分入ってくることでしょう。そして昨季ワールド銀銅のカナダ勢も怖い存在です。特にロシアとカナダは団体戦の金メダルを争います。メダル2つ獲得できる可能性の高い彼女たちのモチベーションは高いでしょう。

怪我から復帰する宮原、シニア入りの本田・坂本・白岩、昨季飛躍した三原、昨季伸び悩んだ本郷・樋口、日本人選手は代表が誰になっても初五輪となります。フィギュア最高の大会でどこまで自分の演技ができるか、確実な強さを求めてその若い力で伸びていって欲しいです。

 

 

 

 

 

 

 

こっそり願望を書くと個人的にはできれば(男女問わず)日本人選手のプログラムにタンゴやフラメンコがあまりないといい、と思っています。昨年の全日本男子シングルですごく多くて・・・でも何か違うと違和感を感じてしまいます。日本のマスコミやコーチ陣の言う「表現力」とフィギュアスケートの求める表現力にはかなりの齟齬がある気がします。そしてそれを最も感じるのがタンゴやフラメンコといったわかりやすい振付というか型のある曲・・・なぜか日本人選手は昔から多くの選手が選ぶ傾向があるのですが見ている側としてはよほど舞踊の才がなければあまり選ばない方がいいのではと個人的に思っています。

 

 

年が明ける前に―――「実績」のおさらい

まもなく年が変わる。2017-18シーズンは五輪年という最も大事なシーズンだ。そのシーズンを前に現在の現役選手の実績を振り返っておく。
フィギュアスケートにおいて「実績」はかなり大事な要素だ。現役中だけではなく引退後にもタイトルやメダルを持っていることは響いてくる。

<大会別順位>
順位はタイトルを持っていることが優先、大会としては五輪>ワールド>ユーロ=4CC>GPFの順で判断。同じメダル数の場合は出場回数が少ない方が上位となっている。
                       ユーロ/
           五輪  ワールド    4CC    GPF   出場回数
1位 羽生 結弦   金1 金2銀2銅1    銀3   金4銀1   1/6/3/6
2位 P・チャン   銀1 金3銀2    金3     金2銀1銅1 2/8/4/8
3位 フェルナンデス    金2  銅2  金5       銀2銅1 2/11/11/5
4位 デニス・テン  銅1   銀1銅1  金1            2/8/6/0
5位 N・チェン              金1       銀1   0/1/1/1
6位 レイノルズ              金1  銅1        1/6/6/0
7位 無良 崇人              金1            0/3/5/1
8位 A・リッポン             金1            0/4/5/1
9位 宇野 昌磨        銀1        銅1     銅2 0/2/3/2
10位 ボーヤン・ジン        銅2    銀1          0/2/2/1
11位 コフトゥン                銀2銅1        0/5/5/2
12位 ヴォロノフ                銀1銅1     銅1 0/6/7/1
13位 J・ファリス               銀1          0/1/2/0
14位 ビチェンコ                銀1          1/6/6/0
15位 ハン・ヤン                  銅3        1/3/4/1
16位 コリャダー                  銅1        0/2/2/0
17位 ロス・マイナー                銅1        0/2/3/0
18位 M・ブレジナ                 銅1        2/8/10/1
 
 現在現役の選手でチャンピオンシップとGPFのメダルを持っているのは上記の18選手となっている。1個だけという選手が案外いたため予想以上の人数になった。ユーロもしくは4CCではワールドやGPFより表彰台に上がりやすい部分があるのだろう。強い選手と呼ばれるためにはそれ以外の試合でも表彰台に上がる必要がある。そういう意味では羽生・フェルナンデス・チャンのPCS3強が実績においても強いことが良くわかる。
タイトルを持っているという点においてワールドでメダルを取った宇野やボーヤンもまだ無良やリッポンを抜けていない。尤もこの二人がタイトルを持っていてもあまり重要視されないのは五輪シーズンの優勝という点もあったりする。欧州の選手は五輪があってもユーロに出場することが多いが五輪と近い4CCは辞退することが多い。有力選手のいない大会での勝利ということでマスコミの報道などでもあまり大きくとられていない現状がある。ただタイトルを取ったという「実績」はあるのは変わりない。
 

<メダル獲得数順位>
 
1位 羽生 結弦    金7銀6銅1 14個 
2位 P・チャン    金8銀4銅1 13個 
3位 フェルナンデス  金7銀4銅3 12個    
4位 デニス・テン   金1銀1銅2  4個 
5位 宇野 昌磨      銀1銅3  4個
6位 コフトゥン      銀2銅1  3個
7位 ボーヤン・ジン    銀1銅2  3個
8位 ヴォロノフ      銀1銅2  3個
9位 ハン・ヤン        銅3  3個
10位 N・チェン    金1銀1    2個 
11位 レイノルズ    金1  銅1  2個
 
12位以降は1個なので割愛。それにしても上位3人のぶっちぎり感がすごい。ここ7年ほど期間の上位がほぼこの3人で占められてきたことが良くわかる。それなのにこの3人が同時に乗った表彰台が一度もないというのが不思議だ。
3シーズン前まではこの3人にテンを含めて4強と言うことがあったが、実績で見てしまうと少し物足りない感じだ。怪我などの原因でGPFに一度も出場できていないことも大きい。
そして羽生の金銀獲得数の多さ。マスコミが絶対王者などと呼ぶほど毎回勝っているわけではないがそれでも2位で3位以下がほとんどないということが良くわかる。フェルナンデスも金メダル数では並ぶがユーロの5連覇が大きく羽生やチャンがいる試合では2015-16のワールド連覇以外では勝てていないということになっている。
4位以下はメダル数では差がないがここ2年のシニア入りした若者たちとそれ以前から頑張っているベテラン勢と2極化している現状が見て取れる。

<メダル獲得点順位>
 
金3銀2銅1で計算し出場した試合数で割る順位。1未満だと平均順位が3位以下となり逆に3に近いほど金メダル獲得率が高いということになる。
ついでに台乗り率も上げておく。これは単純に出場した試合数に対して表彰台に上がった数を割ったものだ。
                
1位 羽生 結弦   34/16=2.125 台乗り率 14/16=87.50%
2位 N・チャン    5/ 3=1.667 台乗り率  2/ 3=66.67%
3位 P・チャン   34/22=1.591 台乗り率 13/22=59.09%
4位 フェルナンデス 28/29=0.966 台乗り率 12/29=41.38%
5位 ボーヤン・ジン  4/ 5=0.800 台乗り率  3/ 5=60.00%
6位 宇野 昌磨    5/ 7=0.714 台乗り率  4/ 7=57.14%  
7位 J・ファリス   2/ 3=0.667 台乗り率  1/ 3=33.33%
8位 デニス・テン   7/16=0.438 台乗り率  4/16=25.00%
9位 コフトゥン    5/12=0.417 台乗り率  3/12=25.00% 
10位 ハン・ヤン    3/ 9=0.333 台乗り率  3/ 9=33.33%
11位 レイノルズ    4/13=0.308 台乗り率  2/13=15.38%
 
台乗り率はどうしてもベテラン勢は悪くなる。特にフェルナンデスは早くから世界選手権やユーロに出ていたためかなり不利な結果となった。メダルを獲得しているここ6シーズンで計算すると28/18=1.556と順位は変わらないが3位以上を確保した数字となる。台乗り率では12/18=66.67とネイサンと同率になる。
一方試合数の少ないシニアに上がりたてで上位に何度か来たことがある選手には優位な順位となっている。
その中で光る羽生のメダル獲得点と台乗り率の高さ。試合数の少ない若手をぶっちぎってしまう非常に安定した成績を上げている選手だといえる。それなのに若手に脅かされて不安定な選手的な報道が多いのが非常に疑問に感じる。
ここで初めてボーヤンが宇野を上回った。出場試合数の違いによるものだがGPFを抜かしたチャンピオンシップだとまだボーヤンの方がメダル獲得率が上ということになる。
そしてファリスがここでジャンプアップしてくる。単純に出場試合が少ないためだが若くして引退というのはもったいないなと感じさせる。復帰するという嬉しい情報が入っているのでぜひ頑張って欲しい。

<順位点ランキング>

実際の順位を合計し試合数で割る。同率の場合は試合数の多い方が上位とする。
 
1位 羽生 結弦    30/16=1.875位 7シーズン
2位 P・チャン    66/22=3.000位 9シーズン
3位 N・チェン     9/ 3=3.000位 1シーズン
4位 ボーヤン・ジン  18/ 5=3.600位 2シーズン
5位 宇野 昌磨    27/ 7=3.857位 3シーズン(シニア2年だが4大陸に3回出場している)
6位 J・ファリス   19/ 3=6.333位 2シーズン
7位 コフトゥン    83/12=6.917位 5シーズン
8位 デニス・テン  130/16=8.125位 9シーズン
9位 ハン・ヤン    75/ 9=8.333位 5シーズン(シニア4年、4大陸にその前年も出場している)
10位 フェルナンデス 244/29=8.413位 11シーズン
 
羽生が飛びぬけていて次に5位と6位で境界があることがわかる。しかしデニス・テンとフェルナンデスはジュニア時代からシニアのチャンピオンシップに出場しているため非常に数字が悪くなっているという状況がある。
羽生と同じ7シーズンにするとテン79/11=7.182位、フェルナンデス70/20=3.500位とテンはともかくフェルナンデスは格段に上がる。更に6シーズンに限定するとテン65/10=6.500位と少し上がるだけだがフェルナンデスは51/18=2.833位と羽生に次ぐ数字となる。テンは五輪を挟んだ4年間のみ際立った成績を出しているだけだがフェルナンデスは今シーズン若干下がったもののこの6シーズンはほぼ台乗りしていたということが良くわかる数字となっている。
チャンもこの2シーズン数字を落とし気味ではあるが、実績という点ではまだ若手に負けていない。どちらかといえば伸び盛りの若者が優位だがベテランがどこまで踏みとどまり壁となるのかも非常に楽しみではある。
ファリスのように一時期だけ良いということは若手には時々ある。継続的に何年もトップを張れるかはまだ未知数だ。そういう意味では羽生・チャン・フェルナンデスはここ数年にわたる確実な力があると証明しているのかもしれない。
 

        

2017-18シーズン GPSアサインに寄せて

なかなか予定が出なかった割にアサインの発表が早かったGPS。これはおそらく五輪シーズンだからでしょう。ルール改正なども併せて早めに発表されています。
今回は日本GPFのため久々にNHK杯がラストを免れました。4年ぶりかな。本当はGPS6会場毎年順番が変わることが望ましいのですがなかなかそうならない。色々各国スケ連の思惑が絡んでいるのでしょう。
そして五輪シーズンのGPS/GPFは非常に大事な大会だ。何しろ男子シングルにおいてはGPFで金メダルを取った者は五輪で銀メダル以上を獲得している結果がある。女子には全く関係ないのだが男子シングルにおいてはジンクスに近い状態となっている。五輪の情勢を占う意味でも重要な戦いとなってくる。
昨季際立って高い得点を出した6強が2人ずつ入る今シーズンのGPS。順当に行けばこの6人が勝ちぬけてしまう組み合わせではある。しかしこれまで出場予想が高い選手が順当にGPF出場したことはないといっていい。シーズン序盤から波に乗るのは誰か、6強に割り込んでくる選手は出るのか、それは誰なのか、非常に楽しみな戦いとなっている。
 
ナム・ニューエン(カナダ)
ダニエル・サモヒン(イスラエル
羽生結弦(日本)
田中刑事(日本)
デニス・テンカザフスタン
デニス・ヴァシリエフス(ラトビア
ネイサン・チェン(アメリカ)
グラント・ホクスタイン(アメリカ)
ミーシャ・ジー(ウズベキスタン
ドミトリー・アリエフ(ロシア)
ミハイル・コリャダー(ロシア)
TBD(ロシア)
 
毎年ヨーロッパ系の選手の多いロステレコム杯ですが今シーズンはいい感じでアジアが混ざっています。
PBで行けば羽生・ネイサン・テンの争いになりそうですが・・・果たしてテンの出場はあるのでしょうか?もともとあまりGPSは重要視して来なかった選手だけによくわかりません。ただ世界ランキングが現在30位まで下がっていますので少しでも五輪SP滑走を遅らせるためには出場する必要がありそうです。尤もワールドを見る限りあまりいい練習が積めていない印象があります。FSで崩れたのは怪我の影響ということですが、しっかりと体系付けされた練習ができていないため時間があるときに行おうとした練習で怪我をする→練習を控える→試合が近づくので練習する→怪我をするというようなサイクルにはまっているのかなぁと心配になります。つなぎは薄く旧採点的な演技ですがある程度まとめれば点数は出る選手なので五輪に向けてしっかりとした体作りをしてほしいものです。
羽生・ネイサンの300点超えに割ってこれそうな選手は他にいないかと思うメンバーですが4回転を複数決められそうな選手としてはコリャダー・サモヒン・アリエフが注目です。コリャダーは4Lzと4Sを入れてくるようですがどこまで成功率があげられるか。コリャダーはわりと羽生っぽい着氷なのでドンピシャで着氷できると非常に映えるタイプですがスイートスポットが狭く派手に転倒してしまう。着氷のコントロールをどこまでできるかが今シーズンのポイントになりそう。
サモヒンは世界を作ることがうまいが演技傾向としてはジャンプが決まってなんぼの選手といえる。決まれば大きくて映えるジャンプではあるがこれは確実に稼げるという成功率が高いジャンプが高難度にないところが2016-17シーズンでは厳しい結果となった。おそらく新しい4回転は増やさないと思われるので4S・4T・3Aをどこまで軸のゆがみ無く飛べるかが上位に食い込むための課題になりそう。
シニア入りするアリエフもどこまで4回転を入れてどこまで成功させられるかがポイントになりそう。飛べるだけなら多種飛べるようだがネイサン並みにプログラムに入れて全てを成功させられないとシニア1年での上位はなかなか厳しい。しかし点の出やすい地元ロステレでばっちり決められたら基準点を一気に上げられるかもしれない。どういう構成を組むか今から非常に楽しみではある。
そして引退の可能性を示唆したミーシャが入っている。このオフをいろいろ飛び回っているようだがどうするのだろうか。後々後悔のない選択をしてもらいたい。
田中はとりあえずSPで3つのジャンプをそろえること、FSで4S・3Aを2本ずつしっかり決めることが大事。国際大会ではNHK杯以外でいい演技ができていないので内弁慶を脱する演技をしてほしい。
TBDはピトキーエフかなと思っていたのだがダンス転向という情報が入ってきている。怪我の影響のようだがロシアンは怪我をフォローできる環境がないのか女子も男子も層が厚いだけに使い捨てっぽくなってしまうところが気になる。とりあえずピトキーエフの今後が良いものになることを願う。
 
ブレンダン・ケリー(オーストラリア)
ヨリク・ヘンドリクス(ベルギー)
シャフィク・ベセギエ(フランス)
無良崇人(日本)
宇野昌磨(日本)
ジュンファン・チャ(韓国)
マキシム・コフトゥン(ロシア)
アレクサンドル・サマリン(ロシア)
ジェイソン・ブラウン(アメリカ)
パトリック・チャン(カナダ)
キーガン・メッシング(カナダ)
TBD(カナダ)
 
ある意味では非常に混戦になりそうで面白い組み合わせの試合。わりと渋めに点数のでるスケカナなので点が伸びないせいで横並びということもあり得そう。
構成的には抜群に宇野が高くなりそうだが、果たして高得点を出してもらえるか。ワールド銀になったことで一部の海外ファンからクレーム的に取り上げられたがその影響があるかも判断できる試合になりそう。
ヘンドリクス以外は4回転を入れてくる。ただオールマイティといっていい選手はチャンしかいないため4回転と3Aの成否が順位を分けそう。
ジュンファンとサマリンがどこまで上位に食い込めるか。チャン・無良・コフトゥンのベテラン勢も2種4回転をまとめきれないと一気に若手にまくられるかもしれない非常に順位をの読み難い試合になりそう。
そしてブラウンがどういう構成で来るか。SP2クワド選手がまとめた場合はブラウンもかなり厳しくなってくる。ある意味で今シーズンの採点の傾向がはっきり見える試合になるかもしれないと思っている。
TBDにはバルデさんが来るのだろうか?エントリーがなくて残念。
 
 
中国杯
ケビン・レイノルズ(カナダ)
田中刑事(日本)
ミハイル・コリャダー(ロシア)
アレクサンドル・ペトロフ(ロシア)
ハビエル・フェルナンデス(スペイン)
アレクサンドル・マヨロフ(スウェーデン
マックス・アーロン(アメリカ)
グラント・ホクスタイン(アメリカ)
ヴィンセント・ジョウ(アメリカ)
ボーヤン・ジン(中国)
ハン・ヤン(中国)
TBD(中国)
 
飛びぬけてないけど間違いなく空中戦となる中国杯。ポイントはボーヤンの構成かな。予想を言うとネイサンほどがむしゃらには上げてこないと踏んでいるのだが、おそらくB級戦に出てこないのでもしかしたらこの試合まで構成が判明しないのかもしれない。
まとめればフェルナンデスが間違いなく勝てそうな組み合わせなのだが、今シーズンもいろいろ忙しそうなのでどこまで完成度を高められるかがポイントになりそう。
そして国内で存在感を失いつつあるアーロンとホクスタインはこの試合で頑張らないと厳しくなってくる。一方でシニアデビューとなるヴィンセントは4Lzを決めて表彰台に乗れば一気に五輪候補に名を上げることができる。この試合でのアメリカ勢の序列に注目したい。
コリャダーは早くも2試合目となる。表彰台の可能性もかなりある組み合わせなのでぜひ4Lzを決めてPB大幅更新したいところ。なかなか4回転を入れてこなかったペトロフは一気に2種構成にしてくるという情報もある。飛べないことはないことは聞いているが試合でどこまでこなせるか。ロシアは2枠しかないため確実な力を見せたい。
レイノルズは2106-17シーズン後半の流れの良さを引き継げるか、ハン・ヤンは手術からの回復がどの程度になっているのか、復帰組の奮起にも期待したい。
 
<NHK杯>
パトリック・チャン(カナダ)
ミハル・ブレジナ(カナダ)
アレクセイ・ビチェンコ(イスラエル
デニス・ヴァシリエフス(ラトビア
ドミトリー・アリエフ(ロシア)
セルゲイ・ヴォロノフ(ロシア)
ジェイソン・ブラウン(アメリカ)
ジョシュア・ファリス(アメリカ)
アダム・リッポン(アメリカ)
羽生結弦(日本)
村上大介(日本)
TBD(日本)
 
TBDは日野か山本あるいは友野といったところか。現時点では日野かなと思っている。いずれにせよ選ばれた選手はチャンスと思って頑張って欲しい。
そしてGPSで必ず当たる羽生とチャン。今回は羽生の地元ということとGPS2戦目ということでやはり羽生が有利かなと感じる。
しかしアメリカのアサインはいつも困惑する。今年もブラウンとリッポンが同じ試合になるとは、潰しあいみたいでもったいない感じだ。ネイサンやヴィンセントのような4回転持ちの若手というならタイプが違うからわかるが同じ傾向の選手を同じ試合に派遣する意図が本当に不明だ。
しかし日本のスケートファンとしては人気選手が来てくれることはうれしい。ロシアのヴォロノフとアリエフという年の差組み合わせも興味深い。
このメンバーでは羽生が抜け出そうな印象だが2位以下はもしかしたら非常に面白い順位になるかもしれない。
2016-17シーズンを棒に振った村上はこの試合でのみのアサインとなった。五輪代表には厳しい立場ではあるが是非存在感を見せて欲しい。ただ昨季のFSが持越しらしいのだが個人的にはあまり好きではなかった。大幅リニューアルを期待している。

<フランス杯>
ケヴィン・エイモズ(フランス)
シャフィク・ベセギエ(フランス)
ロマン・ポンサール(フランス)
モリス・クヴィテラシヴィリ(ジョージア
アレクセイ・ビチェンコ(イスラエル
宇野昌磨(日本)
デニス・テンカザフスタン
アレクサンドル・サマリン(ロシア)
ハビエル・フェルナンデス(スペイン)
マックス・アーロン(アメリカ)
ヴィンセント・ジョウ(アメリカ)
ミーシャ・ジー(ウズベキスタン
 
ここだけメンバーが確定している。そしてビチェンコは連戦というなかなか厳しい日程だ。五輪代表は間違いないのであまり無理しないよう頑張って欲しい。
構成的にはおそらく宇野が有利だろう。ただし評価はスケカナが終わるまではわからない。特に欧州ではフェルナンデスという選手は特別だ。五輪でぜひメダルを期待しているだろうから宇野がここで勝利するためにはある程度完璧な演技をする必要があるだろう。
そしてテンも2戦目はわりと演技をまとめてくる傾向がみられるのでより混戦になりそうな感じだ。
ヴィンセントとサマリンのシニア入り対決も興味深いが私的にはクヴィテラシヴィリが台風の目になるかもと期待している。
ヨリク・ヘンドリクス(ベルギー)
ケビン・レイノルズ(カナダ)
ボーヤン・ジン(中国)
ダニエル・サモヒン(イスラエル
無良崇人(日本)
ジュンファン・チャ(韓国)
マキシム・コフトゥン(ロシア)
アレクサンドル・ペトロフ(ロシア)
セルゲイ・ヴォロノフ(ロシア)
ネイサン・チェン(アメリカ)
アダム・リッポン(アメリカ)
TBD(アメリカ)
 
ここ数年第1戦だったスケートアメリカが最終戦となった。たまにはこういう順番もいいでしょう。全米は年明けなので日本やロシアが最終戦になるよりずっと自然な印象がある。
ネイサンとボーヤンの空中戦対決が見られる大会。更にサモヒン・レイノルズ・ジュンファンと面白い選手が配置されている。その上スケアメなのにロシアン3名というのも興味深い。
地元ということで有利なのはネイサンだろうがボーヤンも2戦目はかなりジャンプをまとめてくる。ミスが複数出ると他の選手にまくられる可能性も高い。高難度のミスは派手になりやすくインパクトに残る。どの選手もできる限り可能な構成に組んでくるのでこういう試合はリッポンやヴォロノフのようなベテラン選手の方が案外力を見せそうだと感じる。無良・レイノルズ・リッポン・ヴォロノフvsネイサン・ボーヤン・ジュンファン・サモヒンというベテラン対若手の殴り合い、どちらが勝利するのか今からとても楽しみだ。
 
採点傾向とGPF出場者は第3戦までである程度見えそうな印象のアサインだ。各試合シード2選手以外の選手がどれだけ魅せることができるかで盛り上がりが違いそう。またそんなこんなつらつら書いていたらチャンが4F入れるかも的な記事が出てきた。3種予想は全くしていなかったのでますます面白くなりそうだとワクワクしている。他の選手たちもみな昨季上位たちを脅かそうと色々戦略を練っているだろう。ぜひ素晴らしい最高のプログラムを作って欲しいと願っている。
それでも大事な五輪シーズン、怪我には十分気を付けて欲しい。どの選手も最高の五輪を迎えるためにこのオフに良い練習を積んで欲しいと願っている。
 

アイスショーの苦い思い出

本日からFaOI神戸公演が始まっているようです。今年はこの公演のみ申し込んだのですが見事に外れました。本当にソチ五輪以降アイスショーのチケットが手に入りにくいです。おまけに単価がうなぎ登り状態。なんというか外れてももう悔しくも何とも感じなくなりました。ソチ五輪の前は一般発売が終わったあとでも自分が行ける状況になってから席を選んで購入することが出来たんですけど本当に変わったなと思います。
それでも今年のアイスショーはFaOI幕張と神戸だけが特別でそれ以外のアイスショーは割と取ることが出来たようです。どちらかと言えば羽生が出るショーだけが売れていると言うべきなのかもしれない。ただ外国人選手・キャストが多い公演を見に行きたいと希望する私にはなかなかハードルが高い状況です。
 
一方でいくらチケットが取れても二度と行きたくないと思っているのがプリンスアイスワールド。これはプリンスに所属するスケーター中心のアイスショーで彼らの団体演技の合間に現役や引退したばかりのゲストスケーターが自分のプログラムを滑るアイスショーです。ただこの公演、全ての演目が終わったあとにふれあいタイムなる時間があるのです。出演者達が周回する際にプレゼントをあげたり写真を撮ったり話しかけたり出来る時間です。もしかしたらこれを目当てにこの公演に行く人もいるのかもしれません。
 
しかし私は駄目でした。一度だけ行ったことがあるのですがもう怖くて怖くて早く終わってくれ~~とひたすら願っていました。
氷上席の最前列ロングサイドの中央席だったのですが両サイドや後方からもみくちゃに押されるわ肘やらプレゼントやらカメラやらにガンガン殴られるやら進行の段取りが悪くで罵声やブーイングに包まれるやらで二度と行きたくないと痛感しました。通路に近い端の席だったらとっとと逃げ出したのですが列の中央だったためそれもできずひたすら耐え忍んだ覚えがあります。そんなに選手やキャストに話しかけたり写真撮ったりしたいんですかね・・・私には理解できない世界でした。

その恐怖や痛みが凄まじかった為かあとから思い出そうとしてもあまり記憶がないのです。覚えているのはエアリアルのご夫婦が綺麗だったこと。プルシェンコがタンゴアモーレを滑って珍しく3Aを転倒したこと。村上佳菜子が椅子を使ったちょっと大人っぽいEXナンバーを滑ったこと。村主妹さんの空中芸の意味が全く理解できなかったこと・・・位ですか。時期的に羽生も出てたんじゃないかと思うのですが全く記憶に無いんですよね・・・
 
「ふれあいタイム」なるものがある公演にはいかない方がいいこと。
アイスショーにおいてロングサイドの中央席は全くおいしくないこと。(リンクが試合より小さいため目の前は助走で一瞬しか見えないという結果に。スピンですらほとんど中央で行ってくれなかった・・・)
真夏であろうとも氷上席では冬用のジャケットとひざ掛けなどの防寒具が必要なこと(夏服に薄手のジャケットのみの私は開園前から震えてました)・・・などなどいろいろ学ぶことができました。そういう意味ではいい経験だったのかもしれません。
 
コンサートや宝塚や四季とかの舞台、能とか狂言とか落語の公演とかスポーツなど年に数回ほど見に行きます。アイスショーというのはそういったものとは異なる雰囲気があるものです。それを味わいたいと思うのですが値段と公演数と場所の制約でなかなか困難な状況です。おそらく五輪が終わる来季もその傾向が続くのでしょう。次に生で体験できるのはいつになることから・・・テレビ放送やネット動画で雰囲気を味わいながら気長に待つことにします。
 

予想優勝スコアから来季の構成を予想してみる

偏頭痛持ちの私はこの雨が多い時期が苦手だ。幸い今のところそこまで天候が悪くないので何とかやっていられる。
ここのところ考えているのは平昌五輪の優勝スコアだ。各選手がどの数字を目指して構成を組んでくるのか予想するのがこの時期の楽しみだったりする。毎シーズンまとめをした後の楽しみだ。
しかしながら来シーズンの優勝スコアは予想しづらい。何しろヘルシンキワールドでは300点超えても表彰台に立てなかったのだ。こんなことはシーズン始まる前に予想もしていなかった。急激な構成の上昇とそれをある程度達成出来る選手の登場による変化のたまものだ。
ヘルシンキのワールドでは300点を超えても表彰台に立てなかった。6位ですら290点を超えていた。その下は少し空いているので現在の処この6人が平昌五輪の表彰台候補になるだろう。来季は更にシニア入りする選手がいるが現実的に考えて300点を超えるのはかなり難しいと思われる。その為ニューフェイスはまずおいておく。
ヘルシンキの表彰台が300点以上で占められたことからも平昌五輪もそこから大きく下がることは無いと思われる。悪くても3位が290を下回ることは無いだろう。五輪というのは選手にとっても特別な大会で皆これに併せて調整してくる。今回は表彰台候補が6人と多いのでその全てが乱れると言うことは考えにくい。五輪が2度目3度目のベテランが3人もいることもあるからおそらく金メダルはヘルシンキの点に近いかそれ以上になると考える。
そうなると320点以上の点数が優勝には必要かなと考える。何しろワールドチャンプが世界記録保持者だ。いつもいつもその数字が出せなくてもワールドのようにここぞというときに力を出せることは実証済みだ。そんなわけで少なくとも320点を出せるという前提で構成を組むことにする。
 
 
<ボーヤン・ジン>
ボーヤンは史上4人目の総合300点超えの選手ではあるが、6強の中で唯一SPで100点超えしていない選手でもある。構成としてはネイサンに次いで高い後半4回転入りのプログラムだがPCSがなかなか伸び悩み現状超えられていない。
ただSPは持越であるし一般受けする曲で盛り上がるのでノーミスレベル揃えできれば超える可能性はある。ただ構成は天井であるので点数を大きく伸ばすのは難しい。スピンステップのGOEが飛躍的に伸びることも考えにくいのでノーミスで102~103位が最高では無いかと予想する。
そうすると320点超えるためにはFSで217~218必要となってくる。ボーヤンの最高点が205点弱なのでもう12~13点以上必要と言うことになる。
2016-17シーズンのPCSの平均が81点弱、最高が86点だった。五輪という大舞台でノーミスで纏めればもう少し出るだろうから88と考えるとTESで130欲しいところだ。つまりTESの最高点が119点弱だったのであと11点ほどの上積みが必要と言うことになる。2016-17シーズンのスピン・ステップの最高点が20点弱なので110点以上ジャンプで稼がなければならないと言う計算になる。
ボーヤンのジャンプはPCS3強と比較するとGOEがそれ程つくタイプでは無い。それでもノーミスだったワールドではGOEで11点ほど得ることができた。そうするとやはり構成で100点を超える必要が出てくる。
2016-17シーズンが4Lz 4S 3A+Lo+3S // 4T+2T 4T 3Lz+3T 3A 3F = 88.1だったのであと12点ほど上げなくてはならない。
現在の3種4クワドでは100点超えは出来ない。100点を超える構成を考えるとするなら少なくても4種6クワドで4Lzと4Tを2本飛ばなくてはいけない。
4Lz+3T 4Lz 4Lo //4S 3A+Lo+3S 4T+2T 4T 3Lz =100.48
この構成でようやく100点超えとなる。ザヤを考えるとラストを3Fにしたい処だがそれでは微妙に100点を超えない。4Lz2回よりも実戦で成功していない4Lo挑戦と割と着氷不良が多い4Sが後半で成功できるかがネックになりそうだ。
ネイサンに対抗するためには4Fを入れたいところではあるがFは時々!がつくので当分は無いだろうという気がする。案外ボーヤンはよく考えてプログラムし着実に実行するタイプだと思うので成功する自分が見える構成にするだろう。
ジャンプ基礎点100.48+GOE11+スピンステップ20+PCS88=218.48でSP103点を合わせれば322.48、上げた構成でワールド並みの完成度の演技を見せれば出ない点数では無いなと思う。
羽生はこれ以上の点数を出したことがあるがそれはそれで仕方ないと思うだろう。320点超える点数が出せればメダルは取れるはず。ボーヤンの本命は次の五輪だと思うので高構成でこの点数が出せれば良い経験になるだろう。

<ネイサン・チャン>
ネイサンは学業の問題があるらしく平昌五輪の成績によっては一時競技を離れるという話も出ている。その為にはできる限り金メダルを得る手段を講じてくると思われる。
そうなると320点では無く羽生の持つ330点を超える点数を求めることになりそうな気がする。2転倒してもワールドTESは110点近く出た。その結果を見てもがむしゃらにTESを求めてきそうだ。
ネイサンは構成が高い分SPの最高が103点を超えている。来季のプログラムも同様の評価を受けられれば五輪シーズンでもあるため105点ほどは出る可能性がある。スピンステップの最高点が21点超えPCSが89点弱なのでジャンプでは115点ほど必要になってくる。
ネイサンの問題点は高難度ジャンプは跳べるが他の5人と比較して成功のGOEがあまり高くないこと。不良とは行かないまでもつまり気味であったり前傾になったりでそこまで多くは稼げていない傾向がある。2016-17シーズンのジャンプのGOE最高が8点ほどであるからもう少し良くても10点行くか行かないかといったところか。そうなると330点以上を目指すには基礎点だけで104~105点必要になってくる。
2016-17シーズンの最高構成がワールドの4Lz 4F+2T 4F 4T //3A 4S 4T+3T 3Lz+2T+2Lo =96.77だったからあと8点以上上げなければいけない。 
4Lz+3T 4Lz 4F+2T 4F //3A 4S 4T+Lo+3F 3Lz =102.61
4Lz+3T 4Lz 4F+2T //4F 3A 4S 4T+Lo+3F 3Lz =103.84
4種クワドだと4Lz・4F2回構成にしても少し足りない計算になる。しかも本番で1度も実行していない足を変えるタイプの3連を入れるリスクもある。本気で330点を目指す意識があるのならばやはり5種を入れる必要がある。
4Lz 4F+3T 4F 4Lo //3A 4S 4T+2T+2Lo 4T+2T =102.90
4Lz+3T 4Lz 4F+2T 4F //4Lo 3A 4S 4T+2T+2Lo =106.24
4Lz 4F+4T 4F+3T 4Lo //3A 4S 4T+2T+2Lo 3Lz =107.04
5種6クワドにしても2回転が多いと点数は伸びない。一方でセカンド4Tを入れる的なコメントがツイに上がっていたのであり得ると言えばあるかもしれない。
一番最後の構成の3連を3Fに変えれば110点を超えてくる。そこまでリスキーにするかはかなり疑問だ。というのはネイサンはあまりコンボの着氷がクリーンにならないからだ。セカンド4Tを入れるのならば2T+2Loで良いのかもしれない。
演技を纏めたときのPCSはボーヤンより高めに出るのでGOEで若干負けても構成が高い分逃げ切れる。あとは自分でどこまでジャンプを揃えるかにかかってくる。構成で上回る分羽生がジャンプを揃えても着氷の出来如何では勝てる可能性はある。
ネイサンは構成変更に慣れている。より高難度を稼ぐ意識があればプログラムの質を下げてもがむしゃらに飛んでくる。ただ五輪シーズンはジャンプを揃えれば点が出やすい。スケートファンでは無い一般視聴者が見る機会が増えるためわかりにくいPCSでは差を付けない傾向になるからだ。そういう意味ではネイサンにとっては多少有利に働くこともある。プログラムを熟練するよりもジャンプの成否にかかり切りになる可能性もあるがどこまでの構成をひっさげてシーズンに挑むのか今から非常に楽しみである。
 
パトリック・チャン
SP100点FS200点超えしている割に6強の中では唯一300点超えをしていない選手である。
SPは今季より2クワドにしてくるが成功率を考えるとジャンプ全部前半と言うことも考えられる。しかし1クワドで102点出た実績があるので基礎点を考えれば全部前半でも105~107点ほどは出せそうな感じだ。
そうなると320点目指すためには213~215必要になる。今季はFSがなかなかまとまらなくてPCSが伸び悩んだがパーフェクトであれば羽生やフェルナンデスと遜色ない数字が出るだろう。低めに見て97.5ととりあえず想定する。
スピンステップの2016-17シーズン最高が22点台位半ばなので22点として考える。ジャンプのGOEはクリーンならばつくタイプだ。2016年の4大陸を参考にすれば14点弱ついている。215からそれらを引くと81.5点ほどの構成が必要になってくる。
2016-17シーズンのワールドはおそらく4T+3T 4S 3A+Lo+3S //4T 3A 3Lo 3Lz+2T 3F =78.65だった。そこから3点ほど上げる必要がある。
チャンの問題はクワドが2種であることと3Aが2本なかなか揃わないこと、更に後半の4回転の成功率の低いことだ。新4回転を入れることは無いので構成を上げるとしても4S・4Tを2本ずつにするしか無い。
4T+3T 4S+2T 4S 4T //3A 3Lz+Lo+3S 3Lo 3F =79.98
4T+3T 4S+2T 4S //4T 3A 3Lz+Lo+3S 3Lo 3F =81.01
4S+3T 4S 3A //4T+2T 4T 3Lz+Lo+3S 3Lo 3F =81.32
4S+2T 4S 3A //4T+3T 4T 3Lz+Lo+3S 3Lo 3F =81.62
セカンド3Tを後半にしてようやく81.5を超える構成になる。しかしこうして計算してみるとあまり現実的では無いなと感じる。
2種クワドでは結局のところ3A以外の3回転ジャンプの数が変わらないため飛躍的に基礎点は上がらない。そしてどちらかと言えば平昌五輪は個人の金メダルよりも団体金の方が可能性が高い。無理に320点を目指すよりも実現可能な構成を纏めきってPB→表彰台の方が気分的にも安定した演技が見られそうな気がする。
なのでもし構成を上げるというのなら3Aを減らし4S・4T2回/ジャンプ前半4本という一番上の戦術で良いのではと思う。ベテランなので構成を大きく変更するよりもこれまでの延長上に有る方が対応し易いだろう。プレッシャーのかかる大舞台では点数にこだわるよりも自分の力が最も出せる方が有利だ。順位やメダルは後から付いてくる物と思って自信が持てる構成で挑んで欲しい。
 
ハビエル・フェルナンデス
ユーロ圏唯一と言って良いメダルが期待される選手だがチャンと同じく新しい4回転を挑戦するには難しい年齢のベテランだ。ただチャンよりは3Aが安定していて高GOEが稼げる分有利かなと言う気がする。それでも若手の高難度攻勢に対抗するためには可能であれば上げておきたいところだ。尤もSPについてはノーミスであれば110超え出来る実績があるのでこのままでも十分だと言える。上げるとするならばFSになるだろう。
と言っても新しい4回転を入れるとは思えないので現状の3クワド3A2本を4クワド3A1本に変える位しか出来ない感じた。
2016-17シーズンの構成が4T 4S+3T 3A+2T //4S 3A 3Lz 3F+Lo+3S 3Lo =79.23だったところの3Aを4Tに変更する。
4T+3T 4T 4S+2T //4S 3A 3Lz 3F+Lo+3S 3Lo =81.03
4T+3T 4S+2T 3A //4T 4S 3Lz 3F+Lo+3S 3Lo =81.21
結局のところ飛ぶジャンプ自体はチャンと同じなので大きくは上がらない。しかしフェルナンデスは2016ワールドでSP転倒しながら314点出している。SP110点取ってFSを纏めれば現状の構成でも確実に320点は超えられる。325点出ても不思議では無い。そう考えると下手にリスクを上げるよりは基礎点が低くても上の構成で良いのではと言う気がする。4T+3TはSPで飛んでいるから問題ないし、後半の構成も現状と同じだから体になじんでいるだろう。下手にリスキーに追い込むよりはわかりやすい方がフェルナンデスには合っていると思う。

羽生結弦
優勝スコアが320点以上ならば羽生は別に構成を上げる必要は無い。ただすでに発表された来季のSPは基礎点が上がっていることが判明している。世界最高点を出したプログラムのリメイクなので某イタリア解説者では無いが五輪でノーミス出来たら115点出ても不思議では無い。羽生が優勝ラインを何点に想定しているかはわからないが320にせよ330にせよSPで115点出せるならばかなり有利であろう。
ただ五輪シーズンで優勝候補に対する対抗馬になりうる選手にはPCSが上がりやすいと言う傾向がある。4年前の羽生も結果的にSPでは1点差ほどに詰めてきた。ネイサンやボーヤンにはまだ多少の差があるがあまり当てにしすぎてはいけないだろう。高難度をノーミスされてTESを上回られたとしても出来ればPCS差範囲で押さえたいところだ。
2016-17シーズンの構成は4Lo 4S 3F //4S+3T 4T 3A+2T 3A+Lo+3S 3Lz =87.53だった。羽生はスピンステップで22点、GOEについては全てのジャンプで+2以上を得られる質の良さがある。これだけでネイサンボーヤンに10点差ほど付けられる。ただ高難度である以上ミスも出やすく、また羽生の場合抜けという形になりやすいので出来るだけ基礎点でもある程度は近づいておきたいところだ。
4Lzについてはシーズン後のインタビューや雑誌のコメントなどで否定的だった。新しいジャンプを入れるというのは確かにリスキーではある。ただ着氷率が6割以上有るのなら入れてみても面白いのでは無いかとは個人的には思っている。基礎点が上がるからでは無くあくまでリスク管理のためにである。
最近何かで3A2本では無く4S4T2本の可能性が上がっているが見ている側としては出来れば止めて欲しいなぁと思う。
4Lo 4S 3F //4S+3T 4T+2T 4T+Lo+3S 3A 3Lz =89.51
3Aを4Tに変えただけでは基礎点で2点も変わらない。そしてREPの危険は相変わらずつきまとう。だったらいっそこうして欲しいとすら思う。
4Lo 3Lz 3F //4S+3T 4S+2T 4T+Lo+3S 4T 3A =89.96
後半4クワドというとってもリスク高い構成ではある。体力的にもきついだろうしGOEを稼げる質を得られるかという心配もある。ただREPの危険は多少減る。後半連続してジャンプを飛ぶので転倒すると次に響きそうではある。ただチャレンジの分には面白いかなと感じる。
しかしそれよりは着氷率がある程度有るのならば4Lzを入れることを勧めたい。
4Lz 4Lo 3F //4S+3T 4T+2T 3Lz 3A+Lo+3S 3A =90.63
4Lz 4Lo 3F //4S+3T 4T+3T 3Lz 3A+Lo+3S 3A =93.93
4種4クワドでREPの心配がほぼ無い。もし4Lzが3Lzになった場合は後半の3Lzを4Tに変更すれば多少のリカバリが出来るというというメリットもある。
ついでに前半上手くやって体力的に余裕があれば3Lzを4Tに変更するという進化形も考えることが出来る。
4Lz 4Lo 3F //4S+3T 4T+2T 4T 3A+Lo+3S 3A =95.36
ここまで構成が上げられればネイサンやボーヤンの基礎点はほぼ気にならなくなるだろう。
ほぼ100%の自信がある3Aを一つ減らし5クワドにするよりは4種4クワドを実験的に行う方がリスクとしては少ないのではと数字上は感じる。特に羽生の場合コンボを後半に行おうとするから尚更だ。勿論着氷率が練習で5割割り回転不足になりやすいというのなら入れる価値は無いがある程度着氷が可能ならとりあえずやってみても良いのではと思う。更に先を見るという意味でも出来ればチャレンジして欲しいなと個人的には思っている。
 
宇野昌磨については割愛。ジャンプの質についてはかなりの疑問を持っているので書きにくい。好意的でないことを書いて無意味に責められるのも面倒だ。ついでにファン以外の人も見る五輪であの気持ちの悪い着氷に今季と同じような評価が受けられるかはよくわからない点も大きい。ただ今季の傾向から更に構成を上げそうな予想は立つ。一般の視聴者が見て「変なジャンプ」という感想を持たせないようなジャンプを飛んで欲しいとは願っている。
 
今のところはこの6人が平昌五輪の表彰台候補だ。曲や構成など一部分かった選手もいるが本格的に判明するのは新年が明けてからだろう。ショーなどで忙しい選手も多いが良い練習を積み体調に気を付けて最高の状態で五輪を迎えられるようにしてほしい。確実にリアル観戦出来ないのだが最高の戦いをしてくれることを願っている。