五輪後のルール改正案
基礎点案が上がってきております。
4T 10.3 → 9.5 -0.8
4S 10.5 → 9.7 -0.8
4Lo 12.0 → 10.5 -1.5
4F 12.3 → 11.0 -1.3
4Lz 13.6 → 11.5 -2.1
4A 15.0 → 12.5 -2.5
3T 4.3 → 4.2 -0.1
3S 4.4 → 4.3 -0.1
3Lo 5.1 → 4.9 -0.2
3F 5.3 → 5.3 0
3Lz 6.0 → 5.9 -0.1
3A 8.5 → 8.0 -0.5
凡そ予想通り、ただ前情報にはなかった3回転についても下がるようです。
気になるのは相変わらず3Aは他の3回転に対し優位なのに4Aに全くその素養が見えないこと。結局ルールを決める側は高難度と言うものに対してあまりいい感情を持っていないということでしょう。スポーツの進化と言う意味では残念です。
ただ、kamiyann的にはジャンプの基礎点を下げることは必要だと思います。博打だろうと不格好だろうと飛んで降りたら勝ちというのは好ましくない。そういう意味では改正の基礎点は4Aを除いては納得できる範囲だと思います。
ツイッターを見る限りLoとFの差に納得されていない感じの意見が見受けられますが、比較すべきはLoとFではなくLzとFではないかと思うのです。
結局のところLzとFの違いがエッジとなってしまっている現在です。そしてLzが得意な選手はFが、Fが得意な選手はLzがエラーになりやすいという点でLzが得意な選手の方が優位になりすぎないようにと言う配慮だと思うのです。女子の場合は3A以上が無い分Lz2本の方が絶対的にF2本飛ぶ選手より優位です。それを少し埋めようということではないでしょうか?
それでも基礎点を下げることには賛成しますが、運営についてはかなり不安を抱いています。+3~-3の現在でさえきちんとGOEが判断されているとは思えない採点が行われています。+5~-5案になった時ジャッジの個人的な思惟がより強く反映されやすくなる。それはまずいと思うのです。
ですのでまずどういったジャンプに+5を付けるという明確な基準を公開してほしい。更にはLzとFのエッジだけではなく各ジャンプの基準も改めて明文化してほしい。少なくとも素人が見ておかしな飛び方のジャンプは評価しない事も必要でしょう。
GOE判定の仕方も気になりますが相変わらず芸術と技術という競技を分けるという話があるのが気になります。それこそ何を持って芸術を点数化するのか・・・北京の後と言うことですが形が見えないだけに不安ばかりが先に立ってきます。
テストスケートとJGPS
JGPSにロシアと中国のテストスケートとどこを見たら良いのか悩む週末ですね。睡眠不足の方も多いのでは無いでしょうか?
JGPSでは須本と紀平がFSでの逆転表彰台、今シーズンは日本勢厳しそうですが良かったです。紀平も6分間では綺麗な3Aを飛べていました。試合で決めると言うことはもっと別の大変さがあるのでしょう。次は是非決めて下さい。
そして須本、組み合わせの妙という物もJGPSにはあるのでしょう。他の大会でこの点数で優勝できるかわかりません。ただ3A2本降りて演技を纏めたというのは大きな収穫。所作も綺麗な選手ですので今後も非常に楽しみです。あとはもう少しスピードを付けて流れのあるジャンプを跳びたいですね。でもJGPS初優勝おめでとう!
それにしてもテストスケートの映像が海外で時間をおかずに見れるというのは非常に恵まれた時代になりました。
とりあえずハン・ヤンの経過も良さそうで試合に出れるようになったというのは朗報です。あとは練習方法を検討して怪我しないよう頑張って下さい。
そして気になるボーヤンの構成は前情報と変わらず昨季と同じでした。定点カメラでの映像なのでなかなかはっきりしませんがジャンプの位置も全く変わっていなさそう。必要以上の冒険はしないというのがボーヤン陣営の戦略のようです。気になる選曲は・・・kamiyann的には今のところはスパイダーマンの方が良かったんじゃ?と言う感じです。ただこれから滑り込んで磨いていくのでしょう。少し大人っぽくなった演技に期待します。それにしても99点超えは凄い、中国スケ連の期待が窺えます。実際には3Aも4Tもつまり着氷なのでこれが試合だったら93~94位かなという感じがします。珍しくフィンランディア杯に出場しますので試合ヴァージョンがどう変わってくるのか楽しみです。
そしてロシアのテストスケートの数々。
ラジオノワは持越、滑り慣れている印象はありますが体はまだ切れていない。ジャンプは重そうだしスピンも回転がいまいちです。ジュニアのような軽やかさは今の体型では出せないだけに魅せ方に力を入れている。ただ女子の場合はエレメンツでミスったらアウトなのできっちり飛んで回る力が必要、そうなるともう少し絞る必要がありそうです。
女王メドベデワは相変わらずしっとり選曲。これまでの流れで合っているように感じます。ただStSqが前半だと世界観にまだ浸れない時期なのでもう少し盛り上がりのある曲の方が良いんじゃ無いかと言う気はします。そういうマイナス面はともかく相変わらずの鬼つなぎ、そしてジャンプ全部後半と難度の高い振付です。この時期でももうある程度出来ている感じが素晴らしい。PCSについては纏めたら出さざるを得ない物を作ってきたのでしょう。今の状態からすると今季も強いトップを走りそうな印象です。
kamiyann期待のザギトワは相変わらずかわいらしい。ジャンプは完全では無かったですが出来るという感じはありました。ただメドベの後で見たためかスケーティングはまだ物足りない。もっともPCSで劣ってもジャンプ難度で勝つというのが戦略ですのでこれはこれで良いのかも。海外の競合勢とはタイプがかぶらないのでシニア1年目に盛り上げてくれることを期待します。
まもなく本格的にシニアの大会が始まってきます。今シーズンはB級戦から豪華な顔ぶれ。何しろ中国がB級出場を認めたくらいですから。それだけ五輪シーズンは特別。昨季のワールド羽生のFSを見ても滑走順をできるだけ後ろにした方がいいのは明白です。五輪で滑走を後ろにするためにはポイントが大事。若手の選手は特にそうでしょう。そのためいつもの年よりB級に出場する選手が多い感じがします。なかなか初めから飛ばすというのも難しいですがどの選手もケガや体調不良に気を付けて素晴らしいシーズンを送ることを願っています。
まだ先の、でも遠くない未来に向けて Part.2
現行のジャンプの基礎点はこうなっている。
1回転 2回転 3回転 4回転
A 1.1 3.3 8.5 15.0
Lz 0.6 2.1 6.0 13.6
F 0.5 1.9 5.3 12.3
Lo 0.5 1.8 5.1 12.0
S 0.4 1.3 4.4 10.5
T 0.4 1.3 4.3 10.3
そして2016年に書いた「ジャンプの基礎点を下げてみる」の記事で私がこの位にすればと思った点数がこれだ。
2回転のLo以上のジャンプ全ての基礎点を下げてある。
1回転 2回転 3回転 4回転
A 1.1 3.0 8.0 14.0
Lz 0.6 2.0 5.5 12.0
F 0.5 1.8 4.9 11.0
Lo 0.5 1.7 4.7 10.7
S 0.4 1.3 4.1 9.7
T 0.4 1.3 4.0 9.5
今見ると現在も感じる3Aの優位性はまだ残っている感じだ。構成の行き詰まった女子選手ならば3A入れたくなるかもしれない。
そして今回新聞に載って内容によると基礎点が変わりそうなのは4回転で最大2点と言うことなのでそういった変更を考えてみる。
1回転 2回転 3回転 4回転
A 1.1 3.3 8.5 13.5
Lz 0.6 2.1 6.0 11.6
F 0.5 1.9 5.3 10.7
Lo 0.5 1.8 5.1 10.5
S 0.4 1.3 4.4 9.7
T 0.4 1.3 4.3 9.5
現在の状況を考えて一番下がりそうなのは4Lzだろう。何しろ飛ばれている4回転の中で際立って点数が高い。仮にGOE-3で4点引かれても9点以上得られてしまう。失敗してもかなりお得という状況は採点的に良いとは言えない。そんなわけで4Lzを最大値で下げる。
あとは難度とバランスを考えてこんな感じになるかと思う。GOEについては基準がまだわからないのでそのままと言うことで2017年ワールドについて上位選手を計算してみる。
羽生結弦 SP 52.04+ 47.35 -1 = 98.39 → 49.94+ 47.35 -1 = 96.29 差-2.10
FS 126.12+ 97.08 0 = 223.20 → 122.26+ 97.08 0 =219.34 差-3.86
計 178.16+ 144.43 -1 = 321.59 → 172.20+144.43 -1 =315.63 差-5.96
宇野昌磨 SP 59.16+ 45.70 0 = 104.86 → 56.76+ 45.70 0 =102.46 差-2.40
FS 120.03+ 94.42 0 = 214.45 → 115.17+ 94.42 0 =209.59 差-4.86
計 179.19+ 140.12 0 = 319.31 → 171.93+ 140.12 0 =312.05 差-7.26
ボーヤン SP 57.65+ 40.99 0 = 98.64 → 54.85+ 40.99 0 = 95.84 差-2.80
FS 118.94+ 86.00 0 = 204.94 → 114.38+ 86.00 0 =200.38 差-4.56
差 176.59+ 129.66 0 = 303.58 → 169.23+126.99 0 =296.22 差-7.36
フェルナンデス SP 60.79+ 48.26 0 = 109.05 → 59.19+ 48.26 0 =107.45 差-1.60
FS 98.62+ 94.52 -1 = 192.14 → 96.14+ 94.52 -1 =189.66 差-2.48
計 159.41+ 142.78 -1 = 301.19 → 1 55.33+142.78 -1 =297.11 差-4.08
チャン SP 54.11+ 48.02 0 = 102.13 → 53.31+ 48.02 0 =101.33 差-0.80
FS 98.11+ 94.92 0 = 193.03 → 95.63+ 94.92 0 =190.55 差-2.48
計 152.22+ 142.94 0 = 295.16 → 148.94+142.94 0 =291.88 差-3.28
ネイサン SP 55.22+ 43.11 -1 = 97.33 → 51.62+ 43.11 -1 = 93.73 差-3.60
FS 110.61+ 84.78 -2 = 193.39 → 102.85+ 84.78 -2 =185.63 差-7.76
計 165.83+127.89 -3 = 290.72 → 154.47+127.89 -3 =279.36 差-11.36
計算して感じたのはそこまで大きな変動にならないのだなと言うこと。ボーヤンとフェルナンデスの順位は変わるがそれもわずかでしかない。基礎点をよほど大きく下げGOEで3回転の方が優位にならなければ高難度を飛んだ方がまだましかもしれない。と言うことは若手のジャンプ偏重は変わらないということになる。
ただ高難度4回転の多いネイサンは大きく影響を受けFS順位が6位に下がり点数も離れる。TやSのみのチャンやフェルナンデスよりネイサンやボーヤンの方が影響が大きい。そういう意味では完成度重視の選手がもう少し見直されるかもしれない。実際20点以上差があったネイサンとブラウンの点差が半減することになる。ジャンプも1つ減るからもう少し点数も下がるだろう。
それでも・・・抜本的な解決にはならないだろうという感触はぬぐえない。更にGOE幅拡大がかなり心配だ。現在でも審判の基準が曖昧過ぎている部分が見えるためだ。
今の基礎点とGOEでも運用面でもう少し上手くやれば差別化できるのにと感じる部分がある。ルール上で決められているはずの減点が審判の裁量の違いで軽減されたりするあたり厳しくしていけば完成度の選手はもっと生きてくるはずなのだ。
だからこちょこちょ修正するより審判員の基準の一律化を図ることがまず先では無いかと思う。選手が不利益を被らないためによりよい競技になるようにその辺りをまずしっかり定めることから初めて欲しい。
まだ先の、でも遠くない未来に向けて
平昌後のフィギュアスケートの改正案の一部が新聞紙面に載っているようだ。
すでにGOE幅が変わることと男子シングルFSにおいてジャンプが1つ減ることは決まっていたのだが、新たに4回転のジャンプの基礎点を下げる方向に向かうことになるようだ。
これはある意味では仕方ないというしかない。シニアに上がる男子有力選手がこぞって高難度ジャンプを入れだし、とりあえず飛ぶ降りたら高得点という演技が増えつつあるからだ。
そもそも新採点にした時にバランスの良い選手を評価するという方針があったはずなので修正で原点回帰を促すとしたいのだろう。
技術と芸術などという2部門に分けるという案よりはずっと実用的であるといえる。
ただ・・・わからないのはなぜ4回転の点数だけなのか?という点だ。ジャンプのないアイスダンスは別として女子もペアも安定して基礎点の高いジャンプを飛ぶ選手が上位に来やすい現在4回転だけを下げることにはあまりいいイメージはない。GOEが現行の-3~+3から-5~+5と幅を持たせることになるらしいので更に不安がある。
4回転を下げるのならその前に3Aも下げるべきだし、もっと言えばそもそもスピンやステップに比べて数が多いジャンプについてはトータルとして点数を下げるべきではないのかと思うのだ。4回転を飛ばない女子ですらFSではTESの6割から7割近くジャンプが占めている。3回転や2回転についても当然削減してもしかるべきと思うのだ。
そんな思いもあって2016年3月に「ジャンプ基礎点を下げてみる 」
という記事を書いた。最大2点という今回の案よりは多少控えめだが2回転から下げている。
もっともこの記事ではGOEは現行通りとしているので多少違う部分はある。そこまで全部変えなくてもGOEで調整できる部分はあるのかもしれない。ただ・・・画一の基礎点に対し審判の思惟の入るGOEに幅を持たせすぎる部分には不安が大きい。増やすのなら審判の間で明確な基準を持てる努力が今より必要になる。
不安ごとをつらつら書いてはいるが、ジャンプの得点を下げること自体は賛成だ。技術・芸術といったよくわからない競技になるよりは現行の延長上に未来がある方が望ましいと思っているからだ。
それでも希望を言わせてもらうと基礎点やGOEをいじるよりは「ジャンプそのものの総得点」を下げる方が効果的ではないかと感じる。
今年の4月に「時にはあれこれ考えてみたりする - つれづれなるままに・・・」という記事を書いたがジャンプの総得点から一律に削減したほうが選手への影響は少ないはずだ。しかもこの方法ならジュニア以下のまだ高難度を飛ぶ前の選手たちにスピンやステップをしっかりと練習させやすくなるのではと思うのだ。
女子シングルやペアだったらジャンプの得点×0.8、男子シングルならもう少し下げてもいいかもしれない。
もちろん今回新聞紙上に乗った案がそのまま採用されるわけではないと思う。決まったら決まったで基礎点がどう変わるのかまだわからない。
ただ出てきた案で簡単に決めるのではなくいくつかの案を検討し選手に最も負担がない方法を選んで欲しいと願うだけだ。
もっとも男子シングルにおいてこの改正が本当に生きるかどうかは平昌後に羽生やチャン・フェルナンデスが現役を続行しているかどうかなのではと思ったりする。GOE+5が本当に必要になると感じる選手は今のところ他にいないからだ。この3人が引退してしまえばある程度高難度ジャンプが飛べて完成度の高い演技ができる選手がいないのでどう変わろうとあまり影響はない気がする。
五輪後にそれぞれの選手がどういう道を選択するかまだ分からない。改正もまだ決まっていない。今はシーズン開幕で五輪まっしぐらだがその先についてももう動き出しているのだと感じさせる記事。実際に改正案が決まったときどう感じるのか比較するためにも今の考えを書き留めておく。
雑記
昨年の12月のある日曜日、「携帯持ってついてこい」と言われ強制的にスマホに変更された。両親が前日その店舗に行き、今なら家族で入れば機種代無料になると勧められたらしい。
とりあえずその場で最低限の使用ができるようにしてもらったのだが結局のところ電話・メール・アラームしか使用せず、ガラケーからスマホにした意味ないという状態になった。しかもアラームはあまり使い良くなく現在では以前のガラケーのアラーム機能に頼っている。電話も聞こえにくく話しづらい、メールも届いていることも気づかない、ガラケーの方がはるかに利便性が高かったと実感している。
ほぼガラケーと変わりない状態を半年ほど続けていたのだが5月に遠出した際にふと「これってツイッター見れるんじゃない?」と思いつきあちこち触ってなんとか自分のアカウントを見れるようにした。これが今に至るまでスマホの唯一の恩恵になっている。(ただ本当に見るだけ・・・)
アプリを落とせば色々使えるよとは言われるが何をどうやればいいのか教えてくれるような人が身近にいない。更には購入してすぐに電池切れをおこしその後しばらく使用できなくなるという状態になったことから、下手にいろいろ入れこんで充電切れになったらいやだなと思い挑戦できない部分もある。
今のところ購入して1年たっていないため料金がガラケーより安いという利点があるからまだいいが通常料金になったら元に戻したくなる気持ちが多くなるかもしれない。しかしガラケーはもうしばらくしたらなくなるという話なのでもう少し慣れた方がいいかと思ったりもしている。
そんなわけもあって今回初めてNHK杯の通しチケットの申し込みをした。実際に通しチケットが当たっても確実に行けるのは日曜日だけなのだが、スマホに慣れるということと電子チケットを体験したいという気持ちがあって応募することにした。まぁ籤運の悪さは筋金入りなので当たるわけがないと予測していた部分も大きい。
そして結果ははずれ。ツイッターを見ると9割以上の方が外れているので当然の結果だといえる。残念ながら電子チケットの体験はまだまだ先になりそうだ。そんなわけでガラケーに毛が生えたくらい状態の私のスマホはまだ当分このままになりそうだ。
しかし不思議なのだが、スマホで皆さんはいったい何をしているのだろう?電車に乗ると結構な人数が画面にくぎ付けになっている。ちょこっとたまに覗かせていただくと大抵ゲームをしていることが多い。ゲームをしなければそれほど必要がないのかなと思ったりするのだが・・・実際のところはどんなものなのでしょう?スマホ歴8か月、まだまだ初心者は入り口でうろうろしている状態です。
五輪メダルを目指して
4Lo 4S 3F // 4S+3T 4T+Lo+3S 4T 3A+2T 3Lz =89.51
FSについては効率も悪いしREPの危険もあるという数字で見れば決して良いとは言えない構成ではあるがこれで行くと決めたからには応援したい。後半4Sコンボ前には毎回胃が痛みそうだろうけど・・・
4Lz+3T 3A // 4T =37.73なので羽生とあまり変わらない数字となっている。もっとも2年この構成で行っているしSPでのミスは大きいのでこれで十分だろう。超えるとしたらネイサンとヴィンセントくらいか。
FSはどう来るだろうか?昨季4Loを一度だけ入れたので今シーズンは本格的に入れてきそう。ボーヤンは案外3Aの成功率が高いので入れるとすると4種5クワド3A2本構成になりそうな気がする。
4Lz 4Lo 3A+Lo+3S // 4S 4T+2T 4T 3Lz+3T 3A =95.32
4Sがあまりクリーンで無いことが多いので後半にするかはちょっと微妙だが、4Loを入れるとしたらこんな形か。同じ5クワドでも4種3A2本分だけ羽生より6点近く高くなる。羽生との差が6点弱で十分かは微妙だがボーヤンは羽生以外でSFS4クワドをノーミスしたことがある唯一の選手だ。5クワド構成でノーミス出来ればメダルの確率はかなり高い。案外羽生並みに冷静に対応してきている選手だけに非常に怖い存在になりそうな予感がする。
4T+3T 4S // 3A =34.45
SPは昨季のままということだがこの構成があまり高くないように見えるというのが恐ろしい時代だ。なにしろ最高構成で無い羽生と3点近く違うのだ。互いにノーミスした場合PCSで差がない分基礎点で点差がつきそうなのが多少気がかりだ。しかし昨季の羽生のようにいきなりSPにも入れるなんてギャンブルは五輪シーズンには出来ないだろう。なのでこれはこれでしっかり決めるしかない。
FSは3種3クワドなのか4クワドなのか今のところわかっていない。
4Lo 4T+2T 3A+2T // 4S 3A 3Lz+3T+3Lo 3Lz 3F =83.67
4Lo 4S+2T 3A+2T // 4S 4T 3A 3Lz+3T+3Lo 3F =88.60
3連コンボもどこにつくかわかっていない。ついでに昨季と同じように前半2コンボであるかどうかもわからない。ただもしこんな感じの構成になるとしたらちょっと怖い組み合わせだなと思う。2Tを先に2回使っているのでなんとしても3Tを飛ばないといけなくなる。そのプレッシャーは大きいかもしれないとすると2Tコンボの1回は後ろに回すかもしれない。そうなるともう少し基礎点が上がる。
4クワドでも5クワドの羽生とそれ程変わりない基礎点になるので上手くいけば非常に有効な構成かも知れない。ただ昨季までを見ても後半の4回転の成功率をどれほど上げられるかが鍵となりそう。
SPも2クワドにするようでおそらくはフェルナンデスと同じような構成になるだろう。もしかしたらジャンプは全部前半になるかもしれない。ただそれでも勝利を目指して構成を上げてくる姿勢が素晴らしいと感じる。
4F 4T+3T 4S // 4T 3A+Lo+3S 3A 3Lz+2T 3F =86.38
4F入り3種4クワドと予想するとこんな感じか。ただ3Aの割とミスが多いチャンにとっては2本後半というのは4回転以上にかなりおっかない構成だ。更に昨季後半4回転の成功率が非常に悪かったことも気になる。だとすると前半にもっとジャンプを増やした方が良いかもしれない。あるいは3種3クワドと言うこともある。
4F 4T+3T 4S 3A+Lo+3S // 4T 3A 3Lz+2T 3F = 85.34
4F 4T+3T 4S // 3A+Lo+3S 3A 3Lz+2T 3Lz 3F =81.95
3種3クワドで3Lz2本にするとラストは3Loにした方が良いかもだがあまり効率はよくないなという感じだ。しかし数字で良い悪いと計算するより実際に行えるかどうかの方が大切だ。現実に新クワドを入れるという発言はチャン自身からは聞いていないので今現在はまだ微妙な印象だ。
しかしフェルナンデスまで構成を大幅に上げてしまうとチャンとしてはメダルのためには上げない訳にはいかないだろう。なかなか厳しい選択を選ばざるを得ないかもしれない。
賽を投げる―――羽生結弦新シーズンプログラム発表に寄せて
しかしながら今年はなかなか情報が出ず。私も朝起きてまだどこにも出てなかったので戸惑いました。(結局8時半過ぎに会社のPCで見ましたよ)
なにしろバラ1とSEIMEIはどちらもノーミスし最高得点を獲得したプログラムです。羽生は音にこだわりが有りそれ故にプログラムが上手く行かないこともありますが、それをすでに乗り越えた選曲でしかも評価としても最高の物を受けている。すでに出した330点強の上を目指すことを宣言したに等しい。そして今現在320点を超えた選手は羽生以外にいません。構成を上げれば可能かもしれませんがリスクの高さは羽生以上であることは明らかです。
「自分は勝ちに行く。そして必ず勝つ!!」
再演だったらバラ1の時に一緒に発表すれば良かったのではと思う人もいるかもしれませんが、わざわざ別に行ったことはこういう意思を示す意味合いが強かったためでしょう。ルビコンを渡り賽を投げた、絶対に引かない戦いに対する決意と宣言を行ったのだと私は勝手に思っています。
別にオペラ座のプログラムの方が好みだとかSEIMEIがいまいちだからということではありません。どちらのプログラムも編曲は良いですし振付も良いところいまいちなところそれぞれにあると思っています。プログラムの評価としては私の中では同じくらいになっています。
ただ・・・たった一つだけオペラ座がSEIMEIを大きく上回る要素があります。それは「衣装」。
私はとにかくあの2代目オペラ座衣装が好きでした。ネット上では白虎とかホワイトタイガーなどと呼ばれていたあれです。あれを上回る羽生衣装は今のところ私の中では存在しません。
デザインが良かったこともありますが、一番評価が高い理由は「羽生結弦という選手の弱点を失わせた衣装」だからです。海外を戦うアスリートとして男子シングル選手として羽生結弦という選手はどうしてもその細い体型に目がとまります。ジャンプの回転には適していますが一方でか弱さといった印象も与えてしまう。ただでさえ東洋人は若く見られるが羽生は輪をかけて幼く見えるところが昔からあります。しかし五輪王者としてトップ選手としては大人の男性でなければならないでしょう。若々しさや少年体型的な印象をいつまでも持たれることは良いことではないと思います。
そういう意味ではあの2代目オペラ座は羽生結弦を非常に大人びて見せた衣装でした。オペラ座の怪人の衣装としてはどうかという意見はありましたがあの衝撃の中国杯のイメージを打ち消すためにも全く印象の違う衣装を用意したことは非常にベストだったと思います。