つれづれなるままに・・・

日々の思ったことを綴っていきます。

眠気との闘い―――フランス杯SPざっと感想

土曜休みだったので女子シングルから男子シングルまでぶっつづけ観戦。途中でyoutubeが切れてしまったので非常に焦りました。久しぶりの長時間にペアのあたりから眠らないまでも数十秒くらい記憶がなくなる箇所がちらほら。でも上手い選手の時はそうならないんですよね。上手さの中には人を引き付ける何かも含まれているのかもしれない。長丁場だったので今回はメモを取らずに観戦。感想は男子シングル後寝て起きた後に書いています。

高難度化した男子に比べ完成度勝負になってきている女子シングル。それが崩壊と言って良いほどミスが多い試合となった。その後のアイスダンスやペアでもミスが多くこれは氷が悪いのかと心配になる位だった。しかし男子は後半グループはまずまずの演技を見ることが出来た。GPSも終盤に来て良い演技を見ることは良いことだ。FSでも是非良い演技を見せて欲しい。

採点は女子の時から全体的に回転不足とエッジエラーが甘めだった。男子もその流れだがこれまでのGPSと比較するとPCSも高めに感じる。CS等を見ても傾向として欧州の試合の方が点が伸びる。PBを出したいなら北米より欧州に出場する方が有利かもしれないが最終的に点数で競った場合を考えると差がつきすぎるのはどうかなと疑問に思う。GPFは日本になるがさてどちらの採点に近いのだろうか?

NHK杯からの連戦となった白岩は先週とは打って変わって良い滑りだったと思います。上位陣がかなりミスりましたのでクリーンな演技が光りました。ジャンプが年々低くなってきている事が気になりますし2Aは相変わらずおっかないですがそれでも良い笑顔で自分らしさをアピールできたと思います。こういう良い演技を繰り返すことと滑る際にもう少し膝下を伸ばす意識が高いとPCSももっと上がってくると思います。TESはトップでしたし良い位置で滑れますのでFSでもPBが出せるよう頑張って欲しいです。

三原はコンボが壁に近くなりすぎて途中で降りたみたいになってしまったのがもったいなかった。ただそれを除いてもやはりこのSPは駄目だろう。白岩が彼女の魅力を伝えるプロで評価を高めたのに対して合わないという点だけを強調してしまう作りになっている。三原は基本動き方や体の使い方(特に上半身)が緩い。その彼女がラテンのカチっとした動きをしようとすると型にはまり切れないだけではなく振付だからやっています感が強く漂ってしまう。それがむしろジュニア女子のような未熟な印象を与えてしまっている。五輪シーズンで評価を受けることが大事ですので柔らかさや温かみといった彼女の良さを強調するプログラムに今からでも変更したほうがいいと思う。

 

1位 ハビエル・フェルナンデス 107.86 TES60.00 PCS 47.86
点数が出たとき思ったほど伸びなかったなと思った。欧州の試合だったしPB近くは行くかと思ったのだがそこまでの発狂は無かった。
プロトコルを見てもGOEは演技からすれば妥当だと思われる数字だ。そうなるとスピンの基礎点が劣る分やはり110は難しいのだなと感じてしまう。
それにしてもスペインジャッジの自国愛は強いなぁ・・・
個人的にはフェルナンデスのチャップリンは悪くは無いけどそこまではまっているとは思いません。動きは確かにチャップリン的なんですが何となくパロディ感が漂ってしまうんですよね。オールド映画のイメージではでしたらカペラノのEXの方が雰囲気が出てますし、チャップリン感はキーガンの方が近い。動きや演技は上手いのですがそれがかえっていかにもチャップリンを演じています的な印象に受け取られるかもしれない。ショーでやったら受けそうですが評価という点ではどうかなと言う感じです。
ただステップ中の片足を曲げてくるくる回る辺りなど確かな技術が無いとあそこまで魅せることはできないだろうな感心します。

 

2位 宇野昌磨 93.92 TES 48.91 PCS 46.01 -1
演技を見たあと良くても90点出そうも無いなと思った。差は4FがDGでなかったこととコンボのセカンドでURを取られなかったことに加えPCSが2点ほど高かったためだ。まぁ回転不足は比較的甘い採点だったのでそれで救われたのかもしれないがステップでもあれだけスピードが出てないのにPCSが下がらないことが非常に不思議。
インフルエンザ後と言う事の様なので全体的に体が重そうな滑りだった。

 

3位 アレクサンドル・サマリン 91.51 TES50.98 PCS40.53
演技後のやってやったぜみたいな表情が面白かった。この高難度構成を大きなミス無く演じきったという気持ちの表れだったろう。ただTESについては速報値から7点近くダウンし90点を超える程度で落ち着いた。これは4LzでURを取られたためだが宇野の転倒と違っておそらく+GOEがついていたことからそれも無くなった事が大きかったのだろう。
一方でPCSはここまで出るかと思った。37~38位かなと思っていたので・・・宇野が46出たのも下位選手に割と出してしまったからと言う事もあるかもしれない。大柄で動きも映えるが滑りの滑らかさという点ではまだまだといった選手だ。高難度が飛べたからという点でSSを上げたり他の4項目につられてTRが上がるのは違うだろうと思う。まぁ欧州の選手だからやったぜと覇気を見せた若者に思わずご褒美をあげてしまったかもしれないが、かつてのコフトゥンのように大きな大会に来てがっくりする姿は見たくないのでその辺りもう少し上手くやって欲しいと思う。


4位 モリス・クヴィテラシヴィリ 86.98 TES48.98 PCS39.00 -1
今年最も伸びている若手では無いだろうか?相変わらず4Sと4Tの区別が難しいのだが、飛び方については言及しないルールのようなのでまぁ良いだろう。3Aとコンボは非常に良かっただけに4Tでの転倒はもったいなかった。ためが少なく綺麗な着氷の選手なので今後に期待している。上背もあって足も長いのに持て余していない感じが好ましい。スピンはしっかりレベルを取ってきている。ただキャメルはあまり上手くない。ジャンプを安定させたらキャメルの強化をお願いしたい。

 

5位 アレクセイ・ビチェンコ 86.79 TES46.29 PCS40.50
NHK杯からの連戦で心配していたがジャンプは4Tでちょっとシェイキーになった以外は非常に安定していた。ベテランなのにすごい。
演技のこなれ具合もNHK杯より良かった気がする。ステップのウキウキ楽しい感じが非常に良かった。ただしレベルは取れていない・・・この辺り多少ジレンマがある。上体の動き不足か3連を認定されていないのかそれともターンの左右が認定されていないのか、演じることを中心で良いとは思うが取れるならばせめて3は取っておきたいので改良を願いたい。
そしてPCSが40を超えた。後半3項目はあの楽しく滑るさまが評価されていると思うので自分に合ったプログラムをさらに良くしていって欲しい。

 

6位 ミーシャ・ジー 85.41 TES43.13 PCS42.28
4回転がないので80点台半ばからなかなか点数は伸ばすことができない。ただノーミスを繰り返してPCSはかなり上がってきている。
引退を考えている選手であるので構成的に無理をする必要はないし自分の世界を見せるという魅力を伝えるという意味で今の男子シングルにあって第一人者であるかもしれない。
ただ個人的にはあまりひげは好きじゃない。

 

ヴィンセントは高難度2つ回転不足+コンボ無しで点数を伸ばすことができませんでした。PCSも36となかなか厳しいシニアの壁に当たっています。高難度を1つにして演技をまとめて着実に成長する過程をとってもいいとは思うが五輪シーズンなので博打的になってしまうのでしょうか?その辺りがもったいないです。

そしてファイナルの可能性があるアーロンもジャンプミスが響いてかなり困難な状況になってしまった。ただファイナルがダメでも全米で巻き返し代表入りを獲得するためにはここでいい演技をしておきたい。ぜひ気持ちを切り替えて頑張って欲しい。

米露大戦!?―――GPFへの道

今季のGPF出場者は堅いなぁ、なんて思っていた自分を殴りたい。そうだよ、順当なGPS・GPFなんて過去無いんだよ。と言うことでおそらくは予想もしてなかったメンバーによる戦いになりそうです。

4戦終えた時点で可能性のある選手を見ていて思った。

 

これもしかしたらアメリカvsロシアになるんじゃね?


かなり低いですがアメリカ3人・ロシア3人という可能性もあるのです。それを自国選手のための招致したはずの日本で開催するとなったら何とも日本スケ連に皮肉な結果になります。女子もかなり厳しい状況ですので今頃ひやひやしているかもしれません。


とりあえず現状を纏めておきます。

 

確定 
ミハイル・コリャダー 3位ー1位 26ポイント

現在確定しているのはコリャダーのみ。次点が2-4位22ポイントのブラウンでおそらくこれを下回るポイントでの進出は無いでしょう。ブラウンもフランス・スケアメの結果によっては可能性もありますがこれまでの上位が順当に表彰台に乗ってしまうと難しくなります。

 

<現在15ポイント獲得>
ネイサン・チェン
宇野昌磨
セルゲイ・ヴォロノフ

次戦4位以上でGPF進出、5位でもいける可能性は残る。

 

<現在13ポイント獲得>
ボーヤン・ジン
アダム・リッポン

2位以上で進出確定。3位は組み合わせによって進出できない場合も有り


<現在11ポイント>
アレクサンドル・サマリン
マックス・アーロン
アレクセイ・ビチェンコ

1位で確定。2位は駄目な場合もあり。

9ポイントの選手も可能性が無い訳では無いが1位になるのは難しそうなので割愛。

 

アメリカ3人・ロシア3人になるためにはフランス杯で1位2位をアーロンとサマリンが占め宇野が5位以下になる&スケアメでリッポンが2位以上ネイサンとヴォロノフが4位以上でボーヤンが表彰台から漏れた場合。そうなるとネイサン・アーロン・リッポンとコリャダー・ヴォロノフ・サマリンの対戦になる。

 

もっともかなり難しそうな条件である。現実的に考えるとアメリカ2人・ロシア2人に日本と中国の6人になる可能性が高そうだ。

 

ただ確実そうな予想をして全く当たってこなかった今シーズンを振り返ればまだ波乱があるかもしれない。悪いことは起こって欲しくないが突然確変して上位に名乗りを上げる選手が現れるのはうれしい。そういった喜ばしい驚きを目にすることを楽しみにあと2週観戦していきたい。

ベテランという名の戦士たち―――NHK杯FSざっと感想

初のスマホによるライスト観戦でした。

youtubeさえもスマホで見るのは初めてだったので当初はなかなかたどり着かず・・・検索の仕方を悩むこと5分、検索しても出てこなくて更に悩むこと10分・・・結局ツイッターでスケカナの時にリツイートしたアドレスから飛んでようやくたどり着くことができました。
1/3サイズの画面は荒く輪郭もぽやぽやしていてTESカウンターの数字は1以外は判別できず・・・それでも回転不足や両足着氷もわかる程度のは見れたので良かったです。
当初は5分おき位にトイレの前でこっそり見ることを繰り返していたのですが、案外人通りが多く、最後の4人の時はもう堂々と見てしまいました。

 

1位セルゲイ・ヴォロノフ 30歳、2位アダム・リッポン 28歳、3位アレクセイ・ビチェンコ 29歳という平均年齢29歳の表彰台はソチ以前を含めても最高齢では無いでしょうか。この高難度時代にあっても自らのスタイルを貫いた者達による勝利だったと言えます。本当におめでとう!

 

ヴォロノフがPBを出してトップになったとき、頭に浮かんだのは「無良、君が今やるべきはこれなんだよ」と言うことでした。背伸びしすぎないで出来る可能な限り高い構成を組み着実に実行すること、スピンステップでできる限りレベルを確保すること、この2つ。そこまで高いGOEが付かなくても若干着氷が乱れても今まで長きにわたって世界で戦ってきた実績もあるのだからこの2つさえしっかり行えればある程度の点数は出るはず。構成に悩みながら演技するのでは無くこれと決めた構成とプログラムをしっかりとやりきること、PBの高さから言ってもそれが出来れば3枠目には入れる可能性は高くなる。どうかこのヴォロノフの姿から戦い続ける勇気と力を受け取って欲しい、そう思った。
そう感じさせるくらいヴォロノフの演技は力強く意思の通ったものだったと思う。若手には出せない魅力がここにある、演技後両手を上げて観客に応える姿に目頭が熱くなった。初GPS優勝、本当におめでとう!!

 

リッポンは4Lzを着氷して非常にうれしそうだった。明らかに回転不足な着氷だったのでその部分のマイナスは仕方ないだろう。しかし「着氷した」という事実はその後の演技に良い意味で作用したと思う。SPの遅れを取り戻して表彰台に上った。まだ1戦目であることからファイナルの可能性もある。五輪の代表を掴むための戦いもあることから良いアピールになったのでは無いか。
レベルも全て4で揃え特に得意なスピンでは多くのGOEを得た。自分の強みを大いに生かすこれもベテランの戦い方だと思う。次戦はスケアメでネイサンやボーヤンもいるが3位に入れればファイナルの可能性も高くなる。是非頑張って欲しい。

 

そして3位にはビチェンコが入った。1本目の3Aの着氷が乱れても直後の3Aをしっかりコンボに出来たと言う点が表彰台の確保と言う事に大きく作用した。ミスを後に響かせないこと、それはいつの時代のフィギュアスケートでも大事なことだ。相変わらずレベルは取りこぼしているしGOEはそんなにつかないがそれでも3位に入ったと言う事は大きい。フランス杯は連戦だしフェルナンデス・宇野・アーロンやサマリンとファイナルに進むにはなかなか厳しいアサインだが怪我などに気を付けて頑張って欲しい。

 

表彰台からこぼれ落ちたのはブラウン。4回転を回避し安全策で表彰台確保を狙ったが得点源の3A2本失敗しREPとコンボ不足を招いてしまった。この時代守りに入っては駄目なのだなという結果かもしれない。
ファイナルはフランス杯の結果に左右されそう。フェルナンデスと宇野が1位2位を占めてくれないと微妙になるかもしれない。4回転はともかく3Aを確実に成功させる必要があるのでその調整をしっかりして欲しい。

 

NHK杯でファイナル当確者は出ませんでした。羽生というカリスマ選手がいない戦いとなったことで改めてフィギュアスケートとはどんなスポーツなんだろうと考えさせられたりもします。4回転バンバン見ることも興奮しますが、個性あふれる演技をじっくり堪能することもやはり大きな魅力であると感じます。羽生を除く日本男子選手はそのどちらについてもまだもう少し力が必要なのかなとも感じたりもしました。今回NHK杯に出た二人もその他の選手たちも代表を争う上でいろいろ参考にして欲しいなぁと思います。

幾つになっても意思を失わなければ戦い方は各々にある、それが今回のNHK杯男子シングルで得た大きな感想となりました。また今後の楽しみが増えたいい試合だったと思います。参加した選手の皆様お疲れさまでした。この経験を踏まえた次戦を楽しみにしています。そして不本意な棄権となった羽生もまた一つ経験をしたと思って次に進んでください。

 

より高く飛び立つために―――羽生結弦NHK杯WDに

午後1時過ぎだったかようやく「羽生棄権」の報を目にしほっとしました。

 

おそらく羽生は4Sと4Tが飛べれば表彰台には乗れる、GPFまで4週間あるからそれまでには回復できて戦えると思っていたのだろう。その考えは理解はできるしその意識こそが羽生結弦だと思う。それでも今回に限っては棄権して良かったと思いたい。なぜならば怪我をしてしまったからではなく怪我をしてもまだ試合を考えられる状態だったからだ。

骨折などの重傷だったらその場で棄権しただろう。そこまでの怪我だったら五輪出場さえ本当に危ぶまれただろう。しかしそこまでひどくはなかった。羽生が望んだとおりやろうと思えばやれないほどではない状態で済んだ、それは不幸中の幸いだったといえる。しかし医者としてはやれるかもしれないが「確実に悪化させる」ことが見える状態だったからドクターストップを掛けたのだろう。五輪という最高の舞台を前に「悪化させた怪我」のリスクを負うべきではない。五輪の金メダルと引き換えるにはGPF五連覇は妥当ではなかったはずだ。

とりあえず今持ってしまった怪我をできる限り直すこと。その上で改めて体を作り直すこと。今回については前日に熱を出したという状態でそこまでもそれほどいいジャンプを飛べていなかった中4Lzというジャンプに向かってしまったことが良くなかったのだろう。制限された練習時間の中でどんな風に体を作っていくのか改めて検討するいい機会になったと思ってほしい。

 

GPFがなくなり1月半時間ができた。カナダに戻って治療しながら全日本に向けて再スタートになるだろう。

ポジティブに考えれば、GPFから全日本まで2週間という過酷スケジュールはなくなった。フェルナンデスもGPFがなくなったことから手術明けのオーサーへの負担も少なくなった。けがの治療を必要とすることから練習や試合ばかりを考える張り詰めた緊張感から多少解放された。改めて自分の考えを整理する時間をとれた。試合から離れることでマスコミ対応の時間を減らすことができた・・・・・・五輪という大舞台を前に悪いことばかりではないと思う。

医者からストップをかけられ涙したという羽生。何を感じて涙したのかはわからないが色々な思いがあったのだろう。それをすべて経験として次につなげていくことができる選手だと思っている。より高く飛ぶためには一度しゃがむ必要もあるだろう。今はその時間なんだと思って回復を第一に考えて欲しい。その上でさらに高みを目指すためにどうすべきか検討しその力を蓄えて大舞台に向かってほしい。

昨季もインフルエンザで不本意な棄権があったが2戦目のワールドで最高の演技ができた。全日本に出場出来れば五輪は2戦目だ。昨季できたことが今季もできないはずはない。平昌で金メダルを、その思いで今の苦難を乗り越えて欲しい。

 

 

それにしても・・・昨日テレビで羽生の転倒シーンを見て以来私も右足首に違和感を感じるようになってしまった。8年ほど前に右足首にひどい捻挫をしたのですが今でも何かあると出てくるんですよね・・・フィギュアスケーターにとって捻挫は良くある怪我なのでしょう。本当に過酷なスポーツだなと足首をさすりながらNHK杯の動画を見ています。どの選手もそういった痛みからできるだけ離れていますように、今痛みを持っている選手には早く回復しますように、改めて願っています。

王者は去り戦いは続く―――NHK杯SPざっと感想

誰が勝っても初タイトルとなることが確定したGPF。そこへの出場権を獲得するための試合が続きます。
とりあえず今回のNHK杯は羽生・チャンと優勝候補がいなくなってしまったため誰が表彰台に上るのか読めない戦いとなりました。

 

そしてやはり帰宅が間に合わず途中からの観戦です。

見たのは1位となったヴォロノフから。衣装は何をイメージしているのか全く理解できませんがとりあえず衣装だとわかるから良しとしましょう。
そして久々にジャンプを揃えた良いヴォロノフをみました。それにしてもSPから3Lzを入れてくるとは!30歳になっても構成を上げてくるというアスリートの姿勢を見せてくれました。
スピンもしっかりレベルを揃えましたし、ベテランらしい観客を意識した演技を見せてくれました。若手がぽんぽん高難度を飛んで点数を稼ぐ戦いが増えてきた中でこうしてベテランが違う魅力を見せて対抗してくれるのはうれしいです。
しかしヴォロノフのここ数年の課題はFSを纏めること。是非明日も頑張って表彰台に乗って欲しいです。

 

2位はビチェンコ。ジャンプは見た中では一番良かった気がします。そしてビチェンコも構成を上げコンボが3Fから3Lzになりました。年を取るにつれて演技が安定してくる不思議な選手です。
ただJOのときは揃ったスピンが今回は駄目でした。スピンは弱いのでレベルはしっかり取っておきたいところ。
そしてステップはJOの時よりもずっと良かったです。表情や目線の使い方など流石に元ロシアンと言う感じ。FSも頑張って是非表彰台に乗って下さい。

 

3位はブラウン。3AのSOとコンボが2Tになったことで点数を取りこぼしました。しかしPCSは非常に高く平均9点台間近に。
衣装も曲に合っていますし無理の無いジャンプ構成ですのではらはらしながら見なくて良い良さを感じる演技です。足を真上に上げた状態で体を止められる体幹の強さとバランス感覚が素晴らしい。ブラウンを見ていると体ってこうやって動かせることが出来るんだなと勉強になります。
4回転は課題ですがそれをミスっても他を纏めれば逆転1位は見えるはず。笑顔の表彰台が是非みたいです。
そしてキスクラでの羽生への温かいメッセージ、人柄の良さが窺えます。またファンを増やしました。ただ日本語は難しい言語です。ローマ字表記をそのままひらがなにしてしまったようなのでどなたか違いを教えてあげて下さい。


若手が飛躍する大会になるかと思いきや超ベテラン二人がSP1位2位のなるというある意味うれしい裏切りの展開となりました。
ここまでの3戦の4回転だらけの空中戦から一息ついた感じ。ここ3シーズより以前の戦いを見ているような気がします。この位の方が落ち着いてみてられていいかも・・・なんて思ってしまいます。高難度のぶちかまし対戦はワクワクしますがひやひやもするので必要以上に疲労するんですよね。今回のNHK杯SPを見ていると高難度化に歯止めをかけたい意図を感じる採点側の気持ちも少し理解できたりして・・・とりあえずどの選手もケガに気を付けて長いシーズンを過ごしてほしいです。

 

見れない悲しみーーーNHK杯を前に

中国杯で優勝したことでコリャダーの初ファイナルが確定した。一方で6位にとどまったフェルナンデスとNHK杯WDのチャンのファイナルがなくなった。昨季のファイナルと顔ぶれが変わる。五輪の前哨戦といわれるGPFの表彰台の意味は大きい。その権利を獲得するためにまずはそれぞれのGPSを勝ち抜かなければならない。

 

 118 佐藤洸彬
55 村上大介        → 58 友野一希
49 キーガン・メッシング
28 ナム・ニューエン
24 ミハル・ブレジナ
23 セルゲイ・ヴォロノフ
20 デニス・ヴァシリエフス
17 ドミトリー・アリエフ
10 アダム・リッポン
 9 アレクセイ・ビチェンコ
 8 ジェイソン・ブラウン
 1 羽生結弦

 

チャンのWDによってメッシングが2戦目を得ることになった。
このNHK杯の出場者は村上と佐藤以外は世界ランキングの比較的高い選手が多い対戦となっている。
日本・アメリカ・カナダ・ロシアとフィギュア強豪国の有力選手がかなり集まっているため枠を争う選手たちにとっては代表に選出されるためにも割と重要な結果となりそうだ。

 

GPFに進出できる可能性を持ったのは1戦目2位の羽生とブラウン。そして初戦となるリッポンとヴォロノフ。PBから言うと羽生・ブラウン・リッポンの表彰台の可能性が高い。ただ1戦目FSで崩れたアリエフが結構怖い存在だと思う。高難度ジャンプを飛ぶことができスケーティングもいい、今のところ体力的な問題も大きいが若手は成長が著しい。前回の経験を上手く生かし急成長していることを期待する。

羽生についてはSPでは4Lo、FSでは前半の4Loと後半の4Tからの3連を成功することを第一にしてほしい。この3つが今シーズンの2戦でまだ成功がない。変な苦手意識をつける前に成功体験を作って欲しい。

 

といってもNHK杯はリアルタイムでは見れないことが確定している。金曜日は仕事で土曜日は忘年会で帰宅は22時半すぎになる。帰宅したら面白い演技がたくさん見れることを願っている。

 

(ただ忘年会ではスマホでライスト見れるかな?とこっそり悪あがきを企んでいます。ユーロのYoutubeNHK杯でもあることを願っています)

 

11月6日追記

村上大介が急性肺炎でWD.代わりに友野一希が入りました。残念ですがゆっくり休んで体調を整えて欲しい。五輪の代表の3枠目はまだ誰が有利という状況ではないので全日本にしっかり備えてください。一方友野はチャンスを手にしたわけですから連戦で大変ですがPBが出せるよう頑張ってください。

 

大自爆大会を制するものーーー中国杯FS感想

強い女達の戦いでした。ほんの少しのミスで順位に差が出る結果に。三原は惜しいところで表彰台に乗り損ねました。やはり前半グループになってしまったことが大きかった。次のフランス杯でもザギトワに当たりますしオズモンドもいますのでファイナルはかなり厳しいですが気持ちを切り替えて次に進んでください。
そして樋口は会心の出来ではないでしょうか。点数も十分に与えられたと思います。この好調を年末まで持続できるようもっとプログラムを深めて下さい。

 

ケヴィン・レイノルズ 226.50 162.10 TES 88.16 PCS 73.94 
クラシカルな雰囲気の素敵衣装。冒頭のジャンプは引っかかって飛べず。4TはOK,4Sコンボも斜めったけど頑張った。丁寧に滑っているが思いの外スピードが出ない感じ。ただジャンプは淡々と降りている。セカンド3Loの回転は大丈夫か?
一つ一つのエレメンツを確実に実行した演技だった。髪の乱れが羽根飾りみたい。リプレイで見るとコンボの4S足りてない。他も着氷でくるっとしているジャンプが幾つかあるのでだいぶ引かれそう。


アレクサンドル・マヨロフ 186.04 121.77 TES 53.63 PCS  69.14 -1
白が気になる不思議衣装。4Tは抜けたが3AコンボはOK。ジャンプは抜けまくるが振付はしっかり行うしつなぎも頑張っている。欧州らしい見せる演技は観客としては楽しい。フライングスピンで転倒、ポゴリラヤみたいでびっくりする。
ジャンプは本当にタイミングが合わないのか乱れまくっているが演技をしっかり見せようという意識が見て取れるのでそこまでの悲壮感は無い。ただ点数は伸びない。

 

フー・ジャン 167.58 120.59 TES 59.15 PCS 61.44 
4回転も3Aも高さはあるがドスンと降りてくるのがちょっと怖い。昨日も思ったが案外滑れる選手で悪くない素材だと思う。ただ曲想や振付が本人に会っているかは微妙。ジャンプの構えや着氷などもう少し良いコーチについて修正すればかなり伸びそうな印象がある。腕のだらんとした時間が長いのがもったいないがどちらかと言えば振付の問題かな。後半がくっとスケートの伸びが落ちるのでもう少し試合に出て経験を積みたい。コンボが入らなかったのが痛かった。

 
グラント・ホクスタイン 216.44 135.89 TES 63.83 PCS 73.06 -1
冒頭4Tが抜け、3Aは踏ん張った。転倒と抜けてTESが伸びない。この氷は抜けやすいのか?シットスピンはいつも深くて好き。3回転はまずまずまとめた。コレオのロングイーグルが曲に合わせて生かされている。ラスト何とかコンボ付けようとした姿勢は評価する。

 

ヴィンセント・ゾー 256.66 176.43 TES 102.35 PCS 75.08 -1
4Lz+タノ3T本日も成功。4Fはこらえ4S転倒。アメリカンの振付にロングイーグル(チェンジエッジ)は必須か。2本目の4LzSO、3Aは今日は決めた。4SコンボOK。ただジャンプの間は上体を起こした腕だけの振りが多いのが単調で長く感じる。ラストの3Lzからの3連も頑張った。とにかく高難度ジャンプを降りるという仕様だがとりあえずやりきった。リプレイで見ると回転はかなりぎりぎり、UR取られそう。ジャンプではらはらして演技よく覚えていない。


アレクサンドル・ペトロフ 186.02 117.44 TES 56.04 PCS 67.40 -6
4回転は両足、3AコンボはOK。ただジャンプ飛んでいる間曲を聴いていない感じ、BGM化している。若い選手に多いがステップで初めて曲を意識して演じる感じ。ジャンプのタイミングが合っていないのか飛び上がるまでに間が空くのが気になる。最高点に上がる前に落ちている感じのジャンプになっている。転倒が増えてしまったためかステップが流し気味。マヨロフの様な頑張りも時には必要。

 

ハン・ヤン 254.61 172.39 TES 88.67 PCS 83.72 
面白い髪色のハン・ヤン。大きな3Aコンボでスタート。ここまで良い4Tは久しぶりに見た。昨季までよりのびのび滑っている印象。表情もいいです。着氷が多少乱れる部分はあるけれど抜けない転倒しないというのはハン・ヤンにとっては大きい。着実にTESを積み上げている。何よりハン・ヤンの持つストレスを感じない滑りが生きている。ここまで纏めたハン・ヤンは2年前の四大陸以来か。コーチに飛びつくハン・ヤン、明るさがとても良い。

 

マックス・アーロン 259.69 176.58 TES 96.60 PCS 79.98 
黒白じゃ無いとグレーなのか君は・・・
アーロンは案外ドラマチック曲を選ぶ傾向にあるけれど本人がそういうの好きなのだろうか?あんまり器用なタイプでは無いので演じるとか情感とかよりダイナミックとか疾走感的な方が良いと思うのだけど・・・
ジャンプはダイナミックに飛んで降りる。どうしても荒くなってしまうけれどやろうという意識は見える。そして久々にジャンプを纏めたアーロンが来た。ガッツポーズの笑顔が良い。ただ曲と衣装が合わないし個性という部分でも違和感が最後まで残る。PCS評価としてはどうなんだろう?


田中刑事 247.17 159.98 TES 81.40 PCS 79.58 -1
ローソン店員にジャケットがついた衣装。4S何とか4T抜け3A成功というまずまずなスタート。何でも無いところでの転倒はもったいない。そしてコンボをやはり余らせる、これは駄目。持越プロなので動けてはいるが色々もったいないところが・・・コンボ抜けとか取りこぼさないように対策をしたい。怪我からの復帰戦なのでまずまずの出来だったのでは。

 

ハビエル・フェルナンデス 253.06 162.49 TES 72.93 PCS 89.56 
3Tでスタート、4Sお手つき、3ASOとジャンプが定まらない。体は締まっているが軸が確立していない感じ。滑りは昨日より良いし動きそのものは悪くないがジャンプが全部ずれて見える。滑り込めていない感じでもないし一生懸命演じているが自分のしたいことと体の状態がかみ合っていない。

 

ボーヤン・ジン 264.48 170.59 TES 92.81 PCS 78.78 -1
丈はそれで良いのか不思議な白衣装。4Lzこらえ、4SSO。曲はともかくローリーがこの曲でボーヤンをどう見せたいのか微妙な振付。4Tが2本とも乱れてREP、抜けないことは良いが着氷がいまいちなものが多くGOEが稼げていない。かなり疲れているようで後半は下を向いている時間が多くかなり押して滑っていた。それでも表彰台は確保したはず。抜けないことは大きい。それでもこのプログラムでボーヤンの良さを感じるのは難しい。


ミハイル・コリャダー 279.38 176.25 TES 90.11 PCS 87.14 -1
今季国際大会だけでももう4戦目、国内を入れると何戦目だのコリャダー。4Lz転倒、4S抜け。3Aコンボは大丈夫でほっと一息。滑ってはいるがどこか堅さを感じる。4Tはクリーンに成功したが3Aで抜けと落ち着かない。3Lzからの3連は良い出来。抜けを幾つかしてしまったためTESは伸びなかった。ただコンボをしっかり消化したことは良かった。


男子は大自爆大会となりました。氷が悪いのかそれとも高難度過ぎてこうなるのか・・・転倒は後半グループはそこまで無かったものの抜けが抜けを呼んで抜けまくったと言う結果に。
そしてフェルナンデスのファイナルが消えコリャダーの進出が決まりました。チャンがNHK杯棄権したため昨季の6強以外少なくとも二人出場になります。


しかしFSでアーロンが1位になり表彰台に乗るとは!SPFS共にヴィンセントを上回ったことも大きいです。次のフランス杯の結果によってはファイナルも・・・・・・いや、今回は無欲の勝利と言う事で次もその精神で頑張って下さい。

SP順位とFS順位がここまで違った試合はそう有りません。大自爆大会でしたがそれでも良い演技だった選手が順位を上げたわけです。そういう意味ではアーロンとヴィンセントは頑張ったと言えます。

 

プロトコルを見て>
何とびっくりアーロンオールレベル4!その昔ワールドのプロトコルでスピンステップが悲しい点数と書いた覚えがあるのですが19点近くも獲得するとは非常にうれしいです。GOEはどうしたってそんなにつかないだけにレベルは大事と書いてきましたがこんなに揃えられるなんて感激です。これが今回の勝因だったと言えます。ぽろぽろジャンプでマイナスを受けていますが今日のところは良いでしょう。抜けず転倒せずレベル確保とやるべきことをしっかりやりました。総合3位FS1位おめでとう!
ヴィンセントは転倒した4Sと後半4LzでURでした。正直最初の二つも危ないと思うのですが4Lzコンボは+2もGOEがついていました。タノの印象が良かったのでしょうか。ジャンプについてはもっとマイナスがついているんじゃないかと思っていましたが3つだけ、中国杯はここまでの2戦よりは若干甘目かなという印象です。全体的にジャンプ飛んで降りるだけの演技ですのでPCSは仕方ないです。シニア入りしたボーヤン並みかな?私的にはTRとPEは6点台でも良かったのではと思っています。
コリャダーは本日はちゃんとオールレベル4でした。ここも1位を確保できた勝因の一つ。あとは成功したジャンプにGOEがつくことが大きかった。PCSは昨日とほぼ同じでした。転倒と抜けという大きなミス有りでこの数字が出ればまずまずではないでしょうか?
復帰戦のハン・ヤンはFS4位で総合5位に入りました。マイナスを受けたのは!の付いたフリップだけというまずまず綺麗なプロトコルです。ここから上げて表彰台を塗らうにはもうひとつ4回転を入れることとスピンステップのレベルをそろえることかな?ただ今回はしっかりジャンプを飛べたことが良かったのではないでしょうか。
ボーヤンは転倒とREPのダブルマイナスが一番大きかったですがそれ以外でもマイナスを受けるジャンプが多かったことが敗因。ついでにPCSを下げてしまったことは今後を思えば良くなかったです。ステップのレベルもとれていませんしPCS評価を見てもジャッジにプログラムを理解されていないなという気がします。私もつかみどころがなくどう楽しめばいいのか理解できませんでした。ジャンプを安定させることも必要ですがその辺りのブラッシュアップが必要かと思います。
そしてファイナルの可能性が消えたフェルナンデスは抜け祭りでREPとコンボ不足の6位でした。レベルが取れていたのでまだこの点数でとどまったと言えます。オーサーが不在ということが大きかったのかな?精神が落ち着かないまま演技してしまって釈然としないまま終わってしまったという感じです。ただこれで時間ができたわけですから気持ちを切り替えて五輪準備をするべきかと思います。強いフェルナンデスを五輪で発揮できるよう十分な準備をしてください。
田中はプロトコルを見るとそこまで悪くないのですがそれがある意味では問題かもしれません。今回は復帰戦ということで試合感覚をつかんだかと思います。次は自分が何をジャッジに評価されたいのか明確に魅せられるよう頑張って欲しいです。

 

女子は神大会といってもいい試合だったのに男子は何でこうなったという感じになってしまったのが残念です。とりあえず今回はコリャダーの美しい4Lzが見れたことが収穫かな?どの選手も次の試合でもっといい演技ができるようしっかり体調を整えて頑張ってください。