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つれづれなるままに・・・

日々の思ったことを綴っていきます。

成長と安定の狭間で―――ナム・ニューエン

オリンピック年のジュニア世界選手権で金をとり翌年から本格シニア入りというある意味羽生コースをたどっているニューエンは弱冠16歳最年少でカナダチャンピオンになった。1年目にして着実に実績を積み上げたニューエンの14-15シーズンを振り返る。

 

Sアメリカ  総合3位 232.24 SP7位 73.71 FS2位 158.53
中 国 杯  総合4位 221.85 SP6位 72.85 FS5位 149.00
四大陸選手権 総合11位 209.33 SP14位 63.78 FS8位 145.55
世界選手権  総合5位 242.59 SP9位 77.73 FS4位 164.86

国別対抗戦  総合6位 236.05 SP6位 77.42 FS7位 158.63
  平均     総合 228.412  SP  73.098  FS  155.314

 

オリンピック翌年、羽生の後にシニアに上がったコフトゥン・ハンヤンなどSPFSともに四回転を入れている組が伸びてくるかと思われたが、思いの外伸び悩みその間をするする上ってきた印象のニューエン。世界選手権5位はその前年のコフトゥン4位を思わせる成績だ。しかし得点だけで見ると最高で240強、まだチャンピオンシップの表彰台は難しい。シニア本格参戦年にいい演技をするとポンっと点が出る場合がある。ただそれを翌年にも継続できないと逆に下がっていく傾向もある。

来季は世界選手権3連覇のパトリック・チャンが復帰する。ナム・ニューエンの真価が問われる年になる。次のオリンピックでのメダル候補に名乗りを上げることができるか成長を見守りたい。

 

<ジャンプ>
SP 予定構成 3A  //  3Lz+3T  3F  =25.44    4S  //  3A  3F+3T  =30.19(四大陸のみ)

        基礎点   GOE   減点   合計
Sアメリカ  25.44  0.87      26.31
中 国 杯  25.44  0.73      26.17
四大陸選手権 19.69 -2.40  -1  16.29
世界選手権  25.44  1.16      26.65

国別対抗戦  25.44  1.57      26.60
  平均   24.29 0.314  -0.2  24.404

 

SP四回転を試した四大陸が大きく平均を押し下げているが他は全て基礎点を上回っているのでジャンプについては非常に安定していたといえる。オーサー曰くナムは得たジャンプは失敗しないとのことなので、本格的にSPクワドを練習してくれば怖い存在になってくる。

問題としては世界選手権以降3Lzに!がついていること。男子の3Lzは最低条件なので気をつけたい。GOEが成功してもあまりつかないのは幅と高さが男子選手にしてはないから。スピードも今期初めよりは出るようになったが、最終グループなどで見るとやはり足りない。成長期であるからなかなか難しいがスピードを落とさずジャンプを飛べるようになりたい。

 

FS 予定構成 4S  3A+3T  3A  //  3S  3F+2T+2Lo  3F+2T  3Lo  3Lz =64.93(GPS)

4S  3A+3T  3S  //  3A  3F+2T+2Lo  3F+2T  3Lo  3Lz  =65.36(四大陸以降)

        基礎点   GOE   減点   合計
Sアメリカ  64.93  0.87      67.99
中 国 杯  62.67  2.39      65.06
四大陸選手権 59.06  0.89      59.95
世界選手権  65.36  5.22      70.58

国別対抗戦  62.26  0.74      63.00
  平均  62.856  2.46      65.316

 

4Sの成功率は半分ほどなのだが転倒は1回もない。転ばないのは安定してすばらしいと言いたいが、一方でスピードと高さがないので転ばずにいられるという意味でもある。羽生のように転倒が多いのも問題だが、転ばない程度に飛ぶというのは成功したときのGOEも少なくなると言うことでもあるというデータ。どちらを選ぶかは本人とコーチ次第と言うことかもしれない。

 

<スピン>
SP

        基礎点   GOE    合計
Sアメリカ   9.3   0.93  10.23

中 国 杯   8.8   0.39   9.19
四大陸選手権  9.7   0.77  10.47
世界選手権   9.3   1.00  10.30

国別選手権   8.8   0.82   9.62
  平均   9.18  0.782  9.962

 

スピンはニューエンの要課題であるといえる。レベルの取り損ないもままあるが問題は評価。特にキャメルは良くてGOE0、マイナスの方が多いと言う結果。スピンの重要性を説くオ―サー門下としては最重要ミッションだろう。

 

FS

        基礎点   GOE    合計
Sアメリカ  10.3   1.50  11.50
中 国 杯   8.3   0.72   9.02
四大陸選手権  9.6   1.85  11.45
世界選手権   9.6   1.50  11.10

国別選手権   9.0   1.14  10.14
  平均    9.3  1.342  10.642

 

レベルがとれたのはSアメリカだけ。特にシットスピンがレベルがとれないことが多い。GOEもトップ選手の中で見れば低いとしかいえない。マイナスこそないがジャッジ内ではマイナス表記がちらほらあるので評価はされていないと言うことだろう。

 

<ステップ>
SP

        基礎点   GOE    合計
Sアメリカ   2.6   0.57  3.17
中 国 杯   2.6   0.43  3.03
四大陸選手権  3.3   0.71  4.01
世界選手権   3.9   1.10  5.00

国別選手権   3.3   0.71  4.01
  平均   3.14  0.704 3.844

 

シニアに上がって選手が苦労するステップ。まずは安定してレベルをとること。表情豊かで表現力があると言われる選手だけに将来的にはこのジャンルでGOEをもらえるようになりたい。まずはもう少し足下、かな?

 

 

FS

        基礎点   GOE    合計
Sアメリカ   5.9   1.50  7.40
中 国 杯   5.3   0.96  6.26
四大陸選手権  5.3   1.77  7.07
世界選手権   5.3   1.30  6.60

国別選手権   5.3   1.47  6.77
  平均   5.42   1.40  6.82

 

悪くない点数というところ。SPよりよくなるのはコレオが評価が高いと言うことだろう。クリケットのスケーティング教習で足下アップに励めばもっと高くなるだろう。表現力はあるのだから。

 

<TES計>
SP 

        基礎点   GOE   減点   合計
Sアメリカ  37.34  2.37      39.71
中 国 杯  36.84  1.55      38.39
四大陸選手権 32.69 -0.92  -1  30.77
世界選手権  38.64  3.42      42.06

国別対抗戦  37.54  2.69      40.23
  平均   38.61 1.822  -0.2  38.232

 

シニアに上がったばかりの選手の多くがそうであるようにニューエンも現時点では基礎点で稼ぐ選手。ここから構成を上げてより基礎点に頼るか完成度を高めてGOEを稼ぐか、あるいはその両方を得ようとするのか選手ごとに分かれていく。シニア1年目を終えてナム・ニューエンがどういった選手になっていくのかとても楽しみである。

 

FS 

        基礎点   GOE   減点   合計
Sアメリカ  80.83  6.06      86.89
中 国 杯  76.27  4.07      80.34
四大陸選手権 73.96  4.51      78.47
世界選手権  80.26  8.02      88.28

国別対抗戦  76.56  3.05      79.61
  平均  77.576 5.142      82.718

 

TESが高値安定したことから入賞圏内に安定して入ってきた。というかこの数値超えるの今のところフェルナンデスと羽生だけ。国別入れないと羽生より上になるんだ。FSのTESはクリケット3強と言うこと。二人に比べると基礎点の歩合が大きいからいかに安定してジャンプを成功させたかがよくわかる。この安定感を維持して行きたいがまだ成長期色々大変なこともあるだろう。ただ太るタイプではなさそうなので上手く両立して欲しい。来季はSPに4回転入れてくるかな?ステップから跳ぶのは一段レベルが上、是非頑張って乗り越えて欲しい。

 

<PCS>

SP 

         SS  TR  PE  CC  IN  合計

Sアメリカ    6.57   6.54  6.96  6.93  7.00   34.00
エリックB    6.79   6.71  7.07  6.96  6.93   34.46
四大陸選手権   6.75   6.36  6.43  6.79  6.68   33.01
世界選手権      7.00      6.86     7.21  7.18  7.43   35.68
国別対抗戦    7.36   7.14  7.61  7.54  7.54   37.19
平均       6.894    6.722   7.056    7.08   7.116   34.868

 

全体的に割と高めに出た四大陸で逆に落ちているニューエン。だが元々の構成でやった場合は徐々に上がっているのがよくわかる.平均が今や7点代半ば、安定した成績を出すのが大事だと言うことがよくわかる。
スケーティングもだんだんシニアらしくなってきた.来期もこのまま延ばしていきたいところだ。

 

FS

         SS  TR  PE  CC  IN   合計

Sアメリカ    6.93   6.89    7.32       7.29     7.39       71.64
エリックB    6.75   6.61 7.04     7.00  6.93    68.66
四大陸選手権   6.82   6.32    6.75     6.86  6.79    67.08
世界選手権       7.43   7.36  7.82    7.75  7.93   76.58
国別対抗戦    7.75   7.61  8.04    8.07  8.04   79.02
平均       7.136  6.958  7.394    7.394   7.416     72.596


課題はやはりSSかな。まだジュニアっぽいと思われているのかも。表現力は高いと思われているのでまずは足下の技術を高めていく時期なのだろう。

 


<来期に向けて>
まずは基礎力アップ。スケーティングとスピン強化が第一。でも構成上げてくるかな、クリケットだし。ただ個人的にはフェルナンデスや羽生のようなばんばん高難度ジャンプを飛ぶタイプとは思えないのでむしろ四回転を跳ぶブラウンを目指す方が向いているように思う。
オーサーは大人の演技を求めているようだが今はまだ若いので今しかできないプログラムをどちらかやってくれるといいと思う。ジャンプ厨の兄弟子たちのちょっかいに負けず我が道を行って欲しい。是非カナダチャンプをチャンと正面切って争える選手になって欲しい。