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つれづれなるままに・・・

日々の思ったことを綴っていきます。

GPS雑感1

GPSが半分まで終了して主だった選手がだいたい出そろった
ここまでの上位選手達について色々書いてみる
といってもこれは私個人の勝手な印象・考えなので間違いや突っ込みどころも多いかもしれない。

ふーん、この人はこの選手をこうやってみているんだ~程度に読んで下さい


パトリック・チャン
最近知ったのだがFSでは同点の場合PCSが高い選手が上位になるそうだ。まぁ滅多に無いことだろうがもしそういうことが起こったらこの人が負けることは無いんだろう。
休養開けのシーズン、その持てるスケーティングを存分に生かすことに焦点を当ててきた。確実な基礎点と完成度によるGOE、それによって間違いなく高く出るPCSで勝とうとする戦略だ。
それがはっきり見て取れるのがFSの構成。4回転を確実に1本決めること、そして一番不安なアクセルを1本だけにしたこと。更にジャンプ前のつなぎを無くしたこと。
特にアクセルの前には十分な助走を入れてきた。苦手意識を減らすことで確実性を増したのだろう。
結果、77点弱の基礎点に対し18点以上の加点を得てTES95点オーバー、PCSもまた同じくらいの数字を出した。自国開催だったことも大きいがとりあえず1回出したことである程度これが基準になることは間違いない。同じレベルの演技をすればTotal185は超えてくるだろう。そして今現在安定的にこの数字を超えられる選手は数少ない。
ただ多少不安なのがSPである。アクセルが不安なことはもちろんだが、SP単独ジャンプはステップ即跳びが規則である。今季はこれの基準が厳しい傾向があるからきちんと入れて飛ばなくてはならない。Lzは苦手なジャンプでは無いがステップ込みとなるとまだ現状安定していない気がする。
スケカナはみんな自爆したSPだったためFSの出来で勝利できたが、SPで10点以上はなされた場合、構成上上限は見えているので巻き返せない可能性がある。今後はSPの出来で順位が変動するかもしれない。

 

宇野昌磨
日本では高橋2世などと呼ばれる傾向があるが、JO・スケアメをみて宇野は私の中ではパトリック・チャン族に分類された。
表現力がどうのでは無く単純にジャンプの飛び方や戦略がチャンに近いということ。ジャンプ前のつなぎが少なく十分なスピードを生かし大きなジャンプを飛ぶ・・・それがチャン族だ。ちなみに他にはハンヤンなどが含まれる。
チャン族の特性としてはスピードを生かして飛ぶため決まったジャンプは大きく流れのある着氷が出来、GOEがつきやすい。滑りにスピード感があるためまとめるとPCSも出やすいというおまけが付いてくる。
一方でスピードをつけて飛ぶため上手くコントロールが出来ないと転倒や回りすぎでステップアウトの失敗が多くなる。
ハンヤンよりは重心が低い分まだ安定感があるがまだ若手でPCSも上位に差がありその分攻めた構成にしている。今期中に更に別の4回転を入れてくるなどという話も聞こえるが、現時点でではそれは勧めない。
正直に言えばスケーティングも上手いし、表現力も評価されているが高難度な分チャンほど消化されていない印象が強い。エリックでぶつかったときにどういうPCSになるかわからないがまずはFSのTESで確実にチャンを上回る必要がある。
より高難度に挑む前に、もう少しつなぎを入れたジャンプを幾つかでも飛べるようにした方が良い。チャンは休養開けで今のレベルだがかつてはもっとつなぎを入れてジャンプを飛んでいた実績がある。同じ方法で同じレベルのジャンプを飛んでも4回転と3Aが多いくらいではチャンの評価を上回ることは無い。ジュニアのタイトルを持ってはいてもまだシニアの実績は無いに等しいのだから。

 

ハン・ヤン
もう一人の代表的なチャン族のハン・ヤンはすでにジャンプの安定感が無いことを今季を示し始めてしまった。
スケーティングが良いせいで大きくはPCSを下げることはないのだが上がることもない。38~40を行ったり来たりするだけだ。ボーヤンが本格的に中国トップと目されてしまうと更に下がることになるかも。
中国選手には珍しくスケーティングが良いのが魅力であるがコントロールしきれないのと、演技中失敗が出ると一気に覇気が無くなってしまう辺りがなかなか表彰台に絡まない原因だ。
まずは確実に決められる自信のあるジャンプを作ることが大事だろう。その為には選曲や振付にももう少し自分から関わってみることが必要かも。どうも振りだからやっている感があり、ジャンプの飛び方が日によって違う印象が大きい。
幅のあるジャンプが自分の武器だと思って遠くへ飛ぼうという意識が強いのかもしれないがそのこと自体がもしかしたらジャンプを不安定にさせている原因かもしれない。
どういうスピードでどの程度の幅で飛ぶのが一番安定した着氷が出来るのか一度自分で確認してみる必要がある気がする。

 

ボーヤン・ジン
中国杯で鮮烈デビューした4回転の申し子とも言うべき天才ジャンパーである。
プログラムはSPFS共に持ち越しプロなので滑りなれている分、特にSPについてはジャンプを安定して飛んでいれば世界選手権の頃にはPCSが38程度まで出るかもしれない印象がある。
一方でFSについては世界J・国内戦・中国杯をみた印象だけでいうとジャンプだけのプログラムだ。中国杯ではPCSがSPのほぼ2倍の数字であったが世界選手権の頃にはかつての羽生のようにFSになると下がるという結果になるかもしれない。
ジャンプの印象で言うと彼は私の中でナム・ニューエン+ロシアン族に分類された。
スケーティングがいまいちでスピード感がない、ジャンプ前にスピードを落とし回転の速さとジャンプの高さで回るため着氷がつまりがち流れない、成功してもあまりGOEが付かずマイナスがあるとしっかり引かれてしまうタイプだ。ついでにこのタイプはジャンプで大きなミスが無くてもあまりPCSが出ないと言う特徴がある。
ただLzについては4回転でも3回転でも比較的流れで飛べるので他のジャンプも同じように出来ると幅と流れが出てくると思われる。
現時点ではPCSはとりあえずほどほどもらい基礎点を上げることでTOPに食い込もうという意識が見える。その為場合によっては今期中にもう一段難度を上げるかもしれない。GOEがあまり付かなくても高難度ジャンプを安定して飛べるという意味でPCSを強引に出させる戦法なのかもしれない。
ジャッジがこの戦法に対してどの程度抵抗するのか今の段階では読めないが、今回の中国杯ですら一部の国の解説者がもっとPCSが出るべきだと言い出しているのでいずれ出さざるを得なくなるかもしれない。
ただしジャッジの後ろにはISUがいてルール改正というある意味錦の御旗を持っている。あからさまに高難度のみ追求するとPCS係数が変わったりジャンプの点数が下がるor他のエレメンツの点数が上がる可能性がある。高難度化はある程度にしてエレメンツの質やスケーティング・つなぎなどの強化に励んだ方が良いと思う。

 

ナム・ニューエン
シーズン序盤ではあるが今季はちょっと厳しいな、と言う印象を与えてしまった出だしだ。
ジャッジはシニアに上がったばかりの選手が安定した演技を見せると案外気前よく点数を出す傾向がある気がする。ただしその後のシーズンで成長を感じないと同レベルの演技では点数を渋る傾向も見られると思っている。わかりやすい例とすれば昨季のGPFのコフトゥンがFSの点数をみて世界選手権と変わらない演技だったのに低いと不満を口にしたことがある。
ニューエンは成長が無かった訳では無い。昨季まで入れていなかった新しい4回転の導入や4-3のコンビネーションを入れたりしている。ジャンプの前のつなぎもこってきている。ただし全体的にはジャッジが改善して欲しいと思っていた部分とは違ったと言う印象が強い。
ジャンプが安定して決められるというのは美点ではあるが、スピードを緩めてジャンプを飛ぶことに関してはジャッジは良い印象を持たない。今季はつなぎを入れることでこの欠点を隠そうとした気がするがかえって悪影響になった感じだ。というのは最終グループのスケーティングが良い選手の中でニューエンのスピード感のなさは悪目立ちする。昨季はシニアに上がったばかりだから、と良い部分のみ評価されたが2年目となってくると弱点に目をつぶるというのは難しくなってくるのだろう。
更にチャンというかつてのカナダチャンピオンが復活してきた以上、1番目の選手としては弱いと言う認識になってしまうかもしれない。4回転を2回入れてジャンプをまとめてもチャンに惜しみなく出したPCSがニューエンには与えられなかった。
ニューエンサイドとジャッジの認識のずれが大きいことが見えてしまったが今更選曲を変えることは出来ない。無理なつなぎを減らしてもスピードに乗ったジャンプが出来るように振付を変更できないだろうか?
身長がまだ伸びて体型変化にジャンプが安定しない部分があるようだがここはいったんぐっと辛抱して基礎力をアップしたいところだ。オリンピックまであと2年ある。カナダ2位を確保できれば良いと考えて今季の試合を乗り越えたいところだ。
どっこいしょと飛ぶジャンプでは無く滑りの中での自然なジャンプを目指して欲しい。ついでにスピンの改善を。