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つれづれなるままに・・・

日々の思ったことを綴っていきます。

97.20の衝撃―――NHK杯羽生結弦FS感想

フィギュアスケート 羽生結弦

得点が表示された瞬間、私は咳込んだ。かなり激しいしかも止まらない咳込み方で階下から母が「どうしたの?風邪?」と尋ねるほどだった。
しかし止まらない咳に答えることもできず、私は手で口を押えながら「これはジャッジの羽生への完敗宣言だな・・・」なんて事を考えていた。

 

スケートカナダのFS直後だったと思うが、羽生が断ってプロトコルを見てからインタビューに答えたことがあった。その時発したつぶやきを耳にした時、私は羽生がプロトコルをテストではなく通知表のように認識しているのか?と思った覚えがある。

ただ単に○×をつけ点数で結果を示すテストではなく、担任の意見や感想要望・生徒の良いところ悪い所なども書かれて示される通知表…なかなか面白い認識だと感じた。

 

あとでプロトコルを見ながらそれを思い出した時、もしかしたらジャッジとしては羽生よりボーヤンにノーミスされた時の方が採点しやすかったんじゃないかな~と思った。
君のジャンプの技術は凄いね、スピンもきちんと回ってる、ステップも必要要素を満たしている、だからレベルを認定するし技術点はしっかりあげるよ。ただねその他の部分はまだまだだね、つなぎも少ないしリンク使いも単調だ、ジャンプの飛ぶ場所も偏っているね、そういうことで演技構成点ではそんなには点数が出せないよ。頑張って次はもっと良いものが見れるように期待しているよ。というようにもっとこうなって欲しい感のある採点になったに違いない。

 

しかし今回ノーミスをしたのは羽生結弦だ。ボーヤンを除いた最高難度の構成、つなぎもフェルナンデスと並んでトップクラス、ジャンプの飛ぶ位置も飛び方も様々に工夫しているし羽生しか出せない世界観を演じた…多くのジャッジにとってあとどこが足りないとは示せない演技だったのではないか。そんなわけで10.00が数多く並ぶことになった。

 

メディアではINの10点の多さを指摘していたが、私としてはPEの2つに思わずガッツポーズしてしまった。
昨季のまとめで羽生は他の選手に比べPEが低い傾向がある、と書いたからだ。

羽生はシニアに上がって以降、素晴らしい演技を数多くしてきたがそれでもどこかにミスが出ることが多かった。特に昨季は一度もノーミスが無かった。演技と実行が低めに出ることは仕方ないと思うしかない。

だからPEに2つ10点が付いたことが本当に嬉しかった。何度転倒しても4Sを入れ続けたり、体力がなかったころから入り出にこだわってきたり…そんなこれまでのすべての羽生の努力が認められた気がしたのだ。
もうこれ以上君に対して何を望んでいいのかわからない、完敗だよ、そうジャッジが手を挙げたように感じたのだ。

 

演技構成点97.20―――これ以上の数字が出ることがあるのか、ちょっと思いつかない。しかしこれからも羽生はその上を目指していくのだろう。

 

322.40なんて高得点を出してしまってこの数字がプレッシャーになるのではという意見をよく見かける。でも私はその意見には賛同しかねる。超えるか超えないかはわからないが羽生はより良いものを目指すだろう。懸命に限られた時間の中で・・・

それだけでいいと一スケートファンは思う。最後の試合を終えたとき羽生の中でやり遂げた実感があるのならば・・・そしてそれは決して数字ではないと思うのだ。

 

何点出るのか、気にするのはメディアであって羽生ではない。外野が騒ぎすぎることでそれを疎ましく思うようになることはあるかもしれない、それは最悪の事だ。マスメディアが余計な害悪を生み出さなければいい、ただ今はそれを願う。