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つれづれなるままに・・・

日々の思ったことを綴っていきます。

フィギュア強豪国のジレンマ―――全米選手権雑感

全米選手権は盛り上がった。
女子も見ごたえのある逆転劇だったしアイスダンスのシブタニズのALLレベル4の勝利も見事だった。なんというかアメリカの選手は全米強いなぁって言う感じ。当たり前と言われるかもしれないけどシーズン1の演技が全米で出ちゃうのはちょっともったいない気がしないでもない。四大陸でも世界選手権でも同じくらい熱い戦いが見れることを期待している。

 

そして男子シングルも良い勝負だった。ブラウン・ファリス・ドーンブッシュと言った表彰台を争う選手が棄権となり盛り上がりに欠けるかもと心配したが客席の空きはともかく試合そのものは良い勝負だった。
結果的に表彰台のメンバーは当たったものの順位はリッポン・アーロン・ネイサンということに。ネイサンはSPFS併せて6本のクワドを着氷とゲーブル以来の四回転マスターの素質を見せ、アーロンは3S抜け程度で演技をまとめた。リッポンはSPでは4回転を抜き、FSでは4Lzで転倒したものの残りをしっかり滑り勝利を得た。
メディアではSP結果からPCSのつけ方に疑問が出ていたそうで結果的に4回転が成功できなかったリッポンが勝利したことにかなり質問が出たようだ。

ただ演技を見る限りPCSのつけ方にそれほど問題はないと思われる。ナショナルと思えばGOEについても高すぎると言うほどではない。むしろ昨年までの爆盛りを顧みればささやかとすら感じる。
しかしながら世界の主流が4回転何本での勝利、総得点300点以上と必要となってくると自国の選手がそれに対抗できないという現状にもの申したくなる気風があるのかもしれない。

 

全ての選手の映像を見れたわけではないが見た選手だけの感想を簡潔に言うとアメリカスケ連のジレンマが見えるなぁだった。


基礎がしっかりしたスピンステップの上手いもしくは上手くなりそうな印象のあるスケーティングの良い選手が多いもののなんとなく纏まりすぎて枠を出ない感じの印象がある。平均的に何でもできるけど突き破るものが無いと言うのか・・・
その一方でアーロンのようにある程度安定して高難度ができる選手はどこかバランスが悪い。バランス悪くなくても効率が悪い印象・・・羽生が基準になっちゃうとつくづく他の選手は大変だな、と今書いてて思ってます。


この試合のリッポンとアーロンとネイサンの順位を分けたのは4回転ではなくスピンと3Aではなかったかと感じる。
ネイサンは4回転4本降りても3A転倒でスピンにVが付いたり加点が少なかったりしている。
アーロンは4回転2本降りたが3Aの2本目はシェイキーだったしスピンでGOEがあまり取れていない&コレオが流し気味で表現が薄いあたりがPCSにも響いている印象。
リッポンは冒頭4LzがUR転倒だが後半になるにつれてどんどん良くなっていった。3Aは2本ともしっかり加点をもらいスピンもステップも非常に良かった。バランスがよく表現力もあり密度のあるプログラムを滑っている、そしてミスが1つだとしたらやはりリッポンに勝たせたくなるだろう。ましてアメリカならなおさらだ。
国際大会でPCS90でるかは微妙だがアーロンも含めてそこはナショナルだから、で落ち着くべきだろう。

 

しかしながらEXでのネイサンの負傷退場は考えさせられる。もともと痛めていたらしいがなんでEXで4回転を飛ぶかな?
日本だってEXで4回転飛ぶ選手はいるが、怪我を押してまではやらないだろう。コーチだって止めるだろうし・・・
このあたりのアメリカがよくわからない。4回転での怪我のリスクを指摘するなら選手の管理にもう少し気を付けるべきだ。そういう部分がアメリカに4回転を身に付けさせるメソッドが無いのではと感じさせる。
ネイサンはジュニアワールドとワールド両方の代表選手だ。怪我が大したことが無いことを願う。
そしてアメリカのコーチ陣には4回転を指導する理論や知識そして環境をもっと整えてほしい。

 

昨年の世界選手権10位までの選手で複数いた国はアメリカだけだった。それだけいま世界にいい選手がたくさんいるということは喜ばしいことだ。2016年は世界選手権はボストンで開かれる。自国開催でぜひ多くの選手が活躍できるよう環境整備含めて頑張ってほしい。