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つれづれなるままに・・・

日々の思ったことを綴っていきます。

ライバルという名の壁―――宇野昌磨4Lo発言に感じること

宇野昌磨

4CC後すぐの記事で宇野がワールドで4Lo入れるかも、と言ったと言うような記事を見たときは目を疑った。わかってない、自分の良さと今回の敗因を認識していないと頭を抱える気分だった。しかし帰国後のインタビューでは構成を上げずスケーティングを磨くと言ったように変化していたのでほっと一息付けた気分になった。

宇野のワールドの第一はSPとFSを共にノーミスでこなすことだ。安定しているような報道が多いが今季一度も揃えられていない。現在の構成を確実にこなす、それが次のステップに進むための第一段階だろう。

そう思っていたのだが4CCから日が経つにつれてどうして宇野は試合直後に4Loの可能性を口にしたのだろうと思うようになった。ただ単にモチベーションを上げるためというのは理解しかねたのだ。
端的に考えればワールドの表彰台に上がるため、だろう。基礎点の高い構成をノーミスで滑れば表彰台は近くなる。しかし現構成をノーミスできないのにリスクを上げて可能なのか?たぶんそう考えてはいけないのだろうが考えてしまうことが普通だろう。

可能か可能ではないかはまず置いておいて宇野があの場でそう口にしたのはマスコミの誘導もあっただろうが最も大きな要因はボーヤン・ジンの存在ではなかっただろうか?
宇野は昨シーズンから直接対決では常にボーヤンより上に立てていた。しかし今回の4CCではボーヤンは2位宇野は表彰台落ちとはっきり差がついた。しかも点数がまずかった。宇野のPBをボーヤンは超えたのだ。
ボーヤンの方が宇野より構成が高いことはずっと以前からの当然だったと思う。ただそのことが宇野が勝つことに脅威となっていたかは微妙だ。これまでは宇野がノーミスでまとめれば勝てるだろうと言う意識が実績と共にあったのではないかと思う。PCSは宇野の方が高かったからだ。基礎点の高さはそれだけ成功率を下げるがPCSはそう大きくは変動しない。SPで3~5点、FSでは10点以上差がつくのだ。構成の高さへのアドバンテージには十分あった。
しかし今回の4CCの結果を見たとき宇野は自分がノーミスしてもボーヤンを上回れない可能性を多分に感じることになったのではないだろうか?ボーヤンがあの高難度をほぼノーミスでまとめてみせそれに伴いPCSも上昇傾向にあるからだ。宇野のPCSは十分に高いが高いが故に伸びしろは少ない。GOEも高めに貰っている分ボーヤンが更に良くなってくると宇野の方が厳しくなってくる。

今季の直接対決はGPFで宇野が勝ち4CCではボーヤンが勝った。戦績では5分だがPBではSPもFSもボーヤンが上となっている。宇野とボーヤンは同年代、シニア同期としても2連敗はしたくないと言う気持ちがあったのではないだろうか?
そして現状宇野は日本2番手の立場である。中国チャンプのボーヤン(しかも3連覇)とそうではない宇野とでは立場に差があると言ってもいい。だからといって今の宇野では羽生に勝つのはボーヤン以上に難しい。そうなればせめて構成を上げて基礎点の差を埋めたいという心理になってもおかしくはない。

マスコミお得意のあおりに乗せられた感はあると思うがボーヤンという存在を壁と思いたくないという意識も少なからずあったと思われる今回の4Lo発言。
3枠復帰を願う日本スケートファンとしては撤回してくれたことはありがたいと思う。驚異はとりあえず胸にしまって今は自分を磨くことに専念して欲しい。昌磨とは美しく磨かれたものと言う意味だろう。是非その名のように自らをより一段階上げたようなクオリティの良さを感じられる演技をワールドで魅せて欲しい。