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つれづれなるままに・・・

日々の思ったことを綴っていきます。

可能性を抱えた男―――ボーヤン・ジン

フィギュアスケート ボーヤン・ジン 2015-16

シニア1年目GPS登場でいきなり4Lzコンボを決めたことが怒濤のシーズンの幕開けの象徴だったのかもしれない。SP2本FS4本というとんでも構成を難なく降りて見せた。
羽生は世界選手権のインタビューで宇野を「賢」ボーヤンを「猛」と表したが、kamiyannのイメージは逆だった。少しでも点数を上げるために効率もバランスもそっちのけで構成を変える宇野が「猛」自分で決めた構成を確実に決めようとするボーヤンが「賢」。外から見える世界と選手間では違ったものが見えるのかもしれないなぁと思ったインタビューだった。
それはともかく初出場の4CC2位、世界選手権3位という羽生と全く同じ道をたどりつつあるボーヤン・ジンの2015-16シーズンを振り返る。

 

中 国 杯   総合2位 261.23 SP2位 90.05 FS1位 171.18
N H K杯       総合2位 266.43 SP1位 95.64 FS1位 170.79
G P F   総合5位 263.45 SP3位  86.95   FS5位 176.50
四大陸選手権  総合2位 289.83 SP1位  98.45   FS1位 191.38
世界選手権      総合3位 270.99 SP5位 89.86 FS3位 181.13
平均       総合  270.386  SP  92.19         FS  178.196

 
ボーヤンはこれ以外にも結構試合に出ているのだが、特に中国国内戦プロトコル揃わないのでとりあえずGPS以上の試合だけで計算する。
1年目にしてGPF進出、チャンピオンシップ2戦とも表彰台とこの上ない成績。今シーズン勝てなかったのはフェルナンデスと羽生という世界選手権上位2人だけという恐るべきシニアデビュー年だった。

 

<ジャンプ>
SP  予定構成  4Lz+3T 3A // 4T
         

         基礎点    GOE  減点   合計
中 国 杯   37.73   0.11  0  37.84  
N H K杯     37.73   3.71  0  41.44
G P F   36.43 -3.58   0  32.85
四大陸選手権  37.73  4.72   0  42.45
世界選手権   37.73 -0.79   0  36.94
平均       37.47 0.834  0 38.304


高難度構成なのでなかなかノーミスにはならないが、ファーストジャンプに転倒と回転不足がないので大きなマイナスにならないことが強みだ。
ジャンプだけで40点近く獲得できるのでSP90点近くを平均して獲得できている。常に表彰台近くに居られることが安定した成績を残せることになっている。


 
FS 予定構成  4Lz 4S 3A+Lo+3S // 4T+2T 4T 3Lz+3T 3A 3F =88.10
        

        基礎点   GOE  減点   合計
中 国 杯  88.10 -4.94   -1     82.16
N H K杯   78.20 -1.12  0  77.08
G P F  88.59 -3.25 -1  84.34 
四大陸選手権 88.10  7.03  0  95.13
世界選手権  88.10 -0.75  0  87.35
平均    86.218-0.606 -0.4  85.212

 
これほどの高難度をA級戦で2回しか転倒しなかった。つまりやステップアウトなど着氷技術の問題でGOEがマイナスになることが多いが、今季はとりあえずこなすことが第一だったと思われるのでまずまずの結果ではなかったか。
それにしてもジャンプだけの得点でTESが80超えるのが当たり前だとTES100をしばしば超えるのが普通になってくるわけで本当に恐ろしい。
ただジャンプの点数は変わる可能性があるので来季も同じようには行かない可能性がある。着氷技術を磨き少しでもGOEを稼げるようにしたいところだ。

 
<スピン>
SP

        基礎点   GOE   合計
中 国 杯   9.7  1.42  11.12  ALLレベル4
N H K杯    9.7  1.35  11.05  ALLレベル4
G P F   9.7  1.35  11.05  ALLレベル4
四大陸選手権  9.7  1.36  11.06    ALLレベル4
世界選手権   9.7  1.43  11.13  ALLレベル4
平均           9.7  1.382   11.082 

 
それほどGOEは付かないがシーズンを通してレベル4を獲得しているので安定した点数を獲得できている。
今のところジャンプ特化の選手なのでとりあえずはこれでかまわないと思われる。ただキャメルの通常ポジションはいかにもレベル取りでやってます感が漂うのでもう少しこなれてくると良いかもしれない。

 

FS

        基礎点   GOE   合計
中 国 杯   9.3   1.00 10.30 レベル3 1回 レベル4 2回
N H K杯     9.3   1.00 10.30 レベル3 1回 レベル4 2回
G P F   9.3   1.22 10.52 レベル3 1回 レベル4 2回
四大陸選手権  7.8   0.93  8.73 レベル2 1回 レベル3 1回 レベル4 1回
世界選手権   9.7   1.50 11.20 ALLレベル4
平均           9.08  1.13 10.21

 

シーズンラストでようやくレベルが揃った。現時点ではあまりGOEが付かないのでレベルだけは獲得したいところだが高難度過ぎてなかなかFSまでは及ばない部分があるようだ。
パターンもSPとほぼ同じなのでもう少し工夫が欲しいところ

  
<ステップ>
SP

        基礎点   GOE   合計
中 国 杯   3.9  0.90  4.80  レベル4
N H K杯     3.3  0.71  4.01  レベル3
G P F   3.3  0.79  4.09  レベル3
四大陸選手権  3.9  1.00  4.90  レベル4 
世界選手権   3.3  0.71  4.01  レベル3
平均        3.54 0.822 4.362

 

上位陣の中ではまだまだスケーティングが見劣りする。ただ持ち越しプロなのでそれなりに滑り込みが出来ているのでまだ良かったかもしれない。
来季新しいプログラムになったとき評価がどう出るかは今のところ未知数である。現時点ではそこそこの評価といった感じだ。


 
FS

        基礎点   GOE   合計
中 国 杯   5.3   0.84     6.14  レベル3
N H K杯     5.3   1.59  6.89  レベル3
G P F   4.6   1.40  6.00  レベル2
四大陸選手権  5.3   1.50  6.80  レベル3
世界選手権   5.3   1.14       6.44  レベル3
平均       5.16  1.294 6.454

 

レベル4は一度も取れなかった。そしてFSではどうしてもエレメンツをこなしている感が強く出てしまうのでGOEもあまり付かない。
ただ現時点ではそれ程重要視していないようなのでレベル3が確保できていれば良いのかもしれない。


 

<TES計>
SP  

        基礎点    GOE  減点    合計
中 国 杯  51.33   2.43  0   53.76  
N H K杯    50.73   5.77  0   56.50
G P F  49.43 -1.44   0   47.99
四大陸選手権 51.33  7.08   0   58.41 
世界選手権  50.73  1.35   0   52.08
平均     50.71 3.038   0  53.748
 
ジャンプミスやステップ取りこぼしがあってもほぼTES50を超えてくる。転倒や抜け、回転不足がないジャンプが飛べるというのは大きな強みだ。
飛んで回ることに関しては全く問題ないので後は着氷技術を磨き確実にGOE+を重ねていけば非常に恐ろしい存在になる。
スケーティングもシーズン通してみれば上達してきているので来季が非常に楽しみだ。

 
FS

        基礎点    GOE   減点   合計

中 国 杯  102.70   -3.10   -1        98.60
N H K杯   92.80   1.47  0     94.27
G P F  102.49  -0.63  -1  100.86
四大陸選手権 101.20    9.46   0    110.66
世界選手権  103.10   1.89  0    104.99
平均    100.458 1.818  -0.4  101.876

 

高難度でも大崩れをしない、平均でTESが100を超えてくる、それが今季のボーヤンの成績を支えた。
回ることには全く問題がなさそうだし、現時点ではジャンプのキレが良くなってきているので成長期の問題もなさそうだ。
後はスケーティングをあげて同レベルのジャンプが飛べるかどうか、プログラム密度を上げてどうかと言う辺りが来季からの課題か。


 
<PCS>
SP

       SS  TR  PE  CC  IN   合計
中 国 杯  7.36        6.79       7.61       7.21       7.32      36.29
N H K杯    7.82        7.57       7.93       7.89       7.93      39.14 
G P F     7.82        7.64       7.89       7.79       7.82      38.96    
四大陸選手権 7.96        7.68       8.43       7.93       8.04      40.04 
世界選手権  7.75        7.39       7.68       7.50       7.46      37.78
平均      7.742      7.414     7.908     7.664     7.714  38.442

 

ジャンプ特化型の選手なのでミスが出るとどうしても下がる。ついでにチャンや羽生の後などではどうしてもシビアに見られがちだ。
ただ後半に行けばだいぶ滑っている感も出てきているので、ジャンプのミスを少なくしていけば案外安定して40台が出そうな印象はある。高難度構成を確実に飛べるので計算しやすい選手になるかもしれない。


FS

       SS  TR  PE  CC  IN   合計

中 国 杯     7.43     7.07       7.32       7.36       7.11        72.58
N H K杯    8.00       7.36       7.75       7.61        7.54       76.52
G P F  7.79       7.21       7.82       7.57        7.43       75.64
四大陸選手権 8.07       7.64       8.50       8.04        8.11       80.72 
世界選手権  7.86       7.25       7.71       7.61        7.64       76.14
平均     7.83     7.306       7.82     7.638      7.566       76.32

 
試合ごとにまちまちになりがちのボーヤンのPCS。現状ではあまり問題視していないようだ。
自分の強みと弱みを理解しているので今季はとりあえず強みのみをアピールしてきたと言える。
スケーティングは時間のかかるものだし、現時点ではこれで十分といえるだろう。

  
<来季に向けて>
今季はシニア1年目と言うことで2つとも持ち越しプログラムだった。とりあえずこの作戦は良かったのではないだろうか。
ただ来季は2つとも新プロにする必要がある。その場合このままの評価が受けられるかはかなり未知数だ。今出ている話ではローリーになるようなのでかなり不安。ジャンプを生かした楽しい感じと多少大人びた作品が良いと思うが今ひとつローリーの振付と選手の良さが合わないことが多いので心配になってくる。
FS4クワドで行くようなことを言っていたのでその分スケーティングに練習を費やして欲しい。ついでにキャメルの基礎ポジションの練習を。あとは肩と膝の使い方かな。
不安も多いけど期待しているので是非来季も驚かせて欲しい。