2016-17シーズン GPSアサインに寄せて
<スケートアメリカ>
ブレンダン・ケリー(オーストラリア)
ヨリック・ヘンドリックス(ベルギー)
ナム・ニューエン(カナダ)
ボーヤン・ジン(中国)
村上大介(日本)
宇野昌磨(日本)
デニス・テン(カザフスタン)
マキシム・コフトゥン(ロシア)
セルゲイ・ヴォロノフ(ロシア)
ジェイソン・ブラウン(アメリカ)
アダム・リッポン(アメリカ)
TBD(アメリカ)
<スケートカナダ>
パトリック・チャン(カナダ)
リアム・フィルス(カナダ)
TBD(カナダ)
ハン・ヤン(中国)
ミハル・ブレジナ(チェコ)
ダニエル・サモヒン(イスラエル)
羽生結弦(日本)
無良崇人(日本)
アレクサンドル・ペトロフ(ロシア)
グラント・ホクスタイン(アメリカ)
ロス・マイナー(アメリカ)
ミーシャ・ジー(ウズベキスタン)
<ロステレコム杯>
エラッジ・バルデ(カナダ)
シャフィク・ベセギエ(フランス)
アレクセイ・ビチェンコ(イスラエル)
田中刑事(日本)
宇野昌磨(日本)
デニス・ヴァシリエフス(ラトビア)
アルトゥール・ドミトリエフ(ロシア)
ミハイル・コリャーダ(ロシア)
TBD(ロシア)
ハビエル・フェルナンデス(スペイン)
アレクサンドル・マヨロフ(スウェーデン)
マックス・アーロン(アメリカ)
<エリックB杯>
シャフィク・ベセギエ(フランス)
ロマン・ポンサール(フランス)
イワン・リギーニ(イタリア)
無良崇人(日本)
山本草太(日本)
デニス・テン(カザフスタン)
アルトゥール・ドミトリエフ(ロシア)
アディアン・ピトキーエフ(ロシア)
ハビエル・フェルナンデス(スペイン)
ネイサン・チェン(アメリカ)
アダム・リッポン(アメリカ)
ミーシャ・ジー(ウズベキスタン)
<中国杯>
パトリック・チャン(カナダ)
ボーヤン・ジン(中国)
ハン・ヤン(中国)
TBD(中国)
ミハル・ブレジナ(チェコ)
ダニエル・サモヒン(イスラエル)
村上大介(日本)
マキシム・コフトゥン(ロシア)
アレクサンドル・ペトロフ(ロシア)
セルゲイ・ヴォロノフ(ロシア)
マックス・アーロン(アメリカ)
ロス・マイナー(アメリカ)
<NHK杯>
エラッジ・バルデ(カナダ)
ナム・ニューエン(カナダ)
アレクセイ・ビチェンコ(イスラエル)
羽生結弦(日本)
田中刑事(日本)
山本草太(日本)
ミハイル・コリャーダ(ロシア)
アディアン・ピトキーエフ(ロシア)
ジェイソン・ブラウン(アメリカ)
ネイサン・チェン(アメリカ)
グラント・ホクスタイン(アメリカ)
ざっと見て思ったのはアサインの偏りというのが感じられないエントリーだったな、というもの。
PCS3強の羽生・フェルナンデス・チャンが重なったのはスケカナだけ、そしてスケカナは予想通りだった点がそう思わせたのかもしれない。これまでのアサインを思えばチャンはエリックの印象があったのでフェルナンデスと被る可能性が高かったがGPF出場の為にはスケカナで羽生と被る以上フェルナンデスとは当たりたくなかったのかもしれない。4CCで優勝できたことでアジアの大会の悪い印象は払しょくできたというのなら中国杯というエントリーは非常に良かった気がする。
羽生のついては全くの予想通り。ロステレのタイトルは持っているし、スケアメではNHK杯まで間が空きすぎる。予想しやすいアサインだった。
そして一方のフェルナンデスは驚きの2連戦、更にはBC級はともかく今季主要試合が欧州のみと言う結果に。ユーロ4連覇のスターですから仕方ないとはいえ2週連続はなかなかきついアサイン、怪我には気を付けてもらいたいものだ。
スケアメとしては毎年いるテンが今年も居た。PBが高い選手ではあるがGPSで結果を残せないでいる現状がありタイトルは誰でも取れそうな顔ぶれが並ぶ。
昨季良くなかったニューエン・コフトゥン・ヴォロノフが復調できるか。2年連続アメリカ勢がタイトルを確保できるか。一方で4F公認となった宇野あるいは4Lz保持で世界選手権メダルを取ったボーヤンのシニア同期のどちらかがトップスタートを切るか、テンの調子とともにこのあたりが見どころになりそう。
羽生・チャンの3度目の対決となるスケカナ。普通に考えればこの二人が1位2位を確保できるメンバー構成。2回スケカナでチャンに負けている羽生としては今度こそと意気込んでいることだろう。GPSの勝利数が伸びないのは1試合目の結果が良くないから。このあたりの流れを変えたい一方シーズンを通しての体調管理が課題だろうからいきなり全開は厳しい。オリンピック前年の重要性は理解している二人がどんな戦略で来るのかが見どころかもしれない。
羽生・チャンに割って入れるとしたらジュニア上がりのサモヒンか?ジュニアのタイトルを持ち3クワド構成を滑る力量は既にあります。ただジャンプに偏りがあるのと出来に波があるところが不安だが若手と言うのは力を出すときは思い切り出すのもなので期待値は高い選手だ。昨年のボーヤン・宇野のようなデビューができるか楽しみです。
一方で羽生・チャンに上位を抑えられても3位に入ればGPFの道は残るので無良・ハンヤン・ブレジナと言ったベテラン勢も(ハンヤンももうベテラン!)意地を見せたいところ。あちこち振付をしていて引退?とうわさが流れたミーシャがエントリーしているのは良かった。頑張って枠を確保しオリンピックに出場してほしい。
ロステレコムのタイトルは今回もフェルナンデスの可能性が高い。そしてロシアも表彰台の1角は毎年確保していることから宇野はGPF出場の為にはここが正念場。昨年悔しい思いをしたアーロンもこのあたりは同じだ。ロシア枠が誰になるかまだ未定だがプルシェンコでない限り2位~4位は宇野・コリャーダ・アーロンになりそう。ある意味6戦中の穴場と言える試合だがそれだけに一つでも高い順位を確保する必要がある。ただ・・・試合が行われるかが現在不安があるのか選手としてはやりにくいかもしれない。宇野とアーロンは昨年のエリックと言いこういう巡りあわせに巻き込まれるタイプなのかもしれない。
エリックB杯は顔ぶれを見る限りこちらもフェルナンデス優勝は堅そう。ただ連戦と言うのはどうなのかなと言う気がする。足元を脅かしそうなのは復調したテンもしくはシニア挑戦のネイサン・チェンかもしれない。ただフェルナンデスとテンは実績とPCSで大きく差がついてきているので多少の不調ではフェルナンデスが上回ってしまいそうな印象だ。チェンについても4回転は飛べるもののまだまだ穴の多い選手なので脅かせても上回るのは難しいかもしれない。ただ昨年のボーヤン・宇野のようなインパクトが残せたら成功だと言える。
無良がGPFに出るためには2位に入っておきたいところだがそのためには最低270点必要だろう。スピンの取りこぼし無しはもちろんだがSPの4-3を成功することが最も重要だ。現状ステップからの4回転を飛べていないので何としても4回転をコンボにしなければならない。SPの単独ジャンプのステップ要件は年々厳しくなっている。取りこぼしを無くすことが上位に踏みとどまるための条件だと思って貪欲に取りに来てほしい。一方チェンと同時にシニアデビューとなるのが山本だ。DOIを見る限りまだジャンプは取り戻せていないようだが、むやみに構成を上げるのではなくまず確実に3Aと4Tを飛ぼう。昨季の宇野のようなコロコロ構成を変えるような真似はしないでもらいたい。目標としては全日本3位と言うのが前提だと思われる。その為には確実な実績を残しておきたい試合だ。
ロステレ・エリックの優勝がフェルナンデスで堅そうな一方で面白くなりそうなのが中国杯だ。何と言うかいろんな意味でどうとでも予想ができる組合せになった。筆頭はチャンだろうが昨季を見る限りボーヤンはチャンに結構近い点数を出している。真逆な個性の2選手だけに面白い。そして他のメンバーもある意味チャンに近いハンヤン・ブレジナ・マイナーがいて一方でボーヤンに近いアーロン・サモヒン・コフトゥンがいるという・・・うーん、カオスだ。
一つ言えることはボーヤンはBV特化型のジャンプ最強構成選手だがそれでもスピンステップのレベルも確実にとっているし、ジャンプの種類に偏りもない。そういう意味においてはジャンプに偏りがあり、スピンのレベルを落としがちのコフトゥンや村上はかなり厳しい。オフシーズン中に弱点を無くす努力が少しでも必要だ。そしてこういう誰もが良い演技をしたら勝てる試合においてSPは物凄く重要だ。今季からFSの滑走順に響くのでこの意味をどれだけ理解して実践できるか戦略的に対応したいところだ。
NHK杯のメンバーを見たとき私は歓喜した。何このメンバー、私を喜ばせたかったの?と思わず勘違いしそうになった。大相撲ともろかぶりなのでたぶん日中ライブはなさそうだが・・・お願い18時以降の放送にして!
メンバー的に優勝は羽生で堅そうだがロシア・アメリカの期待の若手が揃っているのが何ともおいしい。田中・山本がそれにどこまで追従できるかが見どころだろう。2位以下は誰が来てもおかしくない。昨季不調だったニューエンはここで後れを取ると印象が悪くなる。ブラウンも同じ。二人にとっては正念場の試合となるだろう。一方でビチェンコ・バルデも若手にむざむざと追い抜かれたくないだろう。
若手の勢いが勝つか中堅が意地を見せるかベテランの経験が生きるか、非常に面白い戦いになりそうだ。
組合せを見る限り羽生・フェルナンデス・チャンのGPF進出は堅そうだ。そしてボーヤンと宇野も昨季並の演技ができれば可能性が高い組合せだ。
ただ毎年予想外の選手が出場してきているしGPSはシーズン初めでまだギアが上がらない選手も多いので様々な予想ができる。ポイントはスケアメ・ロステレ・エリック・NHKの2位が誰になるかだろう。中でも唯一3強が出ないスケアメで1位を取った選手にはかなりのアドバンテージになる。宇野はぜひともタイトルを取ってきたいところだろう。
オリンピック前で表彰台及び入賞の顔ぶれの予想がある程度たつシーズンとなる。オリンピックの表彰台に名乗りを上げるためにも実績をしっかりと作っていきたい。