つれづれなるままに・・・

日々の思ったことを綴っていきます。

挑戦と現状―――スケートカナダFS感想

本日も女子見逃し。ペアから観戦です。


リアム・フィルス FS10位 140.80 TES 68.50 PCS 73.30 -1
序盤は滑りは良いがジャンプの軸の締めが足りない感じ。慎重に飛びすぎているのかも、そこまでのスピードが生かされない。
後半の3連は良い流れで入りそこからはまずまず安定してきた。ジャンプが終わるととたんにスピードが増して滑りに深みが出るところが面白い。ジャンプを含めてこれが出来るともっと点が出そうだけど苦手意識があるとなかなか難しい。


ロス・マイナー FS12位 132.61 TES 59.47 PCS 74.14 -1
赤いアメリカ人1号。襟の部分はちょっとおしゃれ?冒頭タイミングを計りすぎて抜けるパターンでスタート。そこで映像が飛んだら3A 飛んでいた。
全体的にジャンプがシェイキーだがフリーレッグを綺麗に見せようとする心遣いは良いと思う。
斜めクリムキンから2Aが面白い。色々工夫をし滑りも勿論良いが、ジャンプで間延びし切れ切れになる感じが惜しい。
曲はつなぎすぎてよくわからない。

 

グラント・ホクスタイン FS8位 140.43 TES 64.51 PCS 76.92 -1
赤いアメリカ人2号。斜めの飾りもう少し派手にしては?大好きなカルーソーに乗って4T成功し3A抜けと今日もやっぱり揃わない結果に。
滑りはそれ程良くないが情感のある曲の見せ方は上手いところがわりと好きな選手だ。曲が変わった辺りから非常に安定してきて2度目の3Aからはジャンプも安心して見れるようになった。ただ曲のつなぎ方が唐突すぎて微妙、もう少し減らした方が良いんじゃないか?ステップ中の転倒がもったいない。


ミーシャ・ジー FS5位 153.77 TES 73.91 PCS 79.86
白いミーシャ、3A成功、2番目のジャンプで映像が飛ぶ。カウンター的に4Tだったのかな?3連もOK。
正直あまりスケーティングは良いと言えないが間の取り方が上手い選手なので見せ方は上手い。ゆったりとした曲に滑りを上手く合わせている。ただどうしてももっさりした感じが残るところがもう少しかなと思う。
回転が足りているか微妙なものもあるがジャンプがとりあえず入るので乗ってきて盛り上がるのが良い。観客の喜ぶ演技をやって見せた、拍手!

 

ミハル・ブレジナ FS4位 157.06 TES 77.44 PCS 80.62 -1
黒が格好良いブレジナ、スタイルが良いって良いなと思う衣装。4Sは久々に入った!3Aと3連もとりあえずOK。ステップの滑りは美しい。上背があり腕が長いので非常に映える。
スピンも昨日よりはきちんと回っているように見える。
ここまでジャンプの入ったブレジナを久々に見た。集中してしっかり滑る、気持ちの良い演技だった。拍手!!

 

アレクサンドル・ペトロフ FS6位  152.89 TES 77.51 PCS 75.38
少年から青年になりかけているペトロフ、衣装もそんな感じ。
大技がないので地道に稼ぎます、と言ったプログラム。ブレジナの後だと伸びがもう少し。
コフトゥンもそうだがロシアンのプログラムは途中からジャッジ前を反時計回りに回り続けるプログラムになるので単調に見える。もう少し改善を。
ジャンプ・スピン・ステップ全てほどほど纏めたといった印象の演技だった。

 

ハン・ヤン FS11位 136.25 TES 62.61 PCS 74.64 -1
珍しい明るい色の青衣装、コーチ変えて気持ち一新という処か。
スピンが年々いまいちになっていく感じが悲しい。ジャンプは相変わらずスピードがコントロールしきれない、3AがREPで大減点がもったいない。
このプロを持ち越す必要があったのか疑問でならない。

 

羽生結弦 FS1位 183.41 TES 98.29 PCS 88.12 -1
もどかしい気持ちのあふれた演技だった。自分は出来るのに上手くいかない、怪我や体調のせいもあるだろう。4Loは今日も途中でほどいたような着氷だった。
しかし体力配分はオータムより上手くいったし3Lzもしっかり入った。とりあえず体のケアが一番。
しかし第2グループになってから音ズレが酷くて演技がよくわからない。

 

ダニエル・サモヒン FS7位 151.91 TES 75.93 PCS 76.98 -1
仮面の面白衣装のサモヒン。4Tは酷い転倒だが4Sはこらえた。
全体的にパワーと勢いで飛ぶせいかジャンプが流れないし軸がぶれがち。着氷は技術なのでもう少し改善したいが若さでガツガツ点を取ろうとする姿勢は好ましい。
もう少し滑り込めば良いプログラムになりそう。

 

ケヴィン・レイノルズ FS3位 164.49 TES 87.07 PCS 78.42 -1
昨季までの試合に出れなかった時間が無駄ではなかったと思える演技だった。ただ相変わらず4回転は成功してもしなくても両足気味に見えるのでフリーレッグ処理をもう少し改善したい。
以前は淡々と滑って飛んでいるイメージが強かったが非常に気持ちがこもって見える。色々取りこぼしていそうなので一つ一つ修正していけばもっと良い点数が出そう。衣装が良い貴重な選手なので長く頑張って欲しい。

 

パトリック・チャン FS2位 176.39 TES 86.27 PCS 91.12 -1
曲が盛り上がりのないもので衣装も地味、滑りの良さを見るプログラムなのだろう。4S転倒と3Aお手つきが大きなミスだが、抜けが多く点数的には伸びなかった。
世界選手権もそうだったが抜けは基礎点を失うのでどんな失敗よりある意味大きい。今回はSPの差で逃げ切った形だが、基礎点が高い選手達の間ではそう上手くはいかないので気をつけたい。

 

無良崇人 FS9位 140.89 TES 62.71 PCS 78.18
USクラシックより衣装は良くなった。ジャンプで稼ぐ選手なのでそこでミスると痛い。
4Sとセカンド3Tで回転不足、REPでは点数は伸びない。ジャンプに体力が奪われすぎているのジャンプを含めた滑り込みでもう少し配分を考えた滑りをする必要がある。
4Sをチャレンジするなら冒頭の2つの4回転は絶対成功しなければいけなかった。思い切りやらなければいけないところで妙な躊躇が入る辺りが伸びきらない原因かも。なりふり構わないところがもう少し見たかった。

 

<総合順位>
1位 パトリック・チャン 266.95
2位 羽生結弦 263.06
3位 ケビン・レイノルズ 245.06
4位 ミハル・ブレジナ 227.42
5位 ダニエル・サモヒン 226.53
6位 ミーシャ・ジー 226.07
7位 アレクサンドル・ペトロフ 224.39
8位 無良崇人 222.13
9位 リアム・フィルス 210.89
10位 ハン・ヤン 209.11
11位 グラント・ホッホスタイン 204.69
12位 ロス・マイナー 196.53

 

第1グループを台湾、第2グループをロシア(その方が早かったため)で見たのですが音ズレが酷くて3人目から台湾に戻ってみていました。
羽生は音ズレなしで見るとそれ程悪くはない感じ。ただ体力配分を考えたのか淡々と滑っている印象になってしまった。ステップはオータムの方が印象的でした。
4Sコンボはオータムも今回もSPFS共に全滅なのであの位置で飛ぶのが問題あるのかも。FSはスピンの絡みはあっても先にコンボやった方が良いと思うんだけど・・・あとビールマンよりA字の方が回転スピードが保てるのでGOEが高くなる気がします。
それにしてもラストの3Lzは綺麗だった。ふんわり軽い3Lzなんて飛ぶ選手が居ないので貴重だわ。

 

第1グループが結構よかったので神大会になるかもと期待しましたがシーズン序盤そこまで甘くなかった。
羽生・チャン・無良と新しい4回転を入れたチャレンジはみんな失敗しましたがそれぞれ体験したことは良かったのではないでしょうか?無良がほかの二人と大きく差がついたのは入れたことの影響を他に出しすぎなかったことでしょう。特に他の4回転に影響を与えてはいけない。確実に点を稼ぎその上でのチャレンジにしなければリスクが高すぎる

 

プロトコルを見て>
ステップレベル4はチャン・ブレジナ・サモヒンの3人。チャンの4SはURかと思いましたが回転認定されました。結果的にそこで総合順位が決まったかな?
羽生は4Loのダウングレード以外はマイナス無し、ラストのスピンもレベルとGOEは確保しています。PCSは渋めですがスケカナはいつもこんな感じなので・・・
レイノルズはやはりGOEが少ないところが厳しいです。ほぼ基礎点そのままのTESになっている。ただ転倒した4S以外は回転は認定されている。冒頭の4Sが両足かなと思ったのですが大丈夫でした。
ブレジナは久々4S成功かと思いましたがUR判定でした…残念。3連が微妙と思っていたらここもやっぱり取られました。しかし昨日よりスピンも良かったしステップも評価されているのでPCSは比較的良かったです。
ミーシャの見れなかった4TはUR判定。あとは3Lzのエッジが点の伸びない原因のよう。2回あるから結構痛い。
無良は最初の3A以外加点のあるジャンプがないという点でFSは9位という結果に。PCSが今回ブレジナ以降団子状態なのでストレートにTESの差が出た。この辺りは選手がひしめき合っているので取りこぼしが大きいとこうやって順位を大きく落とすことになる。


第2戦が終わり、予想は大きく外れました。
しかしある意味羽生とチャンは通常運転なのでこれでいいのかもしれません。
羽生はまだまだ体調が整っていないのでNHKまでの1か月で折り合いをつけた滑りができるようにしたいところ。ただ悪くてもこのくらいはできると2戦で見せているので期待できます。あとは焦らず広い視野を持って段階を踏んでいってほしい。今季の最高はワールドで見せてください。