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つれづれなるままに・・・

日々の思ったことを綴っていきます。

次なる戦いに向かって―――NHK杯感想

残念ながらまだペアや女子の一部が見れていません。今日もこれから出かける予定があるのでとりあえず感想だけ。
男子は全体として自爆大会でした。日本開催なので環境は良いはずなんですが氷の質がジャンプには向かなかったのかな?特に4Tと3Lzの成功率が悪かった気がします。どの選手もノーミスが見られませんでしたが、ミスが出た中でも演技を纏めた選手が上位に残ったと言う結果となりました。
順位予想は1位2位4位5位が当たったわけで、そういう意味では予想通りの展開だったのかもしれない。ただブラウンがあそこまでジャンプが入らないのは予想できませんでした。ホクスタインやバルデもジャンプがいまいちでしたので、この辺りは時差に対応できなかったのかもしれないです。


1位 羽生結弦 301.47 SP103.89 TES57.35 PCS46.54 FS197.58 TES106.06 PCS92.52 -1
スケートカナダからかなりプログラムが良くなっていました。特にSPについては本人が示したとおりもう少しといった感じ。課題の4Loはステップアウトになりましたが転倒も回転不足もない段階まで来ましたし4Sコンボがクリーンに入りました。何よりスピンステップオールレベル4で加点もほとんど2以上という質の良さを見せました。衣装がラベンダーカラーになってしまったのは個人的には残念ですが動きは段違いに見やすくなりましたし気持ちよく滑っている印象を受けたので良かったのでしょう。4Loに付いては入りが難しいことが飛びにくくしているのだろうが変える気はなさそうです。羽生の場合一度はっきりした成功体験をすると連続して成功する傾向があるのであとは実戦でやるしかないという処でしょう。
FSについてはずいぶん変わったなという印象がありました。ステップについてはオータムほどではなかったですがスケカナよりは滑っている感がありました。上体の動きを増やしたのですがレベルは変わらなかったことからおそらく取りこぼしがあるのでしょう。ツイズルで足をついたりしていましたのでもう少し滑り込みが必要です。4LoはGOE1以上の加点付き成功が大きい。ただ後半の4Sコンボでついに転倒してしまいました。単純に考えてこれだけで11点ほど失ったわけでだったら飛ばない方がいいという結果になっています。REPについてはもう少し検討して欲しい。プログラムをいくつか修正したことで全体的にジャンプを飛ぶタイミングが遅くなっています。そのためラストの3Lzからスピンの間がほとんどなくなりました。もうここではリカバリコンボができないため4T部分をのがすと確実にコンボが一つ減ります。2点ほどではありますがどの選手も練度が上がればその位で差が出る試合も出てくるかもしれません。気を付けたい部分です。
PCSについてはロステレのフェルナンデスを思えば低い気がしますが、後半の転倒後スピード感がぐっと下がったためジャッジの心証的には仕方がないでしょう。チャンは転倒してもそれほど変わらないので羽生のPCSの上がり下がりの幅の大きさはその辺りにあると思います。ただスピードは落ちていたが表情については最後まで穏やかさを失わなかったことは良かったです。

 

2位 ネイサン・チェン 268.91 SP87.94 TES48.55 PCS40.39 -1 FS180.97 TES97.91 PCS84.06 -1
Lzの飛びにくい氷だったのかSPFSともに転倒しました。しかしリカバリ4Fがどちらもコンボにできたことが大きかったです。そしてSPFSともに成功とまではいかなかったが3Aを入れたことも大事。ただ試合中の飛び方を見ると本当に苦手なんだなと感じます。根っからのトゥジャンパーですね。
転倒はあったもののプログラム的には非常に良くなりました。SPはフランス杯でも動けていたが今回はFSでもプログラムを意識した動きが増えていたと思います。ジャンプの間はジャンプだけといった感が薄れていました。ファイナルに出るのに2位が必須だったことからか4Sを抜いたことはいい決断でした。点数的にはもう一回転倒しても大丈夫だったでしょうがPCSにはかなり響いたと思います。ジャンプだけの選手とレッテルを張られるのはあまりいいことではなので難度を多少落としても動ける滑れる魅せるということを示すことは若い選手には重要な要素でしょう。こういう意味では今回の選曲は2曲ともとてもいいものでした。若さと勢いそして動きの魅せれるプログラムが今のネイサンには非常にあっています。


3位 田中刑事 80.49 TES 42.14 PCS38.35 FS167.95 TES87.79 PCS80.16
初GPS表彰台おめでとう!正直に言うと表彰台は予想外でした。ただ6位と予想していた順位の点数は245点前後だったのでそういう意味では予想通りでした。周囲の自爆がそれだけ多かったということですが、こういう展開でしっかり点数を稼ぐことができたことは重要です。なにより3位は実績にも自信にもなります。
日本人のわりには体がしっかりした上背のある男性的な演技をできる選手。今回もSPは腕の使い方とか非常に魅せていました。FSについてはちょっとまだやってる感があるところがもう少しですがPCSも上がってきましたので今後は4Sを決めて250以上をコンスタントに出したいところ。後はスピン、悪いというほどでもないけどいいというわけでもないのでレベルだけはしっかりとりたいです。


4位 アレクセイ・ビチェンコ 229.87 SP75.13 TES35.81 PCS39.32 FS154.74 TES78.26 PCS76.48
さすがベテラン、点数の取りこぼしを最低限にして上位を確保した。今回羽生を含めREPを食らった選手が結構いた。ビチェンコもその危機にあったが足を付けた後もコンボを飛んでSEQ扱いにした。これで1点ほど基礎点が変わる。他のところで確実のコンボにできる予定があるならREPで諦めることもいいかもしれないがそれができそうになく結局コンボを無駄にするくらいならこの対処はありだと思う。
SPは7位と出遅れたが4位まで巻き返したのはしっかり最後まで演技をまとめたことが大きかっただろう。正直スピンはあまりセンスのある選手ではないので上位にとどまるためにはしっかりジャンプの基礎点を確保しなければいけない。あとはせめてステップを3にしたいところ。表現はあると思うがレベルが取れないとGOE幅も変わってしまうのでもったいない。


5位 ミハイル・コリャーダ 225.69 SP78.18 TES37.63 PCS40.55 FS147.51 TES67.99 PCS81.52 -2
逆転表彰台を狙って大技4Lzを導入しましたが残念ながら実らず結局順位を落としてしまった。コリャーダはロシアンのわりには幅跳び型のジャンパーだと思っていましたが今回の4Lz・4Tは非常に高く上がっていました。上がりすぎな気がするあたりがまだ自分の中でしっかり飛べるという感覚がないのだろうと思いました。実戦で得点源にするにはもう少し練度が必要です。
ただFSにおいてはスピンステップで唯一オールレベル4を取っています。加点がつくタイプの選手なのでPCSも比較的に出る。あとはジャンプの成功率と偏りを解決したい。4Lzを入れる前に3Fが入るようになればもう少しバランスの良い構成ができるはず。


何より予想外だったのはブラウンがあそこまでジャンプが入らなかったこと。4Tの回転不足はともかくここのところ安定していた3Aが明確に回転不足だったことが非常に痛かった。ステップもレベルが取れませんでしたしスケーティングもいつもの伸びが薄れて今気がします。
そんなわけでブラウンがファイナル争いから脱落してしまい結果的にファイナルはフェルナンデス・チャン・羽生・宇野・ネイサン・リッポンの6人になりました。昨年のアジアン5人より多少バランスが良くなりましたがロシアンが一人も入らないというのはやはり寂しい。

 

今回一つ感慨深かったのは羽生が300点を出したこと。実は掲載してなかったのですが少し前に「羽生結弦は300点を出せるのか?」というテーマで文章を書いたのです。290台を出す羽生の演技は予想がつく、一方で310点以上を出す姿も想像できる。でも300点というのは思い描けないという内容だったのですが今回それを達成してくれたわけで一つ私の中で羽生という選手の理解が深まった気がします。
SPについては羽生の中である程度完成されてきた印象がありますがFSはまだもう少しという感じです。オータム・スケカナ・NHKとラストの3Lzの位置がだんだん奥に移動していくあたりといい、後半の4Sコンボの飛ぶタイミングといい、途中の音楽と追いかけっこしている(遅れがちになっている)あたりといいまだもう少しかかると感じる部分がPCSの伸びないところだと思います。羽生という選手は自分の中でカチッとはまると同じタイミングでの再現率の高い選手だけに試合ごとに垣間見えるブレは強く未完度を感じます。一方でそれだけに完成した演技を見たいという欲求も高まるわけで、非常に今後が楽しみになります。まずは2週間後のファイナルでさらに良くなった演技が見れることを期待します。

 

GPS初出場となった日野。FSは自分の中で良かったとは思えない部分があったかもしれない。しかしスピンはしっかりレベルを確保しましたし、大きなミスは4Tの転倒と3Lzの抜けにとどめました。演技も日野的にはしっかりまとめたほうだと思います。あとは自分の中でどういったスケート選手になりたいのかが明確に感じられる演技ができるかにかかっていると思います。今回のFSで少し?と感じたのはジャンプを降りた後などに一瞬ふっと間のような空白があることです。降りたことに安どするのか、要素が一つ終わったと考えているのかとにかく演技がぼやける瞬間が所々で垣間見える。その辺りが表現が弱いと感じてしまう部分かもしれない。ただSBが出たこと、国際大会を経験したことを糧に全日本でいい演技ができるように調整して欲しいです。