つれづれなるままに・・・

日々の思ったことを綴っていきます。

代表決定―――ワールド10位の壁

全日本の感想でワールドの10位が260台になるかもなんて書いたのだが、あとでそれは高すぎだろうと感じた。ちょっと前まで10位ラインは220台だったからだ。昨季はだいぶ上がったがそれでもいきなり260はないだろうと思う。
ではどの程度になるのか、GPS・GPFの結果から探ってみる。
試合ごとに採点傾向にばらつきはあるがとりあえず総得点の高い順に並べてみた。()内は平均、<>内は上下の差となっている


1位 羽生結弦         301.47 293.90 263.06 (286.14)<38.41>
2位 ハビエル・フェルナンデス 292.98 285.38 268.77 (282.38)<24.21>
3位 宇野昌磨         285.07 282.51 279.34 (282.31) <5.73>
4位 ネイサン・チェン     282.85 268.91 264.80 (272.19)<18.05>
5位 パトリック・チャン    279.72 266.95 266.75 (271.14)<12.97>
6位 ボーヤン・ジン      278.54 245.08     (261.81)<33.46>
7位 デニス・テン       269.26
8位 ジェイソン・ブラウン   268.38 218.47     (243.43)<49.91>
9位 アダム・リッポン     267.53 261.43 233.10 (254.02)<34.43>
10位 アレクセイ・ビチェンコ  255.52 225.69     (240.61)<29.83>
11位 田中刑事         248.44 224.91     (236.68)<23.53>
12位 無良崇人         248.42 222.13     (235.28)<26.29>
13位 ミハイル・コリャーダ   245.30 225.69     (235.50)<19.61>
14位 セルゲイ・ヴォロノフ   245.28 243.76     (244.52) <1.52>
15位 ケヴィン・レイノルズ   245.06
16位 マックス・アーロン    242.74 235.58     (239.16) <7.16>

 

とりあえず240を超えた選手を羅列した。ほぼほぼ上位選手が揃ってはいる。あとこれに加わるとしたら実績としてコフトゥンとハンヤン、可能性としてサモヒンくらいか。
今季のGPS・GPFで260点を超えたのは20回で9人、上位の5人はいずれも出場した試合で超えているのでこの辺りはワールド10位以内が高確率で予想されるメンバーであると言える。
260超えた9人の内3人はアメリカ人なのでこのうち1人は人数制限で出場できないわけでやっぱり10位が260点台と言うのはほぼ無いと考えられる。

もちろん毎年PBを出してワールド上位に入る選手はいるから全く考えられないこともない。しかし一方でそれまでのシーズンとは全く予想できない崩れ方をする選手もいるわけで220点台が数年続いたことからもそう思い切って上がることはないだろうと思われる。
では250点台になるとかと言うとちょっと微妙だ。というのは良かった点数と悪かった点数の差が案外ある選手が多いためだ。テンを除くと平均で250点以上獲得した選手が10人いないという結果になっている。羽生もその差が大きい選手ではあるが上限も下限も普通の選手より高いため上位に留まれる。ただこの高難度構成時代なかなかそれが達成できる選手が少ない。高難度でミスが出ても安定して得点を稼ぐことができるかどうか、それが上位に踏みとどまれるかどうかの境かもしれない。
平均と言う概念は予想に使うにはあまり適さないだろう。2試合で得点差が50点近くもあるブラウンなどを見るとそう思う。そして五輪の枠取りのかかるワールドと言う舞台だ。すごくいい演技ができるかもしれない。昨季のニューエンやハンヤンのように予想外のSP落ちなどと言う事態が起きるかもしれない。

 

ちなみに昨季のワールドはこんな感じだった。

1位 ハビエル・フェルナンデス  314.93
2位 羽生結弦          295.17
3位 ボーヤン・ジン       270.99
4位 ミハイル・コリーヤダ    267.97
5位 パトリック・チャン     266.75
6位 アダム・リッポン      264.44
7位 宇野昌磨          264.25
8位 マックス・アーロン     254.14
9位 ミハル・ブレジナ      237.99
10位 グラント・ホクスタイン   237.25

トップは初めて300点を超えた。3位が270点を超えたのも初めてだろう。上位の点数が一気に伸びた年でもあった。250点を取っても8位というのはその前年までを思えば信じられないことだったろう。
ただ8位までの高得点化のわりには10位は8点ほど上がっただけでとどまった。

 

冷静に考えて昨季のベスト10の中にアメリカ人が3人いるため枠が一人空くことになる。11位はテンで230点台だったからおそらくこれを下回ることは今季もないだろう。そして今季はネイサンのように高難度を比較的安定して飛べる若手も登場している。それまでワールドには強さを見せてきたテンが今季も昨季並みにとどまるとは考えにくい。またアメリカ選手を除いたメンバーを見ると今季もやはり登場しそうなメンバーばかりである。そうなるとやはり昨季の点数を下回ると想像しづらい。

 

今季のワールドの日本代表は宇野昌磨羽生結弦田中刑事の3名だ。羽生はワールド出場以来5位を下回ったことがないという安定した成績を出している。宇野は昨季7位だったが、シニア1年生としてはまずまずの成績だったろう。今季についてもこの二人は現時点では十分ワールド上位にいられる点数を出している。現在3枠獲得が一番高い国といわれる所以だ。しかしワールドは一発勝負何が起こるかわからない怖さがある。

 昨季の結果と今季の選手たちの状況を見ると10位は240点台を超えてきそうな気がする。そこに確実に2名は入れなければどの国も3枠はない。(テンのみは2位以上で3枠あるが・・・特殊なので割愛)

田中は現状点数が出ているのがNHK杯だけという状況があるのでとりあえず初ワールドで緊張せず自分のできる演技を精いっぱいやってほしい。それでよければ十分240の壁を越えられるだろう。

羽生については全日本の欠場の悔しさもあるし、現構成を完成させたいという強い気持ちがあるはずなのでたぶん四大陸・ワールドで良い状態を持ってこれるように調整するだろう。なかなか今までうまくいっていないのだが五輪前年の大事なシーズン、この意味は誰よりも知っている。羽生が羽生らしさを見せられれば結果は付いてくると思うのでとにかく健康第一・体調万全に徹して欲しい。

宇野については期待も高いが不安も大きい。昨季の四大陸からワールドの崩れ方を見ているためもあるが、現状2種クワドが全く安定しないところがそれに輪をかけている。転倒しなければ点が出る的な発言をしこれまでそれなりに点数が出てきたが、ワールドは果たしてどうだろう。有力選手が一部しかいないGPS・GPFとは違う来季の枠のかかった戦場・ワールドだ。良い部分を評価する傾向は変わらなくてもマイナス点を厳しくとるということは発生する可能性はある。もともと新採点は完成度が高いものを評価してきたはずだ。スケジュールのかなりきついこれからの日程ではあるが今の演技を高められるように努力を費やしてほしい。

五輪―――フィギュアスケートにとって最も大きな試合、その枠を決める今季のワールド。アメリカ・カナダ・ロシアといった強豪国はどの国も3枠を目指して代表を決めるだろう。とりあえず今季これまでの結果からアメリカはネイサン、カナダはチャン、ロシアはコリャーダが一人目になりそうな感じ。2枠目がどうなるか、全米・全加・ユーロといった大会が年を越すと始まる。

今はその前の静けさの中、ああでもないこうでもないと模索する楽しさで時間をつぶすことにする。でも全米は胃の痛い試合になりそうだなぁ・・・楽しみではあるけど予想の中でもいろいろ複雑なものを感じてしまいます。ただどの選手も自分の最高の演技ができることを願うだけ、本当はそれだけなんですけどね。どの国のどの選手もケガや病気・アクシデントがないことを初詣では願うつもりです。