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つれづれなるままに・・・

日々の思ったことを綴っていきます。

セカンドサード4回転が生まれる未来

2016-17 フィギュアスケート 羽生結弦 ネイサン・チェン ボーヤン・ジン

ボーヤンの5クワドFSがネットに上がっていた。それを見ると4LzコンボはGOE+1の加点、4Sはちょいプラス位、4Loは-1、4Tは-2、4Tコンボは+1、3A3連は-2といった感じ。抜け以外はジャンプはまずまずでした。そう思うと基礎点程度は確保できそう。ジャンプのタイミングは昨季並みに取り戻している感じ。ただしジャンプは3Lz以外はほぼ同じ場所で飛んでいる。
スケーティングの伸びは昨季よりは上がっているがジャンプ前は非常に単調、スピン・ステップは昨季並み。そう思うとやはりネイサンよりはPCSが出ないかなという印象です。

しかし8つのジャンプの内、4回転が5つ3Aが2つということでGOE係数0.7ジャンプは3Lz1つだけという事態に。来季1つジャンプが減るのでもう0.7係数ジャンプはなくなることが確定している状態になっています。本当に恐ろしい。
ネイサンは3Aが苦手で現状4Tと3Tが2つというちょっともったいない状態なので4Lzか4Fを2本という構成にもう少し上がるかもしれないですがいずれにせよ二人ともほぼ天井状態になってきています。彼らに勝とうとする選手はこの二人と同じような構成レベルを目指すことになっていくことになる。それは7ジャンプになればなおさらその傾向は強まるだろう。

みんなが多種クワドになって行くといずれ今の女子のような構成横並び時代になるかもしれない。そうなると差別化を図る意味でもより効率をあげると言う意味でも考慮されてくるのはセカンドとサードジャンプの高難度化だ。

現状男子のセカンドサードジャンプは主に2種類に分かれている。
主流派としては羽生・フェルナンデス・ボーヤンのようなセカンド3T・セカンド2T・+Lo+3S(もしくは3F)の足を変えるタイプの3連のコンボ組。これは比較的新しいルール変更で生まれた効率の良い基礎点を稼げる組み合わせだ。
もう一つは昔からあるセカンド3T・セカンド2T・セカンド2T+2Loという組み合わせ(2Loはセカンド3Tの後ろでも良い)でチャンなどが使っている。
男子は女子に比べセカンドサードLoが非常に少ないのでコンボはほぼこのどちらかになっていてほとんど選手間に差がないという状況になっている。
だからファーストジャンプの構成が近くなってくればコンボによって変化が生まれてくる可能性は高くなってくるだろうことは十分予想できる。

 

実際にはまだ4Tと4Sしか飛ばれていない時代にもセカンド4Tを練習している選手はいた。無良がやっているという話も出ていたしそれ以前プルシェンコが3A+4TをUR位で飛んでいる映像が上がったこともあった。しかし現実にならなかったのはセカンド4Tを回転不足なく飛ぶことが難しかったというだけでなくルール上の不利益も有ったためだ。
というのは3A以上のジャンプはGOEが×1係数だが3Lz以下のジャンプでは係数が下がってしまう。2種しかなかった時に3A以上のジャンプにセカンド4Tを付けてしまうと×1ジャンプが一つ減ることになり非効率だったからだ。
しかし3種4種と4回転が増えて×1係数ジャンプがほとんどになってくるとこの状況が変わる。×1倍の係数ジャンプよりも基礎点の高いジャンプを入れる方がかえって効率が良くなってくる事態になってくるのだ。

 

少し前の記事で羽生の来季構成予想を書いた記事がある。これで簡単に説明する。
羽生は基本毎季構成を上げている。来季も上げることを予想すると4Lzを入れる必要がある。その場合の構成を比較する。

4Lz 4Lo 3F //4S+3T 4S+2T 4T 3A+Lo+3S 3A =95.58
4Lz 4Lo 3F //4S+Lo+4S 4T 3A+3T 3Lz+2T 3A =97.34

セカンドサードジャンプを付けるファーストジャンプは変わるかもしれないが基本的に基礎点はどれも変わらないのでこれで比較する。
×1係数ジャンプが多いのは上の構成だ(×1ジャンプ7つ・×0.7ジャンプ1つ下は6つと2つ)
しかし基礎点を見ると下の方が1.76も高くなっている。それは3Sがなくなり3Lzが入ったためでこの2つのジャンプの基礎点の差だ。係数の差で変わるGOEは最大0.9であるからこの基礎点の差の方が多いわけで当然下の構成の方が最高点も高くなることがわかるだろう。(最高点は上が118.68、下が119.54)ここまで4回転が増えてくればGOE係数差のメリットがなくなる可能性があるわけだ。しかもGOE+3など出ることはほとんどない。3A以上のジャンプでGOE満点を取ったことがあるのはチャン・羽生・フェルナンデスの3人しか居ない。ものすごくまれな現象であると言える。
しかしながらジャンプの基礎点は違う。回転不足なくジャンプが降りれればGOEに関わらず満額もらえる。ジャッジによって匙加減の異なるGOEよりも基礎点の方が確実に点数に響いてくるのが現状のルールだ。係数で得る点数より基礎点差が大きければそちらを選んだ方が得だろう。
(余談だが上の羽生の予定構成の場合で言えばREPの可能性がほぼなくなるというメリットもあったりする。)

 

そんなわけで4種以上のクワドを入れられるようになるとセカンドやサードに4回転を持ってきても効率が悪くなくなるという状態になる。
そうなれば構成的にも入れようとする動きはこれまで以上に出てくるだろう。

生み出される可能性ではセカンド4Tかサード4Sであるが現状3種以上のクワドを飛ぶ選手で考えればネイサンとボーヤンはセカンド4Tを羽生はサード4Sかなという気がする。
実際羽生は練習している映像が出ているのであるいはという可能性はある。しかしネイサンとボーヤンはどうだろうか?セカンド4Tの可能性は出てくるだろうか?
可能性はないとは言えないが今の段階では当分ないかなと言う気がする。というのはこの二人あまりコンビネーションジャンプが得意というわけではないからだ。そもそも男子でコンボが得意という選手は現在ほとんど居ない気がする。ボーヤンはLzに3Tを付けているがセカンドの着氷が詰まることが多い。ネイサンは4Lz・4Fどちらにも3Tが付けられるがセカンドジャンプにそれ程高さがない。二人とも着氷が前傾になりがちのジャンプが多いので4回転回るほどの高さを生み出すことは現状では難しそうだ。最もまだ二人とも成長期で体が完全にできあがっていないのでもう少し筋力を付ければ変わってくるかもしれない。しかし逆に今のジャンプが飛べなくなる可能性もある。単純にパワーが付けばいいわけではないことがフィギュアジャンプの難しいところだ。


その辺り足を踏み換えて勢いを出すことが出来ればサード4Sの方が出来そうかなと言う気がする。もっとも羽生も3連の成功率はそこまで高くないのでよほどタイミングが上手くはまらなければ無理そうだがちょっとだけ期待はしてたりする。

 

ネイサンとボーヤンのセカンド4Tを入れた場合の構成を考えてみる。

4Lz+3T 4F 4T+2T+2Lo 4T //3A 4S 3F+3T 3Lz =91.96
4Lz+3T 4Lz 4F 4T+2T+2Lo //3A 4S 4T+2T 3Lz =97.46
4Lz+4T 4Lz 4F 4T+2T+2Lo //3A 4S 3F+3T 3Lz =101.26
4Lz+4T 4Lz 4F 4T+2T+2Lo //3A 4S 3F+3T 3Lo =100.27

ネイサンのコンボが現状のままだとセカンド4Tを入れる必要は4Lzか4Fを2つ入れた場合で初めて生まれる。2回転が1つ減り3回転が増えるので結構大きく基礎点が上がる。今回は4Lzを増やした場合で計算してみたが、Lz3回だとザヤの可能性が非常に高くなるのが気になる処。3Loの方が基礎点は下がるが危険は少ない。いずれにせよ基礎点が100超えるのが凄まじい。

 

ボーヤンの場合

4Lz+3T 4S 4Lo //4T+2T 4T 3A+Lo+3S 3A 3Lz =95.18
4Lz+4T 4S 4Lo //4T 3A+Lo+3S 3Lz+3T 3A 3F =98.98
4Lz+3T 4Lz 4S //4Lo 4T+2T 4T 3A+Lo+3S 3F =99.86
4Lz+4T 4Lz 4S //4Lo 4T 3A+Lo+3S 3Lz+3T 3F =104.43

ボーヤンもセカンド4Tによって生み出される基礎点の差が大きい。何しろ2Tが3Lzまたは3Fに変わる訳だから。セカンド4Tが入ると2回転をなくせる利点がうまれる。4Lz2回は難度が高いが現状の1回のままでもセカンド4Tを入れられることがネイサンと違う。コンボがうまくなったら頑張ってみたら面白いかもしれない。

 

現状3種以上のクワドが入れられるのが3人しかいないのでセカンドサード4回転はまだまだ未来のお話だ。しかし時代は今急速に進んでいる。この3人以外にもある日突然入れてくる選手がいるかもしれない。GOE係数の効率さえ気にせず入れられるから入れちゃえ的に投入する選手も出てくるかもしれない。そんな未来があっても面白い。いずれ見られるその構成がどんなものでどのくらいの基礎点なのか、計算しながら楽しみに待っている。