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つれづれなるままに・・・

日々の思ったことを綴っていきます。

回転数の違うジャンプを飛ぶということ

四大陸は面白い大会だった。特に最終グループはアクセルを除く5種のクワドが飛び交う空中戦で最後まで誰が勝つかわからない熾烈な争いになった。
その試合を見終わって私は思った。
そろそろ誰か答えを出してくれないかぁ、と。

 

四回転論争を引き起こしたバンクーバー五輪の後再び4回転が活発に飛ばれるようになったきっかけはパトリック・チャンだった。優勝大本命の彼がプログラムに入れたことでそれを打ち勝つためには飛ばなけれないけなくなったからだ。
そして羽生やコフトゥン、ハン・ヤンといったジュニアから上がってくる選手が当然のように飛んでくるとよりその流れが加速していくことになる。


現在も現役の選手の中でいち早く多種クワドをプログラムに入れてきたのはケヴィン・レイノルズハビエル・フェルナンデスだ。
もっともレイノルズはあまり成功率が高くなく着氷しても回転不足を取られることが多かった。入れたからといってもそう大きく点数を伸ばすのはなかなかに困難だったように思う。4回転というジャンプは本当に難しいんだな、とレイノルズを見て思ったものだ。


フェルナンデスはレイノルズよりは成功率は良かったが試合ごとに結果の波が大きかった。大きく下位に沈む試合もあれば表彰台近くまで行くこともあるというように。4回転はわりに決めるのに簡単な3回転でミスる、そういう試合を結構見た記憶がある。
ある時解説(誰かは忘れたが)が「彼は4回転を回る体になっている。だから3回転で回転を止められない」みたいなことを言ったことがあって、4回転ってそういう影響もあるんだと驚いたこともあった。

4回転の感覚が染みついているのなら全部のジャンプ4回転で飛べばいいじゃん、なんて意地悪なことを思わなかったのはキスクラで疲れましたーという表情のフェルナンデスを見ていたからだ。その姿を見るたびに4回転って本当に大変なんだとつくづく感じたものだった。
世界王者となった今のフェルナンデスから思えば、あの当時は十分な練習ができてなくて体力がなかったこととジャンプの技術が未熟だったことが原因だったのだろう。それを手に入れた今はもう4回転降りて簡単な3回転でボロボロになるなんてことはない。
だからあの時解説の人が言っていたように4回転を割と成功させて3回転で良くミスするなんてことは過去のフェルナンデス以外には・・・いやいるな、コフトゥンとかコフトゥンとか無良とかアーロンとか・・・・・・いや、彼らは別に3回転を止められないわけじゃないだろう・・・とりあえず彼らの問題は今回は置いておこう。

 

4回転について3回転の延長上のジャンプという意見を聞いたことがある、一方で3回転と4回転は全く異なるジャンプだと話してる人もいたような気がする。本当のところどうなんだろう?いつか4回転を飛ぶ選手が教えてくれないかなぁといつのころからか思うようになった。

 

4回転ではないが、かなり以前から3Aが得意な無良と羽生は2Aが飛べないという話をネット上で見かける。実際に無良はTVでそれは本当だというようなことを口にしていた。羽生はどうか知らないが少なくともソチの前から練習でも2Aを飛んでいるのを見たことがないので案外本当にそういうこともあるのかもしれない。
それとは別に少し前のことだが何かのショーでハン・ヤンが3Tを飛べないみたいなことを話していた。コンボではつけているのでこの場合の飛べないはファーストジャンプとしてという意味だろう。
そして2014-15シーズンだったか3Lzにミスが多い理由を聞かれて羽生が4Lzを練習してたから、みたいなことを口にしてファンを騒然とさせたこともあった。
回転数の多いジャンプを得ようとすると飛べたジャンプに影響が出てくるものなのか、とこういう話を耳にするたびに思ったものだ。

だとするのなら回転数を増やしたジャンプを飛ぶというのはそれまでのジャンプの延長上にあるってことなのかな、と考えたものだった。

 

しかし昨季再びその考えは違うのか?と思うことになる。ボーヤン・ジンシニアデビューによって。


ボーヤンは昨季いきなり4Lzコンボを決め一躍注目を浴びた。ところが彼のFSには3Lzが別に入っていた。4Lzは着氷が乱れることがあっても回転不足になることもなく3Lzコンボも公式戦ではしっかり決めていた。着氷の技術がいまいちでステップアウトや詰まったりすることはあるけれど回転数そのものはクリーンなジャンプをシーズンを通して飛んだのだ。
回転増やすと感覚って影響受けるものじゃないの???とボーヤンの演技を見るたびに頭をひねったものだった。
ただボーヤンは明らかに人とは違うジャンプの才能があるので特異的な存在なのかもしれない、ととりあえずあまり考えないようにしていた気がする。

 

そして今季そのボーヤンをさらに超えるネイサンが登場する。ルッツもフリップも2つの回転数をFSに入れてきた。4回転の方は時に転倒することもあるが3回転はしっかり飛んでいるネイサンを見て思ったのだ。


この子たちは3回転と4回転の飛び方の違いを認識しているのだろうか?と。

 

つまりは体力があるときに飛べば4回転が飛べて疲れてくると自然に3回転になるのか、それとも今は3回転次は4回転というようにきちんと違う飛び方が彼らの中に感覚としてあるのかどうか?ということだ。

 

ボーヤン一人の時は前者かなぁとなんとなく思っていたのだがネイサンが登場すると後者の方が正しい気がしてくる。だとすると彼らにとって3回転と4回転のジャンプは延長上のジャンプでではなく全く違うジャンプということになる。だからより多回転を飛んでもそれまで飛んできたジャンプに影響がでない。

 

こうしてもはや女子の3回転のように当たり前に多くの4回転を飛ぶようになってきたのだからそろそろその答えを誰か出してくれないだろうかと思うのはいけないだろうか?

別に違いそのものの内容を知りたいわけじゃない。聞いても多分わからないだろうし。ただ仮にボーヤンやネイサンがこう飛べば4回転になり3回転がこう飛ぶといったような違いを持っているのならそれがあるかどうかだけを知りたいのだ。それとも延長線上のジャンプで少し大きく飛ぶとか高く飛ぶといった感覚の違いだけ、よりハードなだけのジャンプなのかどうかを。

 

現役時代に練習ですべての4回転を飛んだと噂される本田氏でも今でも練習すれば4回転が飛べる織田氏でもいい。別の記者でもフィギュアライターの誰かでもいい。多種クワドを飛ぶ選手に答えがどちらか聞いてもらえないだろうか?

あなたにとって4回転ジャンプとはどんなジャンプなのか、3回転ジャンプとどう違うのかと。気になりだしてから長い時間を経たこの疑問、今その答えを切望している。