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つれづれなるままに・・・

日々の思ったことを綴っていきます。

世界選手権2017年 男子シングルFSデータ

2016-17 フィギュアスケート 羽生結弦 宇野昌磨 ハビエル・フェルナンデス パトリック・チャン ジェイソン・ブラウン ネイサン・チェン デニス・テン ボーヤン・ジン マキシム・コフトゥン ミハイル・コリャーダ ミーシャ・ジー

今回予想を上げることが出来なかったが一応計算だけはしてあった。勿論今回の表彰台メンバーを当てることは出来なかったのだが少しだけ当たったことはあった。
一つは優勝が羽生だったこと、そしてSPで100点・FSで200点越えが3人以上出て表彰台が全員300点越えになると言うこと。実際にはSPで100点超えしたメンバーとFSで200点超えしたメンバーは替わってしまっているのだが結果的に表彰台は全員300超えることになった。
(ちなみに私の順位予想は1位羽生2位ネイサン3位ボーヤン4位フェルナンデスだった)
300点超えしても表彰台に乗れない時代ーーー恐ろしいほど時代が変わった、そう強烈に認識させられたワールドとなった。


<FS順位>
               TES  PCS  減点    合計
  1位 羽生 結弦    126.12  97.08      223.20
  2位 宇野 昌磨    120.03  94.42      214.45
  3位 ボーヤン・ジン  118.94  86.00      204.94
  4位 N・チェン    110.61  84.78   -2  193.39
  5位 P・チャン      98.11  94.92      193.03
  6位 フェルナンデス    98.62  94.52   -1  192.14
  7位 J・ブラウン     88.27  89.20   -1  176.47
  8位 レイノルズ      91.06  78.34      169.40
  9位 M・コリャーダ    82.49  82.70   -1  164.19
10位 ミーシャ・ジー    83.74  79.80      163.54    

四回転無しでトップ10に入ったミーシャが光る。しかしこの結果を見てしまうと上位6人とその下でははっきりとした区切りが見える。
TESが初めて100超えしたのはそれ程前のことでは無いのに今では110超えてもトップに立てなくなってしまった。
2015年ワールドではブラウンの得点で3位になれたが現在では4回転を複数跳ばないと入賞すら困難になってしまった。

 

 

<ジャンプ得点上位10人>
            基礎点  GOE   計   減点
  1位 羽生 結弦   87.53  17.14  104.67
  2位 ボーヤン・ジン 88.10  10.94  99.04
  3位 宇野 昌磨   89.04  9.35    98.39
  4位 N・チェン   96.77    -5.87   90.90  -2(実質88.90)
  5位 P・チャン   72.05  5.29    77.34
  6位 フェルナンデス 75.49  1.61  77.10  -1(実質76.10)
  7位 クヴィテラシヴィリ    69.24  4.68  73.92
  8位 レイノルズ   73.44   -0.58  72.86
  9位 ビチェンコ   68.52   -0.76  67.76
10位 C・ベゼギエ  68.54  -1.94   66.60

 

ネイサンは2転倒してもチャンとの基礎点差が大きすぎて全く順位に影響が無いことが驚く。
そして羽生はジャンプだけで100点超えた。2015年のGPFが98.52だったので構成を上げたことがやはり大きかったと言える。(ただしGOEは2015年の方が多い)
ジャンプに限れば上位4人とその下で別れる印象がある。上は4クワド以上の構成でほぼ予定基礎点を取っている。フェルナンデスやチャンは抜けやコンボ無効で基礎点を取り逃してしまったことが結果的に上位から差がついてしまうことになった。
6強を除くメンバーはやはりジャンプで得点を稼ぐ選手が名を連ねている。ただそれでも転倒しないとこが結構重要だったりする。転倒は11人と約半数ではあるが4回転の本数が飛躍的に増えた割にはそこまで多いという印象は無かった気がする。


<スピン得点上位10人>

             基礎点 GOE  合計
  1位 J・ブラウン  10.20  3.78  13.98  
  2位 ヴァシリエフス 10.20  2.85  13.05
  3位 宇野 昌磨     9.80  2.94  12.74
  4位 羽生 結弦   10.00  2.65  12.65
  5位 M・コリャーダ   9.70  2.57  12.27
  6位 フェルナンデス 10.00  2.22  12.22
  7位 N・チェン   10.20  1.71  11.91
  8位 ボーヤン・ジン   9.70  2.00  11.70
  9位 レイノルズ     9.80  1.86  11.66
10位 ミーシャ・ジー   9.70  1.79  11.49

 

基礎点10.20の組み合わせの選手が増えたなぁというのが今シーズンを通しての感想。昨年まではそこまでいなかったんだけど基礎点を少しでも多くと考えるとコンビネーション×2+キャメルという組み合わせになるのでしょう。
ただキャメルは男子の場合、見栄えがイマイチの選手が多いので個人的にはGOE狙いでシットにした方が良いのではと感じることもなくも無い。ただ腰高の選手も多いのでなかなか難しい問題だ。ブラウンのような見事なポジションと回転スピードというのはなかなかいない。怪我による体調不良からも解放されて見事なスピンを見せてくれた。高GOEも納得の出来だった。
そして昨年2位のチャンがまさかの14位、ラストのスピンがスピード無かったしゆがみも大きかったのでほとんどGOEが付かなかったことが痛かった。高難度プログラムを纏めると言うことはベテランだけに体力的にきつかったのかもしれない。

 

<ステップ得点上位10人>
             基礎点  GOE   合計
  1位 P・チャン    5.90   3.60   9.50
  2位 J・ブラウン   5.90   3.40   9.30
  2位 フェルナンデス  5.90   3.40   9.30
  4位 宇野 昌磨    5.90   3.00   8.90
  5位 羽生 結弦    5.90   2.90   8.80
  5位 ミーシャ・ジー  5.90   2.90   8.80
  7位 ヴァシリエフス  5.90   2.50   8.40
  8位 ボーヤン・ジン  5.90   2.30   8.20
  9位 デニス・テン   5.90   2.20   8.10   
10位 N・チェン    5.90   1.90   7.80

 

レベル4が12人、レベル3が12人とGOEはともかくシーズンラストでしっかりレベルをとってきている。確実に稼げるところで点数を確保する、新採点下では大事なことだと言うことがわかる。
チャン1位は納得だが昨季ほどトップの点数は良くない。ノーミス羽生に案外低く付けてしまったためかミスあり疲れが見えるチャンやフェルナンデスに出しづらくなってしまったのかもしれない。
面白いのが5位のミーシャの点数。StSqのGOEはそこまで良くないがコレオは満点。レベル取りにこだわらないしっかり表現で滑りを見せるという最もコレオらしいステップだと評価されたのだろう。近年StSqでレベルをとるために時間を掛け一方コレオが短くさらっと終わるプログラムが出てきている中で意味のあるコレオステップだったと感じられた。


<TES上位10人>
              ジャンプ  スピン  ステップ    計    減点 
  1位 羽生 結弦    104.67  12.65  8.80 126.12   
  2位 宇野 昌磨    98.39  12.74  8.90 120.03
  3位 ボーヤン・ジン  99.04  11.70  8.20 118.94
  4位 N・チェン    90.90  11.91  7.80 110.61 -2(実質108.61)
  5位 P・チャン    77.34  11.27  9.50  98.11
  6位 フェルナンデス  77.10  12.22  9.30  98.62 -1(実質 97.62) 
  7位 レイノルズ    72.86  11.66  6.54  91.06
  8位 クヴィテラシヴィリ        73.92  10.48  6.50  90.90
  9位 J・ブラウン   64.99  13.98  9.30  88.27 -1(実質 87.27)
10位 ビチェンコ    67.76  10.23  6.27  84.26

 

数年前TESが90を超えることはすごいことだった。それが100点超えが出てくるようになりついに110を超えても表彰台に立てなくなってしまった。
いまや90を超えてもトップはその30点上にいる時代、4回転をそれも複数いれないと勝負にならないというSPをは全く違う競技となってきている。
フリープログラムとしてはそれも選択の一つだがジャンプの成否だけで勝負が決まるというのはそれはそれで物足りない部分もある。PCSの係数を変えるという話も出ているがそれだけでは今の流れは大きく変わらないだろうなと感じるTESの数字だ。

 

<GOE獲得上位10人>
             ジャンプ  スピン  ステップ     計
  1位 羽生 結弦    17.14  2.65  2.90  22.69  
  2位 宇野 昌磨      9.35  2.95  3.00  15.29
  3位 ボーヤン・ジン  10.94  2.00  2.30  15.24
  4位 P・チャン      5.29  2.07  3.60  10.96
  5位 J・ブラウン     3.38  3.78  3.40  10.56
  6位 ミーシャ・ジー    4.02  1.79  2.90   8.71
  7位 ヴァシリエフス    2.77  2.85  2.50   8.12
  8位 フェルナンデス    1.61  2.22  3.40   7.23
  9位 クヴィテラシヴィリ    4.68  0.78  1.20   6.66
10位 M・コフトゥン    3.67  0.78  1.07   5.52

 

1位は断トツの羽生であるが案外低いなと感じたのは2015年GPFはともかく昨年のワールドフェルナンデスよりも低いからだ。ジャンプはかろうじて超えたがスピンステップで思ったほど伸びなかった。
ワールドは崩れる選手もいるが一方シーズンラストでいい演技をする選手もいてGOE10点以上稼ぐ選手は何人もいる。今年は氷が良かったのかSPからジャンプの大きなミスが少なくそれゆえGOEも昨季より高めになっている。

 

<PCS上位10人>
           SS TR PE CC IN  計
  1位 羽生 結弦   9.68 9.46 9.86 9.75 9.79 97.08
  2位 P・チャン   9.57 9.46 9.36 9.57 9.50 94.92
  3位 フェルナンデス 9.43 9.36 9.36 9.57 9.54 94.52
  4位 宇野 昌磨   9.46 9.21 9.54 9.54 9.46 94.42
  5位 J・ブラウン  8.89 8.71 9.07 8.86 9.07 89.20
  6位 ボーヤン・ジン 8.71 8.36 8.68 8.64 8.61 86.00
  7位 N・チェン   8.54 8.39 8.32 8.64 8.61 84.78
  8位 M・コリャーダ 8.46 8.07 8.21 8.29 8.32 82.70
  9位 デニス・テン  8.21 7.89 7.79 8.21 8.07 80.34
10位 ミーシャ・ジー 7.79 7.61 8.14 8.00 8.36 79.80

 

個人的にはミーシャのPCSが面白いと感じる。5項目がそれぞれで判断されているように見えるからだ。上位はTRがちょっと低いくらいでほぼ横並びになってしまう傾向があるのでここまでばらばらな数字が並ぶケースは少ない。でもこれが本来ではないのかなと思ったりもする。
リアルタイムで試合を見れなかったのでよくわからない部分はあるが試合後のツイなどで羽生のPCSが低いのでは?という疑問をいくつか目にした。2015年GPFや昨年のワールドフェルナンデスを思えば低いと感じるのもわかるが、今回の試合結果からみれば演技の出来とPCS差の数字の並びはほぼ妥当ではないかとも思える。SP5位でグループ一番滑走だとなかなか最高点はつけにくいだろう。旧採点時代に有力選手が残っている段階で6.0が出ることがほぼなかったようなものだ。ジャッジに日本人がいない一方スペイン・カナダはいたことから見ても伸びきらないのは仕方なかったと思う。自国の選手が優勝する可能性がある、SPの点差はあってもTESで超えるのは難しい有力選手がいい演技をした場合にPCSで差を付かせる猶予はあった方がいい。
ただ・・・すべての結果からみればスペインやカナダのジャッジが羽生のPCSに低めの得点をつけたことがかえってフェルナンデスとチャンを苦しくさせたように思えてならない。若手に基礎点が及ばなくてもある程度優位に戦ってこれたのは多少ミスがあっても負けることのないPCSの高さがあったためだ。しかしノーミス羽生に低めの点数をつけてしまったためそれなりにミスが合ったフェルナンデスやチャンに良いPCSをつけることはできなくなってしまった。もちろん自国のジャッジはつけただろうが他国のジャッジがそれに倣うことはしないだろう。結果的に完璧じゃなかった宇野とあまり変わらないPCSになってしまった。ボーヤンがいい演技をしたことでPCSもあがりその差も縮まった。もともとそれほどノーミス演技をできていたわけではないチャンやフェルナンデスにとってミスしても勝てていたPCS差がそれほどのアドバンテージでなくなってしまったワールドになったわけだ。
もし羽生に98.5や99近くの高得点を出していたらまだ95や96がつけられていたかもしれないが自国のジャッジが上限を下げてしまったためにフェルナンデス・チャンと宇野・ボーヤン・チェンとの差を少なくしてしまう結果となったわけだ。
ここ数年ジャッジは基本PCS差よりもTES差で勝負を決めたがる傾向が出てきている。そうなると実績あるベテランのフェルナンデスやチャンには厳しくなってくる。結果的に羽生のPCSが高くなかったことでそれをはっきりさせてしまった試合となった印象だ。