つれづれなるままに・・・

日々の思ったことを綴っていきます。

予想優勝スコアから来季の構成を予想してみる

偏頭痛持ちの私はこの雨が多い時期が苦手だ。幸い今のところそこまで天候が悪くないので何とかやっていられる。
ここのところ考えているのは平昌五輪の優勝スコアだ。各選手がどの数字を目指して構成を組んでくるのか予想するのがこの時期の楽しみだったりする。毎シーズンまとめをした後の楽しみだ。
しかしながら来シーズンの優勝スコアは予想しづらい。何しろヘルシンキワールドでは300点超えても表彰台に立てなかったのだ。こんなことはシーズン始まる前に予想もしていなかった。急激な構成の上昇とそれをある程度達成出来る選手の登場による変化のたまものだ。
ヘルシンキのワールドでは300点を超えても表彰台に立てなかった。6位ですら290点を超えていた。その下は少し空いているので現在の処この6人が平昌五輪の表彰台候補になるだろう。来季は更にシニア入りする選手がいるが現実的に考えて300点を超えるのはかなり難しいと思われる。その為ニューフェイスはまずおいておく。
ヘルシンキの表彰台が300点以上で占められたことからも平昌五輪もそこから大きく下がることは無いと思われる。悪くても3位が290を下回ることは無いだろう。五輪というのは選手にとっても特別な大会で皆これに併せて調整してくる。今回は表彰台候補が6人と多いのでその全てが乱れると言うことは考えにくい。五輪が2度目3度目のベテランが3人もいることもあるからおそらく金メダルはヘルシンキの点に近いかそれ以上になると考える。
そうなると320点以上の点数が優勝には必要かなと考える。何しろワールドチャンプが世界記録保持者だ。いつもいつもその数字が出せなくてもワールドのようにここぞというときに力を出せることは実証済みだ。そんなわけで少なくとも320点を出せるという前提で構成を組むことにする。
 
 
<ボーヤン・ジン>
ボーヤンは史上4人目の総合300点超えの選手ではあるが、6強の中で唯一SPで100点超えしていない選手でもある。構成としてはネイサンに次いで高い後半4回転入りのプログラムだがPCSがなかなか伸び悩み現状超えられていない。
ただSPは持越であるし一般受けする曲で盛り上がるのでノーミスレベル揃えできれば超える可能性はある。ただ構成は天井であるので点数を大きく伸ばすのは難しい。スピンステップのGOEが飛躍的に伸びることも考えにくいのでノーミスで102~103位が最高では無いかと予想する。
そうすると320点超えるためにはFSで217~218必要となってくる。ボーヤンの最高点が205点弱なのでもう12~13点以上必要と言うことになる。
2016-17シーズンのPCSの平均が81点弱、最高が86点だった。五輪という大舞台でノーミスで纏めればもう少し出るだろうから88と考えるとTESで130欲しいところだ。つまりTESの最高点が119点弱だったのであと11点ほどの上積みが必要と言うことになる。2016-17シーズンのスピン・ステップの最高点が20点弱なので110点以上ジャンプで稼がなければならないと言う計算になる。
ボーヤンのジャンプはPCS3強と比較するとGOEがそれ程つくタイプでは無い。それでもノーミスだったワールドではGOEで11点ほど得ることができた。そうするとやはり構成で100点を超える必要が出てくる。
2016-17シーズンが4Lz 4S 3A+Lo+3S // 4T+2T 4T 3Lz+3T 3A 3F = 88.1だったのであと12点ほど上げなくてはならない。
現在の3種4クワドでは100点超えは出来ない。100点を超える構成を考えるとするなら少なくても4種6クワドで4Lzと4Tを2本飛ばなくてはいけない。
4Lz+3T 4Lz 4Lo //4S 3A+Lo+3S 4T+2T 4T 3Lz =100.48
この構成でようやく100点超えとなる。ザヤを考えるとラストを3Fにしたい処だがそれでは微妙に100点を超えない。4Lz2回よりも実戦で成功していない4Lo挑戦と割と着氷不良が多い4Sが後半で成功できるかがネックになりそうだ。
ネイサンに対抗するためには4Fを入れたいところではあるがFは時々!がつくので当分は無いだろうという気がする。案外ボーヤンはよく考えてプログラムし着実に実行するタイプだと思うので成功する自分が見える構成にするだろう。
ジャンプ基礎点100.48+GOE11+スピンステップ20+PCS88=218.48でSP103点を合わせれば322.48、上げた構成でワールド並みの完成度の演技を見せれば出ない点数では無いなと思う。
羽生はこれ以上の点数を出したことがあるがそれはそれで仕方ないと思うだろう。320点超える点数が出せればメダルは取れるはず。ボーヤンの本命は次の五輪だと思うので高構成でこの点数が出せれば良い経験になるだろう。

<ネイサン・チャン>
ネイサンは学業の問題があるらしく平昌五輪の成績によっては一時競技を離れるという話も出ている。その為にはできる限り金メダルを得る手段を講じてくると思われる。
そうなると320点では無く羽生の持つ330点を超える点数を求めることになりそうな気がする。2転倒してもワールドTESは110点近く出た。その結果を見てもがむしゃらにTESを求めてきそうだ。
ネイサンは構成が高い分SPの最高が103点を超えている。来季のプログラムも同様の評価を受けられれば五輪シーズンでもあるため105点ほどは出る可能性がある。スピンステップの最高点が21点超えPCSが89点弱なのでジャンプでは115点ほど必要になってくる。
ネイサンの問題点は高難度ジャンプは跳べるが他の5人と比較して成功のGOEがあまり高くないこと。不良とは行かないまでもつまり気味であったり前傾になったりでそこまで多くは稼げていない傾向がある。2016-17シーズンのジャンプのGOE最高が8点ほどであるからもう少し良くても10点行くか行かないかといったところか。そうなると330点以上を目指すには基礎点だけで104~105点必要になってくる。
2016-17シーズンの最高構成がワールドの4Lz 4F+2T 4F 4T //3A 4S 4T+3T 3Lz+2T+2Lo =96.77だったからあと8点以上上げなければいけない。 
4Lz+3T 4Lz 4F+2T 4F //3A 4S 4T+Lo+3F 3Lz =102.61
4Lz+3T 4Lz 4F+2T //4F 3A 4S 4T+Lo+3F 3Lz =103.84
4種クワドだと4Lz・4F2回構成にしても少し足りない計算になる。しかも本番で1度も実行していない足を変えるタイプの3連を入れるリスクもある。本気で330点を目指す意識があるのならばやはり5種を入れる必要がある。
4Lz 4F+3T 4F 4Lo //3A 4S 4T+2T+2Lo 4T+2T =102.90
4Lz+3T 4Lz 4F+2T 4F //4Lo 3A 4S 4T+2T+2Lo =106.24
4Lz 4F+4T 4F+3T 4Lo //3A 4S 4T+2T+2Lo 3Lz =107.04
5種6クワドにしても2回転が多いと点数は伸びない。一方でセカンド4Tを入れる的なコメントがツイに上がっていたのであり得ると言えばあるかもしれない。
一番最後の構成の3連を3Fに変えれば110点を超えてくる。そこまでリスキーにするかはかなり疑問だ。というのはネイサンはあまりコンボの着氷がクリーンにならないからだ。セカンド4Tを入れるのならば2T+2Loで良いのかもしれない。
演技を纏めたときのPCSはボーヤンより高めに出るのでGOEで若干負けても構成が高い分逃げ切れる。あとは自分でどこまでジャンプを揃えるかにかかってくる。構成で上回る分羽生がジャンプを揃えても着氷の出来如何では勝てる可能性はある。
ネイサンは構成変更に慣れている。より高難度を稼ぐ意識があればプログラムの質を下げてもがむしゃらに飛んでくる。ただ五輪シーズンはジャンプを揃えれば点が出やすい。スケートファンでは無い一般視聴者が見る機会が増えるためわかりにくいPCSでは差を付けない傾向になるからだ。そういう意味ではネイサンにとっては多少有利に働くこともある。プログラムを熟練するよりもジャンプの成否にかかり切りになる可能性もあるがどこまでの構成をひっさげてシーズンに挑むのか今から非常に楽しみである。
 
パトリック・チャン
SP100点FS200点超えしている割に6強の中では唯一300点超えをしていない選手である。
SPは今季より2クワドにしてくるが成功率を考えるとジャンプ全部前半と言うことも考えられる。しかし1クワドで102点出た実績があるので基礎点を考えれば全部前半でも105~107点ほどは出せそうな感じだ。
そうなると320点目指すためには213~215必要になる。今季はFSがなかなかまとまらなくてPCSが伸び悩んだがパーフェクトであれば羽生やフェルナンデスと遜色ない数字が出るだろう。低めに見て97.5ととりあえず想定する。
スピンステップの2016-17シーズン最高が22点台位半ばなので22点として考える。ジャンプのGOEはクリーンならばつくタイプだ。2016年の4大陸を参考にすれば14点弱ついている。215からそれらを引くと81.5点ほどの構成が必要になってくる。
2016-17シーズンのワールドはおそらく4T+3T 4S 3A+Lo+3S //4T 3A 3Lo 3Lz+2T 3F =78.65だった。そこから3点ほど上げる必要がある。
チャンの問題はクワドが2種であることと3Aが2本なかなか揃わないこと、更に後半の4回転の成功率の低いことだ。新4回転を入れることは無いので構成を上げるとしても4S・4Tを2本ずつにするしか無い。
4T+3T 4S+2T 4S 4T //3A 3Lz+Lo+3S 3Lo 3F =79.98
4T+3T 4S+2T 4S //4T 3A 3Lz+Lo+3S 3Lo 3F =81.01
4S+3T 4S 3A //4T+2T 4T 3Lz+Lo+3S 3Lo 3F =81.32
4S+2T 4S 3A //4T+3T 4T 3Lz+Lo+3S 3Lo 3F =81.62
セカンド3Tを後半にしてようやく81.5を超える構成になる。しかしこうして計算してみるとあまり現実的では無いなと感じる。
2種クワドでは結局のところ3A以外の3回転ジャンプの数が変わらないため飛躍的に基礎点は上がらない。そしてどちらかと言えば平昌五輪は個人の金メダルよりも団体金の方が可能性が高い。無理に320点を目指すよりも実現可能な構成を纏めきってPB→表彰台の方が気分的にも安定した演技が見られそうな気がする。
なのでもし構成を上げるというのなら3Aを減らし4S・4T2回/ジャンプ前半4本という一番上の戦術で良いのではと思う。ベテランなので構成を大きく変更するよりもこれまでの延長上に有る方が対応し易いだろう。プレッシャーのかかる大舞台では点数にこだわるよりも自分の力が最も出せる方が有利だ。順位やメダルは後から付いてくる物と思って自信が持てる構成で挑んで欲しい。
 
ハビエル・フェルナンデス
ユーロ圏唯一と言って良いメダルが期待される選手だがチャンと同じく新しい4回転を挑戦するには難しい年齢のベテランだ。ただチャンよりは3Aが安定していて高GOEが稼げる分有利かなと言う気がする。それでも若手の高難度攻勢に対抗するためには可能であれば上げておきたいところだ。尤もSPについてはノーミスであれば110超え出来る実績があるのでこのままでも十分だと言える。上げるとするならばFSになるだろう。
と言っても新しい4回転を入れるとは思えないので現状の3クワド3A2本を4クワド3A1本に変える位しか出来ない感じた。
2016-17シーズンの構成が4T 4S+3T 3A+2T //4S 3A 3Lz 3F+Lo+3S 3Lo =79.23だったところの3Aを4Tに変更する。
4T+3T 4T 4S+2T //4S 3A 3Lz 3F+Lo+3S 3Lo =81.03
4T+3T 4S+2T 3A //4T 4S 3Lz 3F+Lo+3S 3Lo =81.21
結局のところ飛ぶジャンプ自体はチャンと同じなので大きくは上がらない。しかしフェルナンデスは2016ワールドでSP転倒しながら314点出している。SP110点取ってFSを纏めれば現状の構成でも確実に320点は超えられる。325点出ても不思議では無い。そう考えると下手にリスクを上げるよりは基礎点が低くても上の構成で良いのではと言う気がする。4T+3TはSPで飛んでいるから問題ないし、後半の構成も現状と同じだから体になじんでいるだろう。下手にリスキーに追い込むよりはわかりやすい方がフェルナンデスには合っていると思う。

羽生結弦
優勝スコアが320点以上ならば羽生は別に構成を上げる必要は無い。ただすでに発表された来季のSPは基礎点が上がっていることが判明している。世界最高点を出したプログラムのリメイクなので某イタリア解説者では無いが五輪でノーミス出来たら115点出ても不思議では無い。羽生が優勝ラインを何点に想定しているかはわからないが320にせよ330にせよSPで115点出せるならばかなり有利であろう。
ただ五輪シーズンで優勝候補に対する対抗馬になりうる選手にはPCSが上がりやすいと言う傾向がある。4年前の羽生も結果的にSPでは1点差ほどに詰めてきた。ネイサンやボーヤンにはまだ多少の差があるがあまり当てにしすぎてはいけないだろう。高難度をノーミスされてTESを上回られたとしても出来ればPCS差範囲で押さえたいところだ。
2016-17シーズンの構成は4Lo 4S 3F //4S+3T 4T 3A+2T 3A+Lo+3S 3Lz =87.53だった。羽生はスピンステップで22点、GOEについては全てのジャンプで+2以上を得られる質の良さがある。これだけでネイサンボーヤンに10点差ほど付けられる。ただ高難度である以上ミスも出やすく、また羽生の場合抜けという形になりやすいので出来るだけ基礎点でもある程度は近づいておきたいところだ。
4Lzについてはシーズン後のインタビューや雑誌のコメントなどで否定的だった。新しいジャンプを入れるというのは確かにリスキーではある。ただ着氷率が6割以上有るのなら入れてみても面白いのでは無いかとは個人的には思っている。基礎点が上がるからでは無くあくまでリスク管理のためにである。
最近何かで3A2本では無く4S4T2本の可能性が上がっているが見ている側としては出来れば止めて欲しいなぁと思う。
4Lo 4S 3F //4S+3T 4T+2T 4T+Lo+3S 3A 3Lz =89.51
3Aを4Tに変えただけでは基礎点で2点も変わらない。そしてREPの危険は相変わらずつきまとう。だったらいっそこうして欲しいとすら思う。
4Lo 3Lz 3F //4S+3T 4S+2T 4T+Lo+3S 4T 3A =89.96
後半4クワドというとってもリスク高い構成ではある。体力的にもきついだろうしGOEを稼げる質を得られるかという心配もある。ただREPの危険は多少減る。後半連続してジャンプを飛ぶので転倒すると次に響きそうではある。ただチャレンジの分には面白いかなと感じる。
しかしそれよりは着氷率がある程度有るのならば4Lzを入れることを勧めたい。
4Lz 4Lo 3F //4S+3T 4T+2T 3Lz 3A+Lo+3S 3A =90.63
4Lz 4Lo 3F //4S+3T 4T+3T 3Lz 3A+Lo+3S 3A =93.93
4種4クワドでREPの心配がほぼ無い。もし4Lzが3Lzになった場合は後半の3Lzを4Tに変更すれば多少のリカバリが出来るというというメリットもある。
ついでに前半上手くやって体力的に余裕があれば3Lzを4Tに変更するという進化形も考えることが出来る。
4Lz 4Lo 3F //4S+3T 4T+2T 4T 3A+Lo+3S 3A =95.36
ここまで構成が上げられればネイサンやボーヤンの基礎点はほぼ気にならなくなるだろう。
ほぼ100%の自信がある3Aを一つ減らし5クワドにするよりは4種4クワドを実験的に行う方がリスクとしては少ないのではと数字上は感じる。特に羽生の場合コンボを後半に行おうとするから尚更だ。勿論着氷率が練習で5割割り回転不足になりやすいというのなら入れる価値は無いがある程度着氷が可能ならとりあえずやってみても良いのではと思う。更に先を見るという意味でも出来ればチャレンジして欲しいなと個人的には思っている。
 
宇野昌磨については割愛。ジャンプの質についてはかなりの疑問を持っているので書きにくい。好意的でないことを書いて無意味に責められるのも面倒だ。ついでにファン以外の人も見る五輪であの気持ちの悪い着氷に今季と同じような評価が受けられるかはよくわからない点も大きい。ただ今季の傾向から更に構成を上げそうな予想は立つ。一般の視聴者が見て「変なジャンプ」という感想を持たせないようなジャンプを飛んで欲しいとは願っている。
 
今のところはこの6人が平昌五輪の表彰台候補だ。曲や構成など一部分かった選手もいるが本格的に判明するのは新年が明けてからだろう。ショーなどで忙しい選手も多いが良い練習を積み体調に気を付けて最高の状態で五輪を迎えられるようにしてほしい。確実にリアル観戦出来ないのだが最高の戦いをしてくれることを願っている。