つれづれなるままに・・・

日々の思ったことを綴っていきます。

眠気との闘い―――フランス杯SPざっと感想

土曜休みだったので女子シングルから男子シングルまでぶっつづけ観戦。途中でyoutubeが切れてしまったので非常に焦りました。久しぶりの長時間にペアのあたりから眠らないまでも数十秒くらい記憶がなくなる箇所がちらほら。でも上手い選手の時はそうならないんですよね。上手さの中には人を引き付ける何かも含まれているのかもしれない。長丁場だったので今回はメモを取らずに観戦。感想は男子シングル後寝て起きた後に書いています。

高難度化した男子に比べ完成度勝負になってきている女子シングル。それが崩壊と言って良いほどミスが多い試合となった。その後のアイスダンスやペアでもミスが多くこれは氷が悪いのかと心配になる位だった。しかし男子は後半グループはまずまずの演技を見ることが出来た。GPSも終盤に来て良い演技を見ることは良いことだ。FSでも是非良い演技を見せて欲しい。

採点は女子の時から全体的に回転不足とエッジエラーが甘めだった。男子もその流れだがこれまでのGPSと比較するとPCSも高めに感じる。CS等を見ても傾向として欧州の試合の方が点が伸びる。PBを出したいなら北米より欧州に出場する方が有利かもしれないが最終的に点数で競った場合を考えると差がつきすぎるのはどうかなと疑問に思う。GPFは日本になるがさてどちらの採点に近いのだろうか?

NHK杯からの連戦となった白岩は先週とは打って変わって良い滑りだったと思います。上位陣がかなりミスりましたのでクリーンな演技が光りました。ジャンプが年々低くなってきている事が気になりますし2Aは相変わらずおっかないですがそれでも良い笑顔で自分らしさをアピールできたと思います。こういう良い演技を繰り返すことと滑る際にもう少し膝下を伸ばす意識が高いとPCSももっと上がってくると思います。TESはトップでしたし良い位置で滑れますのでFSでもPBが出せるよう頑張って欲しいです。

三原はコンボが壁に近くなりすぎて途中で降りたみたいになってしまったのがもったいなかった。ただそれを除いてもやはりこのSPは駄目だろう。白岩が彼女の魅力を伝えるプロで評価を高めたのに対して合わないという点だけを強調してしまう作りになっている。三原は基本動き方や体の使い方(特に上半身)が緩い。その彼女がラテンのカチっとした動きをしようとすると型にはまり切れないだけではなく振付だからやっています感が強く漂ってしまう。それがむしろジュニア女子のような未熟な印象を与えてしまっている。五輪シーズンで評価を受けることが大事ですので柔らかさや温かみといった彼女の良さを強調するプログラムに今からでも変更したほうがいいと思う。

 

1位 ハビエル・フェルナンデス 107.86 TES60.00 PCS 47.86
点数が出たとき思ったほど伸びなかったなと思った。欧州の試合だったしPB近くは行くかと思ったのだがそこまでの発狂は無かった。
プロトコルを見てもGOEは演技からすれば妥当だと思われる数字だ。そうなるとスピンの基礎点が劣る分やはり110は難しいのだなと感じてしまう。
それにしてもスペインジャッジの自国愛は強いなぁ・・・
個人的にはフェルナンデスのチャップリンは悪くは無いけどそこまではまっているとは思いません。動きは確かにチャップリン的なんですが何となくパロディ感が漂ってしまうんですよね。オールド映画のイメージではでしたらカペラノのEXの方が雰囲気が出てますし、チャップリン感はキーガンの方が近い。動きや演技は上手いのですがそれがかえっていかにもチャップリンを演じています的な印象に受け取られるかもしれない。ショーでやったら受けそうですが評価という点ではどうかなと言う感じです。
ただステップ中の片足を曲げてくるくる回る辺りなど確かな技術が無いとあそこまで魅せることはできないだろうな感心します。

 

2位 宇野昌磨 93.92 TES 48.91 PCS 46.01 -1
演技を見たあと良くても90点出そうも無いなと思った。差は4FがDGでなかったこととコンボのセカンドでURを取られなかったことに加えPCSが2点ほど高かったためだ。まぁ回転不足は比較的甘い採点だったのでそれで救われたのかもしれないがステップでもあれだけスピードが出てないのにPCSが下がらないことが非常に不思議。
インフルエンザ後と言う事の様なので全体的に体が重そうな滑りだった。

 

3位 アレクサンドル・サマリン 91.51 TES50.98 PCS40.53
演技後のやってやったぜみたいな表情が面白かった。この高難度構成を大きなミス無く演じきったという気持ちの表れだったろう。ただTESについては速報値から7点近くダウンし90点を超える程度で落ち着いた。これは4LzでURを取られたためだが宇野の転倒と違っておそらく+GOEがついていたことからそれも無くなった事が大きかったのだろう。
一方でPCSはここまで出るかと思った。37~38位かなと思っていたので・・・宇野が46出たのも下位選手に割と出してしまったからと言う事もあるかもしれない。大柄で動きも映えるが滑りの滑らかさという点ではまだまだといった選手だ。高難度が飛べたからという点でSSを上げたり他の4項目につられてTRが上がるのは違うだろうと思う。まぁ欧州の選手だからやったぜと覇気を見せた若者に思わずご褒美をあげてしまったかもしれないが、かつてのコフトゥンのように大きな大会に来てがっくりする姿は見たくないのでその辺りもう少し上手くやって欲しいと思う。


4位 モリス・クヴィテラシヴィリ 86.98 TES48.98 PCS39.00 -1
今年最も伸びている若手では無いだろうか?相変わらず4Sと4Tの区別が難しいのだが、飛び方については言及しないルールのようなのでまぁ良いだろう。3Aとコンボは非常に良かっただけに4Tでの転倒はもったいなかった。ためが少なく綺麗な着氷の選手なので今後に期待している。上背もあって足も長いのに持て余していない感じが好ましい。スピンはしっかりレベルを取ってきている。ただキャメルはあまり上手くない。ジャンプを安定させたらキャメルの強化をお願いしたい。

 

5位 アレクセイ・ビチェンコ 86.79 TES46.29 PCS40.50
NHK杯からの連戦で心配していたがジャンプは4Tでちょっとシェイキーになった以外は非常に安定していた。ベテランなのにすごい。
演技のこなれ具合もNHK杯より良かった気がする。ステップのウキウキ楽しい感じが非常に良かった。ただしレベルは取れていない・・・この辺り多少ジレンマがある。上体の動き不足か3連を認定されていないのかそれともターンの左右が認定されていないのか、演じることを中心で良いとは思うが取れるならばせめて3は取っておきたいので改良を願いたい。
そしてPCSが40を超えた。後半3項目はあの楽しく滑るさまが評価されていると思うので自分に合ったプログラムをさらに良くしていって欲しい。

 

6位 ミーシャ・ジー 85.41 TES43.13 PCS42.28
4回転がないので80点台半ばからなかなか点数は伸ばすことができない。ただノーミスを繰り返してPCSはかなり上がってきている。
引退を考えている選手であるので構成的に無理をする必要はないし自分の世界を見せるという魅力を伝えるという意味で今の男子シングルにあって第一人者であるかもしれない。
ただ個人的にはあまりひげは好きじゃない。

 

ヴィンセントは高難度2つ回転不足+コンボ無しで点数を伸ばすことができませんでした。PCSも36となかなか厳しいシニアの壁に当たっています。高難度を1つにして演技をまとめて着実に成長する過程をとってもいいとは思うが五輪シーズンなので博打的になってしまうのでしょうか?その辺りがもったいないです。

そしてファイナルの可能性があるアーロンもジャンプミスが響いてかなり困難な状況になってしまった。ただファイナルがダメでも全米で巻き返し代表入りを獲得するためにはここでいい演技をしておきたい。ぜひ気持ちを切り替えて頑張って欲しい。