つれづれなるままに・・・

日々の思ったことを綴っていきます。

ソチと平昌の得点を並べてみる SP編

平昌五輪では表彰台の3名がすべて300点を超えた。第1グループから4回転が飛び交うジャンプのレベルがソチに比べて格段に上がったためであるがどのくらい違うのだろう?とちょっと疑問に思ったのでとりあえず並べてみることにした。

 

      ソチ五輪             平昌五輪
    TES PCS  減  計    TES  PCS  減  計
1位 54.84 46.61    101.45     63.18 48.50     111.68
2位 50.34 47.18     97.52   59.79 47.79     107.58  
3位 43.87 43.11     86.98   58.13 46.04     104.17
4位 41.75 44.65     86.40   60.27 43.05     103.32
5位 47.26 38.78     86.04   56.98 42.00     98.98
6位 45.39 40.61     86.00   45.08 45.93 -1   90.01
7位 45.11 40.73     85.84   44.48 43.47     87.95
8位 44.94 40.72     85.66   43.84 43.85 -1   86.69
9位 43.49 41.57 -1   84.06   44.34 40.81     85.15
10位 45.52 38.29       83.81   45.50 40.61 -1   85.11

11位 40.98 42.50     83.48   44.17 40.57     84.74
12位 42.20 39.75     81.95   48.50 36.03     84.53
13位 42.11 39.98 -1   81.09   43.63 40.50     84.13
14位 35.79 39.79     75.58   41.75 42.15     83.90
15位 37.21 37.37 -2   72.58   43.79 39.64     83.43
16位 39.88 32.64     72.52   45.49 37.57     83.06
17位 33.98 36.78 -2   68.76   41.39 41.88 -1   82.27
18位 35.64 32.43     68.07   43.29 38.40 -1   80.69
19位 33.31 31.50     64.81   40.99 40.64 -1   80.63
20位 34.50 29.68     64.18   40.30 40.75 -1   80.05

21位 34.08 28.57     62.65   39.34 41.18 -1   79.52
22位 32.05 31.39 -1   62.44   40.88 36.68 -1   76.56
23位 34.16 27.39     61.55   39.23 36.40     75.63
24位 30.40 30.01     60.41   37.71 37.02     74.73

25位 28.91 30.85     59.76   38.37 35.21     73.58
26位 25.23 31.37     56.60   38.41 33.69     72.10
27位 28.91 28.39 -1   56.30   30.77 39.35     70.12
28位 27.47 29.57 -2   55.04   26.04 29.52     55.56
29位 21.87 26.25 -1   47.12   22.59 30.82 -1   52.41
30位                  18.68 29.90 -2   46.58   

 

ソチが29人しかいない?と首をひねったのだが、そうプルシェンコが棄権したんだった。あれから4年もたったんだと感慨深い。引退はしたがそのプルシェンコが今も変わらずショーなどで滑っているのは素敵だと感じる。日本メディアが事あるごとにコメントを求めるので今でも目にする機会が多く喜んでいたりします。

色がついているのは両大会出場している選手。マヨロフの代わりに急遽出場となったマルティネスは仕方ないにせよ、銅メダルだったテンがまさかSP落ちするとは・・・抜けは本当に怖い。何で4Tにしなかったのだろう?しかしそれ以外の選手はFSに出場した。チャンとハンヤン以外は順位はともかく点数は伸びている印象だ。

それにしても・・・わかってはいたがここまで点数が伸びているとは。70点代前半ではFSに進めないなんて思いもしなかった。それでも進出したメンバーを見ても意外だと思う人物はいないのでボーダー上にいた選手たちはほんの少しのミスと質の差で運命が分かれたのかもしれない。4回転をSPから飛ぶ選手が増えるとテンのように抜けてキックアウトになるケースも多くなる。よほど確実に飛べなければ3回転ジャンプ3つを質良く飛ぶ方が安全かもしれない。ただ上位には確実に行けないけれど・・・

それでも80点が団子なところはソチの頃から変わりがない。そして最下位の点数も。点数が伸びたといえるのは上位と60点代あたりだろう。これは新採点の攻略が現在では幅広く実行されているということなのだろう。

 

     ソチ五輪          平昌五輪

平均TES 37.97/29名   42.90/30名
平均PCS 36.15/29名   39.67/30名
平均得点  73.75/29名   82.16/30名
 
表彰台平均TES   49.68    60.37
表彰台平均得点    95.32    107.81

 

4位~10位平均TES  44.78    48.64
4位~10位平均得点  85.40    91.03

 

11位~20位平均TES 37.56    43.33
11位~20位平均得点    73.30    82.74

 

表彰台に乗るためのTESが60を超えているというのは2クワド絶対に必要ということ。ソチの表彰台レベルでは平昌では10位以内程度になってしまう。

平均を取ってみると伸びているのがTESだけではないことがわかる。PCSの上がり方も大きい。ソチの頃は割としっかり選手ごとにPCSがまだ出されていたが、最近はシニア上がりの若手でも簡単に40以上出るようになった。それなりに滑れるかもしれないがジャンプだけのスカプロでも飛べさえすれば出してしまうというのはいかがなものかという印象もある。平均で40近い数字が出てしまうということはTESを稼ぐ若手有利な採点になってきているということ。つなぎや質・プログラムの魅せ方より高難度ジャンプに走りやすい傾向になっているといえる。

平昌の20位までの平均得点が全体の平均値よりも上という結果に驚く。この平均の上下5点以内に如何に選手が多く入っているかということだろう。

 

    ソチ五輪             平昌五輪
4T 6/13=46.15%   4T 9/15=60.00%
4S 0/ 5= 0.00%   4S 3/ 7=42.86%
                 4F 1/ 2=50.00%
                 4Lz 2/ 5=40.00%
計  6/18=33.33%   計 15/29=51.72%

転倒 8人/10回        転倒 11人/12回

 

4回転の種類も本数も格段に増えていることがわかる。しかし一方で成功率は上がっている。というかソチの時第4グループ最初の羽生まで4回転の成功がなかったことを思い出した。そう思うと五輪という大舞台で安定的に飛べるほど4回転は当たり前になってきているのだろう。

一方でやはり転倒は増えている。必ずしも4回転で転倒しているわけではないが17位から23位まで転倒点が並んでいるところを見ると多少確率が悪くても入れようとする傾向が現在は強いのかもしれない。ただ70~85点内に15人以上の選手がいるので失敗すれば一気にSP落圏に入る危険も。そこそこの確率ではハイリスクハイリターンな戦法ではある。

一方で3Aまでのジャンプをしっかり飛んでFS進出している選手がもちろんいまでも多くいる。どちらかといえば上位4人を除けば綺麗なプロトコルを作ったのはこちらの方が多かったかもしれない。五輪という大舞台にしっかりとした演技を母国で流したい・見せたいと思いまとめてFS進出するというのは結構大事なことだろう。今回はソチとは違っていい演技が多かったという印象があるがそれは彼らの存在も大きかっただろう。

 

ソチから大きく順位と点数を上げたのはケリー君とビチェンコさん。ケリー君は最下位から16位35.94点アップ、ビチェンコさんは22位から13位21.69点アップ。若いケリー君が4回転マスターして点を伸ばすのは理解できるけど三十路のビチェンコさんが4回転安定させてこの年でPB出すなんて想像もできなかった・・・4年間ってすごいなぁと感心してしまう。

 

 

今回は時間がないのでただ並べてみただけ。細かい内容はまた時間が取れた時に。