つれづれなるままに・・・

日々の思ったことを綴っていきます。

雑記

静岡という土地はフィギュアスケートの不毛の地だと個人的には思っている。そもそもスケートリンクがないからスケートするのはほぼ他県に行かなければいけない。テレビ放映では放送のない一部地域に入ってしまうことも多い。

フィギュアスケートの雑誌も大学で他県に住んで初めて存在を知ったし、地元に戻ってもそれを買えるのは静岡中心地のかなり大きな書店までいかなければならなかった。郊外のチェーン店でちらちら見かけるようになったのはソチ五輪の少し前の頃になってようやくだったと記憶している。

私自身はかなり田舎の地域に住んでいるので近所に本屋はない。そのため立ち寄るのは勤務先の近くのツ〇ヤになる。ソチ直後の羽生表紙の雑誌の乱立の頃、ここでもほぼすべてのフィギュア雑誌が結構な冊数置かれていた。しかしそれから時間がたち平昌五輪開幕前には入っても各1冊、WFSに至っては全く置かれない状況になった。雑誌以外のフィギュア関連の本もここ1~2年はほとんど並ぶことはなかった。

それでも「羽生結弦は助走をしない」という本が販売されると聞いたとき、五輪直前だしこの位は入るかなと楽観して予約しなかった。どんな本かチラ見して良かったら買おうと思っていたのだが1週間たっても入らず仕方なくネットで取り寄せることになった。その少し前あたりにいくつかフィギュア関連本が出たがそれらも結局1冊も目にすることがなかった。

しかし平昌五輪が終了し大量の羽生表紙雑誌が発売されると状況が一気に変わった。本屋の中央にそう言った雑誌がまとめて飾られその下にここ最近に発売された関連本が一斉に並んだ。更に羽生の新刊「夢を生きる」が出ると3列に積み置きになった。蒼い炎が1も2も並んでいるのもこの店で初めて目にした。一番多い時でトータルで80冊ほど並んでいる様は地方の本屋としては異様な光景だ。流石にこんなにたくさんは売れんだろう・・・と逆に心配になってしまうほどだった。

ところが、である。毎日昼休みに本屋に行くのだが見るたびに減っていくのだ。新しいものが出るので雑誌の棚はそれなりに埋まっている(ただし密度は下がっている)が平置きの本はどんどん少なくなっていく。蒼い炎は両方とも目にした翌日にはもうなく、発売日に15冊ほど置かれた「夢を生きる」は一度なくなり2日ほどして再び10冊ほど入荷していた。最もすべてのフィギュア関連の本や雑誌が売れているわけではない。ほとんど当初のまま動かずに残っている雑誌・本もあることはある。やはり売れ筋は羽生結弦関連だろう。雑誌も評判の高いものから出ている印象だ。

私自身、今シーズンは久々に雑誌も本も買っている。3年ぶりに購入数が2桁をすでに超えた。まだ届いていないものもあるしワールドもあるからトータル15冊程度になるかもしれない。

この人気がいつまで続くかわからない。ブームというものは激しければそれだけ冷めるのも早いものだ。スケート文化が根付いていない分この辺りはそういう傾向が強いだろう。変わりゆくフィギュア雑誌の棚を眺めながら今回はどのくらい続くかなと若干冷めた目で見ている自分もいる。

それでもスーパーやドラッグストアなどで羽生を目にする機会がある。今回はまだ目にしていないがまたキシリガムで羽生ボトルが出ているという。おそらく羽生人気というのはもうフィギュアスケートという枠を外れているのだろうと推察される。これほど色々目にするのだから経済効果が大きいのだろう。

金メダルを再び手にするために色々捨ててきたという。精一杯の努力を重ねて目標に向かってきた羽生の姿勢に共感する人感銘を受ける人が多いということも人気の一因になっているのだろう。ヤフオクではチャリティーに出品された羽生のスケート靴に物凄い高値がついているという。国民栄誉賞の話題など色々な意味で別格な存在になったと感じる。

五輪金メダルを再び手にして「幸せだ」と口にした羽生。世界的に広まった人気や今後与えられるだろう名誉などが重荷になるのではなく幸せの上積みになることを祈りたい。ソチ以降の4年間強い王者という存在であり続けるためにひたすら走り続けてきた。その為に負った負荷を十分に癒しその上で新たな目標に向かってこれまで以上に自由に進んでいって欲しいと願っている。

ちなみにではあるが今回の五輪で見た羽生の写真で一番好きなのは国旗をまといスホランのしっぽを持って上を向いて笑っている写真。一部の雑誌の表紙にもなっているあれがとても印象に残っている。初めて見た時女子サッカーがワールドカップに勝利した際の国旗をまとった澤選手の後ろ姿の写真を思い出した。どちらも精いっぱいの力を出し切り勝利したときの写真、とてもいい写真だ。こういう素敵な写真を見ることもスポーツの楽しみの一つだと個人的には思っている。