2014-15シーズン 男子シングルデータ平均ランキング
羽生がすでにカナダ入りして来季に向け動き出したらしい。休むより動けってことかな?手術跡の問題なども片付いたと言うことか。やる気があると言うことはいいことなのかも。体調と怪我に気をつけて励んで欲しいものだ。
国別対抗戦も終わりシーズンは完全に終了。ここまでワールド上位7人とGPF・欧州選手権銅のヴォロノフそして四大陸選手権銅のハン・ヤンと今シーズンの大会を彩った主要メンバーについてまとめてきた。個別に見てもなかなか面白いものだがここでそれぞれの平均値ごとに集計してみようと思う。国別前に記事を書いたブラウン・コフトゥン・ヴォロノフには国別も足す。ブラウンはかなり上がりそうだ。いったいどういう順位になるか楽しみである.・・・ってファリス忘れてた!
2014-15シーズン GPS(GPF)/欧州選手権/四大陸選手権/世界選手権/国別選手権スコアの平均値(各国ナショナルは含まず)
出場試合数は各人で異なる。4試合(テン/ジー/ファリス)~6試合(コフトゥン/ヴォロノフ他は5試合)の結果での集計
<平均得点ランキング>
1位 羽生結弦 総合 263.034 SP 89.302 FS 173.732
2位 フェルナンデス 総合 260.034 SP 88.288 FS 171.746
3位 デニス・テン 総合 254.550 SP 88.115 FS 166.435
4位 J.ブラウン 総合 244.880 SP 80.546 FS 164.334
5位 M.コフトゥン 総合 238.180 SP 78.992 FS 159.188
6位 S.ヴォロノフ 総合 237.608 SP 83.098 FS 154.510
7位 ハン・ヤン 総合 232.478 SP 82.262 FS 150.216
8位 M.ジー 総合 229.605 SP 77.480 FS 152.125
9位 N.ニューエン 総合 228.412 SP 73.098 FS 155.314
10位 J.ファリス 総合 212.960 SP 70.275 FS 142.685
平均の総合得点の順位が上記である。国別のデータが入って上がったのが羽生・ブラウン・ハンヤンとニューエン。下がったのがコフトゥンかな?
入れる前はコフトゥンとブラウンは2点差くらいだったからかなり開いたことになる。危うくヴォロノフに抜かれるところだった。
SPの順位で行くと上位3名は変わらず4位ヴォロノフ、5位ハン・ヤン、6位ブラウン、7位コフトゥンそれ以下は同じ順となる。ヴォロノフとハン・ヤンはSPが安定していたと言うことだろう。
FSの順位は上位5人は同じ、6位ニューエン、7位ヴォロノフ、8位ジー、9位ハン・ヤン、10位ファリスの順だ。
ヴォロノフはワールドのFSが、ハンヤンは四大陸と国別以外が悪すぎたため順位を落としている。それにしてもこれを見るとファリスよくメダル取れたなぁという感じ。おそらく平均値では無良の方がかなり良かっただろう。
<ジャンプ平均ランキング>
SP
基礎点 GOE 減点 合計
1位 デニス・テン 29.910 - 0.143 -0.5 29.267
2位 フェルナンデス 28.026 1.420 -0.2 29.246
3位 S.ヴォロノフ 26.907 1.590 28.497
4位 羽生結弦 26.766 1.148 -0.6 27.314
5位 ハン・ヤン 27.610 -0.412 -0.2 26.998
6位 M.ジー 24.155 1.010 25.495
7位 N.ニューエン 24.290 0.314 -0.2 24.404
8位 M.コフトゥン 27.172 -2.457 -0.5 24.215
9位 J.ブラウン 23.468 -0.126 -0.2 23.142
10位 J.ファリス 23.475 -2.558 -1.0 19.918
予定構成を全ての大会で行えたのはテンだけ。でもそのテンですらGOEがマイナスでジャンプの基礎点が取れていない。今の男子が高難度でなかなか予定構成が行えていない実態がよくわかる。
四回転をSPから2回入れているコフトゥンが入れていないジーやニューエンに負けている。博打にしかならない四回転なら入れない方が良い。同じく今季1度も四回転が成功していないハン・ヤンがコフトゥンの上に行っているのは3Aの成功と加点が多いからである。
安定感抜群で思われているブラウンが意外に低い。四回転なしが勝負するためにはミスをしてはいけないということだ。
FS
基礎点 GOE 減点 合計
1位 羽生結弦 64.688 3.324 -1.6 66.412
2位 N.ニューエン 62.856 2.460 65.316
3位 フェルナンデス 63.622 1.648 -0.6 64.670
4位 M.コフトゥン 62.971 0.025 -0.333 62.663
5位 デニス・テン 60.338 1.725 -0.5 61.563
6位 J.ブラウン 57.108 2.424 -0.2 59.332
7位 S.ヴォロノフ 54.288 3.475 57.763
8位 M.ジー 55.990 0.880 -0.25 56.620
9位 ハン・ヤン 57.974 -2.808 -1.4 53.766
10位 J.ファリス 51.888 -1.645 -0.75 49.493
クリケット3兄弟がTOP3を占める。四回転1回のニューエンが3回のフェルナンデスの上に来た。これはニューエンが転倒が少ない選手だからとフェルナンデスの四回転の成功率が今季かなり悪かったことが原因である。
羽生の四回転も今季それ程成功していないが後半3Aコンビネーションの成功率が高いため基礎点でもトップに立っている。
SP+FS
基礎点 GOE 減点 合計
1位 フェルナンデス 91.648 3.068 -0.8 93.916
2位 羽生結弦 91.454 4.472 -2.2 93.726
3位 デニス・テン 90.248 1.582 -1.0 90.830
4位 N.ニューエン 87.146 2.774 -0.2 89.720
5位 M.コフトゥン 90.143 -2.432 -0.833 86.878
6位 S.ヴォロノフ 81.195 5.065 86.260
7位 J.ブラウン 80.576 2.298 -0.4 82.474
8位 M.ジー 80.145 1.890 -0.25 82.115
9位 ハン・ヤン 85.584 -3.220 -1.6 80.764
10位 J.ファリス 75.363 -4.203 -1.75 69.411
トータルでは最もジャンプで稼いだのはフェルナンデス、基礎点でも1位になった。羽生も今季は抜けが多かったということがわかる。
基礎点で10点近く離れているコフトゥンとヴォロノフがほとんど変わらない状態なのが面白い。無理に高難度を飛んで転倒するよりは構成が低くてもGOEを稼いだ方がいいと言うことかも。ただし表彰台はなかなか難しい。
ヴォロノフは今季上位選手の中で唯一転倒しなかった。GOEが地味にトップなのはそのためでなかなかこの高難度構成時代には難しいことだ。
逆に今季の転倒王は中国杯5転倒が響いて羽生、次点がファリス、そしてハン・ヤンの順。それだけ転倒していてもGOEがマイナスにならない羽生、成功ジャンプの質の良さが群を抜いていると言うことだろう。
<スピン平均ランキング>
SP
基礎点 GOE 合計
1位 羽生結弦 9.620 2.7560 12.3760
2位 J.ブラウン 9.400 2.6020 12.0020
3位 S.ヴォロノフ 9.700 1.9167 11.6167
4位 J.ファリス 9.375 1.9100 11.2850
5位 フェルナンデス 9.120 1.9520 11.0720
6位 デニス・テン 8.925 1.9250 10.8500
7位 ハン・ヤン 9.200 1.5980 10.7980
8位 M.コフトゥン 8.583 1.6633 10.2466
9位 N.ニューエン 9.180 0.7820 9.9620
10位 M.ジー 8.375 1.5525 9.9275
ALLレベル4はヴォロノフだけ。ただレベル取りよりGOE要件の方が大きいのがスピンの特徴でレベルが取れて加点の多い羽生がトップ、次いでブラウンとなっている。
スピンはアメリカ勢が強くようやくここでファリスが上位に来た。ただしファリスは1回スピンがノーカンになっているのでベスト3には入れていない。
SPのスピンだけで1位と10位ではダブルジャンプ1つ分位の差が出てしまう。
FS
基礎点 GOE 合計
1位 J.ブラウン 9.920 3.2600 13.1800
2位 フェルナンデス 9.700 1.9400 11.6440
3位 羽生結弦 9.360 2.1880 11.5480
4位 S.ヴォロノフ 9.633 1.6833 11.3166
5位 デニス・テン 9.050 1.8850 10.9350
6位 N.ニューエン 9.300 1.3420 10.6420
7位 M.ジー 8.850 1.7875 10.6375
8位 J.ファリス 8.425 1.7750 10.2000
9位 M.コフトゥン 8.217 1.3733 9.5900
10位 ハン・ヤン 7.960 1.1840 9.1440
ブラウンは基礎点が元々高くまたFSのスピンの方がGOEがもらえる。特に最初のキャメルは毎回ほぼ満点のGOEがついてくる。
FSはSPに比べ長いのでレベルも落としやすくまた回転も遅くなりがちでGOEがつきにくい。その中にあって平均3を超えるGOEがつくのはスピン強化に熱心なアメリカ選手に多い。
加点が多い羽生がフェルナンデスに負けているのは負傷した中国杯で急遽スピンを変更したため姿勢不足などでひかれているからだ。
SPではダブルジャンプだった1位と10位の差がトリプルジャンプ並みに離れている。同じ数の要素をこなしている以上この差を縮めるのは大変だというしかない。
SP+FS
基礎点 GOE 合計
1位 J.ブラウン 19.320 5.8620 25.1820
2位 羽生結弦 18.980 4.9440 23.9240
3位 フェルナンデス 18.820 3.8920 22.7160
4位 S.ヴォロノフ 19.333 3.6000 22.9330
5位 デニス・テン 17.975 3.8100 21.7850
6位 J.ファリス 17.800 3.6850 21.4850
7位 N.ニューエン 18.480 2.1240 20.6040
8位 M.ジー 17.225 3.3400 20.5650
9位 ハン・ヤン 17.160 2.7820 19.9420
10位 M.コフトゥン 16.800 3.0336 19.8366
ブラウンとコフトゥンで5点以上3Lo並み離れている。ブラウンにはまだジャンプ構成で勝っているから良いかもしれないが負けている羽生・フェルナンデスとは離れていく一方だ。
四回転は誰よりも決めていると言うがそのアドバンテージは他のジャンプだけではくここでも大きく失われている。
今の採点方式ではレベルとGOEがとても大きいことがよくわかる。シーズン通して一番レベルを確保したのはヴォロノフである。だからこそジャンプ構成が多少弱くても上位に居続けられたのだ。
<ステップ平均ランキング>
SP
基礎点 GOE 合計
1位 デニス・テン 3.75 1.6330 5.3830
2位 羽生結弦 3.78 1.4180 5.1980
3位 ハン・ヤン 3.78 1.3920 5.1720
4位 フェルナンデス 3.66 1.4000 5.0600
5位 J.ブラウン 3.66 1.3460 5.0060
6位 M.コフトゥン 3.80 1.0850 4.8850
7位 M.ジー 3.75 1.1325 4.8825
8位 N.ニューエン 3.14 0.7040 3.8440
9位 S.ヴォロノフ 3.07 0.5350 3.6020
10位 J.ファリス 3.45 0.1175 3.5675
1回しかないステップでも地味に点差はついていく。レベル4がとりやすくなった現在は積極的に狙っていかないといけない項目になっている。
FS
基礎点 GOE 合計
1位 デニス・テン 5.75 2.9680 8.7180
2位 J.ブラウン 5.78 2.6020 8.3820
3位 M.ジー 5.60 2.6475 8.2475
4位 フェルナンデス 5.54 2.5080 8.0480
5位 J.ファリス 5.75 2.2525 8.0025
6位 羽生結弦 5.54 2.1780 7.7180
7位 S.ヴォロノフ 5.06 1.8400 6.9067
8位 M.コフトゥン 5.60 1.7333 7.3333
9位 ハン・ヤン 5.42 1.8460 7.2660
10位 N.ニューエン 5.42 1.4000 6.8200
オールラウンダーが求められているといってもやはり得意不得意はある。
苦手なジャンルでも確実に点数を積み上げていかなければいけないのが現在の採点方式である。
特に取り立てて強みがない選手ならばスケーティングを磨きたいところ。
コレオはレベル固定なので積極的に加点を稼いでいきたい。足下も大切だがながらジャッジや観客に対するアピール力が高いと割と高くつく傾向があるように思える。
SP+FS
基礎点 GOE 合計
1位 デニス・テン 9.50 4.6010 14.1010
2位 J.ブラウン 9.44 3.9480 13.3880
3位 M.ジー 9.35 3.7800 13.1300
4位 フェルナンデス 9.20 3.9080 13.1080
5位 羽生結弦 9.32 3.5960 12.9160
6位 ハン・ヤン 9.20 3.2380 12.4380
7位 M.コフトゥン 9.40 2.8183 12.2183
8位 J.ファリス 9.20 2.3700 11.5700
9位 N.ニューエン 8.56 2.1040 10.6640
10位 S.ヴォロノフ 8.13 2.3750 10.5087
ヴォロノフのステップは最初から3狙いのようなのでそれで取りこぼしがあるとどうしても下位になる。
ただ特別ステップが得意と言っていいのはチャンとテンくらいなのでレベルだけを確保していけばここでの差は最小ですむ。
ステップは確実に押さえておきたいエレメンツである。
<TES計>
SP
基礎点 GOE 減点 合計
1位 デニス・テン 42.585 3.415 -0.5 45.500
2位 フェルナンデス 40.806 4.772 -0.4 45.178
3位 羽生結弦 40.166 5.322 -0.6 44.888
4位 S.ヴォロノフ 39.673 4.042 43.715
5位 ハン・ヤン 40.470 2.332 -0.2 42.602
6位 J.ブラウン 36.528 3.822 -0.2 40.150
7位 M.ジー 36.280 3.695 39.975
8位 M.コフトゥン 39.555 -0.248 -0.5 39.303
9位 N.ニューエン 38.610 1.822 -0.2 38.232
10位 J.ファリス 36.300 -0.530 -1.0 34.770
ジャンプがとりあえず予定構成通り入ったテンが1位。以下フェルナンデス・羽生と3強が続く。
ただ見てわかるようにSPのTES二はそれ程大きく差がつかない。その理由として今季は4回転ジャンプの成功率があまり高くなかったからというのがある。
四回転保持者がぶっちぎれなかったためミスを少なくして確実性をとったグループが肉薄できたわけだ。
あとはスピン・ステップのGOEの多い少ないで順位が決まっている状態だ。安定した四回転が入れられるものが来季は上位になりそうだ。
FS
基礎点 GOE 減点 合計
1位 羽生結弦 79.588 7.688 -1.6 85.676
2位 フェルナンデス 78.862 6.100 -0.6 84.362
3位 N.ニューエン 77.576 5.142 82.718
4位 デニス・テン 75.138 6.578 -0.5 81.216
5位 J.ブラウン 72.808 8.346 -0.2 80.954
6位 M.コフトゥン 76.788 3.060 -0.333 79.515
7位 S.ヴォロノフ 68.989 6.998 75.987
8位 M.ジー 70.440 5.315 -0.25 75.505
9位 ハン・ヤン 71.354 0.222 -1.4 70.176
10位 J.ファリス 66.062 2.3825 -0.75 67.695
SPに比べると上位でもだいぶ差がつく。といってもFSでもあまり実は今季四回転の成功率は高くない。
羽生が強いのはそうなったとき3A以下のジャンプの成功率が高く加点がつきやすいからだ。
四回転時代と言っても3A以下のジャンプでいかに取りこぼしをなくすかが実は大事だったりする。
転倒減点がずば抜けて多くてもGOEがTOPで相殺できる。そのうち構成が頭打ちになったらスピンステップのレベルとGOEの差で勝負が決まるようになるのかもしれない。
それにしてもクリケット組は強い。
SP+FS
基礎点 GOE 減点 合計
1位 羽生結弦 119.754 13.010 -2.2 130.564
2位 フェルナンデス 119.668 10.872 -1.0 129.540
3位 デニス・テン 117.723 9.993 -1.0 126.716
4位 J.ブラウン 109.336 12.168 -0.4 121.104
5位 N.ニューエン 116.186 6.964 -0.2 120.950
6位 S.ヴォロノフ 108.662 11.040 119.702
7位 M.コフトゥン 116.343 2.812 -0.833 118.818
8位 M.ジー 106.720 9.010 -0.25 115.480
9位 ハン・ヤン 111.824 2.554 -1.6 112.778
10位 J.ファリス 102.362 1.8525 -1.75 102.465
若干順序が違うがトップ5人がそのままワールド上位5人になる。ということはブラウンが4位ニューエンが5位になったのは驚くべきことではなかったと言うこと。至極妥当な順位だったというわけだ。
ただブラウンからコフトゥンまでは正直差がない状態だ。クリーンに演技した人が上に来てミスが多い人が下がる。そう考えるとコフトゥンはミスを減らすことを考えないといけない。
羽生・フェルナンデス・テンの今季3強も同じ。一つ一つのエレメントをどのくらいクリーンに行えるかが勝負の分かれ道になる。
<PCS平均ランキング>
SP
SS TR PE CC IN 合計
1位 羽生結弦 8.984 8.744 8.730 8.978 8.978 44.414
2位 フェルナンデス 8.580 8.480 8.556 8.694 8.800 43.110
3位 デニス・テン 8.580 8.288 8.465 8.615 8.668 42.615
4位 J.ブラウン 7.934 7.956 8.070 8.156 8.280 40.396
5位 M.コフトゥン 8.155 7.620 7.853 8.072 7.988 39.688
6位 ハン・ヤン 8.140 7.728 7.814 8.008 7.992 39.460
7位 S.ヴォロノフ 8.005 7.517 8.012 7.923 7.927 39.384
8位 M.ジー 7.3825 7.1275 7.685 7.5875 7.7225 37.505
9位 J.ファリス 7.135 6.885 7.0625 7.170 7.2525 35.505
10位 N.ニューエン 6.894 6.722 7.056 7.080 7.116 34.868
PCS勝負になるとジュニア上がりのニューエンはまだ苦しい。最終グループに入るとスピード感の違いがよくわかる。
ブラウン・コフトゥン・ハンヤンのシニア同級生トリオは結果的に非常に近いPCSをもらってきたことがよくわかる。
安定感のある演技で世界選手権・国別といい演技をしたブラウンとどちらも上位に上がれなかったコフトゥンとハンヤン。地味に開き始めているのでシーズンに一度はノーミスのいい演技を魅せておきたいところ。
上位3人はSPでは全て羽生がトップ、SS以外2位がフェルナンデス、3位テンとなっている。フェルナンデスが世界王者となった今羽生と並び立つPCSが出るようになるのか?来季に注目したい。テンについてはTRをもう少し向上させたい。クリケット組と同じ大会だとそのプログラム密度の違いがはっきりわかる。
SS TR PE CC IN 合計
1位 羽生結弦 8.906 8.606 8.730 8.930 8.856 88.056
2位 フェルナンデス 8.614 8.562 8.644 8.914 8.958 87.384
3位 デニス・テン 8.560 8.295 8.393 8.713 8.650 85.220
4位 J.ブラウン 8.178 8.172 8.406 8.414 8.550 83.440
5位 ハン・ヤン 8.236 7.744 7.786 8.100 8.064 80.040
6位 M.コフトゥン 8.160 7.613 7.963 8.097 8.003 79.672
7位 S.ヴォロノフ 8.035 7.353 8.025 7.815 8.034 78.522
8位 M.ジー 5.750 7.250 7.8475 7.725 7.9175 76.620
9位 J.ファリス 7.455 7.2125 7.4375 7.615 7.775 74.990
10位 N.ニューエン 7.136 6.958 7.394 7.394 7.416 72.596
FSでも上位3人の並びは変わらないが羽生とフェルナンデスの差がSPに比べ縮まっているのがわかる。キャラクターを生かしたフェルナンデスのFSが評価が高かったようで後半3項目が肉薄している。
テンももう少し上げたいところだからシーズン序盤の出遅れをなくしたいところ。チャンが絶対王者と言われたのは不調であっても結果を出してきたから。下限の幅が大きすぎるとなかなかPCSを出すことが出来なくなる。
ブラウン・ハンヤン・コフトゥンの3人については世界選手権と国別で一気にブラウンが抜けた感じだ。ハンヤンはあまりFSがシーズン中良くなくて出しにくかっただろうし、コフトゥンはFSになると偏っているのが悪目立ちするのだろう。
どちらにしても3人とも次のオリンピックのメダル候補に挙がるためには来季にははっきりとした結果を出さなければならない。
今は3強とは明らかな差がありすぎる。
<来季に向けて>
羽生が5位以内に入らなかったのはFSのステップだけ.その取りこぼしのなさが不調なシーズンでも上位にとどまらせた。高難度ジャンプばかりがもてはやされているが全ての要素で一定以上の力を必要とされている事実だ。
そして来季はいよいよ羽生以上に基礎力の高いパトリック・チャンが復帰してくる。ジャンプもスピンもステップもしっかり魅せられるものが王者となる。今季の3強もうかうかしていられない。表彰台争いは熾烈になるだろう。
そしてそれ以上に覇気を見せなければならないそこに割っていこうという勢力たちだ。下からは新たな勢力も上がってくる。飲み込まれずに存在感を見せなければならない。次のオリンピックまでにはっきりとした実績を作らなければメダル候補としてみてもらえなくなる。
プロトコルを検証することは点数として自分の目標を認識できることだ。構成だけ無謀にして実施が伴わなければ絵に描いた餅、ジャッジは冷静に見限るだけだ。だからといって漠然と構成を組んで演じるだけでは評価は上がらない。弱点を克服しより高いレベルに向かおうとする姿勢と実行力こそがGOEという加点を生み出すのだと思う。
どの選手も自分の目標に向かってこのオフシーズンを有意義に過ごして欲しい。