つれづれなるままに・・・

日々の思ったことを綴っていきます。

抜けはコケより痛い―――中国杯FS感想

ダメもとで予約時間の20分も前に行ってみたらすぐに呼ばれてあっさり終了。焦る心を抑えて運転して帰ったらちょうどコフトゥンがあいさつしているところだった。表情がさえないので遭難したのかと思ったらそこそこの点数でほっとした。

 

 

アレクサンドル・ペトロフ 154.23 TES 79.85 PCS 74.38
3Aの軸が回転中に立ち上がっていくのに着氷できるのが不思議、さすがロシアン。高難度がないのでジャンプの成功率が高いのだが淡々とこなしているように見えるところが若者らしくないというのか物足りなく見える。
今まであまり感じたことなかったが今日のFSにプルシェンコの小型版のように見えてしまった。体の使い方や腕の動き方が凄く似てきた。ただ形だけ似ているところが小さく感じるのかもしれない。
パワーとか豪快さとか激しさとか躍動感とか何かしらの彼らしさがもう少し欲しい。

 

ミハル・ブレジナ 135.91 TES 60.49 PCS 76.42 -1
必殺技感のある4Sが抜け、3Aは綺麗。不思議な音楽に流れるスケートが気持ちいい。
ただ上がらないカウンターが悲しい。抜けはあかんよ抜けは。スケカナで改善したと思ったのに今回は駄目ミハルに戻ってしまった。


ハン・ヤン 155.15 TES 76.43 PCS 78.72 
衣装がシックに戻った。あの青は鮮やかすぎたから仕方ないか。でも黒は多いからもう少し工夫が欲しかった。
冒頭3A4Tともに微妙着氷、いきなり取りこぼしは痛い。
シットスピンは昨日の方が良かった。今日はちょっと腰高気味。疲れてくるとスピンの回転が甘くなる傾向があるみたいだ。
色々取りこぼしやミスはあったが地元と言うことか丁寧にやっている印象だった。


ロス・マイナー 136.61 TES 61.75 PCS 74.86 
ハンヤンで中国のライストがダメになってしまったのでロシアにチェンジ。2本目のジャンプ辺りからでした。カウンターが寂しかったので抜けたのでしょう。
アメリカンらしくスピンは綺麗ですがシットの終わり方は私的にはいまいちです。滑りが良くエレメンツの質もいい、ただジャンプはいまいちという典型的な雨スケーターなマイナーさん。たぶん上手いせいだと思いますがミスっていると思われるところがそういう振付にも感じさせてくれる。それも技術といえばそうなんでしょう。
ただジャンプが決まらないと得点は伸びません。


6連中にコフトゥン振返り(ユロスポ)151.33 TES 76.33 PCS 75.00
冒頭2本の4回転と3Loコンボを成功、非常にいいスタート。コフトゥンは腕が長いのでいいジャンプの時の腕が非常に映える。
ただ後半の4SがSOになったあたりからジャンプが乱れ始める。あまり得意でない3Loをコンボにして3連なしにしているあたりコフトゥンの苦悩が見える。3Aの成功率が下がり続けている&2Aを入れていることからザヤの回避のためにこうするしかないという構成。エッジエラーでも3F入れたほうがいいんじゃないかと思う取りこぼしです。
前半は良かったのに・・・というコフトゥンの演技に対する反応はPCSの下がり具合に現れていると思う。

 

マックス・アーロン 161.07 TES 84.79 PCS 76.28 
ライオンキングの衣装が変わった。でも黒・・・まぁ肌着よりいいか。ただアーロンも宇野と同じくつなぎっぽい衣装が似合う体型じゃないんだよな。ウエスト辺りに飾りが欲しいです。
4Sは2本何とか入ったが3Aでミス、これはもったいない。シットスピン、ポジションは頑張っているけど回転が足りていなさそう。
ステップ途中1か所でくるくる回るところ顔を上げて回ってほしい。全体的にジャンプの着氷がいまいち。飛んでいる最中に勢いが消えるみたいな降り方をしている。

 

セルゲイ・ヴォロノフ 160.83 TES 81.89 PCS 78.94 
綺麗な着氷でなくてもセカンド3Tをつけられる、さすがベテラン。と思ったらザヤってる?なぜそこで3Tをつけたの?
ヴォロノフのジャンプは実は好きだったりする、古き良きロシアンの典型みたいな高いジャンプ。今はそれほど評価されないかもしれないけど味があるジャンプです。
そして新採点に合わせてしっかりスピンステップもこなします。ムードのある滑りがとても好きな選手です。ニッコリ笑顔のいい演技でした。


ボーヤン・ジン 182.37 TES 104.57 PCS 78.80 -1 
ウォーリーみたいなしましまに変更、何故?3連が壁に近すぎて怖い。そしてスピンでまくれるしまシャツは問題にならないのか?
ジャンプはみんなそれほど着氷が良くないが降りているので点数は稼げている。つなぎは正直少ないが一歩の伸びはは昨年より上がっている。
まだ音楽についていくのが大変な感じだがスケアメよりはずっと良かった。


パトリック・チャン 196.31 TES 104.31 PCS 93.00 -1 
4T+3Tの安定感がすごい。3Aもクリーン、なぜSPは駄目なの?
後半ジャンプ前に3回猫の砂掛けみたいに後ろに蹴るのが面白い。
4Sは転倒したが他は全て質良く決めたため暫定TESがボーヤンとほぼ並ぶという事態に。PCSとSP点差の勝負となった。相変わらずこの二人の戦いは面白い。
リプレイで見ると4Sの転倒でぐきって足首回ってるけど大丈夫なんだろうか?

 

ダニエル・サモヒン 130.04 TES 58.98 PCS 73.06 -2
冒頭2転倒、4S踏ん張ったと思ったところから股裂き痛そう。3Aも抜けてまだジャンプの安定には時間がかかるか?
ジャンプが決まらず決まらないためより慎重になって抜けるという悪循環に。
ミスり始めると顔が下を向いてしまう。ステップ中ももう少し顔を上げて欲しい。ただ挨拶は頑張った。

 

<総合順位>

1位 パトリック・チャン    279.72
2位 ボーヤン・ジン      278.54
3位 ぜルゲイ・ヴォロノフ   243.76
4位 マックス・アーロン    242.74
5位 ハン・ヤン        230.19
6位 アレクサンドル・ペトロフ 228.44
7位 マキシム・コフトゥン   221.43
8位 ダニエル・サモヒン    213.51
9位 ロス・マイナー      213.34
10位 ミハル・ブレジナ     211.77

 

1転倒同士チャンが僅差でボーヤンをかわし優勝。本当にこの二人は熱い戦いをしてくれます。これでチャンはファイナル確定。ボーヤンの可能性は消えました、残念。
3位と4位が僅差、5位以下は自爆の程度で順位が決まったという印象です。
ロステレやスケアメを思うとPCSが渋い気がしますが、どっちかっていうとこっちの方が正しい気がします。というかロステレが高すぎで感覚を狂わされているというべきでしょうか?


<プロトコルを見て>
チャンのプロトコルに0がない・・・それだけ質が良かったということ。4Sはまだ試合で決めるには時間がかかりそうですが、ソチシーズンの羽生戦法とおなじなわけで十分ではないでしょうか?ただスピンステップともに取りこぼしていますのでもう少し点数は伸びそうです。
ボーヤンは正直着氷がいまいちーと思うジャンプが多かったのでむしろ結構ついているなという印象です。ステップは4とってますがスピンでVがついていますのでこういう取りこぼしがもったいなかったです。
4Sを2本久々そろえたアーロンですが3Aでミスると意味がないというプロトコル。スピンは昨季に比べればレベルが安定してきました。加点はそれほどでもないけど頑張っている感じがするプロトコルです。
ヴォロノフはザヤって3位というよりスピンがレベル3が2つだったのが痛かった。2シーズン前はレベル4をそろえていたのに、エテリ組から離れた影響かな?
ハン・ヤンは4T1本にしてよかったのか悪かったのか微妙な印象を感じるプロトコルです。ステップは4とってますがスピンはオールレベル3です。やはり回転足りてなかったですね。
ペトロフはマイナス無しの綺麗なプロトコル。ステップとシットで取りこぼしています。加点がついても1というあたりにジャッジの評価がしづらい印象を受ける。もう少しメリハリというかこれってものをジャッジが欲していると感じます。
コフトゥンは一言でいうと評価のしにくいプロトコル。一番滑走とはいえPCSに6点台がついてしまうというのがなんとも・・・ジャッジのがっかり感を感じます。何というかできることはできるけどダメなところは相変わらずダメなままというのはジャッジの心証が良くないのかもしれない。
マイナー・ブレジナ・サモヒンは抜け祭りなのでなんとも悲しいプロトコルです。ブレジナはスピンのVが2つとタイムオーバーが特に痛かったです。


ファイナルはフェルナンデス・宇野に続いてチャンが確定。残りの3枠はNHK杯で決まります。
羽生とブラウンは3位以上、ビチェンコは2位以上で確定。ネイサン・コリャーダも優勝すれば確定します。他選手の成績次第ではもう少し順位の幅がありますがとりあえず枠は自分で勝ち取るものなので皆いまできるいい演技で笑って終わってほしいです。