つれづれなるままに・・・

日々の思ったことを綴っていきます。

2017-18シーズン GPSアサインに寄せて

なかなか予定が出なかった割にアサインの発表が早かったGPS。これはおそらく五輪シーズンだからでしょう。ルール改正なども併せて早めに発表されています。
今回は日本GPFのため久々にNHK杯がラストを免れました。4年ぶりかな。本当はGPS6会場毎年順番が変わることが望ましいのですがなかなかそうならない。色々各国スケ連の思惑が絡んでいるのでしょう。
そして五輪シーズンのGPS/GPFは非常に大事な大会だ。何しろ男子シングルにおいてはGPFで金メダルを取った者は五輪で銀メダル以上を獲得している結果がある。女子には全く関係ないのだが男子シングルにおいてはジンクスに近い状態となっている。五輪の情勢を占う意味でも重要な戦いとなってくる。
昨季際立って高い得点を出した6強が2人ずつ入る今シーズンのGPS。順当に行けばこの6人が勝ちぬけてしまう組み合わせではある。しかしこれまで出場予想が高い選手が順当にGPF出場したことはないといっていい。シーズン序盤から波に乗るのは誰か、6強に割り込んでくる選手は出るのか、それは誰なのか、非常に楽しみな戦いとなっている。
 
ナム・ニューエン(カナダ)
ダニエル・サモヒン(イスラエル
羽生結弦(日本)
田中刑事(日本)
デニス・テンカザフスタン
デニス・ヴァシリエフス(ラトビア
ネイサン・チェン(アメリカ)
グラント・ホクスタイン(アメリカ)
ミーシャ・ジー(ウズベキスタン
ドミトリー・アリエフ(ロシア)
ミハイル・コリャダー(ロシア)
TBD(ロシア)
 
毎年ヨーロッパ系の選手の多いロステレコム杯ですが今シーズンはいい感じでアジアが混ざっています。
PBで行けば羽生・ネイサン・テンの争いになりそうですが・・・果たしてテンの出場はあるのでしょうか?もともとあまりGPSは重要視して来なかった選手だけによくわかりません。ただ世界ランキングが現在30位まで下がっていますので少しでも五輪SP滑走を遅らせるためには出場する必要がありそうです。尤もワールドを見る限りあまりいい練習が積めていない印象があります。FSで崩れたのは怪我の影響ということですが、しっかりと体系付けされた練習ができていないため時間があるときに行おうとした練習で怪我をする→練習を控える→試合が近づくので練習する→怪我をするというようなサイクルにはまっているのかなぁと心配になります。つなぎは薄く旧採点的な演技ですがある程度まとめれば点数は出る選手なので五輪に向けてしっかりとした体作りをしてほしいものです。
羽生・ネイサンの300点超えに割ってこれそうな選手は他にいないかと思うメンバーですが4回転を複数決められそうな選手としてはコリャダー・サモヒン・アリエフが注目です。コリャダーは4Lzと4Sを入れてくるようですがどこまで成功率があげられるか。コリャダーはわりと羽生っぽい着氷なのでドンピシャで着氷できると非常に映えるタイプですがスイートスポットが狭く派手に転倒してしまう。着氷のコントロールをどこまでできるかが今シーズンのポイントになりそう。
サモヒンは世界を作ることがうまいが演技傾向としてはジャンプが決まってなんぼの選手といえる。決まれば大きくて映えるジャンプではあるがこれは確実に稼げるという成功率が高いジャンプが高難度にないところが2016-17シーズンでは厳しい結果となった。おそらく新しい4回転は増やさないと思われるので4S・4T・3Aをどこまで軸のゆがみ無く飛べるかが上位に食い込むための課題になりそう。
シニア入りするアリエフもどこまで4回転を入れてどこまで成功させられるかがポイントになりそう。飛べるだけなら多種飛べるようだがネイサン並みにプログラムに入れて全てを成功させられないとシニア1年での上位はなかなか厳しい。しかし点の出やすい地元ロステレでばっちり決められたら基準点を一気に上げられるかもしれない。どういう構成を組むか今から非常に楽しみではある。
そして引退の可能性を示唆したミーシャが入っている。このオフをいろいろ飛び回っているようだがどうするのだろうか。後々後悔のない選択をしてもらいたい。
田中はとりあえずSPで3つのジャンプをそろえること、FSで4S・3Aを2本ずつしっかり決めることが大事。国際大会ではNHK杯以外でいい演技ができていないので内弁慶を脱する演技をしてほしい。
TBDはピトキーエフかなと思っていたのだがダンス転向という情報が入ってきている。怪我の影響のようだがロシアンは怪我をフォローできる環境がないのか女子も男子も層が厚いだけに使い捨てっぽくなってしまうところが気になる。とりあえずピトキーエフの今後が良いものになることを願う。
 
ブレンダン・ケリー(オーストラリア)
ヨリク・ヘンドリクス(ベルギー)
シャフィク・ベセギエ(フランス)
無良崇人(日本)
宇野昌磨(日本)
ジュンファン・チャ(韓国)
マキシム・コフトゥン(ロシア)
アレクサンドル・サマリン(ロシア)
ジェイソン・ブラウン(アメリカ)
パトリック・チャン(カナダ)
キーガン・メッシング(カナダ)
TBD(カナダ)
 
ある意味では非常に混戦になりそうで面白い組み合わせの試合。わりと渋めに点数のでるスケカナなので点が伸びないせいで横並びということもあり得そう。
構成的には抜群に宇野が高くなりそうだが、果たして高得点を出してもらえるか。ワールド銀になったことで一部の海外ファンからクレーム的に取り上げられたがその影響があるかも判断できる試合になりそう。
ヘンドリクス以外は4回転を入れてくる。ただオールマイティといっていい選手はチャンしかいないため4回転と3Aの成否が順位を分けそう。
ジュンファンとサマリンがどこまで上位に食い込めるか。チャン・無良・コフトゥンのベテラン勢も2種4回転をまとめきれないと一気に若手にまくられるかもしれない非常に順位をの読み難い試合になりそう。
そしてブラウンがどういう構成で来るか。SP2クワド選手がまとめた場合はブラウンもかなり厳しくなってくる。ある意味で今シーズンの採点の傾向がはっきり見える試合になるかもしれないと思っている。
TBDにはバルデさんが来るのだろうか?エントリーがなくて残念。
 
 
中国杯
ケビン・レイノルズ(カナダ)
田中刑事(日本)
ミハイル・コリャダー(ロシア)
アレクサンドル・ペトロフ(ロシア)
ハビエル・フェルナンデス(スペイン)
アレクサンドル・マヨロフ(スウェーデン
マックス・アーロン(アメリカ)
グラント・ホクスタイン(アメリカ)
ヴィンセント・ジョウ(アメリカ)
ボーヤン・ジン(中国)
ハン・ヤン(中国)
TBD(中国)
 
飛びぬけてないけど間違いなく空中戦となる中国杯。ポイントはボーヤンの構成かな。予想を言うとネイサンほどがむしゃらには上げてこないと踏んでいるのだが、おそらくB級戦に出てこないのでもしかしたらこの試合まで構成が判明しないのかもしれない。
まとめればフェルナンデスが間違いなく勝てそうな組み合わせなのだが、今シーズンもいろいろ忙しそうなのでどこまで完成度を高められるかがポイントになりそう。
そして国内で存在感を失いつつあるアーロンとホクスタインはこの試合で頑張らないと厳しくなってくる。一方でシニアデビューとなるヴィンセントは4Lzを決めて表彰台に乗れば一気に五輪候補に名を上げることができる。この試合でのアメリカ勢の序列に注目したい。
コリャダーは早くも2試合目となる。表彰台の可能性もかなりある組み合わせなのでぜひ4Lzを決めてPB大幅更新したいところ。なかなか4回転を入れてこなかったペトロフは一気に2種構成にしてくるという情報もある。飛べないことはないことは聞いているが試合でどこまでこなせるか。ロシアは2枠しかないため確実な力を見せたい。
レイノルズは2106-17シーズン後半の流れの良さを引き継げるか、ハン・ヤンは手術からの回復がどの程度になっているのか、復帰組の奮起にも期待したい。
 
<NHK杯>
パトリック・チャン(カナダ)
ミハル・ブレジナ(カナダ)
アレクセイ・ビチェンコ(イスラエル
デニス・ヴァシリエフス(ラトビア
ドミトリー・アリエフ(ロシア)
セルゲイ・ヴォロノフ(ロシア)
ジェイソン・ブラウン(アメリカ)
ジョシュア・ファリス(アメリカ)
アダム・リッポン(アメリカ)
羽生結弦(日本)
村上大介(日本)
TBD(日本)
 
TBDは日野か山本あるいは友野といったところか。現時点では日野かなと思っている。いずれにせよ選ばれた選手はチャンスと思って頑張って欲しい。
そしてGPSで必ず当たる羽生とチャン。今回は羽生の地元ということとGPS2戦目ということでやはり羽生が有利かなと感じる。
しかしアメリカのアサインはいつも困惑する。今年もブラウンとリッポンが同じ試合になるとは、潰しあいみたいでもったいない感じだ。ネイサンやヴィンセントのような4回転持ちの若手というならタイプが違うからわかるが同じ傾向の選手を同じ試合に派遣する意図が本当に不明だ。
しかし日本のスケートファンとしては人気選手が来てくれることはうれしい。ロシアのヴォロノフとアリエフという年の差組み合わせも興味深い。
このメンバーでは羽生が抜け出そうな印象だが2位以下はもしかしたら非常に面白い順位になるかもしれない。
2016-17シーズンを棒に振った村上はこの試合でのみのアサインとなった。五輪代表には厳しい立場ではあるが是非存在感を見せて欲しい。ただ昨季のFSが持越しらしいのだが個人的にはあまり好きではなかった。大幅リニューアルを期待している。

<フランス杯>
ケヴィン・エイモズ(フランス)
シャフィク・ベセギエ(フランス)
ロマン・ポンサール(フランス)
モリス・クヴィテラシヴィリ(ジョージア
アレクセイ・ビチェンコ(イスラエル
宇野昌磨(日本)
デニス・テンカザフスタン
アレクサンドル・サマリン(ロシア)
ハビエル・フェルナンデス(スペイン)
マックス・アーロン(アメリカ)
ヴィンセント・ジョウ(アメリカ)
ミーシャ・ジー(ウズベキスタン
 
ここだけメンバーが確定している。そしてビチェンコは連戦というなかなか厳しい日程だ。五輪代表は間違いないのであまり無理しないよう頑張って欲しい。
構成的にはおそらく宇野が有利だろう。ただし評価はスケカナが終わるまではわからない。特に欧州ではフェルナンデスという選手は特別だ。五輪でぜひメダルを期待しているだろうから宇野がここで勝利するためにはある程度完璧な演技をする必要があるだろう。
そしてテンも2戦目はわりと演技をまとめてくる傾向がみられるのでより混戦になりそうな感じだ。
ヴィンセントとサマリンのシニア入り対決も興味深いが私的にはクヴィテラシヴィリが台風の目になるかもと期待している。
ヨリク・ヘンドリクス(ベルギー)
ケビン・レイノルズ(カナダ)
ボーヤン・ジン(中国)
ダニエル・サモヒン(イスラエル
無良崇人(日本)
ジュンファン・チャ(韓国)
マキシム・コフトゥン(ロシア)
アレクサンドル・ペトロフ(ロシア)
セルゲイ・ヴォロノフ(ロシア)
ネイサン・チェン(アメリカ)
アダム・リッポン(アメリカ)
TBD(アメリカ)
 
ここ数年第1戦だったスケートアメリカが最終戦となった。たまにはこういう順番もいいでしょう。全米は年明けなので日本やロシアが最終戦になるよりずっと自然な印象がある。
ネイサンとボーヤンの空中戦対決が見られる大会。更にサモヒン・レイノルズ・ジュンファンと面白い選手が配置されている。その上スケアメなのにロシアン3名というのも興味深い。
地元ということで有利なのはネイサンだろうがボーヤンも2戦目はかなりジャンプをまとめてくる。ミスが複数出ると他の選手にまくられる可能性も高い。高難度のミスは派手になりやすくインパクトに残る。どの選手もできる限り可能な構成に組んでくるのでこういう試合はリッポンやヴォロノフのようなベテラン選手の方が案外力を見せそうだと感じる。無良・レイノルズ・リッポン・ヴォロノフvsネイサン・ボーヤン・ジュンファン・サモヒンというベテラン対若手の殴り合い、どちらが勝利するのか今からとても楽しみだ。
 
採点傾向とGPF出場者は第3戦までである程度見えそうな印象のアサインだ。各試合シード2選手以外の選手がどれだけ魅せることができるかで盛り上がりが違いそう。またそんなこんなつらつら書いていたらチャンが4F入れるかも的な記事が出てきた。3種予想は全くしていなかったのでますます面白くなりそうだとワクワクしている。他の選手たちもみな昨季上位たちを脅かそうと色々戦略を練っているだろう。ぜひ素晴らしい最高のプログラムを作って欲しいと願っている。
それでも大事な五輪シーズン、怪我には十分気を付けて欲しい。どの選手も最高の五輪を迎えるためにこのオフに良い練習を積んで欲しいと願っている。