つれづれなるままに・・・

日々の思ったことを綴っていきます。

まだ先の、でも遠くない未来に向けて

平昌後のフィギュアスケートの改正案の一部が新聞紙面に載っているようだ。
すでにGOE幅が変わることと男子シングルFSにおいてジャンプが1つ減ることは決まっていたのだが、新たに4回転のジャンプの基礎点を下げる方向に向かうことになるようだ。
これはある意味では仕方ないというしかない。シニアに上がる男子有力選手がこぞって高難度ジャンプを入れだし、とりあえず飛ぶ降りたら高得点という演技が増えつつあるからだ。
そもそも新採点にした時にバランスの良い選手を評価するという方針があったはずなので修正で原点回帰を促すとしたいのだろう。
技術と芸術などという2部門に分けるという案よりはずっと実用的であるといえる。

 

ただ・・・わからないのはなぜ4回転の点数だけなのか?という点だ。ジャンプのないアイスダンスは別として女子もペアも安定して基礎点の高いジャンプを飛ぶ選手が上位に来やすい現在4回転だけを下げることにはあまりいいイメージはない。GOEが現行の-3~+3から-5~+5と幅を持たせることになるらしいので更に不安がある。

 

4回転を下げるのならその前に3Aも下げるべきだし、もっと言えばそもそもスピンやステップに比べて数が多いジャンプについてはトータルとして点数を下げるべきではないのかと思うのだ。4回転を飛ばない女子ですらFSではTESの6割から7割近くジャンプが占めている。3回転や2回転についても当然削減してもしかるべきと思うのだ。

 

そんな思いもあって2016年3月に「ジャンプ基礎点を下げてみる 

という記事を書いた。最大2点という今回の案よりは多少控えめだが2回転から下げている。
もっともこの記事ではGOEは現行通りとしているので多少違う部分はある。そこまで全部変えなくてもGOEで調整できる部分はあるのかもしれない。ただ・・・画一の基礎点に対し審判の思惟の入るGOEに幅を持たせすぎる部分には不安が大きい。増やすのなら審判の間で明確な基準を持てる努力が今より必要になる。

 

不安ごとをつらつら書いてはいるが、ジャンプの得点を下げること自体は賛成だ。技術・芸術といったよくわからない競技になるよりは現行の延長上に未来がある方が望ましいと思っているからだ。


それでも希望を言わせてもらうと基礎点やGOEをいじるよりは「ジャンプそのものの総得点」を下げる方が効果的ではないかと感じる。

今年の4月に「時にはあれこれ考えてみたりする - つれづれなるままに・・・」という記事を書いたがジャンプの総得点から一律に削減したほうが選手への影響は少ないはずだ。しかもこの方法ならジュニア以下のまだ高難度を飛ぶ前の選手たちにスピンやステップをしっかりと練習させやすくなるのではと思うのだ。
女子シングルやペアだったらジャンプの得点×0.8、男子シングルならもう少し下げてもいいかもしれない。

 

もちろん今回新聞紙上に乗った案がそのまま採用されるわけではないと思う。決まったら決まったで基礎点がどう変わるのかまだわからない。
ただ出てきた案で簡単に決めるのではなくいくつかの案を検討し選手に最も負担がない方法を選んで欲しいと願うだけだ。

 

もっとも男子シングルにおいてこの改正が本当に生きるかどうかは平昌後に羽生やチャン・フェルナンデスが現役を続行しているかどうかなのではと思ったりする。GOE+5が本当に必要になると感じる選手は今のところ他にいないからだ。この3人が引退してしまえばある程度高難度ジャンプが飛べて完成度の高い演技ができる選手がいないのでどう変わろうとあまり影響はない気がする。

 

五輪後にそれぞれの選手がどういう道を選択するかまだ分からない。改正もまだ決まっていない。今はシーズン開幕で五輪まっしぐらだがその先についてももう動き出しているのだと感じさせる記事。実際に改正案が決まったときどう感じるのか比較するためにも今の考えを書き留めておく。