つれづれなるままに・・・

日々の思ったことを綴っていきます。

2014-15シーズンジャンプ成功率―――S.ヴォロノフ/SP編

今季主要大会での最高齢メダリスト、ロシアのセルゲイ・ヴォロノフのSPジャンプ成功率を見る。


ヴォロノフの出場大会はロステレコム/NHK杯/GPF/ロシア選手権/欧州選手権/世界選手権/国別対抗戦の7試合であるがコフトゥンと同じくナショナルのプロトコルが公開されていないため除いた6試合で計算する。


予定構成
4T+3T // 3A 3Lo = 29.36


GOE0以上はロステレコム3・NHK杯2・GPF3・欧州選手権2・世界選手権2・国別3の15回。


功率は15-18=83.33%


功率で見るとまずまず高いといえる。ヴォロノフは四回転入りとはいえ他の四回転持ちに比べ少し弱めの構成のためやはり高い成功率が必要だ。SPの安定が今季の成功を生んだといって良い。


・4T+3T 4/6 成功率66.67%

         基礎点    GOE   減点   合計
ロステレコム 14.40   2.29   0  16.69 
N H K 杯   11.60   0.71   0  12.31   (2nd2T)
G P F  14.40   0.43   0  14.83   
欧州選手権  14.40   1.71   0  16.11 
世界選手権  14.40  -1.86   0  12.54    (OT)
国別対抗戦   8.20   0.40   0    8.60   (1st3T)
 平均    12.90  0.613   0  13.513

 

オーバーターンの1回はともかく抜けが2回あったため基礎点までは戻せなかった。しかしコンビネーション抜けにまでならないところが今季のヴォロノフの安定した成績を生み出したといえる。4Tが割合3Tになりやすいのでこの上を目指すには絶対無くしたいところ。平均基礎点に対して出来高104.75%、元の基礎点に対して93.84%。四回転にはそれなりの失敗があることを見越せばなかなか高い獲得点であるといえる。これはやはり転倒が無かったことが大きい。


・3A 4/6 成功率66.67%

         基礎点    GOE   減点   合計
ロステレコム  9.35   2.00   0  11.35 
N H K 杯    9.35  -2.29   0   7.06   (お手つき)
G P F   9.35   0.71   0  10.06   
欧州選手権   3.63  -0.14   0   3.49   (2A) 
世界選手権   9.35   1.57   0  10.92    
国別対抗戦   9.35   0.71   0  10.06   
 平均    8.397  0.426   0     8.823

 

少しでも基礎点を稼ごうと後半に入れている3Aがなかなかの成功率をキープした。助走が長いため多くのGOEはもらえないが高さと迫力である程度確保できている。抜けても要素抜けにならないところがヴォロノフの良いところ。平均基礎点に対して出来高105.07%、元の基礎点に対して94.36%はまずまずといえる。

 

・3Lo 6/6 成功率100%

         基礎点    GOE   減点   合計
ロステレコム  5.61   0.80   0   6.41 
N H K 杯      5.61   0.60   0   6.21   
G P F   5.61   0.60   0   6.21   
欧州選手権   5.61   0.60   0   6.21   
世界選手権   5.61   0.30   0   5.91    
国別対抗戦   5.61   0.40   0   6.01   
 平均     5.61   0.55   0     6.16

 

後半に入れて確実に得点を稼いだジャンプ。ただし3Loは6種のジャンプの中で最もGOEの付きにくい。来季は是非ここを今季取り戻した3Lzにしたいところだ。出来高109.80%と高い実績は立派だといえる。

 


3Lzも3Fも無いヴォロノフのSPは四回転持ちの中では基礎点は高くない。そこで2つのジャンプを後半にし少しでも基礎点を上げる戦略にした。確実の安定感でこれが上手くいったといえる。世界選手権以外で全て台乗りした実績はこのSPの安定から来ていると言って過言では無い。過去の怪我で飛べないでいた3Lzが入れられるようになれば男子選手の中でも見劣りしない構成といえるが来季はどう来るだろう。28歳の挑戦を楽しみにしたい。