つれづれなるままに・・・

日々の思ったことを綴っていきます。

世界選手権2016 男子シングルSPデータ


昨年同様世界選手権でのデータを纏めておく
まずはSPから。

FS進出の足切りラインは65点代と昨年より2点ほど高めだった。
ただ下限は昨年より低く切られた選手6人の得点的にはあまり変わっていない印象だ。
それはつまり世界選手権出場のためのミニマムはまずまず妥当な設定がされていると言うことだろう。今回はハン・ヤン、ニューエンといった過去に10位以内に入った選手も含まれている。転倒ありは今回12人と高難度化した割に案外少なくそれよりも抜けとノーカン回転不足が点数の出ない原因となっている。

 

<ジャンプ点数上位10人>

           基礎点  GOE  計   減点

 1位 羽生結弦    34.45  8.86 43.31

 2位 ボーヤン・ジン 37.73    -0.79 36.94

 3位 フェルナンデス 34.45  1.32 35.77  -1(34.77)

 4位 コリャーダ   29.70  4.20 33.90

 5位 アーロン    30.33  0.09 30.42

 6位 チャン     29.70       0.37 30.07  -1(29.07)

 7位 宇野昌磨    26.91    2.92 29.83

 8位 リギーニ    25.13    3.20 28.33

 9位 リッポン    24.70    2.80 27.50

10位 ヴァシリエフス  24.10  2.60 26.70


減点を入れるとチャンと宇野の順位が変わるが正直5位以下はあまり差がない。4回転入りのミス有りと4回転無しのノーミスが30点弱辺りで混在すると言うことらしい。
SPで出遅れたくなければ4回転の確率が悪いうちは今でも抜いて完成度というのがある程度は有効なのかもしれない。
ただし4回転なしのGOEはノーミスであっても3点以上はなかなかないことがわかる。PCSも4回転なしではある程度上限がある印象なので悩みどころかもしれない。
 

<スピン得点上位10人>

          基礎点 GOE  合計

 1位 羽生結弦    9.7  3.71  13.41  

 2位 チャン     9.7  2.86  12.56

 3位 リッポン    9.3  3.00  12.30

 4位 コリャーダ   9.7  2.36  12.06

 5位 宇野昌磨    9.7  2.14  11.84

 6位 フェルナンデス 9.0  2.79  11.79

 7位 ヴァシリエフス 9.7  2.00  11.70

 8位 デニス・テン  9.7  1.92  11.62

 9位 ホクスタイン  9.3  1.99  11.29

10位 ボーヤン・ジン 9.7  1.43  11.13

 
ALLレベル4は30人中15人ともはやレベル4をとるのは当然の時代になった。SP落ちの選手でも二人獲得している。
そんなわけで10位の得点も昨年よりレベルアップしている。ついでも昨年も1位だった羽生の得点もアップしていたりする。
強みが持てない人はレベルだけでも確保しなければ戦うことも出来なくなってくることがよくわかる。ただ今回の世界選手権は割とスピンのGOEでマイナスを貰う選手が多かった。昨年はほとんどいなかったためスピンのしにくい氷だったかもしれない。


 

<ステップ得点上位10人>

            基礎点  GOE  合計

 1位 チャン       3.90  2.10  6.00

 2位 宇野昌磨      3.90  1.60  5.50

 2位 フェルナンデス   3.90  1.60  5.50

 4位 ホクスタイン    3.90  1.30  5.20

 4位 ブレジナ      3.90  1.30  5.20

 4位 ミーシャ・ジー   3.90  1.30  5.20

 7位 コリャーダ     3.90  1.20  5.10

 8位 ヘンドリクス    3.90  1.10  5.00

 9位 羽生結弦      3.30  1.50  4.80

10位 ハン・ヤン       3.30  1.14  4.44


レベル4が8人、3が18人、2が4人という結果に。成績上位者でも今季はなかなかレベル4が取れない選手が多かった。
ステップはレベルが重要なのでGOEが満点でも羽生はレベル4には勝てない。4をとる選手はGOEがそれなりに付くためだ。
トップはGOE満点のチャン、納得の結果である。

 

<TES上位10人>

           ジャンプ  スピン  ステップ  計     減点

 1位 羽生結弦    43.31  13.41  4.80   61.52

 2位 フェルナンデス 35.77  11.79  5.50   53.06    -1(実質52.06)

 3位 ボーヤン・ジン 36.94  11.13  4.01   52.08

 4位 コリャーダ   33.90  12.06  5.10   51.06

 5位 チャン     30.07  12.56  6.00   48.63    -1(実質47.63)

 6位 宇野昌磨    29.83  11.84  5.50   47.17

 7位 リッポン    27.50  12.30  4.16   43.96

 8位 アーロン    30.42   9.65   2.89   42.96

 9位 ヴァシリエフス 26.70    11.70     4.30   42.70

10位 リギーニ     25.20  10.01  4.30    42.64


最高点は60点を超え50以上も3人 、10位の点数も昨年より2点ほど高い。
10位までの一覧を見てまず言いたいのはアーロン、スピンステップ何とかしろ!だろう。ジャンプでリッポンに3点ほど勝っているのにトータルで1点負けるなんて・・・こういう部分が地味にPCSに響いている気がする。
それにしても1位と10位で20点弱差がつくとは・・・高難度&高GOEは本当に恐ろしい・・・


<GOE獲得上位10人>

          ジャンプ  スピン  ステップ   計

 1位 羽生結弦    8.86   3.71  1.50  14.07

 2位 コリャーダ   4.20   2.36  1.20  7.76

 3位 宇野昌磨    2.92   2.14  1.60  6.66

 3位 リッポン    2.80   3.00  0.86  6.66

 5位 フェルナンデス 1.32   2.79  1.60  5.71

 6位 ヴァシリエフス 2.60   2.00  1.00  5.60

 7位 チャン     0.37   2.86  2.10  5.33

 8位 リギーニ    3.20   0.31  1.00  4.51

 9位 ヘンドリスク  2.07   0.55     1.10       3.72

10位 ミーシャ・ジー -0.60   1.53  1.30  2.23

 
滑走順2番でここまでGOEが付いたコリャーダの質の良さが際立つ結果に。
転倒があったフェルナンデスとチャンは上位には来なかったが転倒してもマイナスにならないところが質の良さを証明している。
そして羽生のGOEはえぐい、4-3コンボ1回多く飛んだみたいだ。
 

<PCS上位10人>
              SS TR  PE   CC  IN 計
 1位 羽生結弦     9.89  9.61  9.93  9.79  9.82  49.04
 2位 チャン      9.57  9.32  9.32  9.50  9.50  47.21
 3位 フェルナンデス  9.14  9.18  9.21  9.50  9.43  46.46
 4位 宇野昌磨     8.96  8.50  8.79  8.68  8.64  43.57
 5位 リッポン     8.32  8.00  8.54  8.36  8.54  41.76
 6位 デニス・テン   8.36  7.89  8.18  8.25  8.43  41.11
 7位 コフトゥン    8.14  7.68  8.11  8.14  8.04  40.11
 8位 ブレジナ     7.89  7.61  7.68  7.96  7.89  39.03
 9位 コリャーダ    7.71  7.46  7.82  7.79  7.82  38.60
10位 リギーニ      7.50  7.39  7.89  7.75  8.00  38.53

 

コフトゥン・テン・ブレジナなどここまでほとんど登場していない選手が結構居る。
その辺りを押さえてミス有りで堂々4位に入った宇野は非常に評価されていることがわかる。
それにしてもと思うのはコリャーダは2番滑走ではなく第3グループ辺りにいたらどうなったかなということ。プルシェンコのように実績のある選手ならともかく初出場の選手で第一グループからFS最終グループに入った選手っていただろうか?と思うくらいすごい数字だ。実際演技も良かったので全く文句はありません。
それにしても上位3人はほぼ天井状態、構成の劣るチャンは今後ちょっと厳しいだろう。羽生とフェルナンデスが両方崩れてくれることはそうはないから。