つれづれなるままに・・・

日々の思ったことを綴っていきます。

世界王者という名の檻の中で―――ハビエル・フェルナンデス

B級戦には出ないフェルナンデスはここ数年JOが初戦になっている。どちらかといえばスロースターターなフェルナンデスはJOではいつもそこそこな滑りで大げさにはやし立てる日本メディアを喜ばせる存在になっていた。
しかし今シーズンのJOでは宇野に及ばなかったもののかなりまとめた演技をしてきた。こんなに早くから仕上げてくるなんて珍しい、しかもFSの振り付けが遅かったはずなのに・・・と意外に思ったことを覚えている。
GPSが連戦なのでそうしたのかなと思いそのあと1月空くから体調は整えられるだろうと思い込んでいたのだが実際にはメディアやショーや宣伝など世界王者として忙しい生活を送っていたらしい。今季最高を見せたロステレコム以降FSをまとめることができずにユーロ以外の主要大会の表彰台を逃す結果となってしまった。
世界王者という称号は私が思う以上にいろいろな意味を持つものなのだな、と改めて知ったフェルナンデスの今シーズンを振り返る。


ロステレコム  総合1位 292.98 SP2位 91.55 FS1位 201.43
フランス杯   総合1位 285.38 SP1位 96.57 FS1位 188.81
G P F   総合4位 268.77 SP3位 91.76 FS4位 177.01
欧州選手権   総合1位 294.84 SP1位 104.25 FS1位 190.59
世界選手権   総合4位 301.19 SP1位 109.05 FS1位 192.14
平均       総合  288.632 SP平均 98.636 FS平均  189.996

 

ユーロは5連覇できたがGPFと世界選手権という強豪選手が揃った大会で台落ちしてしまうと言う五輪シーズン前にはちょっと不安になるシーズンとなってしまった。
点数的には後半の試合で伸びたが主にSPのおかげで有りFSではなかなかジャンプを揃えることが出来なかった。若手が大幅に基礎点を上げていく中で構成を上げないと選択したが、ショーや取材など世界王者に課せられた数多くの雑事の影響も有りなかなかベストな状態で試合をむかえることが出来なかった。


<ジャンプ>
SP  予定構成 4T+3T 4S // 3A = 34.45
         
        基礎点   GOE  減点        合計
ロステレコム 28.35  1.09  0  29.44  
フランス杯  34.45 -0.57 -1  32.88
G P F  34.45 -3.06 -1  30.39
欧州選手権  34.45  4.15  0  38.60
世界選手権  34.45  8.72  0  43.17
平均     33.23 1.958 -0.4  34.896 

持ち越しプロであるマラゲーニャが世界選手権でようやく完成形を見せた。はまり役であるプログラムがなかなかノーミスできずにもやもやしていたのだが、パーツがびしっと入ったときの完成度の高さは素晴らしくこれは3連覇固いのではと思わせた。2連覇という実績が風格ある選手を作り演技に貫録をもたらせた。ロステレコムでは抜けもあったがシーズン後半に向かって完成に近づいていくことがわかる数字の並びになっている。

 


FS 予定構成 4T 4S+3T 3A+2T // 4S 3A 3Lz 3F+Lo+3S 3Lo =79.23
        
        基礎点    GOE  減点   合計
ジャパンO  70.10  8.58  0  78.68
ロステレコム 76.23 10.23  0  86.46
フランス杯  72.49  4.99 -1  76.48  
G P F  67.59 -2.41 -1  64.18
欧州選手権  79.23 -1.19 -1  77.04
世界選手権  75.49  1.61 -1  76.10
平均    73.522 3.635 -0.667 76.49

SPがだんだんとまとまっていくのに対してむしろ崩れていったような印象があるFSのジャンプ。昨季は安定していたセカンド3Tがなかなか入らず、また抜けもしばしば出てなかなか予定構成通りに滑れなかった。構成を上げない以上完成度の高い演技が求められたが、試合以外の要素が多かったためかFSまでは完成度を高められなかった印象だ。


<スピン>
SP
        基礎点   GOE    合計
ロステレコム  8.0  2.43  10.43  ALLレベル3
フランス杯   9.4  2.50  11.90  ALLレベル4
G P F   8.9  1.86  10.76  レベル4 2回 レベル3 1回
欧州選手権   9.4  2.93  12.33  ALLレベル4
世界選手権   9.4  2.22  11.62  ALLレベル4
平均     9.02 2.388 11.408

 SPのスピンについては基礎点が低いので確実にレベル確保しGOEを稼ぎたいところだったがシーズン序盤はレベルを落とすこともあった。世界選手権でもアップライトでぶれて思ったほどのGOEを得られなかった。スピンはフェルナンデスにとってはまだ取りこぼしの多い要素という印象が残るシーズンだった。

FS
        基礎点   GOE   合計
ジャパンO   8.2  2.00  10.20  レベル4 2回  レベル1 1回
ロステレコム  9.0  2.43  11.43  レベル4 2回  レベル2 1回
フランス杯   9.6  2.01  11.61  レベル4 2回  レベル3 1回
G P F   9.6  2.29  11.89  レベル4 2回  レベル3 1回
欧州選手権   9.6  1.65  11.25  レベル4 2回  レベル3 1回
世界選手権  10.0  2.22  12.22  ALLレベル4
平均     9.33  2.10  11.43

なかなかFSで会心という演技がなかったためもあるがスピンもちょっといまいちな印象のシーズンだった。ジャンプの基礎点が現在では決して高くないので取れるところではしっかりとっておきたい。レベルがワールドまでそろわなかったことが少しもったいないと感じる。

 

<ステップ>
SP
        基礎点   GOE   合計
ロステレコム  3.9  1.70  5.60  レベル4 
フランス杯   3.9  2.00  5.90  レベル4
G P F   3.9  1.40  5.30  レベル4
欧州選手権   3.9  2.10  6.00  レベル4
世界選手権   3.9  2.10  6.00  レベル4
平均      3.9  1.86  5.76

ステップは稼ぎどころ、はまりプロでもあるので加点もしっかりとっている。平均も非常に高い素晴らしい数字である。


FS
        基礎点   GOE   合計
ジャパンO   5.9  3.30  9.20  レベル4
ロステレコム  5.3  2.54  7.84  レベル3 
フランス杯   5.3  3.14  8.44  レベル3
G P F   5.9  3.20  9.10  レベル4
欧州選手権   5.9  3.10  9.00  レベル4
世界選手権   5.9  3.40  9.30  レベル4
平均      5.7 3.113 8.813

 ロステレとGOFでレベルを落とした。FSでミスが多かったためかステップの加点も昨季ほど多い感じにはならなかった。休憩するところなどわりと巧くつくられたプログラムだと思ったが、転倒のためか体力的にきつそうに見えてしまいなかなかうまくいかないものだと感じてしまった。

 

<TES計>
SP  
        基礎点   GOE  減点    合計
ロステレコム 40.25  5.22  0   45.47  
フランス杯  47.75  3.93 -1   50.68
G P F  47.25  0.20 -1   46.45
欧州選手権  47.75  9.18  0   56.93
世界選手権  47.75 13.04  0   60.79
平均     46.15 6.314 -0.4  52.064

世界選手権のノーミスTESが素晴らしい。ずっと見たかった完璧マラゲーニャが見れてうれしかった。昨季に比べぐっと数字が高くなっている。ただ個人的にはステップは昨季の方が良かったなぁと思っている。


FS
        基礎点    GOE  減点    合計
ジャパンO  84.20  13.88  0   98.08
ロステレコム 90.53  15.20  0  105.73  
フランス杯  87.39  10.14 -1   96.53
G P F  83.09   3.08 -1   85.17
欧州選手権  94.73   3.56 -1   97.29
世界選手権  91.39   7.23 -1   97.62
平均    88.555  8.848 -0.667 96.736

 ロステレコムが最高でそれを超えることができなかった。もともと4S・4Tはそこそこミスがある選手だったが今シーズンはここ数年安定していた3Aにミスが増えてきたことが昨季の比べ数字を下げる原因となっている。

 

<PCS>
SP
       SS TR PE CC IN  合計
ロステレコム 9.14 9.11 9.11 9.36 9.36  46.08
フランス杯  9.07 9.07 9.00 9.32 9.43  45.89 
G P F  9.07 9.00 8.71 9.21 9.32  45.31 
欧州選手権  9.32 9.32 9.54 9.50 9.64  47.32
世界選手権  9.43 9.36 9.79 9.75 9.93  48.26
平均     9.206  9.172  9.230  9.428  9.536   46.572

フェルナンデスのPCSの特徴は基本CCとINが高く、SSとTRが似た数字に落ち着く、PEはその時の演技の出来に左右されるという点。シーズンを通してその傾向は変わらなかった。

 

FS
       SS TR PE CC IN  合計
ジャパンO  9.39 9.14 9.50 9.46 9.57  94.12
ロステレコム 9.36 9.39 9.68 9.71 9.71  95.70
フランス杯  9.18 9.14 9.04 9.39 9.39  92.28 
G P F  9.14 9.14 8.93 9.39 9.32  91.84
欧州選手権  9.29 9.18 9.21 9.43 9.54  93.30
世界選手権  9.43 9.36 9.36 9.57 9.54  94.52
平均     9.298  9.225  9.287  9.492  9.512  93.628

ロステレコムがPCSでも一番高くこれを超えることができなかった。ノーミスできなくてもPCSの高さはシーズン通して変わらなかったが伸びるということもなかった1年となった。


<来季に向けて>

ノーミスできなかったこともあるがこの構成で五輪を勝ち抜けるかといえば厳しいという印象を与えたシーズンだった。しかしFSで明らかに体力がきつそうなことも見て取れるので構成を上げることができるかもかなり未知数だ。構成を上げる上げないどちらの選択をするかわからないが、決めたら決めたでそれを貫き通しやり遂げることが五輪の表彰台に上る条件になると思う。ぜひいい演技をして念願のメダルをゲットして欲しい。

世界選手権2017年 男子シングル総合データ

世界選手権でSP5位からの逆転優勝というのは男子シングル史上初めてのことだった。旧採点の時は順位点というものが大きかったからそもそも5位になったら優勝の目はまずなかった。そういう意味では新採点法というものの方がいいなと感じる。SPで7割がた優勝者が絞られてしまうのなら最初からFS一発で決めればいいとも思えてしまうからだ。SPとFSの2プログラムを滑る意味が旧採点の頃よりは現在の方がずっとあるような気がする。

 

<ジャンプ得点上位10人>
           基礎点   GOE    計    減点
 1位 ボーヤン・ジン  125.83  15.08  140.91
  2位 宇野 昌磨   125.29  14.49  139.78
  3位 羽生 結弦   119.38  18.28  137.66
  4位 N・チェン   136.32   -6.16  130.16  -3(実質127.16)
  5位 フェルナンデス 109.94  10.33  120.27  -1(実質119.27)
  6位 P・チャン   101.75  11.12  112.87
  7位 レイノルズ   107.04   -0.14  106.90
  8位 クヴィテラシヴィリ   95.17    7.24  102.41 
  9位 ビチェンコ     97.88    2.08   99.96
10位 M・コリャーダ   92.17    5.59   97.76  -1(実質 96.76)

 

1位も10位も昨季より9点ほど上がっている。基礎点100点超えも昨季は4人だったが7人まで増えて高難度化が進んでいることがわかる。
この部門のトップはボーヤン。考えてみればSPFS通して唯一のノーミス、6クワドを全て決めた素晴らしい結果です。そして驚くのは羽生だろう。SPでコンボ分の基礎点を無くしただけで無くGOEで-4受けたはずなのにGOEトップで3位に入ってしまった。SPノーミスだったら何点になっていただろうかと恐ろしくなってしまう。
それにしても高難度化が進んだ割に転倒は三人だけというのも驚きだ。昨季はこの10位以内に転倒者が6人いたが・・・転倒はやはり見ていて気持ちいいものでは無いので少ない方が良い。今回のワールドで良い演技が多かったという印象はこの辺りにあると感じる。


<スピン得点上位10人>

              基礎点 GOE  合計
  1位 J・ブラウン   19.90  7.28  27.18     
  2位 羽生 結弦    19.70  6.00  25.70 
  3位 ヴァシリエフス  19.90  5.13  25.03
  4位 宇野 昌磨    19.50  5.51  25.01
  5位 M・コリャーダ  19.40  5.14  24.54
  6位 P・チャン    18.50  5.35  23.85
  7位 フェルナンデス  19.40  4.44  23.84  
  8位 N・チェン    19.50  4.07  23.57
  9位 ボーヤン・ジン  19.40  3.78  23.18
10位 ミーシャ・ジー  19.00  3.79  22.79

 

ブラウンが1位なのはわかっていたがこうやって数字を見るとすごさがわかる。実は昨季羽生が1位だったのだがGOEは同じでその上を遙かいったブラウンの質の良さが際立った結果だ。
それにしてもボーヤンとネイサンは本当に近い数字が出る。昨季の10位はボーヤンで0.8点ほどGOEが良くなっている。成長が見られる結果だ。それは3位に入ったヴァシリエフスも同じ昨季7位からジャンプアップしている。さすがスピンの名手の弟子だなと感じる。

 

<ステップ得点上位10人>
               基礎点 GOE  合計
  1位 チャン       9.80  5.70  15.50              
  2位 フェルナンデス   9.80  5.50  15.30    
  3位 J・ブラウン    9.80  5.10  14.90   
  4位 羽生 結弦     9.80  5.00  14.80              
  5位 宇野 昌磨     9.80  4.60  14.40    
  6位 ミーシャ・ジー   9.80  4.30  14.10   
  7位 デニス・テン    9.80  4.00  13.80  
  8位 ヴァシリエフス   9.80  3.90  13.70
  9位 ボーヤン・ジン   9.20  3.30  12.50   
10位 N・チェン     9.20  2.90  12.10  

 

1位と2位4位6位は昨季と同じ、1位と10位は昨季より下がったが全体的には点数が上がっている。SPFS両方レベル4を揃えたのは昨季は4人だったが倍増している。シーズン冒頭はなかなか4取れなかったがラストに来て皆纏めてきた。
レベルさえ取れてしまえば大きな差にはならないエレメンツなので皆対応をしてきているのだろう。そしてここでも並ぶボーヤンとネイサン、君たち本当に数字上似たもの選手だわ。


<TES上位10人>
            ジャンプ   スピン  ステップ   計    減点 
  1位 宇野 昌磨    139.78  25.01  14.40  179.19      
  2位 羽生 結弦    137.66  25.70  14.80  178.16  -1(実質177.16)
  3位 ボーヤン・ジン  140.91  23.18  12.50  176.59
  4位 N・チェン    130.16  23.57  12.10  165.83  -3(実質162.83)
  5位 フェルナンデス  120.27  23.84  15.30  159.41  -1(実質158.41)  
  6位 P・チャン    112.87  23.85  15.50  152.22 
  7位 レイノルズ    106.90  21.87  10.77  139.54   
  8位 J・ブラウン   94.19  27.18  14.90  136.27  -1(実質135.27) 
  9位 クヴィテラシヴィリ   102.41  20.75  10.30  133.46
10位 M・コリャーダ  97.76  24.54  10.96  133.26  -1(実質132.26)  

 

昨季は170超えは一人、2位で150台だったが今季は170点台が3人6位でも150台という高得点化。10位でさえ10点以上上がっている。
それでも1位と10位で45点以上開いてしまう。SPの順位も点差もFSの出来で大きく変わってしまう。ジャンプの高難度化による基礎点アップがFSの意味合いを大きく変えてきていると感じる。


<GOE獲得上位10人>
                ジャンプ  スピン  ステップ   計
  1位 羽生 結弦    18.28  6.00  5.00  29.28
  2位 宇野 昌磨    14.49  5.51  4.60  24.60 
  3位 P・チャン    11.12  5.35  5.70  22.17 
  4位 ボーヤン・ジン  15.08  3.78  3.30  22.16 
  5位 フェルナンデス  10.33  4.44  5.50  20.27 
  6位 J・ブラウン     7.88  7.28  5.10  20.26 
  7位 ヴァシリエフス    4.91  5.13  3.90  13.94
  8位 M・コリャーダ    5.59  5.14  2.36  13.09   
  9位 ミーシャ・ジー    3.55  3.79  4.30  11.64
10位 クヴィテラシヴィリ    7.24  1.85  1.70  10.79 

 

GOEが羽生比で低いなぁなんて思っていたのだがSPで-4食らったのに昨季のフェルナンデスのGOEを超えていた。低い気がしたのは気のせいだったのか・・・なんだかよくわからなくなってくる。
しかしこれは羽生だけでは無く10位まで10点を超えるほどGOEを多く得ている。転倒などの大きなミスが案外少なかったことを物語る結果かも知れない。それだけ見応えのあった試合だったんだなと感慨深い。


<PCSSP・FS平均上位10人>
                SS TR PE CC IN  計
  1位 羽生 結弦    9.59 9.34 9.72 9.63 9.68 47.95
  2位 フェルナンデス  9.43 9.36 9.58 9.66 9.74 47.76
  3位 P・チャン    9.64 9.46 9.50 9.57 9.57 47.74
  4位 宇野 昌磨    9.34 9.09 9.38 9.31 9.36 46.46
  5位 J・ブラウン   8.93 8.84 9.07 8.93 9.09 44.85
  6位 N・チェン    8.59 8.41 8.47 8.66 8.63 42.75
  7位 ボーヤン・ジン  8.48 8.16 8.57 8.36 8.43 42.00
  8位 M・コリャーダ  8.52 8.18 8.41 8.36 8.47 41.93
  9位 デニス・テン   8.43 8.05 8.22 8.34 8.36 41.38
10位 M・コフトゥン  8.31 7.91 8.11 8.16 8.20 40.68

 

PCSを平均することに何の意味も無いけれど毎回やっているのでとりあえず上げておく。PCS3強は昨季までと変わらず。出来によってこの3人の序列が決まっている感じ。高難度FSを纏めた羽生がPEで多少差を付けたくらいで後はそれぞれの特性を生かした数字が付けられている。ただTRで羽生が一番低いのだけは疑問だ。たぶんSPの差が大きかったのだろうが不思議な印象を受ける。
数字を見ると3強に宇野が迫ってきているようだが、現実には羽生のFSが低めだったのでそれに併せて他の二人を評価したら近くなってしまったというのが実情だろう。3強と宇野とは別の尺度で採点されているためこんなことも起こる。(3強は基準となった選手に対しての採点、今回の場合はSPFS共先に滑った羽生が基準。宇野は若手用の採点、以前より良い演技をしたら点が伸びるという現象。ボーヤンやネイサンも同じ)
3強については数字的に昨季とあまり代わり映えしないが、それ以下は全体的に伸びている。昨季も10位だったコフトゥンで2点弱上がっている。テンを除けばそこそこ演技を纏めた選手が多かったと言うことだろう。
それにしてもこのPCS10傑にボーヤンが入っているのがうれしい。今季凄くスケートが伸びるようになったわりにシーズン冒頭は全くPCSが変わらなかったので非常に残念に感じたが、ワールドで良い演技をしたことで昨季の4CCを超えることが出来た。FSで単調になってしまうところはまだあるが魅せる意識は昨季より良くなっているし今後の伸びも非常に楽しみだ。
ネイサンは3転倒で4CCよりだいぶ落としてしまったが、靴の問題や初ワールドの枠取りのかかった緊張の中では十分やれるだけのことはした。スポンサーもついたと言うことで靴の問題などはある程度解消できるだろう。不安のある靴であそこまでやりきったのだから期待しか感じない。腕の使い方や音楽への対応は柔軟なところが見えるのでPCSが伸びそうな印象はある。怪我には気をつけて新しいプログラムで新たな魅力を魅せて欲しい。


まだ国別は残っているがとりあえず今シーズンはほぼ終わり。いよいよ五輪シーズンに突入します。GPSの予定もようやく出てきてもう五輪なんだなぁという実感がわいてきます。アサインは新年にならないとわかりませんがそろそろ五輪への勝負プロが発表されてきています。今後も徐々にいろいろな情報が出てくることでしょう。わくわくと言うより胃がきりきりしそうなのですが五輪本番で良い演技がたくさん見られることを信じて待つことにします。
とりあえずこれでワールドは終わり。個別のシーズン振り返りをぼちぼちやっていけたらと思っています。まずはフェルナンデスからかな。国別でないし毎年最初にやってるから・・・

世界選手権2017年 男子シングルFSデータ

今回予想を上げることが出来なかったが一応計算だけはしてあった。勿論今回の表彰台メンバーを当てることは出来なかったのだが少しだけ当たったことはあった。
一つは優勝が羽生だったこと、そしてSPで100点・FSで200点越えが3人以上出て表彰台が全員300点越えになると言うこと。実際にはSPで100点超えしたメンバーとFSで200点超えしたメンバーは替わってしまっているのだが結果的に表彰台は全員300超えることになった。
(ちなみに私の順位予想は1位羽生2位ネイサン3位ボーヤン4位フェルナンデスだった)
300点超えしても表彰台に乗れない時代ーーー恐ろしいほど時代が変わった、そう強烈に認識させられたワールドとなった。


<FS順位>
               TES  PCS  減点    合計
  1位 羽生 結弦    126.12  97.08      223.20
  2位 宇野 昌磨    120.03  94.42      214.45
  3位 ボーヤン・ジン  118.94  86.00      204.94
  4位 N・チェン    110.61  84.78   -2  193.39
  5位 P・チャン      98.11  94.92      193.03
  6位 フェルナンデス    98.62  94.52   -1  192.14
  7位 J・ブラウン     88.27  89.20   -1  176.47
  8位 レイノルズ      91.06  78.34      169.40
  9位 M・コリャーダ    82.49  82.70   -1  164.19
10位 ミーシャ・ジー    83.74  79.80      163.54    

四回転無しでトップ10に入ったミーシャが光る。しかしこの結果を見てしまうと上位6人とその下でははっきりとした区切りが見える。
TESが初めて100超えしたのはそれ程前のことでは無いのに今では110超えてもトップに立てなくなってしまった。
2015年ワールドではブラウンの得点で3位になれたが現在では4回転を複数跳ばないと入賞すら困難になってしまった。

 

 

<ジャンプ得点上位10人>
            基礎点  GOE   計   減点
  1位 羽生 結弦   87.53  17.14  104.67
  2位 ボーヤン・ジン 88.10  10.94  99.04
  3位 宇野 昌磨   89.04  9.35    98.39
  4位 N・チェン   96.77    -5.87   90.90  -2(実質88.90)
  5位 P・チャン   72.05  5.29    77.34
  6位 フェルナンデス 75.49  1.61  77.10  -1(実質76.10)
  7位 クヴィテラシヴィリ    69.24  4.68  73.92
  8位 レイノルズ   73.44   -0.58  72.86
  9位 ビチェンコ   68.52   -0.76  67.76
10位 C・ベゼギエ  68.54  -1.94   66.60

 

ネイサンは2転倒してもチャンとの基礎点差が大きすぎて全く順位に影響が無いことが驚く。
そして羽生はジャンプだけで100点超えた。2015年のGPFが98.52だったので構成を上げたことがやはり大きかったと言える。(ただしGOEは2015年の方が多い)
ジャンプに限れば上位4人とその下で別れる印象がある。上は4クワド以上の構成でほぼ予定基礎点を取っている。フェルナンデスやチャンは抜けやコンボ無効で基礎点を取り逃してしまったことが結果的に上位から差がついてしまうことになった。
6強を除くメンバーはやはりジャンプで得点を稼ぐ選手が名を連ねている。ただそれでも転倒しないとこが結構重要だったりする。転倒は11人と約半数ではあるが4回転の本数が飛躍的に増えた割にはそこまで多いという印象は無かった気がする。


<スピン得点上位10人>

             基礎点 GOE  合計
  1位 J・ブラウン  10.20  3.78  13.98  
  2位 ヴァシリエフス 10.20  2.85  13.05
  3位 宇野 昌磨     9.80  2.94  12.74
  4位 羽生 結弦   10.00  2.65  12.65
  5位 M・コリャーダ   9.70  2.57  12.27
  6位 フェルナンデス 10.00  2.22  12.22
  7位 N・チェン   10.20  1.71  11.91
  8位 ボーヤン・ジン   9.70  2.00  11.70
  9位 レイノルズ     9.80  1.86  11.66
10位 ミーシャ・ジー   9.70  1.79  11.49

 

基礎点10.20の組み合わせの選手が増えたなぁというのが今シーズンを通しての感想。昨年まではそこまでいなかったんだけど基礎点を少しでも多くと考えるとコンビネーション×2+キャメルという組み合わせになるのでしょう。
ただキャメルは男子の場合、見栄えがイマイチの選手が多いので個人的にはGOE狙いでシットにした方が良いのではと感じることもなくも無い。ただ腰高の選手も多いのでなかなか難しい問題だ。ブラウンのような見事なポジションと回転スピードというのはなかなかいない。怪我による体調不良からも解放されて見事なスピンを見せてくれた。高GOEも納得の出来だった。
そして昨年2位のチャンがまさかの14位、ラストのスピンがスピード無かったしゆがみも大きかったのでほとんどGOEが付かなかったことが痛かった。高難度プログラムを纏めると言うことはベテランだけに体力的にきつかったのかもしれない。

 

<ステップ得点上位10人>
             基礎点  GOE   合計
  1位 P・チャン    5.90   3.60   9.50
  2位 J・ブラウン   5.90   3.40   9.30
  2位 フェルナンデス  5.90   3.40   9.30
  4位 宇野 昌磨    5.90   3.00   8.90
  5位 羽生 結弦    5.90   2.90   8.80
  5位 ミーシャ・ジー  5.90   2.90   8.80
  7位 ヴァシリエフス  5.90   2.50   8.40
  8位 ボーヤン・ジン  5.90   2.30   8.20
  9位 デニス・テン   5.90   2.20   8.10   
10位 N・チェン    5.90   1.90   7.80

 

レベル4が12人、レベル3が12人とGOEはともかくシーズンラストでしっかりレベルをとってきている。確実に稼げるところで点数を確保する、新採点下では大事なことだと言うことがわかる。
チャン1位は納得だが昨季ほどトップの点数は良くない。ノーミス羽生に案外低く付けてしまったためかミスあり疲れが見えるチャンやフェルナンデスに出しづらくなってしまったのかもしれない。
面白いのが5位のミーシャの点数。StSqのGOEはそこまで良くないがコレオは満点。レベル取りにこだわらないしっかり表現で滑りを見せるという最もコレオらしいステップだと評価されたのだろう。近年StSqでレベルをとるために時間を掛け一方コレオが短くさらっと終わるプログラムが出てきている中で意味のあるコレオステップだったと感じられた。


<TES上位10人>
              ジャンプ  スピン  ステップ    計    減点 
  1位 羽生 結弦    104.67  12.65  8.80 126.12   
  2位 宇野 昌磨    98.39  12.74  8.90 120.03
  3位 ボーヤン・ジン  99.04  11.70  8.20 118.94
  4位 N・チェン    90.90  11.91  7.80 110.61 -2(実質108.61)
  5位 P・チャン    77.34  11.27  9.50  98.11
  6位 フェルナンデス  77.10  12.22  9.30  98.62 -1(実質 97.62) 
  7位 レイノルズ    72.86  11.66  6.54  91.06
  8位 クヴィテラシヴィリ        73.92  10.48  6.50  90.90
  9位 J・ブラウン   64.99  13.98  9.30  88.27 -1(実質 87.27)
10位 ビチェンコ    67.76  10.23  6.27  84.26

 

数年前TESが90を超えることはすごいことだった。それが100点超えが出てくるようになりついに110を超えても表彰台に立てなくなってしまった。
いまや90を超えてもトップはその30点上にいる時代、4回転をそれも複数いれないと勝負にならないというSPをは全く違う競技となってきている。
フリープログラムとしてはそれも選択の一つだがジャンプの成否だけで勝負が決まるというのはそれはそれで物足りない部分もある。PCSの係数を変えるという話も出ているがそれだけでは今の流れは大きく変わらないだろうなと感じるTESの数字だ。

 

<GOE獲得上位10人>
             ジャンプ  スピン  ステップ     計
  1位 羽生 結弦    17.14  2.65  2.90  22.69  
  2位 宇野 昌磨      9.35  2.95  3.00  15.29
  3位 ボーヤン・ジン  10.94  2.00  2.30  15.24
  4位 P・チャン      5.29  2.07  3.60  10.96
  5位 J・ブラウン     3.38  3.78  3.40  10.56
  6位 ミーシャ・ジー    4.02  1.79  2.90   8.71
  7位 ヴァシリエフス    2.77  2.85  2.50   8.12
  8位 フェルナンデス    1.61  2.22  3.40   7.23
  9位 クヴィテラシヴィリ    4.68  0.78  1.20   6.66
10位 M・コフトゥン    3.67  0.78  1.07   5.52

 

1位は断トツの羽生であるが案外低いなと感じたのは2015年GPFはともかく昨年のワールドフェルナンデスよりも低いからだ。ジャンプはかろうじて超えたがスピンステップで思ったほど伸びなかった。
ワールドは崩れる選手もいるが一方シーズンラストでいい演技をする選手もいてGOE10点以上稼ぐ選手は何人もいる。今年は氷が良かったのかSPからジャンプの大きなミスが少なくそれゆえGOEも昨季より高めになっている。

 

<PCS上位10人>
           SS TR PE CC IN  計
  1位 羽生 結弦   9.68 9.46 9.86 9.75 9.79 97.08
  2位 P・チャン   9.57 9.46 9.36 9.57 9.50 94.92
  3位 フェルナンデス 9.43 9.36 9.36 9.57 9.54 94.52
  4位 宇野 昌磨   9.46 9.21 9.54 9.54 9.46 94.42
  5位 J・ブラウン  8.89 8.71 9.07 8.86 9.07 89.20
  6位 ボーヤン・ジン 8.71 8.36 8.68 8.64 8.61 86.00
  7位 N・チェン   8.54 8.39 8.32 8.64 8.61 84.78
  8位 M・コリャーダ 8.46 8.07 8.21 8.29 8.32 82.70
  9位 デニス・テン  8.21 7.89 7.79 8.21 8.07 80.34
10位 ミーシャ・ジー 7.79 7.61 8.14 8.00 8.36 79.80

 

個人的にはミーシャのPCSが面白いと感じる。5項目がそれぞれで判断されているように見えるからだ。上位はTRがちょっと低いくらいでほぼ横並びになってしまう傾向があるのでここまでばらばらな数字が並ぶケースは少ない。でもこれが本来ではないのかなと思ったりもする。
リアルタイムで試合を見れなかったのでよくわからない部分はあるが試合後のツイなどで羽生のPCSが低いのでは?という疑問をいくつか目にした。2015年GPFや昨年のワールドフェルナンデスを思えば低いと感じるのもわかるが、今回の試合結果からみれば演技の出来とPCS差の数字の並びはほぼ妥当ではないかとも思える。SP5位でグループ一番滑走だとなかなか最高点はつけにくいだろう。旧採点時代に有力選手が残っている段階で6.0が出ることがほぼなかったようなものだ。ジャッジに日本人がいない一方スペイン・カナダはいたことから見ても伸びきらないのは仕方なかったと思う。自国の選手が優勝する可能性がある、SPの点差はあってもTESで超えるのは難しい有力選手がいい演技をした場合にPCSで差を付かせる猶予はあった方がいい。
ただ・・・すべての結果からみればスペインやカナダのジャッジが羽生のPCSに低めの得点をつけたことがかえってフェルナンデスとチャンを苦しくさせたように思えてならない。若手に基礎点が及ばなくてもある程度優位に戦ってこれたのは多少ミスがあっても負けることのないPCSの高さがあったためだ。しかしノーミス羽生に低めの点数をつけてしまったためそれなりにミスが合ったフェルナンデスやチャンに良いPCSをつけることはできなくなってしまった。もちろん自国のジャッジはつけただろうが他国のジャッジがそれに倣うことはしないだろう。結果的に完璧じゃなかった宇野とあまり変わらないPCSになってしまった。ボーヤンがいい演技をしたことでPCSもあがりその差も縮まった。もともとそれほどノーミス演技をできていたわけではないチャンやフェルナンデスにとってミスしても勝てていたPCS差がそれほどのアドバンテージでなくなってしまったワールドになったわけだ。
もし羽生に98.5や99近くの高得点を出していたらまだ95や96がつけられていたかもしれないが自国のジャッジが上限を下げてしまったためにフェルナンデス・チャンと宇野・ボーヤン・チェンとの差を少なくしてしまう結果となったわけだ。
ここ数年ジャッジは基本PCS差よりもTES差で勝負を決めたがる傾向が出てきている。そうなると実績あるベテランのフェルナンデスやチャンには厳しくなってくる。結果的に羽生のPCSが高くなかったことでそれをはっきりさせてしまった試合となった印象だ。

 

世界選手権2017年 男子シングルSPデータ

2017年のワールドは平昌五輪を占う重要な大会だった。事前にフジテレビがライブ放送するなど珍しい発表があったりして非常に楽しみにしていたのだが私にとってはあまりにも時期が悪い大会となってしまった。
月末月初は仕方ないにしろ工場監査と税務署監査予定が重なった。それだけでも大変だったのにワールド開催期間中に突然同僚が辞める(切られた)ことになってしまってその煽りをもろに受けてしまった。
結局ライブで見れたのは女子SPの最終グループと男子SPの後半3グループ、そしてフェルナンデスのFSの残り1分ちょいだけ。録画も失敗してしまってさんざんだった。一応男子SPはリアルで感想を書いていたが上げる時間も取れず時期を逃してしまったのでとりあえずもう良いかなとまとめの方に切り替えることにした。実際女子シングルは未だに前半グループを見ておらず、ワールドを落ち着いて振り返る前に国別が始まってしまいそうな現状です。


   
<ジャンプ獲得点数上位>
              基礎点  GOE  計    減点
  1位 フェルナデス  34.45  8.72  43.17
  2位 ボーヤン・ジン 37.73  4.14  41.87
  3位 宇野 昌磨   36.25  5.14  41.39
  4位 N・チェン   39.55   -0.29     39.26  -1(38.26)
  5位 P・チャン   29.70  5.83     35.53
  6位 コリャーダ   29.70  4.50     34.20
  7位 レイノルズ   33.60  0.44     34.04
  8位 羽生 結弦   31.85  1.14     32.99 
  9位 B・ケリー   29.95  2.59     32.54
10位 ビチェンコ     29.36  2.84   32.20
11位 コフトゥン   34.45   -1.42   33.03  -1(32.03)   

 

羽生には減点があるがレイトスタートが原因なのでこの項目からは外した。
1位の数字は昨季より微妙に下がっている(昨季は羽生で43.31)がそれ以下の数字は格段に今季は上がっている。それはやはり基礎点が上がっていることが大きい。昨季はベスト10で基礎点30を超えていたのは4人だったが今季は6人となり更にネイサンに至ってはほぼ40という高基礎点となっている。あまりに高すぎて転倒1回してもノーミスの選手を上回ってしまうと言うのはSPとしてはどうなんだと思ってしまうところではあるがルール上それは仕方ないのかもしれない。
それにしてもコンボ抜けで-4の減点を受けたのにGOEがプラスになるというのが羽生のすごいところ。決まったジャンプの質の良さでは羽生そしてフェルナンデスは抜き出ていると言う印象がある結果となっている。


<スピン得点上位10人>
           基礎点 GOE  合計
  1位 J・ブラウン   9.7  3.50  13.20  
  2位 羽生 結弦    9.7  3.35  13.05
  3位 P・チャン    9.3  3.28  12.58
  4位 S・ウォーカー    9.7  2.65  12.35
  5位 宇野 昌磨    9.7  2.57  12.27
  5位 コリャーダ    9.7  2.57  12.27
  7位 ヴァシリエフス  9.7  2.28  11.98
  8位 N・チェン    9.3  2.36  11.66
  9位 フェルナンデス  9.4  2.22  11.62
10位 ボーヤン・ジン  9.7  1.78  11.48

 

SP落ちのウォーカーが4位に入っていることが素晴らしい。と言うかSP落ちの6選手中スピンALLレベル4は4人もいた。これは素晴らしい結果。どうしてもジャンプが飛べる選手が上位に来る傾向があるがジャンプ以外のエレメンツもやはり大事である。GOEがなかなかつかなくてもレベルは必要要件さえ満たせば獲得できるのだからしっかりとっておきたいもの。下位の選手でもそれが出来るほどレベルは上がってきているのだろう。ミニマムを入れた意味がある結果なのかもしれない。
実はスピンも1位は昨季より下がっているがそれ以下は昨季より上がってきている。SPの場合ジャンプがノーミスの場合こういうところで差がつくことになる。FS滑走順にも影響を与えるため基礎点を取りこぼさずGOEを少しでも稼ぐことが大切だ。そういう意識が選手にしっかりあるから全体的に数字が上がってきているのだろう。

 

<ステップ得点上位10人>
            基礎点  GOE  合計
1位 P・チャン     3.90  2.10  6.00
1位 フェルナンデス   3.90  2.10  6.00
1位 羽生 結弦     3.90  2.10  6.00
4位 デニス・テン    3.90  1.80  5.70
5位 J・ブラウン    3.90  1.70  5.60
6位 宇野 昌磨     3.90  1.60  5.50
7位 ヴァシリエフス   3.90  1.40  5.30
7位 ミーシャ・ジー   3.90  1.40  5.30
9位 ボーヤン・ジン   3.30  1.00  4.30
9位 N・チェン     3.30  1.00  4.30
9位 コリャーダ     3.30  1.00  4.30
9位 A・マヨロフ    3.30  1.00  4.30

 

レベル4が8人、3が17人、2が4人、1が1人という結果は昨季とあまり変わらない。
ただトップはレベル4GOE満点が3人も出るハイレベルな争いとなった。シーズン冒頭はなかなかレベルが取れないがここまで来るとしっかり攻略してくるところが上位選手であると言うことだろう。
それにしてもボーヤンとネイサンは本当にスピンステップでは差がないことがよくわかる。選手の個性としては似ていないが数字上では似た選手になってしまうことが面白い。

 

<TES上位10人>
             ジャンプ  スピン  ステップ  計          減点
  1位 フェルナンデス 43.17   11.62    6.00  60.79
  2位 宇野 昌磨   41.39  12.27  5.50  59.16
  3位 ボーヤン・ジン 41.87  11.48  4.30  57.65
  4位 N・チェン   39.26  11.66  4.30  55.22    -1(実質54.22)
  5位 P・チャン   35.53  12.58  6.00  54.11
  6位 羽生 結弦   32.99  32.99  6.00  52.04  -1(実質51.04)
  7位 M・コリャーダ 34.20  34.20  4.30  50.77
  8位 レイノルズ   34.04  10.21  4.23  48.48
  9位 J・ブラウン  29.20  13.20  5.60  48.00
10位 B・ケリー   32.54  11.20  3.87  47.61
11位 M・コフトゥン 33.03  11.41  4.01  48.45  -1(実質47.45)

 

なんと7位までTES50超えというハイスコアの試合だった。ワールドは結構自爆というか転倒などの大きなミスがつきものだが全体的に転倒は少なく上位は基礎点とノーミス度の差で決まった感じだ。
それでも今季の6強はしっかり上位をキープしているところがさすがだと言える。羽生はある意味コンボ抜けという転倒以上のマイナスを受けながらもこの位置がキープできたことがFS逆転できた要因になっただろう。
この中ではあえて4回転を無しで纏めたブラウンが異質だ。最終滑走で点数が出やすかったこともあるが質が良いと言うことが実は大切であると言うことがよくわかる結果だと言える。ジャンプが3つしか無いSPなら博打的確率の4回転を入れるより完成度の高さで勝負する意味がまだあると言える。ある意味では正しいSPの活用法なのかもしれない。


<GOE獲得上位10人>
                 ジャンプ  スピン  ステップ   計
  1位 フェルナンデス  8.72   2.22  2.10  13.04 
  2位 P・チャン    5.83   3.28  2.10  11.21
  3位 J・ブラウン   4.50   3.50  1.70   9.70  
  3位 宇野 昌磨    5.14   2.57  1.60   9.31
  5位 M・コリャーダ  4.50   2.57  1.00   8.07
  6位 ボーヤン・ジン  4.14   1.78  1.00   6.92
  7位 羽生 結弦    1.14   3.35  2.10   6.59    
  8位 ヴァシリエフス  2.14   2.28  1.40   5.82 
  9位 B・ケリー    2.59   1.50  0.57   4.66
10位 ビチェンコ    2.84   0.86  0.86   4.56

 

GOEの上位にビチェンコが入っているのがうれしい驚き、あまりGOEが付かないタイプだと思っていたから。年を重ねて質が良くなるというのは素晴らしいことです。
それでも1位と10位で8.5点ほどGOEで点差がつく結果に。これは3Aの基礎点に近いわけだから大きなボーナスだと感じる。フェルナンデスとチャンという構成を上げなかった二人が最もGOEを獲得したわけでSPにおいては基礎点が高いことが即有利というわけでは無いという結果となった。
基本ジャンプにミスが無かった人がSPの場合この部門で上位に来るのだがコンボ抜けでGOE-3だった羽生が入ってしまうことが実施エレメンツの質の良さを示している。


<PCS上位10人>
              SS  TR   PE CC IN  計
  1位 フェルナンデス  9.43 9.36 9.79 9.75 9.93 48.26    
  2位 P・チャン    9.71 9.46 9.64 9.57 9.64 48.02     
  3位 羽生 結弦    9.50 9.21 9.57 9.50 9.57 47.35  
  4位 宇野 昌磨    9.21 8.96 9.21 9.07 9.25 45.70 
  5位 J・ブラウン   8.96 8.96 9.07 9.00 9.11 45.10  
  6位 N・チェン    8.64 8.43 8.61 8.68 8.75 43.11
  7位 デニス・テン   8.64 8.21 8.64 8.46 8.64 42.59
  8位 M・コリャーダ  8.57 8.29 8.61 8.43 8.61 42.51   
  9位 M・コフトゥン  8.54 8.18 8.36 8.39 8.46 41.93
10位 ボーヤン・ジン  8.25 7.96 8.46 8.07 8.25 40.99

 

数字を眺めていると色々考えたくなるPCS。とりあえず面白いと思ったのがミスのあったネイサンの方がジャンプを纏めたテンやコリャーダより高かったこと。
そしてPCS3強は羽生がフェルナンデスのSSを除いて他の二人に全ての項目負けていること。ノーミスとそうで無いことの差だろう。ある意味妥当だと言える。そしてフェルナンデスとチャンは前半2項目がチャン、後半3項目がフェルナンデスといったようにはっきりと二人の持ち味が別れる点数の付き方になっている。
高難度をノーミスしたボーヤンが10位に入ってきたがPEが一番高い辺り素直にPCSを出し切れないジャッジの心情が見える気がする。それでも四大陸に続き公式戦で40を超えてきたので上位選手との差は少なくなってきている。スケーティングを向上した成果が評価されたのだろう。今季上位6強の中ではまだ下だがチャンピオンシップで良い演技をしたことでその差は縮まっていると感じる。

 

へこんでいます・・・

仕事を終え帰宅してライストつけたらフェルナンデスがふんふん3Loを飛ぶところだった。やはり間に合わなかったか、とがっかりしたもののトップの点数が126を超えていたので羽生逆転優勝しそうなことに気が付いた。その後フェルナンデスの点数を見て羽生の優勝を確認し地上波の録画に切り替えようとしたとき異変に気付いた。

 

録画付いてなくない??

 

どうやら容量不足でキャンセルされてしまったようです・・・

そんなわけでただいま動画を探してさまよっております。下位の選手はどこまで見られるのか・・・日本人二人の表彰台はうれしいですが個人的には泣きたい気持ちです。

2016-17シーズン ワールドへの道―――FS編その2

大手の工場監査が入るとかでここしばらく整理やら片付けやらで普段使わない体力を使った仕事をしてしてかなり参ってます。おまけにこれが終わると税務署が入ることになっていましてこちらも準備が大変。ここ数年入ってなかったんで帳票類がさっと箱に入れっぱなしだったので期ごとに整理し直し。そうしたら見つからないものとかあったりして・・・記憶の底に沈んだ情報を引きずり出すのに苦労しています。倉庫の中で見つかってくれるといいんだけど・・・

そんなこんなでここのところ帰宅が遅く全然ここにもこれませんでした。来週は月末も絡んでくるので何とかワールドへの道上げておかなければ。来週の月曜には公式練習が始まる。ハン・ヤンの棄権などの情報が上がってきているがそれ以上悪い話が出ないことを願っている。ハン・ヤンの手術がうまくいって五輪でいい演技を見せてくれることを期待します。

 

<ジャンプ合計>
                          ユーロ/
      B級   GPS1  GPS2  GPF     四大陸  B級/ユニバ/アジア等  平均 
J・フェルナンデス                  86.46     77.48-1   65.18-1  78.04-1                                 76.040
宇野 昌磨 67.81     79.45-1  75.35-1   83.42     70.35-2    83.18-2   86.97-1  76.219
羽生 結弦 66.73-2  76.49-1  86.36-1   74.68-1  90.27                                    77.906
田中 刑事   60.27      66.05     71.09                     51.43      44.53      63.62     59.498
N・チェン   81.80-2  76.36-2  80.19-1   94.19      94.30                                    84.368
J・ブラウン 65.71-1  70.11     41.25-1                 56.19       62.84-1                 58.620
P・チャン   55.76-1  64.24-1  83.75-1   57.94-4  67.43-2                                 64.024
レイノルズ   60.81-1  70.34-1                               53.75-1                                 60.633
ボーヤン・ジン   79.06-1  87.09-1                               83.69-2    83.88                    82.430
ハン・ヤン       47.05-1  58.45                    55.08       72.94                    58.130
M・コリャーダ   45.15-1  55.08-1  48.17-2                61.81-1                                  51.303
M・コフトゥン  50.08     72.58-1   60.28                   69.58                                     62.880
M・ブレジナ                 58.15-1   43.42-1                44.50                                    48.023
ビチェンコ  55.31-1   73.93      64.58                   62.23-1   60.86    72.98        64.648
デニス・テン                 72.13                                                 60.60    32.76-1     54.830
ミーシャ・ジー  54.81     55.35      58.36-1                62.53      57.67                     57.544


<今季最高点>              <今季最低点>
1位 N・チェン   94.30    1位 ボーヤン・ジン  79.06-1
2位 羽生 結弦   90.27    2位 N・チェン    76.32-2
3位 フェルナンデス 86.46    3位 宇野 昌磨    67.81
4位 ボーヤン・ジン 87.09-1  4位 羽生 結弦    66.73-2
5位 宇野 昌磨   86.97-1  5位 フェルナンデス  65.18-1 
6位 P・チャン   83.75-1  6位 ミーシャ・ジー  54.81   
7位 ビチェンコ   73.93    7位 ビチェンコ    55.31-1
8位 ハン・ヤン   72.94    8位 P・チャン    57.94-4 
9位 M・コフトゥン 72.58-1  9位 レイノルズ    53.75-1 
10位 デニス・テン  72.13    10位 M・コフトゥン  50.08

<平均>
1位 N・チェン   84.368
2位 ボーヤン・ジン 82.430
3位 羽生 結弦   77.906
4位 宇野 昌磨   76.219
5位 フェルナンデス 76.040
6位 ビチェンコ   64.648  
7位 P・チャン   64.024
8位 M・コフトゥン 62.880
9位 レイノルズ   60.633
10位 田中 刑事   59.498

4回転ジャンパーの若手二人が上位を占める。彼らにとっては一番の得点力なので当然である。一方でチャンが最低点と平均で6強を逃している。4Sを入れて基礎点アップを狙っているが4回転の成功率がそこまで良くないのと転倒が多いことでかなりの減点を受けている。そのため一種で比較的ジャンプが安定しているビチェンコの下になってしまった。新しく入れた4回転が成功率が高くないのは仕方ないがそれでも転倒は大きなミスであるしそれに伴ってREPやコンボ無しになってしまうと構成を上げた意味がなくなってしまうということだろう。悩ましい問題ではある。
羽生も4CCで4回転4本を決め今季初めて90点を超えたが抜けによる減点が大きい。まだ曲の中でのジャンプがそこまで完成度が高くないので昨季ほどGOEがついていないことも一因となっている。
どの選手もほぼ4回転を入れる構成になってきているがなかなかクリーンな成功が少ないためか最低点の数字が悲しい選手が多い。その中で怪我の影響のため4回転をなくしてきたミーシャが安定してジャンプ得点を稼いでいることが面白い。ジャンプの失敗が転倒ばかりになってしまう場合は抜いてまとめる&GOEを獲得するという選択もいいのかもしれない。ただ上位には上がってこられないだろうけど・・・

 

<スピン合計>
                      ユーロ/
      B級  GPS1  GPS2  GPF  四大陸  B級/ユニバ/アジア等  平均 
J・フェルナンデス                11.43      11.61    11.89    11.25                                   11.545
宇野 昌磨 11.30   12.77     12.66     13.49   12.99      12.30  12.87          12.626
羽生 結弦 12.10   12.07      12.10     12.03   12.86                                   12.232
田中 刑事   11.20    10.63     10.29     10.71    10.10     10.80                    10.622
N・チェン     8.48    11.27     10.73     11.84    12.28                                  10.920
J・ブラウン 13.80   13.20     13.12                  13.77     13.40                     13.518
P・チャン    12.14   12.63     12.30     12.37    12.01              12.290

レイノルズ   10.50    10.16                                12.06              10.907
ボーヤン・ジン                  9.09      9.98                   10.52    11.60         10.298
ハン・ヤン        9.53    10.18                   10.81    12.50         10.755
M・コリャーダ   10.73     10.66    11.92                  12.27          11.395
M・コフトゥン    9.65     10.56     10.12                 11.13          10.365
M・ブレジナ                 11.29       9.17                 10.31          10.257
ビチェンコ     4.50       8.70       8.11                    7.44      8.58      8.80   7.688
デニス・テン                 11.66                                             11.60    10.20       11.153
ミーシャ・ジー   10.70    10.47     10.94                   10.11   11.30       10.704

 

<今季最高点>              <今季最低点>
1位 J・ブラウン  13.80    1位 J・ブラウン  13.12
2位 宇野 昌磨   13.49    2位 羽生 結弦   12.03
3位 羽生 結弦   12.86    3位 P・チャン   12.01
4位 P・チャン   12.63    4位 宇野 昌磨   11.30
5位 ハン・ヤン   12.50    5位 フェルナンデス 11.25   
6位 N・チェン   12.28    6位 M・コリャーダ 10.66
7位 M・コリャーダ 12.27    7位 ミーシャ・ジー 10.47
8位 フェルナンデス 11.89    8位 デニス・テン  10.20
9位 デニス・テン  11.66    9位 レイノルズ   10.16
10位 ボーヤン・ジン 11.60    10位 田中 刑事   10.10 

<平均>
1位 J・ブラウン  13.518
2位 宇野 昌磨   12.626
3位 P・チャン   12.290  
4位 羽生 結弦   12.232
5位 フェルナンデス 11.545
6位 M・コリャーダ 11.395
7位 デニス・テン  11.153
8位 N・チェン   10.920
9位 レイノルズ   10.907
10位 ハン・ヤン   10.755

FSではブラウンがトップ。SPでのミスをしっかり取り戻しています。今季はジャンプの安定と怪我に苦しんでいますので貴重な得点源となっています。平均13点以上というのはほぼGOE+2以上ということなので本当に素晴らしい。
一方でジャンプミスの影響かレベルを多少取りこぼしている羽生は思ったほど点数が伸びませんでした。ミスしてもしっかりスピンができる時間確保できるように振付しないとなかなか大変です。
そして悲しいビチェンコの得点。GOEはともかくレベルを取らないと・・・平均だけでブラウンと6点弱開いている。3Lz一つ分位と思うと大きな点差、せっかくジャンプで上位得点稼げてもここで帳消しみたいでもったいない。平均でせめて10点は上位に安定してとどまるためには必要だと思う。

 
<ステップ合計>
                       ユーロ/
      B級  GPS1  GPS2  GPF  四大陸  B級/ユニバ/アジア等  平均 
J・フェルナンデス      7.84    8.44    9.10   9.00                                      8.595
宇野 昌磨 7.24      7.89    8.11    7.84   9.00     7.66    7.87            7.944
羽生 結弦 8.84   7.73    7.60    9.30   9.20            8.534
田中 刑事   6.13    6.46    6.41        6.57   5.80  7.42      6.465
N・チェン   5.80   6.96       6.99       7.10     8.90                                      7.150
J・ブラウン   9.40        9.30       8.07                   9.40        9.12                       9.058
P・チャン   9.16        9.40       8.26       9.90     9.50                                      9.244
レイノルズ   6.64        6.57                                 6.50                                      6.570
ボーヤン・ジン                  7.00       7.50                   6.53        8.14                       7.293
ハン・ヤン        6.03       7.80                   7.20        7.56                       7.148
M・コリャーダ  8.23         6.30       7.90                    8.70                                     7.783
M・コフトゥン    5.16          5.26       5.93                   7.06                                     5.853
M・ブレジナ                  8.00       7.90                    7.90                                     7.933
ビチェンコ   4.93        5.94       5.57                    6.59      6.56   6.18              5.962
デニス・テン                  9.60                                               9.96   7.84              9.133
ミーシャ・ジー  7.82        8.09       8.33                    8.00      8.98                        8.244

<今季最高点>              <今季最低点>
1位 デニス・テン  9.96    1位 P・チャン   8.26
2位 P・チャン   9.90    2位 J・ブラウン  8.07
3位 J・ブラウン  9.40    3位 M・ブレジナ  7.90
4位 羽生 結弦   9.30    4位 フェルナンデス 7.84
5位 フェルナンデス 9.10    4位 デニス・テン  7.84
6位 宇野 昌磨   9.00    6位 ミーシャ・ジー 7.82   
7位 ミーシャ・ジー 8.98    7位 羽生 結弦   7.60 
8位 N・チェン   8.90    8位 宇野 昌磨   7.24
9位 M・コリャーダ 8.70    9位 レイノルズ   6.50
10位 ビーヤン・ジン 8.14      10位 M・コリャーダ 6.30

<平均>
1位 P・チャン   9.244
2位 デニス・テン  9.133
3位 J・ブラウン  9.058
4位 フェルナンデス 8.595
5位 羽生 結弦   8.534
6位 ミーシャ・ジー 8.244
7位 宇野 昌磨   7.944
8位 M・ブレジナ  7.933 
9位 M・コリャーダ 7.783
10位 ボーヤン・ジン 7.293

この部門で強いのはチャンとブラウンとテンの3人。それに羽生とフェルナンデスが続く。そしてボーヤンとネイサンが面白い。最高値ではネイサンが高いが最低と平均はボーヤンが上、結果的にほぼ同じくらいの得点となっている。
そしてコフトゥンとビチェンコのビり争い。最低点はビチェンコだが平均ではコフトゥンが下。2つしかない要素なのでそこまで差はできないですがそれでもその差を埋められる何かがない限りはなるべくなくしたいものだ。とりあえずステップのレベルをせめて3以上確保したい。



<GOE合計>
                       ユーロ/
      B級  GPS1  GPS2  GPF  四大陸  B級/ユニバ/アジア等  平均 
J・フェルナンデス     15.20  10.14    3.08    3.56                                     7.995
宇野 昌磨 4.70  12.14    8.87  12.27    7.46       2.60    6.91            7.850
羽生 結弦 1.18     10.48    11.93       7.77     19.13                                  10.098
田中 刑事    4.26      3.38       2.72                     5.19     -4.18   3.82             2.532
N・チェン   -8.37     -2.11     -2.34      12.11      9.00                                    1.658
J・ブラウン 8.60     11.47     -2.15                     9.32      8.82                       7.212
P・チャン    5.44       9.57    12.55        3.01      3.21                                    6.756
レイノルズ   -5.88       0.84                                 -3.84                                  -2.960       
ボーヤン・ジン                 -4.32      4.40                    -5.44       9.12                     0.935
ハン・ヤン       -5.81      7.08                    -1.33     15.80                    3.935
M・コリャーダ    1.44       5.82      -3.44                     4.65                                  2.118
M・コフトゥン   2.77       3.42       4.21                     9.50                                  4.975
M・ブレジナ                  4.96       8.20                   -4.53                                   2.877
ビチェンコ  -4.44       7.59        3.48                   -2.21       -0.18   2.38         1.103
デニス・テン                14.31                                               12.08  -1.70          8.230
ミーシャ・ジー   3.46       1.99       3.33                     6.91       8.02                    4.742

<今季最高点>              <今季最低点>
1位 羽生 結弦   19.13    1位 フェルナンデス  3.08
2位 ハン・ヤン   15.80    2位 P・チャン    3.01
3位 フェルナンデス 15.20    3位 M・コフトゥン  2.77
4位 デニス・テン  14.31    4位 宇野 昌磨    2.60 
5位 P・チャン   12.55    5位 ミーシャ・ジー  1.99
6位 宇野 昌磨   12.27    6位 羽生 結弦    1.18
7位 N・チャン   12.11    7位 デニス・テン  -1.70
8位 J・ブラウン  11.47    8位 J・ブラウン  -2.15
9位 M・コフトゥン  9.50    9位 M・コリャーダ -3.44
10位 ボーヤン・ジン  9.12        10位 田中 刑事   -4.18

<平均>
1位 羽生 結弦   10.098
2位 デニス・テン   8.230
3位 フェルナンデス  7.995
4位 宇野 昌磨    7.850
5位 J・ブラウン   7.212
6位 P・チャン    6.756
7位 M・コフトゥン  4.975
8位 ミーシャ・ジー  4.742
9位 ハン・ヤン    3.935
10位 M・ブレジナ   2.877

 

羽生のGOEえげつない。平均でも4T1本、最高点では2本多く飛んだようなもの。ネイサンやボーヤンが1本多く飛ぶくらいではそれほど脅威にならないことがわかる。それでも要素の多いFSではいい演技をすればGOE+10点以上獲得することは案外多くの選手でできている。それを継続して何度もできる選手はエレメンツの質がいい選手だといえるだろう。
ただこのランキングは一ついつも落とし穴がある。転倒とするとGOEがなかなか伸びない、トータルがマイナスになりやすい傾向があるが抜けの場合はプラスになるケースがある。そのためGOEを案外とっているのにTESが低いということが割と起きたりする。そんなわけでGOEがすべてプラスの選手がシーズン通していい演技だったと言えないところが微妙。コフトゥンなどがいい例だ。
それにしても全体的に上位に来ていたネイサンがこのランキングの最低点の最下位となっているのが興味深い。シーズン冒頭のジャンプが安定しなかった頃からこの高難度をまとめてきたわけで成長をわかりやすく感じられるデータとなっている。


さてここまではすでに過去の成績であり順位予想には参考になるけれど実際の試合には全く影響しません。ここまでのところTES的にはジャンプで安定的に点数を獲得してきているネイサンが強い。そしてフェルナンデス・羽生・宇野がトータル的には安定して高得点を取ってきている。ミスの傾向としては羽生の場合抜けとコンボ無しという基礎点に響くミスが多い。宇野も割とそれに近い傾向がある。それがどこまで解消できるかで枠が決まりそうなので二人とも是非これまでを超える演技を見せて欲しいと願っている。なかなか今回のまとめでは上位に入れなかった田中もぜひ頑張って上位に食い込んで欲しい。
ここまでのデータはジャッジも参加メンバーも採点傾向もばらばらの試合達の集計でありあくまで参考数字であって全員が揃うワールドで同じような点数になるかは演技の出来も含めて未知数だ。
ハン・ヤンを除くこの15名が一堂に会してジャッジがどんな採点をするか。TESやPCSそしてGOEがどんなふうにつけられ序されるかワールド後の集計が今まで以上に楽しみな試合となっている。
月末すぎておそらくほとんどライブで見られないだろうけどシーズン最高の演技と美しいプロトコルを期待している。

2016-17シーズン ワールドへの道―――FS編その1

ジュニアワールドが終わりました。男子シングルも女子シングルも上位は見ごたえのある演技の応酬で非常に面白かったです。それにしても本田のミスのない演技&高得点の後で超高難度構成を素晴らしく滑ったザギトワの強さが光りました。しかしその演技に対しての日本メディアの評が「まるで機械」となってしまうあたりレベルが低いと感じずにいられません。おそらく「表現力」の本田に対して「ジャンプ後半の高基礎点」での勝利としたかったのでしょうが、つけられた点数が基礎点差以上あることの意味を理解していないとしか思えません。いまだに旧採点の感覚が日本メディアや日本スケ連関係者から抜け出せていないと実感し未来を憂いたくなってしまいます。

それでも日本女子3人はそれぞれ素晴らしい演技をしました。2位3位5位と上位を占めました。それぞれがそれぞれらしい演技をしていたと思います。

シーズン開始前の大けがで出遅れ辛いシーズンを過ごした白岩があそこまで戻した演技をしてきたことが非常にうれしかったです。FSは昨季の良かった時よりジャンプが低い感じがして回転不足を取られてしまいましたが練習がつめる体に戻ればもっと良くなるでしょう。PCSが上位選手の中ではもらえていないので来季はその対策をしたいです。膝下がもう少しきれいに伸ばせるようにしたいですね。怪我に注意して頑張って欲しいです。

坂本もザギトワの高得点の後でも質の良いエレメンツをまとめました。ジャンプの質では上位3人中一番いいと感じます。滑りもいいのですが引き付けるという意味では上位二人に及ばないところがあります。魅せ方という意味での表現力の技術がもう少し欲しいです。

そして本田、マスコミからあおられまくりカメラで追い掛け回されながらも美しい演技を見せました。姿勢の良さ洗練された滑り軽やかなジャンプの着氷は素晴らしかったです。ただザキトワを見てしまうと成功率の高いジャンプ・得意だけどミスの割と出るジャンプ・苦手なジャンプが飛ぶ前にわかってしまうところがもう少しだなと感じました。基礎点を上げるとともにその辺りが来季の課題かなと思います。

そしてザギトワ。あの振付をミスなく行った強さに感服します。離氷時に少し沈む以外はジャンプに癖がありませんしなによりコンボがスムーズなのが気持ちいいです。女子選手の場合は間が空いてテンポが悪い選手が結構いるのですが彼女の場合は全て流れの中で進めることができる高い技術力を感じます。そしてタノジャンプも良いです。なんのジャンプでもタノをつけるのはロシア娘の定番ですが肘が曲がったり前傾になったり見苦しいものも割と多い中で彼女のタノはGOE+をつけるのにふさわしい美しさでした。さらに言えば今シーズンの勝利はあの振付・プログラムの勝利でもあったと思います。すべて後半のジャンプ構成に苦言も多くありますが、あのドン・キホーテに限ってはありな構成だと感じます。ジャンプをあの位置で飛ぶことに意味を持たせる選曲でした。それがPCSで本田を上回ったCOに表れているのでしょう。

ザギトワはぎりぎり五輪OKの年齢なので来季はシニアに上がるでしょう。体型変化の大きなロシア娘なのでこの好調を維持できるかは未知数ですが対策・対応はするべきです。そしてライバルはザギトワだけではないわけでその辺り今回の試合結果をどの程度コーチや関係者が理解しているか非常に気になります。ただ今は来季の五輪を予想しながら今シーズンの演技の振り返りを楽しみたいです。ジュニア選手の皆さん、お疲れさまでした。秋には更に成長した姿を見られることを期待しています。

 

そしていよいよ残りはワールドのみ。ちょっと時間が空いて精神的に落ち着かない変な感じです。ジュニアワールドのような素晴らしい演技を数多くみられることを期待して今から非常にドキドキしています。その前にFSのまとめをやっておかなくては・・・

 


<FS合計>
                       ユーロ/
      B級    GPS1   GPS2  GPF    四大陸  B級/ユニバ/アジア等  平均 
J・フェルナンデス         201.43    188.81   177.01   190.59                                  189.460
宇野 昌磨  172.25    190.19    186.48   195.69   187.77    188.84  199.37      188.656 
羽生 結弦  172.27    183.41    197.68   187.37   206.67                                  189.480
田中 刑事  148.74    155.78    167.95                 142.63    124.13   163.04  150.378
N・チェン  168.94    171.95    180.97   197.55   204.34                                  184.750
J・ブラウン  174.91    182.63    144.14                 165.08    170.86                   167.524
P・チャン  164.14    176.39    196.31    166.99  179.52                                  176.670
レイノルズ  152.45    164.49                                145.95                                  154.297
ボーヤン・ジン                 172.15    182.37                 176.18    187.22                   179.480
ハン・ヤン       136.25    155.15                 151.37    180.30                   155.768
M・コリャーダ  139.35    155.02    147.51                 166.22                                  152.025
M・コフトゥン 141.31    163.32    151.33                 172.27                                  157.058
M・ブレジナ                 157.06    135.91                 136.91                                  143.293
ビチェンコ  129.58    168.71    154.74                 152.56    151.90  160.06      152.925
デニス・テン                 180.05                                               172.06   125.90     159.337
ミーシャ・ジー  151.03   153.77    156.57                  157.56    157.75                  155.336

 

<今季最高点>              <今季最低点>
1位 羽生 結弦   206.67    1位 フェルナンデス 177.01 
2位 N・チェン   204.34    2位 羽生 結弦   172.27  
3位 フェルナンデス 201.43    3位 宇野 昌磨   172.25  
4位 宇野 昌磨   199.37    4位 ボーヤン・ジン 172.15   
5位 P・チャン   196.31    5位 N・チェン   168.94 
6位 ボーヤン・ジン 187.22    6位 P・チャン   164.14   
7位 J・ブラウン  182.63    7位 ミーシャ・ジー 151.03  
8位 ハン・ヤン   180.30    8位 レイノルズ   145.95  
9位 デニス・テン  180.05    9位 J・ブラウン  144.14
10位 M・コフトゥン 172.27    10位 M・コフトゥン 141.31 

<平均>
1位 羽生 結弦   189.480 
2位 フェルナンデス 189.460   
3位 宇野 昌磨   188.656   
4位 N・チェン   184.750   
5位 ボーヤン・ジン 179.480  
6位 P・チャン   176.670
7位 J・ブラウン  167.524  
8位 デニス・テン  159.337
9位 M・コフトウン 157.058  
10位 ハン・ヤン   155.768

 

FSも6強変わらずだが、最高ではボーヤンが、平均でチャンとボーヤンが少し離れた印象だ。ただミスのない演技はまだ誰もできていないのであくまで現時点の話。最低点を見るとあまり変わらなくなってしまうのでミスが少ないものが上位に来る、ミスが複数出れば一気に点数が落ちてしまう。高難度時代なので30点近いふり幅もありうるため順位予想が難しくなっている。
シーズンを通して一番安定した点数を出したのがミーシャ、ただシーズン中の構成は結構変わっていてノーカンとか転倒とか構成を落として安定した演技をしてとか結果的に近いだけなのが面白い。
4回転を当たり前に入れるのでミスのない演技というのが難しい現代、点数の上がり下がりの激しさは仕方がないのかもしれない。そして練習ではできていても本番で高難度が成功できないと低迷したシーズンを送ることになってしまう恐ろしい時代でもある。それでも常に上位にいられる選手が強い選手と呼ばれるのだろう。

 

<PCS>                                                           ユーロ/
      B級  GPS1  GPS2  GPF  四大陸  B級/ユニバ/アジア等  平均 
J・フェルナンデス                  95.70     92.28     91.84    93.30                                  93.280
宇野 昌磨 85.90      91.08     91.36     90.94   91.08     87.70   92.66        90.103
羽生 結弦 86.60      88.12     92.52     92.36   94.34                                  90.788
田中 刑事 71.14      72.64     80.16                 73.92     63.70   82.20        73.960
N・チェン    74.86      79.36     84.06    84.42    88.86                                  82.312
J・ブラウン 87.00      90.02     82.70                 85.72     86.50                    86.388
P・チャン    88.08      91.12     93.00    90.78    92.58                                  91.112
レイノルズ    75.50      78.42                               74.64                                  76.187
ボーヤン・ジン                   78.00      78.80                77.44     83.60                    79.460
ハン・ヤン                   74.64      78.72                78.28     87.30                    79.735
M・コリャーダ   76.24       83.98      81.52                84.44                                  81.545
M・コフトゥン  76.42       75.92      75.00                84.50           77.960
M・ブレジナ                   80.62      76.42                76.20                                  77.747
ビチェンコ   65.84      80.14       76.48                77.30     76.90   72.10        74.793
デニス・テン                  86.66                                              89.90   76.10        84.220
ミーシャ・ジー  77.70      79.86        79.94                76.92    79.80                    78.844

 

<今季最高点>               <今季最低点>
1位 フェルナンデス 95.70      1位 フェルナンデス 91.84
2位 羽生 結弦   94.34      2位 P・チャン   88.08
3位 P・チャン   93.00      3位 羽生 結弦   86.60
4位 宇野 昌磨   92.66      4位 宇野 昌磨   85.90    
5位 J・ブラウン  90.02      5位 J・ブラウン  82.70
6位 デニス・テン  89.90      6位 ボーヤン・ジン 77.44
7位 N・チェン   88.86      7位 M・コリャーダ 76.24
8位 ハン・ヤン   87.30      8位 M・コフトゥン 75.00
9位 M・コフトゥン 84.50      9位 N・チェン   74.86
10位 M・コリャーダ 84.44      10位 ハン・ヤン   74.64

<平均>
1位 フェルナンデス 93.280
2位 P・チャン   91.112
3位 羽生 結弦   90.788
4位 宇野 昌磨   90.103
5位 J・ブラウン  86.388
6位 デニス・テン  84.220
7位 N・チェン   82.312
8位 M・コリャーダ 81.545
9位 ハン・ヤン   79.735
10位 ボーヤン・ジン 79.460

 

PCSは良く実績点だと言われる。決していい意味では使われていない、一般的にはベテランで実績のある選手がミスが出ても高いPCSが出ることを揶揄するときに言われることが多いからだ。
ただ今シーズンのPCSの出方を見ているとちょっと違う2つの意味の実績点になっているのではと感じる。一つ目は若手の伸び盛りの選手に対してに出る実績点で、前の試合より良さげな演技だとそれにプラスを加算した点数が出るという意味の実績点。もう一つが羽生やチャンのように実績がある選手の場合につけられるもの。過去の一番いい演技から減点法でつけられる実績点。同じ試合でその2つが適応されるとミスのあったベテランは抑え気味になり前より良かった若手は点数が伸びそれほど差がない点数が出てしまったりする。発表された点数より基礎的な実力差がありそうな気がするが、もともと複数のジャッジによる平均によって採点されるのでどこがどこまでおかしいのか曖昧で検証しようもないところがもやっとする。PCSの採点についてジャッジ間の意思統一や10点が出る条件、9点台8点台7点台など点数間の基準を明確にして欲しいとこの表を作っていて感じた。
それにしてもブレジナの数字を見ると小塚を思い出して悲しい。スケーティングは間違いなくいいのに高難度の失敗が続き演技がまとめられないことで徐々に点数が出なくなっている感じがする。
そして相変わらずよくわからないビチェンコのシーズン中のPCS(65.84→80.14→76.48→76.90→77.30→72.10)の変遷。TES的にカップオブチロルの方がユーロよりずっといいのになぜ5点も下がるのか本当に不思議だ。大きなミスをすれば点数が伸びない・下がるは理解できるが・・・一緒に出場している他の選手の点数に影響されているのだろうと予測できるが建前上絶対評価なのだからあまり大きすぎる変動の場合は説明責任を負ってもいいのではと思う。
あと時々話題にも上がるが転倒など見た目の大きなミスがあった演技で10点を出すのはやはり違う気がする。すぐ立ってロスした時間が短かったとはいえ一度切れたことは確かなのだから。その辺りしっかり明文化して欲しい。

それにしても最高点と最低点が近いコフトゥンとコリャーダの平均に結構差があるのが面白い。コフトゥンはここ2シーズン良くなかったのでPCSが下がり気味なので何とかワールドでいい演技をして踏ん張って欲しい。
 

 


<TES>
                          ユーロ/
      B級   GPS1     GPS2   GPF     四大陸   B級/ユニバ/アジア等  平均 
J・フェルナンデス                105.73      97.53-1   86.17-1    98.29-1                                 96.180
宇野 昌磨 86.35   100.11-1   96.12-1  104.75      98.69-2  103.14-2 107.71-1  98.553
羽生 結弦 87.60-2  96.29-1  106.06-1   96.01-1  112.33                                   98.658
田中 刑事   77.60      83.14       87.79                      68.71      60.43     81.84      76.580
N・チェン   96.08-2   94.59-2    97.91-1  113.13   115.48                                  102.438
J・ブラウン 88.91-1  92.61        62.44-1                 79.36       85.36-1                  81.136
P・チャン   77.06-1   86.27-1  104.31-1   80.21-4  88.94-2                                  85.558
レイノルズ   77.95-1   87.07-1                                 72.31-1                                  78.110
ボーヤン・ジン          95.15-1   104.57-1               100.74-2   103.62                 100.020
ハン・ヤン       62.61-1     76.43                    73.09        93.00                    76.033
M・コリャーダ   64.11-1  72.04-1     67.99-2                 82.78-1                                  70.480
M・コフトゥン  64.89     88.40-1     76.33                     87.77           79.098
M・ブレジナ                 62.71-2     60.49-1                  62.71-2             60.303
ビチェンコ  64.74-1   88.57        78.26                     76.26-1   76.00-1  87.96        78.132
デニス・テン                 93.39                                                      82.16     50.80-1    75.117
ミーシャ・ジー  73.33      73.91        77.63-1                  80.64      77.95                     76.492

 

<今季最高点>              <今季最低点>
1位 N・チェン   115.48    1位 ボーヤン・ジン 95.15-1
2位 羽生 結弦   112.33    2位 N・チェン   94.59-2
3位 宇野 昌磨   107.71-1  3位 宇野 昌磨   86.35
4位 フェルナンデス 105.73    4位 羽生 結弦   87.60-2
5位 ボーヤン・ジン 104.57-1  5位 フェルナンデス 86.17-1 
6位 P・チャン   104.31-1  6位 P・チャン   77.06-1
7位 デニス・テン   93.39    7位 ミーシャ・ジー 73.33
8位 ハン・ヤン    93.00    8位 レイノルズ   72.31-1
9位 J・ブラウン   92.61    9位 M・コフトゥン 64.89
10位 ビチェンコ    88.57    10位 ビチェンコ   64.74-1

<平均>
1位 N・チェン   102.438
2位 ボーヤン・ジン 100.020
3位 羽生 結弦    98.658
4位 宇野 昌磨    98.553
5位 フェルナンデス  96.180
6位 P・チャン    85.558
7位 J・ブラウン   81.136
8位 M・コフトゥン  79.098
9位 ビチェンコ    78.132
10位 レイノルズ    78.110

 

この部門のネイサンの完全勝利をボーヤンが防いだ。ボーヤンシーズン冒頭かなりいまいちという印象があったがTESはそれでもしっかりとっていた。
そして最低点と平均を見る限り6強の中でチャンが少し離れていることがわかる。ミスが少なければ多少構成が弱くても張り合えるが基礎点を大きく損なうミスが出れば高難度ミス有りとも大きく離れてしまうという結果に。ベテランにはなかなか辛い時代だ。
それにしても100点越えが6人もいるというTES殴り合いの時代を如実に物語っている。そしてボーヤンとネイサンは下限も高く高難度ミス有りでもTESをしっかりとってきている。今後はジュニアから上がってくる選手にこう言う選手が増えてくるだろうと予想できる。抜けやコンボ無しなど基礎点を失うミスの数が順位を左右しそうだ。