つれづれなるままに・・・

日々の思ったことを綴っていきます。

2016-17シーズン ワールドへの道―――FS編おまけ

ジュニアワールドが盛り上がっております。
残念ながら今のところ見たのは男子シングルFSの後半2グループだけ、映像探しても全部消されてるから振り返ることも出来ない。フ○テレビ本当に使えない。
今日の女子もまだ見てないけどもう無いんだろうな・・・

ジュニアワールドは置いておいてワールドへの道FSとりあえずおまけ分だけ纏めておく。
4回転の成功率についてはGOE0以上、ファーストジャンプの抜けは失敗で計算。(セカンド以降の変更はGOE0以上は成功)
コンボはGOE0以上なら予定構成と異なっても成功と見なす。コンボが実行できなかった場合は付ける予定のジャンプを失敗として計算。REPをリカバリした場合はそちらで計算するとする。

 


羽生 結弦 5試合
4Lo  4/5  80.00%  11.250
4S   5/10  50.00%   8.462(×2 1試合平均16.924)
4T   5/6  83.33%  11.357
3A   9/10  90.00%  13.338(×2 1試合平均26.676)
コンボ(予定構成41.8) 11/15 73.33% 1試合平均 31.706 獲得率 75.852%
ジャンプ合計(予定構成87.53) 1試合平均 78.906 獲得率 90.147%
FCCoSp レベル4・・・5回         4.500
FCSSp  レベル4・・・3回 3・・・2回  3.608
CCoSP  レベル4・・・5回         4.124 スピン計 12.232
StSq   レベル4・・・3回 3・・・2回  5.062
ChSq                     3.472 ステップ計 8.534
                               TES計 99.672

 

フェルナンデス 4試合
4T   3/4  75.00%  10.950 
4S   6/8  75.00%  11.043 (×2 1試合平均22.086)
3A   5/8  62.50%   9.843 (×2 1試合平均18.966)
コンボ(予定構成35.82) 10/12 83.33% 1試合平均 34.273 獲得率 95.681
ジャンプ合計(予定構成79.23) 1試合平均 76.79 獲得率 96.920%
CSSp   レベル4・・・1回 3・・・3回 3.505 
FCCoSp レベル4・・・4回        3.913
CCoSp  レベル4・・・3回 2・・・1回 4.128 スピン計 11.546
StSq   レベル4・・・2回 3・・・2回 4.995
ChSq                    3.600 ステップ計 8.595
                              TES計 96.931

 

ネイサン・チェン 5試合
4Lz  3/5  60.00% 17.218
4F   4/5  80.00% 14.378
4T   5/10  50.00% 10.214 (×2 1試合平均20.428)
4S   1/3  33.33%  8.963 
3A   1/6  16.67%  7.790
コンボ(予定構成 41.86) 11/15 73.33% 1試合平均 42.018 獲得率 100.377%
ジャンプ合計(予定構成 86.02) 1試合平均 85.368 獲得率 99.242%
CCSp   レベル4・・・4回 3・・・1回 3.450
FCCoSp レベル4・・・4回 2・・・1回 3.886
CCoSp  レベル4・・・1回 3・・・3回 1・・・1回 3.588 スピン計 10.924
StSq   レベル4・・・1回 3・・・3回 2・・・1回 4.250 
ChSq                    2.900 ステップ計 7.150
(ネイサンの予定構成はGPFで計算)            TES計103.442

 

パトリック・チャン 5試合
4T   4/10  40.00% 10.128 (×2 1試合平均20.256)
4S   1/5  20.00%  6.952
3A   6/10  60.00%  9.085 (×2 1試合平均18.170)
コンボ(予定構成35.39) 9/15 60.00% 1試合平均 28.724 獲得率 81.164%
ジャンプ合計(予定構成77.16) 1試合平均 65.824 獲得率 85.308%
CCSp  レベル4・・・2回 3・・・3回 3.946
FSSp  レベル4・・・4回 3・・・1回 3.932
CCoSp レベル4・・・5回        4.412 スピン計 12.290
StSq  レベル4・・・4回 3・・・1回 5.478
ChSq                   3.766 ステップ計 9.244
                             TES計 87.358

 

ボーヤン・ジン 4試合
4Lz  3/4  75.00% 15.463
4S   1/4  25.00%  7.873
4T   3/8  37.50%  9.876 (×2 1試合平均19.752)
4Lo  0/1   0.00%  4.400
3A   6/8  75.00% 12.049 (×2 1試合平均24.098)
コンボ(予定構成37.49) 10/12 94.68% 1試合平均 40.553 獲得率 108.170%
ジャンプ合計(予定構成88.10) 1試合平均 83.430 獲得率 94.699%
FCSp  レベル4・・・4回        3.715
CSSp  レベル4・・・2回 3・・・2回 3.043 
CCoSp レベル4・・・2回 3・・・2回 3.540 スピン計 10.298
StSq  レベル4・・・2回 3・・・2回 4.313
ChSq                   2.980 ステップ計 7.293
(ボーヤンの予定構成はGPSで計算)            TES計101.021

 

宇野 昌磨 7試合
4F   6/7  85.71% 13.066
4T   9/14  64.29% 11.194 (×2 1試合平均22.388)
4Lo  1/3  33.33%  8.943
3A   10/14  71.43% 11.978 (×2 1試合平均23.956)
コンボ(予定構成42.57)11/21 52.381% 1試合平均 32.670 獲得率 76.744%
ジャンプ合計(予定構成81.71)1試合平均 78.983 獲得率 96.663%
FCSp   レベル4・・・6回 3・・・1回 3.744      
(CSSp  レベル4・・・1回        3.200)
FCCoSp レベル4・・・6回        4.405
CCoSp  レベル4・・・7回        4.649 スピン計 12.798
StSq   レベル4・・・1回 3・・・6回 4.673
ChSq                    3.271 ステップ計 7.944
(宇野の予定構成はGPFまでで計算)            TES計 99.725


FS計算して思ったのはネイサン・ボーヤン組と羽生・宇野組で別れるなぁということ。
ネイサンとボーヤンは転倒やら着氷不良やらで成功率はそこまで良くないけど基礎点はしっかり取っている。特に二人ともコンボをしっかり決めてきている。それがコンボの獲得率の高さを生み出しひいては安定した高TESを得ることになっている。


一方羽生と宇野はジャンプの成功率はそれなりに高くあるのにコンボの獲得率が低い。コンボなしや抜けによる基礎点減が影響している。GOEはあくまでおまけとしてのプラスしか生み出さないわけで基礎点を補完することは出来ない。基礎点を確保できているかどうかでTES平均が100超える超えないの差が出てきている。


そういう意味ではファーストジャンプに抜けの無いネイサンが強いと感じるデータだ。3A以上のジャンプは高難度なのでやはり全く失敗しないというのは難しい。失敗してもどの程度基礎点を確保できるか&GOEマイナスを減らせるかがこれからの試合で上位を維持するために必要になっている。

 

そういった理由から羽生は後半4Sの抜けと転倒REPが今季点数が伸びない大原因となっていることがわかる。コンボを前半にするか単独の4Sと4Tを入れ替えてREPの危険を少しでも軽減するかすべき、とはっきり数字で出ている。たぶん変更はしないだろうけど・・・本当に見ている人間の心臓を不安にさせる構成だ。ステップはレベル4を今季まずまずとっているので昨季よりはよくなっている。ただコレオは疲れが見えることが多いせいかチャンやフェルナンデスほどは伸びてこない。ついでに3連乱れからのシットがレベルを落とすことがあるため得意なだけにもったいない結果となっている。高構成が何人もいる中では取りこぼしは少しでも避けたいところ。

 

スピンステップはFSでもネイサンとボーヤンは近かった。二人の差はTESではほとんど無い、PCSの差が大きいと感じる。特に後半スピンステップ固め打ちのバランスの悪さがネイサンのPCSに思ったほど響かないことが不思議だ。ジャンプだけの部分から滑っていると印象ががらっと変更出来ていると言えば聞こえが良いがそこまでボーヤンと差があるかとは思う部分ではある。ただ二人ともスピンについてはそこまでGOEが高くないのでレベルはしっかり獲得したい。

 

フェルナンデスはそこそこの成功率とそこそこのGOEをとっているがFSではシーズンを進んで良くなっているかは微妙な印象だ。ただGPFではかなり準備不足だったようなのでしっかり練習が積めれば構成を高くないので安定した演技は出来そうな印象だ。GPF・ユーロと多少もやっとする結果だったのでワールドではしっかり体を作ってくるだろう。そうなれば非常に怖い存在だ。

 

チャンはFSのデータがSP以上にかなり不安だ。4回転の成功率が想像以上に悪かったしそれ以外のジャンプでも他選手よりミスが多い。ステップはさすがだがスピンもFSではSPほど稼げていない。基礎点が今では決して高くないしPCSでの差で基礎点差は埋められないので台乗りするためにはジャンプ構成を確実に遂行する必要がある。せめて3A以下のジャンプはきちんと揃えたい。

 

宇野はコンボ無しの基礎点損失は大きいが4Fで意外に稼げているので基礎点は案外確保できている。ただ転倒の回数が多い。ワールドでは上位はそれなりに纏めてくるので表彰台に乗るためには転倒はSPFS通して1回以下にしたい。コレオはクリムキンだけで昨季と変わらないこともあるからチャンやフェルナンデスと多少差がつくのは仕方ないだろう。ただステップが四大陸以外では4が取れていないのでもったいない感じだ。

 

ネイサン・ボーヤン・宇野はシーズン中に構成を変えてきた。ボーヤンはどうも戻しそうだがネイサンと宇野は高い方でワールドに臨むことになりそうだ。
それでも基礎点をほぼ毎試合10点以上失ってもTES平均がほぼ100に来る羽生が構成通りこなすことが出来れば強そうだとデータを見ると感じる。リカバリでクワドを飛ぶことが出来ている。体力的な問題ではないので是非一度構成通りに滑る演技が見たいものだ。


トータルの得点と今回のTESを並べて思うのはボーヤンはPCS、チャンはTES的にノーミスじゃ無いと厳しそうだということ。
ネイサンはチョコチョコミスはあるが構成をこなすことが出来るので確実にTESを稼ぎPCSを伸ばしてきているので上位に来る確率は高そうだ。
宇野もTESはほどほど安定した数字を出してきているが、大きなミスが必ず出ているので伸び悩んでいる印象もある。それを振り払えるかで順位が決まりそう。

 

完璧なノーミスは今季まだ誰もいない。今のところ一番近そうなのがネイサンだがワールドという大舞台でできるかは未知数だ。昨季表彰台に上ったボーヤンはシーズン後半に来てジャンプが安定してきている。昨年一昨年を思えばフェルナンデスが当然怖い存在となってくる。チャンも来季の五輪を思えばむざむざ若手に抜かれるのを良しとしないだろう。五輪枠がかかったワールドで自分の力をどれだけ出せるのか、その強さを示せるか、それはそのまま五輪本番ににつながる道となるはずだ。どの選手もいい達成感を持ってシーズンが終われる演技になることを願ってやまない。