つれづれなるままに・・・

日々の思ったことを綴っていきます。

幾つもの扉の前で―――欧州選手権FS感想

選択をしなくて良いならば生きることはもっと楽だったろう。
昨日全米EXで負傷したネイサン・チェンが手術を終えたというニュースが入った。氷上練習に入るまで8週間と言うことでジュニアワールド・ワールド共に辞退と言うことになった。よりよい状態で競技していくために選択したのだろうが道が拓かれたと思ったところで後退することはつらいものだったろう。しかしここは焦らずにじっくり療養・回復して欲しい。
そしてユーロではアモディオが引退試合に臨み、フェルナンデスはFSも構成を上げるという選択をした。皆それぞれがそれぞれの人生を生きる上で選択し実行していく。それが吉と出るか凶と出るか、先が見えない中でそれでも皆前に進もうとしている。


総合1位 フェルナンデス 302.77 FS1位 200.23

3Aを2本にするときいて3Lz-2Tの部分を変えるのかなと思っていたら助走なし3Tにそのままぶち込んできたことは驚いた。結果転倒だったがとりあえず入れることが出来たことは良かったんじゃないか。
ただ転倒後はジャンプもスピンステップも明らかに質が落ちたので体力的にはかなりきつそう。前半のジャンプをミスしたときの対処など考えておく必要がありそう。
それにしても昨年の世界選手権から非常に高値安定状態になった。自覚が生まれ練習がしっかり出来ているようでジャンプの抜けが本当に少なくなった。転倒はちょっと増えた気がするが抜けがないセカンド3Tがしっかり入ることで点数の下限がかなり上がった。
世界選手権は羽生と一騎打ちになりそうなので今のプログラム構成をもう少し熟練させて欲しい。

 

総合2位 ビチェンコ 242.56 FS4位 158.47

ユーロ初メダル、PB更新おめでとう!イスラエルに男子シングル初メダルをもたらした。
2位になれたのは最初の4Tに1Tを付けたから。これがないと2回目の4TがREPになってしまったので非常に大きかった。それにしても後半の3連続はすごかった。本当にあまりビチェンコのジャンプは好みじゃないけど思わず拍手してしまった。
首回りの詰まった衣装はGPSで見たとき似合ってないと思ったが体が絞られたせいか今回はそんなに重苦しくなかった。髪型のせいかなぁ?
いつも動きがせわしないところが落ち着かなかったが滑り込みが出来たためか上手く音楽に合った動きになった感じ。レミゼラブルは今季割と多いがホクスタイン以外はいまいちと思っていた。でもビチェンコの力強さ前向きさ懸命さを表現したこの演技も有りだと今回感じた。本当に良い演技だったと思う。
ワールドの代表も勝ち取ったと思うので更に良い演技に期待します!

 

総合3位 コフトゥン 242.21 FS6位 154.12

4Tの転倒がかなりきつそうだった。しかし後半は踏ん張った。最後までスピンステップ等できる限りやりきったことがぎりぎり表彰台を確保したと思う。そういう意味では昨年より進化している。3Loも3Lzもきちんと入れたことも大きい。全てに渡って一気に上手くいくと言うことがコフトゥンにはあまりないので色々思うところはあるだろうが今回は頑張ったといえる。
今季は4Tが不安定なのでいっそ4S2本3A2本にしてみるのもいいかもしれない。あまりネガティブになりすぎず今回の良いところを認めてあげて欲しい。そしてワールドでは振り切った思い切った演技を魅せて欲しい。

 

総合4位 アモディオ 240.96 FS2位 162.68

ユーロ始まる前に書いた最後のアモディオの演技での期待。この数年では最高の演技だったのではないか?ジャンプ8個全て入れコンボ券も使い切った。eが付いたが3Fも入れてきた。
そしてジャッジはその演技にPBに近い点数を与えた。多少ご祝儀的な部分はあったかもしれないが、アモディオが持っている力を出し切った演技が見たいとじりじりしていたやりきれなさを吹っ切った演技だったことは間違いない。
もっと早くこの演技を出来ていればと思う大会が何度あったことか・・・しかし最後にアモティオがこの演技をしたことに意味があると思う。フィギュアから離れるわけではないようなので今後の違う形での活躍を期待します。お疲れ様でした。こちらこそありがとうございました!

 

総合5位 コリャーダ 236.58 FS3位 159.00

4回転は残念ながらユーロでは決まらなかったがFS3位総合5位は自信になっただろう。
ロステレコムではジャンプが前後半4つずつだったはずが今回は前半5つでカウントされた。あまり基礎点が高くない構成なのでこの辺りはもったいない。

止まるところも割とあるが動き出すと上半身がずっと動き続けているタフなプログラム。体も柔らかくラインも綺麗なので個性的な動きは見応えがある。ただ足下は割と単調というか両足が多いのでその辺りもう少しブラッシュアップして欲しい。
ジャンプはロシアンの中では質が良いのでワールドでは抜けを無くし確実に点数を上げられるようにしたい。


SPの後、色々パソコンをいじっていたらロシアライストが映るようになった。といっても20秒動いて10秒止まるみたいなブチブチ状態だったがこれでライスト見れる-!と喜んだら寝坊してしまった。意味がない(涙)
でもISU公式で6分間から放映してくれるのはありがたい。画面も綺麗ですし・・・これって前からあったのかな?全然知らなかった。
フェルナンデスが300点を超えてきたことで割と点を出す傾向は続きそうな気配。四大陸のエントリーも出たがこちらでもそこに到達する選手が現れるのか。世界選手権に向けて見逃せない試合がまだまだ続いていく。