つれづれなるままに・・・

日々の思ったことを綴っていきます。

それぞれの立ち位置、それぞれの意地―――欧州選手権SP感想

男子シングルが最初から見れないのはわかっていた。実際帰宅してPCをつけた時すでに始まっていた。当初どこから自分が見ているのかわからなかったので何人かぼーっと見ていたのだが、しばらくしてラヤがでてきたのでそこから感想を書くことにした。

初めて見る選手やすごく久しぶりすぎて以前が思い出せない選手とかいろいろ考えながら感想を書いていたのだが、コリャーダまで来た時に感想を書いていたメモ帳が突然消えた。えー、何それ!私のこの2時間をどうしてくれるの!と怒っても後の祭り。今後の反省としてまめに保存しましょうと改めて実感しました。そんなわけで感想はコリャーダからです。

 

ミハイル・コリャーダ 83.96 TES41.83  PCS42.07
コリャーダのわりに軸の怪しいコンボでスタート、と思ったら3A抜け。ジャンプが終わったら滑りも魅せ方も良くなったのでかなり緊張していたのかも。
3Aなしのわりに点は出たのでFSで巻き返しを。

シャフィク・ベゼギエ 76.19 TES39.18  PCS37.01
本日もコンボが2T。セカンド3Tは無理なのかな、もったいない。単独は4S両足、まさかの2クワド構成でした。初めて見たよ。持ち越しプロなので動きはかなり良かったです。


ヨリク・ヘンドリクス 82.50 TES43.07  PCS39.43
相変わらず変な髪形にジャージっぽい衣装。去年はおしゃれだったのに・・・
3Aは回りすぎかな。スピンは綺麗なのでもう少し見せて欲しい。後はラストのぶち切れ感が何とも言えない。

 

アレクサンドル・マヨロフ 78.87 TES41.05  PCS37.82
久々4T着氷を見た。ステップなしで減点だけど、まぁいいのかも。コンボはファースト良かったのにセカンドで曲がったのがもったいない。
しかしこの不思議曲に観客がわく、拍手が響くのがすごい。ちょっと太ったように見えるけど体の切れは良かったです。

 

イヴァン・リギーニ 69.96 TES34.45  PCS37.51  -2
4T・3A転倒とちょっとジャンプがあっていない感じ。タノルッツは頑張った。氷面を非常に大きく使っての演技は好感。ジャンプだけが残念な演技だった。

 

マキシム・コフトゥン 94.53 TES52.97  PCS41.56
6分間で滑りが重いと心配していたがコンボクリーンに成功でほっと一息。ナショナル以外で4回転2本入ったの本当に久しぶり。3Aもまずまずで落ち着いて演技が見れる。ただステップのエッジは甘い感じ。滑り自体もやっぱり重い印象を受ける。それでもエレメンツがすべて入って笑顔で終わるのは久しぶりなので本当に良かった。

 

ダニエル・サモヒン 50.33 TES14.93  PCS35.40
荷物ロスで試合開始前から苦労したサモヒン。4回転は2本とも抜けという厳しいスタート。ただスピンはポジションキープし回転もしっかり良い感じ。と思ったら3Aも抜けという最悪の結果に。やはり合わない靴で演技というのは無理があるのだろう。まだ若いのでこれも経験と乗り切ってほしい。そして3A抜けとともに止まるライスト、せめて見せろ。

 

ミハル・ブレジナ 78.61 TES39.11  PCS40.50 -1
端正な滑りが気持ちいい。SPは4回転回避できたのに3A転倒がもったいない。正直今は基礎点+GOEのTESを稼ぐ戦力が有効なのでそういう意味ではちょっと弱いと思える。ただ地元だからいい演技したかったんだよね。滑りはさすがだったのでFS頑張ってください。

 

アレクセイ・ビチェンコ 86.68 TES47.00  PCS39.68
クリーンな3Aでスタート。4TもOKとロステレの良さを思い出させる演技。大人の素敵さをクリーンに演じきった。正直それほどGOEがつくタイプではないがしっかり基礎点を確保する演技をしたと思う。とっても苦手なスピンもすごく頑張っていたと思う。ステップのレベルがせめて3とれたのか後で確認したい。

 

アレクサンドル・サマリン 77.26 TES40.62  PCS37.64 -1
足が長すぎる弊害のような4T転倒、上背があると転倒も派手に見える。3Aは良かったがコンボが非常に怪しい出来。ロシアンの中では滑りも綺麗でスピンの上手い選手だがジャンプを2つミスしてしまうと厳しい。ジャンプの修正が急務。

 

ハビエル・フェルナンデス 104.25 TES56.93  PCS47.32
地元のブレジナを上回る歓声、ユーロのスターですね。着氷の乱れた4Tにコンボをつけたのはすごいとしか言えない。4Sは非常にクリーン。コンボとりあえず成功で落ち着いたか。慎重というか非常に丁寧に滑っている印象。3Aちょっと怖い降り方だけどOK,ジャンプそろえたのは2シーズンで初めて。終わった後の表情が非常に印象的。とりあえずまとめられてほっとしたのでは。なかなかジャンプが揃わないというのは落ち着かないだろうし。ワールドに向けていい出来だったのでは。


プロトコルは見ていませんが、全体的にPCSは高めでしょうか?GOEもいいものにはついてそうな感じです。

個人的に今日の一番はビチェンコさんですね。あとヨリクも良かった・・・そう書くとなんだか昨年を思い出します。この二人昨年もSP良かったんだよね。ビチェンコさんは昨季よりずっとジャンプの質が良くなりました。そしてヴァシリエフスも良かったです。

 

プロトコルを見るとフェルナンデスはマイナス無しのALLレベル4、あのコンボに一つもマイナスはありませんでした。そしてコフトゥンもすべてGOE+とALLレベル4でした。ただし4Tにマイナスつけたジャッジはいますのでワールドではマイナスになると思います。

そしてびっくりのビチェンコさんのステップレベル4!スピンも3以上に揃えました。確かにGPSより丁寧にエレメンツやっていたけどそれでもかなり驚きです。ぜひワールドでもこれ以上のSPを見せて欲しいです。

一方で3Aがノーカンになったコリャーダはステップでレベル落としています。GPSでは取れていたのでこの辺りもったいなかったです。しかしGOEは2や3ばかりで相変わらず質が良いとみなされています。正直今回はそこまで良かったようには思えないのですがユーロの期待がかかっているのかもしれないです。

ラトデニ君もヨリヘンも良かったですが私が今回気に入ったのは10位に入ったジョージアのモリス・クヴィテラシヴィリと20位のイジー・ベロラドスキーです。初めて見た選手なんですが気持ちがいい演技でした。ぜひFSでも頑張ってほしいです。

 

フェルナンデスの5連覇は固いでしょう。注目はコフトゥンが2位を守れるか、コリャーダが巻き返しロシアナショナルチャンプの意地を見せるかでしょう。3位は気楽でいいなどと寝言を言ってないでコフトゥンは今日の笑顔をFS後にも見せて欲しいです。

そしてビチェンコさんには昨年同様ロシアンのトップ選手を脅かす存在でいて欲しい。サモヒンは残念ながらSP落ちしてしまいましたがその分もぜひイスラエルの存在感を見せて欲しいです。

 

欧州選手権 予想

全米の興奮が冷める間もなくユーロが始まっております。こんな週中から始まって客席埋まるのか心配になります。
しかし格式ある参加するだけで名誉ある大会、どの選手も実力を出してほしい。

 

男子シングルについてはハビエル・フェルナンデスの5連覇は固いだろう。しかし2位以下は全く読めない。

昨年は自爆大会となってビチェンコがイスラエル初のメダルを獲得した。今年はどうなるだろうか?

 

ビチェンコはGPSロシアではよかったがNHKではいまいちだった。
サモヒンは今シーズン今一つジャンプが安定しない。
ブレジナも相変わらず4回転が安定しないし、確率的に言えばロシアンたちもあまり変わりない。
4回転ジャンパーがみんな崩れてしまうとヴァシリエフスやリギーニあたりが上がってくることもあるかもしれない。

それでもいい演技を期待したいのでこういう予想にします。

1位 ハビエル・フェルナンデス
2位 ミハイル・コリャーダ
3位 マキシム・コフトゥン
4位 アレクセイ・ビチェンコ
5位 アレクサンドル・サマリン
6位 ダニエル・サモヒン
7位 ミハル・ブレジナ

 

残念ながらリアルタイムでは一部しか見れない時間帯。でもこの歴史ある大会で今年はどんなドラマが演じられるのかドキドキしながら見守っていきたい。

新たな扉を開く―――全米選手権FSざっと感想

本日は4時起きでした。せっかく見る権利を手に入れたのだから可能な限り見ようと言うことでザンボタイムに洗濯干したり6分間にご飯食べたり・・・会社に行くぎりぎりの時間まで見ていました。


朝の内に見れたのは最終グループのホクスタインまで。第1グループから見た感想を言うとアメリカは下位の選手もスケーティングが良いなぁと言うことでしょうか。ジャンプはアレな選手も多いのですが滑りの基礎はみんなしっかりしているので演技としては見ていられるのが良かったです。この辺りは全日本とは違うと感じました。


選手個人としては
アーロン・・・涙
ブラウン・・・頑張った。出来る精一杯やり遂げたね
ホクスタイン・・・何故そこで3Lz飛んだ!って構成からザヤってるやん!
と言うところでしょうか。ロス・マイナーの3Aが抜けた辺りで泣く泣く会社に旅立ちました。

 

ヤフーのトピックスでネイサンが5クワド決めてぶっちぎり優勝したことは知りました。
アメリカがここ数年持っていたジレンマが晴れた大会になったのでしょう。クワドについて否定的な見解が多かったアメリカですがこの優勝で変わってきそうな気がします。

 

帰宅して最終グループを見返し

確かにネイサンはすごかった!あそこで4S来るとは思ってなかった。でも4回転は全て回り切っています。それは本当にすごい能力。個人的には着氷姿勢がもっと良くなると思います。でも最後のスピンまでしっかり集中して演技していたので非常に良かったです。まだ17歳、もっとできると感じられるところが非常に頼もしいです。

 

そして2位を勝ち取ったヴィンセントもジュニア年代選手。4Sも3Aもクリーンに降りていますし、着氷したジャンプはネイサンよりきれいでかなり好みだったりします。衣装のセンスは正直合わないのですが・・・こちらも将来性が◎、アメリカの期待の星の一人です。残念ながらシニアのミニマムが無いようで四大陸・ワールドの代表にはなれなかったようですが世界ジュニアでぜひタイトルを争ってほしいです。

 

全日本を見終わったとき真っ先に感じたのは羽生結弦はすごい存在なんだな~というものだった。勝つことが求められる試合で勝つ強さ、プログラムを美しくクリーンに滑る能力の高さ、そういったものが別次元だなと思った。

そして今回全米を見てネイサンのポテンシャルすげぇ~の後に来たのが羽生って本当にすごいというものでした。ネイサンはSPFS7クワドで318点、羽生は5クワドで330点を出した。それも4回転は最も基礎点の低い4Tと4Sしかない他国での試合だった。基礎点も大事だけど完成度というかGOEとPCSも大事だと改めて感じ入ります。

正直今のネイサンの演技を見て満点を計算したいと思わない。その必要を感じない。でも来年はどうなるのだろうと予想するのは楽しい。その前に来月の四大陸と再来月のワールドでもう一度今回の演技ができるのか、羽生やフェルナンデス・チャンとどういった争いを繰り広げるのか期待に胸躍らせながら見ていきたい。

そして世界へ―――全加FS感想

カナダナショナルは不思議な開催だ。朝PCをつないで色々やっていたら男子FSがやっているのに気がついた。第2グループまで見て製氷に入ったら次はペアが始まった。そのままペア見て後半グループになったらオフラインになってしまって今日も駄目なんだ、と諦めた。
無料だから映らない部分があるのは仕方ないしせっかく休みの日だがら全米見ようとJスポーツに契約して女子シングルを見ていたのだが、その内またカナダライストが映っていることに気がつく。どうやらペアにしろ男子シングルにしろ最終グループだけは映さないと言うことだったらしい。途中に違う競技が入るのも面白い(ジャッジの休憩時間か?)が本当に変な放映方法だ。

 

そのまま全米の女子シングルを見ていて気がついたけど、せっかく契約しても男子シングル見れなくない?明日朝4時から9時半って半分以上見れないじゃん!
しまった、と思っても後の祭り。何事も確認が必要です。もっと早く契約したら昨日のSPが見れたのに・・・まぁ録画を見直してその分は取り戻せるからいいけど。

それにしてもJスポーツってそのままだと勝手に継続するのだろうか?全くわからない見てしまったので今更ながら不安になっております。カップル競技と男子FS見たら解約すれば良いのか・・・女子見た後に色々悩んでおります。

 

パトリック・チャン 205.36 TES 106.88 PCS98.48
冒頭の4Tコンボはたんまり加点付いてますがそこまで良い感じではなかった。3Aは飛んだ時は駄目そうな感じだったのに飛んでいる最中から良くなった感じ。4Sはチャンにしては珍しい半身開いたような着氷だった。
全体的にジャンプはそこまで良くなかったけど、滑りは前半の3ジャンプが終わった後から落ち着いたいつもの良い感じになった。毎年ナショナルは本当に安定してるなと思います。
ただ現時点ジャンプはそこまで感覚が良いようには見えないのでその辺りの修正ができるかが四大陸・ワールドの順位に影響しそう。

 

ケヴィン・レイノルズ 174.01 TES90.75 PCS83.26
4回転2種4回というのはそこまで高得点にならないのだなと思う演技。基本ジャンプ前が長く単調なので空白が大きく見えてしまう。そこまでGOEが付くジャンプではないので仕方ないのかも。それでも以前よりは情感を見せられるようにはなってきている。
カナダも来季3枠を狙っていると思うのでレイノルズの出来が鍵を握るだろう。回転不足を無くすこととスピンのレベルの確保が3枠への課題か。

 

ニコラス・ナドゥー 165.40 TES79.98 PCS86.42 -1
最終グループ外から4位まで順位を上げた。貴重な3A安定のカナディアンジャンパー。4Loは残念ながら両足だったが回転は良さそう。大柄で動きが大きく見えるタイプなので北米受けの良い選手だと思った。
ジャンプの軸を維持し精度を上げれば活躍できる選手になりそう。キャメルスピンはまだまだ練習が必要。ついでにニューエンからザヤ回避の方法とコンボの計算の仕方を学ぶ必要がある。
良いところと悪いところが結構はっきりしている選手なので非常に今後の期待が持てる。観客が沸く理由はよくわかる楽しい演技だった。

 

ナム・ニューエン 164.52 TES86.58 PCS78.94 -1
2年くらい前とはジャンプの飛形が変わっている気がする。高さが以前より出たが幅は減ったため結構ドッスン着氷になっている。流れがないと演技が切れ切れになるし大丈夫かなという心配がよぎってしまうので純粋に演技に入り込めないのが残念。
ただ一時を思えばだいぶ取り戻しているし表情も良くなっているのでまだまだこれからの選手なのだろうと思う。ただスピンは本気で取り組まないと。ナドゥーのPCSで差を付けられている。スケーティングは少し良くなった気がするのでスピンの強化を急ぎたい。


キーガン・メッシング 158.95 TES81.51 PCS78.44 -1
ライストが復活していることに気がついて見たのがキーガンの時だった。やたら豪快にジャンプを飛んで降りているのが凄かった。転倒はあったが、会心の出来ではなかったか。


アメリカもカナダも力を付けてきている若手が割と上背のある足の長い選手が多いですね。日本では山本を除いて若手で身長のある選手が少ないので凄く印象が違うとナショナルを見て感じた。小さい方がジャンプは飛びやすいのだろうけど見栄えは断然背が有る方が良いなぁと思ってしまいました。
ロマンくんとか今回は苦い結果となってますが、基礎はあるのである時かちっとパーツがはまれば一気に伸びそうな気がします。そういった期待感は全日本を見ているときは感じなかったので日本の若手については結構危機感を抱いています。
それにしても自国のナショナルは見れないのに他国のナショナルが見れるって本当に意味わからない。


ナショナルの結果からカナダのワールドは上位2人、四大陸は表彰台のメンバーとなるのでしょう。割と順当かなと思います。
アメリカは2人目に誰が来るか、現時点では全くわからない状況です。わくわくというよりひやひやといった心境のまま明日の結果を待つことにします。

 

代表を決める戦い―――全米・全加SP感想

昨日いきなり土曜日が休みになりましてやった、全米全加見れる~と喜んで朝から全加見ていたのですが、第2グループでライスト終了。TSNでいろいろやってみたのですが映らず断念。全米も有料チャンネルしかないしそもそもPC環境が良くないので最初からあきらめ。女子SPは見せてくれたのに・・・

全米も全加も優勝は予想通りネイサンとチャンになりそうですが2位以下はわかりません。アメリカではワールドや四大陸の代表がポイント制になるとか不穏な情報が出てきましたので結果次第ではもめごとが起きそうな感じ。でもとりあえずみんなFS頑張れ。

 

とりあえず演技を見た人の感想を上げておきます。

パトリック・チャン 91.50 TES45.21 PCS46.29
ジャンプはみな安定していなかった。しかしカナダでは対抗選手が今のところいないのでこれはこれでいいのかも。昨年はナショナルから四大陸でピークが来てしまった感じがあるので。抜けさえなければトップは確実という試合なのでここから調子を上げてきて欲しい。SPはGPFでジャンプをそろえることができているのでそれほど心配はないといった印象。
GPFで崩れたFSがどこまでまとめられるかを明日確認したい。


ケヴィン・レイノルズ 81.76 TES42.41 PCS40.35 -1
4Sは転倒したがコンボと3Aは良かった。あれくらい余裕で着氷ができるくらい回復したんだと昨季までを思うと感慨深い。このプログラムは軽快な音楽に合わせたステップが見ごたえのプログラム。ジャンプがある程度まとまると見ていて非常に楽しい。
後はスピンのポジションがちょっとよれるのと膝下が少し持て余し感があるのが改善されるともう少し点数が伸びそうだと感じる。


エラジ・バルデ 77.45 TES37.56 PCS40.89 -1
全然静かじゃないサウンドオブ・サイレンスの音楽にもようやく慣れてきた。冒頭の3Fはダウングレードで転倒したが後はまずまずまとめた。GPSではジャンプに問題が多くて心配したが改善してきている感じだ。
動きの魅せ方が面白い選手なのでFSもぜひ頑張ってほしい。


ロマン・サドフスキー 72.38 TES35.98 PCS38.40 -2
見るたびにでかくなっている気がするカナダ期待の若手の一人。4Sは決まったが3Aがダメないかにもなカナディアンな出来、ついでにもう一つ転倒でコンボ無しとなってしまった。
滑りは非常にきれいでスピード感があるし、姿勢もいい、タメのある雰囲気といい選手になる条件は持っているのでとにかくジャンプを揃えたい。


ネイサン・チェン 106.39 TES62.07 PCS44.32
結果だけは知っていたのでとにかく映像が見たくて仕方なかった。4Lzコンボは良い着氷ではなかったのでレビューにならないのが不思議だったが後の2つは問題なし。なんだネイサン、3Aおっかない飛び方じゃなくても飛べるじゃん。ささやかなイーグルサンド3Aが見れました。これから3Aはいつもイーグルから飛ぶといいよ。
ジャンプを飛ぶところと滑って見せるところが完全分離している演技なので正直そこまでPCSを出すべきではないと思いますがナショナルなのでこれはこれでいいでしょう。大きな弱点がないというのは今後非常に強みになると思います。あとはもう少しステップの要素と振りをこなしています感がなくなるといいな・・・現状音楽に遅れがちで何とか追いついてますというところが見れるのでジャンプが揃ってきたのでその辺りをもう少し改善して欲しい。
それにしてもTES62というのはすごい。そこまで盛ってなくてもこの数字が出せるのは4Lzと4Fの基礎点のなせる業でしょう。お願いですから雨スケ連にはネイサンを大事に育てて欲しい。

 

ジェイソン・ブラウン 79.23 TES35.80 PCS44.43 -1
怪我の情報は知っていたので4回転回避は予想通り。3Aのダウングレードと3Lzの着氷不良で点数は伸びなかったが怪我の回復期間を考えると仕方ないだろう。
衣装がGPSまでとは変わってグレーになったが私はこの方が衣装っぽくて好きです。それにしてもPCSがネイサンとほとんど変わらないというのが少し微妙。ブラウンのいい時までまだ滑れていない感じはあったけどそれでももう少し上でもいいんじゃない?


ヴィンセント・ジョー 87.85 TES48.53 PCS39.32
パンツの色は黒の方がいいのではと思ってもう何試合見たのだろう。なんか変なおっさん感があるんだよな、この色。そしてこの音楽の聞き覚え感が個人的にはすごく残念。
4Sは全くステップなしなので国際大会ではマイナスになりそう。3Aはマイナスだがそこまで悪い質ではなかったと思う。ただあまり得意そうではないといった感じ。
基礎力の高いいかにもアメリカンな気持ちのいい伸びるスケートが魅力なので来期はもう少し年齢に合ったプログラムにしてほしい。衣装もそういった感じでぜひ!


ニューエンとマイナー、アーロンの映像が見つからない・・・
明日はライスト見れるところあるのかな。せっかくの休みに見れる時間にやっているのでぜひ見たいんだけど・・・Jスポの有料支払ってもいいんだけどうちのPCがそれほどいいわけじゃないから悩む。払ったのに紙芝居とかなりそうな気がするんだよな。ライスト用にPCのいいやつ用意したいけどそれまでのスペースがないし・・・毎年こんなことを悩んでいます。

カナダは昨季までとあまり変わらない感じですがアメリカは生きのいい若手がぐいぐい来ているようです。来年の五輪を挟んで国際大会の顔ぶれがガラッと変わりそうな予感のする全米となっています。五輪後もし羽生・フェルナンデス・チャンが引退したらアメリカが強くなるのかも、そんな雰囲気を持った大会となりました。

若手もどんどん上にきて欲しいしベテランの意地も見たいし、ブラウンなどの中堅の演技も堪能したい・・・今年も非常に見ごたえのある大会、ぜひいい演技をFSでも見たい。そしてぜひ代表はクリーンな選考をしてほしいと願っています。

更に鬼が笑うことを考えている―――平昌シーズンのその後

今季シーズン開幕前、平昌後のシーズンから男子FSが7ジャンプになると聞いたとき、これで更に高難度化が加速するなと思った。ザヤ対策のため苦手でも入れていたジャンプを入れなくても問題なくなる選手が多いからだ。五輪後は引退する選手も多く出るから一気に世代交代するんだろう・・・そんな寂しい予感がした。

 

しかしここ最近いろいろな選手の最高難度構成を検討していて思ったのは、むしろこの7ジャンプ構成ははフェルナンデスやチャンのようなベテラン選手の方が有利なルールなのではないかということだ。
細かい部分はまだこれから確定するのだろうがジャンプが一つ減るというのはTESの基礎点が確実に一つなくなると言うことなのでPCSの優位性が高まるからだ。ついでにPCSが高い選手は基本GOEも高い傾向にあるため「エレメンツの質が良い」という点がより重要になるためだ。
そう思うとこの7ジャンプルールは高難度を飛ぶ若手に有利とは言い切れなくなってくる。

 

FSジャンプが7つになって30秒演技時間が短くなるルール変更はISUの時間短縮策だろうとしか当初は全く思わなかった。
コールからの演技開始までの時間が2段階に渡って短くなったし、有力選手が後半に確実に来るために世界ランキングでSPの最終組が確定されたり・・・そういうこれまでの変更がよりテレビ放映しやすくするためだったからだ。女子に比べて男子の時間が長いというのも結構やりにくい部分だったのだろう。以前から短縮される話は出ていたからついにその時が来たとしか感じなかった。

 

しかし構成をああでもこうでもないと検討し選手間で比較すると、案外これって高難度が飛べる選手向きじゃないかもと思えてきたのだ。
何しろ演技時間こそこれまでの1/9・30秒も短くなるのに減る要素はたったジャンプ一つだけなのだ。そしてジャンプは飛んで降りるのに1秒もかからない要素だ。

最近日本のメディアでは4回転の種類や回数ばかりが取りざたされているが、実はスケートファンから見れば新採点は高難度よりもむしろオールマイティであることの方が重要だと言うことを知っている。良くも悪くも長い間高難度vs完成度という無毛な論争を新採点になってから繰り広げられていたがそれを昨季の羽生がNHK杯とGPFの2試合で答えて見せた。難度も完成度もレベルも全てが大事、と。

スピンもステップも変わらないのにジャンプが一つ減るのだ。相対的にジャンプの価値が下がることになる。ジャンプで稼げるがスピンステップで取りこぼしの多かった選手は今後更に苦境に立つことになる。
そして現在のスピンステップのレベルは要件を満たすことで確定させるルールとなっている。スピンなら主に必要なポジションと回転数、ステップなら必要要素の数と認定。回転数もターンの数も甘いと認定されないケースが多いため今の上位選手は確実に確保するため以前より時間を掛ける傾向になっている。(その為ステップに時間を取り過ぎコレオステップが極端に短い選手が増えた気がする)。
今のところジャンプ以外の要素についての大きな改訂はないためこの傾向はしばらく続く。しかし演技時間は30秒も縮まるのだ。幾つかの要素においてあるいは要素間のつなぎを削る必要が出てくるわけだ。

女子は7ジャンプ・4分ずっとでやっているからたいした問題ないのでは?と思われるかもしれない。しかし女子は3A以上のジャンプを飛ぶ選手が基本居ない中で実施されている。3A以上のジャンプを複数飛ぶ必要のある男子選手とは同条件とは言えない。

例えばスピンを1回15秒×3、ステップを30秒、コレオを15秒と(ちょっと短めだが)仮定するとそれだけで1分30秒かかることになる。今までは8ジャンプに3分利用できたのが2分半で7つ飛ばなくてはいけなくなるわけだ。高難度を長い助走で飛ぶ選手は複数回入れれば助走以外何もしていないように見えてしまうだろう。TRには直撃だしINやCCにも響きそうだ。
逆に言えば元々つなぎも多く助走の短いジャンプを飛べる選手には影響が少ないというかむしろ追い風になるだろう。無理に高難度化しなくても高GOEを稼ぎ高PCSを得ることで基礎点の差を十分に埋められる。2A以上のジャンプの基礎点が確実に減るのだ。その分を若手がGOEで埋めるのはなかなか今のままでは難しい。

 

ジャンプを1つ減らす一番の理由は放映時間の短縮よりもむしろ偏りだしたTESとPCSのバランスを少しでも良くしようというものだったのだろう。
ただ一方で高難度化は確実に進むことになる。よりその傾向が顕著になればPCSの係数が変わるかジャンプの基礎点が下がることになるだろう。そうなればむしろベテランで安定した演技ができる選手の方が有利になる。

 

現在のルール下でPCS3強といえば羽生・チャン・フェルナンデスの3人。他の選手とこの3人はしっかりと一線が引かれている。プログラムの密度・実施を見ても妥当な結果だ。しかしチャンとフェルナンデスは年齢的に平昌が終わったら引退かなという感じだ。だが選手が多いカナダでもまだまだチャンを脅かすまでの選手はいないし、フェルナンデスはそもそも国内にライバルがいない。自国枠のからみもあるしもう少し続けてはくれないだろうか?そして羽生もソチの後平昌までといって話題が出ていたが、現在でも全く難度的に問題がないわけだし、7ジャンプ時間短縮は身体的な負担も減ることになるだろうからもう少し続けてはくれないだろうか?さすがに北京までは望まないが新しいルール下でベテランの経験と巧さ・強さで若手の追い上げをサラッとかわす姿を見てみたい。新ルールが若手・ベテランどちらに有利なのかぜひその演技で証明して欲しいと電卓をたたきながら考えている。

忙しすぎるとおかしなことを考え始める―――羽生結弦平昌シーズン構成予想

新年明けましておめでとうございます。

私は正月からばたばたした日々を送っています。まだ10日も経っていないのにかなり色々ありまして2017年は波乱の一年なのかなと少しびくびくしています。
年末にトータルで考えれば良い年だったなと思える年になってくれれば良いんですけど・・・

仕事は毎日21時過ぎだし、法事だなんだと西へ東へ飛び回り正直心身共に疲れ切っているのですが、そういう時って変なことを考えるものです。
まだ2016-17シーズンが半分過ぎたところでこれからチャンピオンシップが始まる佳境だというのにいきなり来シーズンのことが気になってしまったのです。鬼が笑うどころの話ではないのですが何となく落ち着かないのと、旅行が半分つぶれてちょっと時間が空いたので纏めておこうと思いました。

 

単純に言うと羽生の平昌五輪の構成はどうなるか?と言うお話です。以前にもちょっと書いたことがあったけど色々状況が変わってきたので改めて考えてみました。

 

今最も構成が高いのがSPでネイサン、そしてボーヤンの10代コンビ。
ネイサンが4Lz+3T 4F // 3A =39.55
ボーヤンが4Lz+3T 3A // 4T =37.73
この二人については来季も構成は変わらないだろう。と言うよりジャンプ3つのSPでこれ以上上げようがないといった方が良い。

対して羽生は現在4Lo 4S+3T // 3A =36.15となっておりネイサンと3.4、ボーヤンと1.58差となっている。
ボーヤンについてはPCS差がかなりあるし上手く降りたときのGOEの差もあるのでこのくらいなら許容範囲かなとは思いますが、ネイサンの3点以上というのは結構あるなと感じます。またネイサンはボーヤンよりはPCSが出やすい選手なのである意味ソチシーズンの羽生並みに上がる可能性は否定できない。そう考えるともう少し上げられるなら上げておきたいところだろう。
ただSPに新しい4回転を入れるかと考えるとNoだ。今季のオーサーのインタを見ても4Loを入れたのは来季を見据えてのことだからファーストジャンプが4Lo 4S 3Aのエッジジャンプ3種類というのはたぶん変わらない。
この3つのジャンプで更に高構成にするためには後半ジャンプを2つにするしかない。

(1)4Lo // 4S+3T 3A =37.63
(2)4Lo+3T // 4S 3A =37.20

ジャンプの種類を変えなくても後半2ジャンプにするとボーヤンとほとんど変わらない基礎点になる。ネイサンとも1点ほど基礎点の差が詰まることになる。この位ならPCSとGOE及び3Aの得意さで十分余裕が持てる気がする。
ただ基本的には(2)を選んで欲しいなと思っている。理由は2つ有って一つはリスク管理、もう一つはGOEだ。


今季の構成はイーグルサンドで4Loを飛ぶことでGOE+3を目指していると思われる。現状まだ達成出来ていないが仮に成功しても昨季の4Sイーグルサンドのように+3付くかと考えるとちょっと微妙だ。というのは女子選手でもSPの単独ジャンプで3Loを飛ぶ選手が結構居るがGOEが高く付くことがほとんどないからだ。それはLoと言うジャンプがステップからどうしても間が空いてしまうように見えるためだ。昨季の4Sはイーグルからスリー・モホークを挟んで即飛び印象が強かったが今季の4Loは(4回転を跳ぶ割には短いが)そこまで即という感じがしない。だったら4Loの入りを少し簡素にしコンボを付けて後半にイーグルサンド4Sを飛んだ方が(出来るかどうかは不明だが)GOEがつきやすいのではないかと思うのだ。4S+3Tは飛べているので4Loがコンボに出来ないときのリカバリが出来ると言う点も大きい。
リカバリしにくい&GOEが付きにくい構成で基礎点を0.43上げるよりよりGOEがつきやすそうな構成にした方が完成度も見栄えも上がると思う。

ということで羽生結弦の平昌シーズンのSPは4Lo+3T // 4S 3Aだったらある程度落ち着いて見れそうだなと思っております。

 

続いてはFS。まずは今季の10代コンビの構成です。

ボーヤンFS
4Lz 4S 3A+Lo+3S // 4T+2T 4T 3Lz+3T 3A 3F =88.1
ネイサンFS(4種5クワド)
4Lz+3T 4F 4S 4T+2T+2Lo //4T 3A 3F+3T 3Lz =91.94 
ネイサンFS(3種4クワド)
4Lz+3T 4F 4T+2T+2Lo 4T //3A 3Lo 3F+3T 3Lz =86.02 
ボーヤンは昨季と同じネイサンも今季今後はおそらく4クワドで来ると思います。

 

対して羽生の今季の構成が4Lo 4S 3F // 4S+3T 4T 3A+2T 3A+Lo+3S 3Lz =87.53なのでボーヤンから少し劣るネイサンよりは高いという構成となります。ジャンプの種類ではボーヤンやネイサンに負けますが3Aが得意でコンボ後半という辺りでその差を埋めているわけです。
ただ現状後半コンボが全く成功していないので基礎点が取れないのですが四大陸とワールドで成功させるために練習してくるでしょう。そしてFSについてはネイサンもボーヤンも来期は上げてくる可能性が高いため今季の構成が上手くいけば上げるという考えは当然出てくると思います。
しかし羽生の場合今のジャンプ種類のまま基礎点を上げるとなると3Aを減らすことになるので旨味が少ない。そうなると新4回転が必要になってくるわけです。

 

ネイサンが構成を上げるとしたら4種5クワドのバージョンでしょう。もしかしたら4Sの位置が違うかもしれないですがどちらにせよ基礎点は90点を超えることになる。
ボーヤンの場合は4Loが飛べるという話があるので3Aが後半に来ることになりそうです。そうなると4Lz 4Lo 4S // 4T+2T 4T 3A+Lo+3S 3Lz+3T 3A =95.61というスピンステップ入れたら基礎点だけで110超える構成になりそうです。4Loが入らない場合は4Lzを2本にしてくる可能性があるので4Lz+3T 4Lz 4S //4T+Lo+3S 4T 3Lz+2T 3A 3F =93.26という構成も考えられる。いずれも90点を軽く上回るのでどちらも実現したらきっと各動画に「若者の人間離れ」タグが付きまくることでしょう。本当に恐ろしいことです。

 

羽生という選手は基本計画通りに構成を上げてきた選手です。だから平昌シーズンでも上げないという選択肢は少ないと思います。
そして上にも書きましたが現ジャンプ種類では今の構成がほぼ最高難度になります。そのため更に上げるとすると新4回転を入れるしかない。オーサーは嫌がりそうですが、高難度化の流れが急激に来ていますのでよほどのことがない限り上げるとすれば新4回転が加わりそうです。
4種4クワドなのか4種5クワドなのかでまた違いますが、入れるという前提で考えてみたいと思います。
条件は以下の通りです。
1.4Lzを入れる。
2.8ジャンプ最終年のためジャンプ6種全て入れる
3.3Aは後半2回、コンボはできる限り後半

単純に今季の構成に4Lzを入れると
4Lz 4Lo 3F // 4S+3T 4S+2T 4T 3A+Lo+3S 3A =95.58となります。ボーヤンとほとんどわからないのですが3Fにもったいなさを感じます。それ以上に後半4Sコンボ2発というのは今季を見るとかなり怖いなと感じます。ただラストジャンプが単独3Aというのは長年ずっと見たかったものなので良い終わり方だなぁと思ったりもします。
これはこれで決まれば高得点で良い構成なのかもしれませんが面白みも少ないとも感じます。というのはGPFのEX練習で羽生がしていたちょっと面白いコンボを見てしまったからです。


悔しさで終わったGPFのEX練習で羽生は今試合では取り入れていないコンボを幾つか練習していました。
ざっと上げると
2S+Lo+4S
3A+Lo+4S
4S+Lo+4S
3A+3T+3Lo
4T+3T+3Lo
4S+3T+3Lo
等が合ったかと思います。
一番まともそうに飛んでいたのが2S+Lo+4Sでこれは現構成で後半4Sが抜けた場合使えそう&REP対策になると非常に感心してしまいました。なんというかサードジャンプに4回転を付けようと考える辺りが凡人の及ばないところだなと感じます。
この辺りのコンボを取り入れた構成を考えるとするとこんな感じになります。

ⅰ.4Lz 4Lo 3F //4S+Lo+4S 4T 3A+3T 3Lz+2T 3A 
ⅱ.4Lz 4Lo 3F //4S+3T 3A+Lo+4S 4T 3Lz+2T 3A 
ⅲ.4Lz 4Lo 3F //4S+3T 3Lz+Lo+4S 4T 3A+2T 3A 

ⅰ~ⅲ全て基礎点97.34


まずはサード4Sを入れた場合の構成を上げてみる。基礎点97点オーバーという凄まじい構成となります。(ⅰ~ⅲは順番を変えただけなので基礎点は全部同じになる)
ただ上の2つとⅲは一つだけ違うことがあります。と言うよりこの構成では上手くいった場合ⅲが一番得な構成になります。GOE係数が×1のジャンプが一番多いからです。ただ・・・ソチシーズンの3Lzからの3連の成功率を見るとまずないなと思う構成でもあります。
それにしても後半の4S+Lo+4Sの基礎点23.65はえぐい。もし成功させたら間違いなく最高得点獲得エレメンツを更新することになるでしょう。(と言うかこれを超えるエレメンツはほぼないのでは?)
+Lo+4Sの3連を入れられた場合良いと思うことは4Sから始まるコンボを1つに出来ることとREPの可能性が低いこと、更に3Lzコンボを自然に入れられると言うことが上げられる。それは仮に冒頭の4Lzが3Lzに抜けても後半の構成をサードの4Sを3Sにするだけで対応できる(基礎点はかなり下がるが・・・)リカバリしやすいメリットがある。ただ基本サード4Sの場合GOE係数×1ジャンプが一つ減るのでそれはそれでもったいない印象だ。

それでは次に3連を+3T+3Loにしてみる。

ⅳ.4Lz 4Lo 3F //4S+3T+3Lo 4S+2T 4T 3A+2T 3A =97.23

+3T+3Loの3連を入れた場合も97点を超える。2Tが増えることにちょっと違和感有るが4Tが1つなのでザヤの心配はまずないだろう。ファーストを仮に4Tにしても3Aでも基礎点は変わらない。
ただ羽生の場合この構成はしないと考える。というのはおそらくサード3Loの3連を仮に成功させてもGOEがあまり付かないだろうと予想されるからだ。
いままでサード3Loコンボを飛んだ選手としてプルシェンコケヴィン・レイノルズがいるが、彼らの実施を見ても3番目のジャンプはほぼ垂直に飛び真下に降りるジャンプをなっている。羽生が練習で飛んでいるのも同じだ。どちらかと言えば背中が反り気味の回転不足を疑われるような着氷になる。そうなるとGOEのプラスは付きにくくなる。GOE+3を目指す羽生の戦略には対応しないジャンプと言えるだろう。
ではセカンドで3Loを飛べば良いのではと言うかもしれない。

ⅴ.4Lz 4Lo 3F //4S+3Lo 4S+3T+2T 4T 3A+2T 3A =97.23

順番を変えただけなのでこれも基礎点は同じになる。ただこれもないなと感じる。というのは幅跳び型のジャンプの選手にはセカンド3Loは難しいからだ。幅跳び型の選手は距離が出るので後方に流れる勢いが付きやすい。一方で3Loは1本足で上に飛ぶジャンプなので力の方角が違う。サードジャンプでスピードが落ちているならともかく羽生のようにスピードを殺さないままジャンプを飛ぶ選手にはセカンド3Loはコントロールしにくいだろう。

ただし・・・もしもセカンド3Loが出来るのならばこれまで上げた以上に難度を上げることが出来るようになる。

ⅵ.4Lz 4Lo 3F //4S+3Lo 4S+Lo+3S 4T 3A+3T 3A =99.76

・・・ほぼ100という構成になりました。(これでも100超えないのかと逆に思ってしまうところが恐ろしい)
男子の場合セカンドルーパーはほとんど居ないし、セカンド3Tと両立できる選手も思いつかないからまず実現しないだろう。しかしそれが可能な選手がいたらぜひ見てみたかった構成でもある。平昌五輪が終わればジャンプが1つ減るのでそういう意味では残念だなと感じるルール変更だ。

 

現実的に考えて羽生が4種5クワドにした場合は最初に挙げた構成かⅰ.ⅱのどちらかかなと予想する。

4Lz 4Lo 3F // 4S+3T 4S+2T 4T 3A+Lo+3S 3A =95.58

4Lz 4Lo 3F //4S+Lo+4S 4T 3A+3T 3Lz+2T 3A =97.34

4Lz 4Lo 3F //4S+3T 3A+Lo+4S 4T 3Lz+2T 3A =97.34

いずれにせよ仮にボーヤンやネイサンが構成を上げても見劣りすることはない。現状4Lzの成功率がどの程度あるのかわからないが、勝ちたいならこうしてくるかもしれない可能性はある。(個人的には2番目が見たいです)

 

鬼が笑う1年と1か月後の平昌五輪で羽生がどんな演技を見せるのか、若者たちがどんな構成で挑んでくるか、世界王者フェルナンデスがベテランのチャンがどういった戦略で乗り込んでくるのか今から非常に楽しみである。

 

ただ今はその妄想を置いておいて今季の終盤の熱い戦いを見守りたい。GPSでいまいちだったボーヤンがどこまで持ち直すのか、ネイサンの羽生の完成度がどこまで上がるのか、フェルナンデスのピーキングが今季も当たるのか・・・そしてアメリカ・カナダ・ロシアのワールド代表が誰になりどう戦うのか。まずは全米と全加が2週間後に迫っている。なんとか落ち着いて観戦できればと思っています。

 

最後になりましたが2017年もよろしくお願いいたします!