つれづれなるままに・・・

日々の思ったことを綴っていきます。

雑記―――コメントに対するお返事

恐ろしいほどにカウンターが回っております。そして幾つかコメントを頂いでおります。通常はコメントにてお返事させて頂いていますが、今回は少し数が多いので記事でまとめて書かせて頂きます。

このブログはkamiyannが自分の記憶と記録を保存するという目的で書いております。そのためこのブログを通してネット上の皆様と交流するということは当初より予定していませんでした。ですのでフィギュアスケートブログを集めたランキング?みたいな処とはつながっていません。個人的に見たいブログさんのメンバー登録に応募したりすることはありますが基本的に読むのみでコメントすることもほとんどありません。交流と言うものも全くないと言っていい状態です。

それでも2年ほど途中抜けたりしながら書いていますのでどこからともなく訪れてくださる方がいらっしゃるようです。毎日数百から1000程カウンターが回っております。時にコメントいただく方もいらっしゃってご意見や考えに触れさせて頂いてありがたいと思っております。

しかしながら昨日の夜から本日にかけて異常なほどアクセスが増えました。以前にも急激に増えたことがありました。その時はツイッターでどなたかが私が書いた記事を紹介して頂いたことが原因だったようですが、今回はその時とも比較できないほど多いので驚いております。というよりかなり怖いです。すごくびびっております。それでもいくつか気になるコメントを頂きましたのできちんとお返事した方が良いと判断しました。全く関係なく訪れた方もいるかもしれませんがkamiyannの考えを上げておきます。

 
>かなりお詳しいようですが、フィギュアスケート関係者ですか? 只、海外の解説者とは大分違う見解のようですね。 ちょっと違和感を覚えました。

私は関係者ではありません。ただのスケートファンです。海外の解説者の見解というのがどの方を指しているのかわかりませんが演技を見てプロトコルを見ての判断ですので同じである必要はないかと思います。あくまで私の個人ブログの中での記事ですので・・・

>I think you don't like Shoma Uno.

これは文面通り私が宇野昌磨が好きではないと思うでいいのでしょうか?どういう意味で聞いているのか判断しかねますが、宇野と言う選手の演技は私の中では好みではない事は確かです。

過去記事を読んでいただくとわかると思うのですが私は男子シングルとしてはジャンプを重要視しています。ジャンプの綺麗な選手が基本的に好きな選手であることが多いです。そしてスケーティングが良いというのも重要です。宇野の演技はこの私の好みの中では当てはまらないのです。だからと言って宇野個人が嫌いと言う気持ちもありません。私は基本演技とプロトコルしか見ませんのでそういう気持ちは起こりようがないのです。

>何やら偉そうに評論家気取りで書いてらっしゃいますけど、あらゆる箇所に宇野下げ要素を撒き散らしていらっしゃってご苦労様ですね、羽生盲目おたくさん! ほんとバカらしくて笑っちゃう。どこ見てるんだか。 たまたま記事を拝見しましたが時間の無駄でした。時間返して欲しいわ。

 

羽生盲目おたくですか。羽生は確かに好きな選手の一人ではありますが別に羽生ファンとは言えないと個人的には思っています。某ブログでクリアファイル収集に触発されたこともあるのですが、貰ったファイルの扱いに今は困っていますし・・・使うことも捨てることもできないんですよね、あれ。その他のグッズも名所めぐりも全く興味ありませんのでファンの方から見れば違うと言われると思いますよ。

上でも書きましたがこのブログはどこともつながりがありません。どなたかに宣伝してほしいなどとお願いしたこともありません。どうしてかたどり着いてしまって不快になられたとしたら申し訳ありませんが、時間の無駄だったから返してと言われましても自己責任でお願いしますとしか申し上げられません。私もいろんなブログを巡って意見や感想を拝見します。中には自分とは全く考えの合わない方もいらしてその場合はさっさと退散してしまいます。毒を吐くのも労力を使います。嫌なものは見ない、と言う対応を取られた方が精神衛生上よろしいのではないかと思います。

 

お褒めのコメントも頂いておりますがこれはこれで怖い部分もあります。ここはkamiyannのブログでkamiyannのその時の考えをまとめておいてある場所なので、あくまでこういう考えの人もいるんだなぁくらいで受け取って頂いた方が良いのではないかと思います。フィギュアスケートが好きで数字が好きで演技を見ながらあれこれプロトコルを検討するのが好きな人間が書いた個人的な文章です。共感されることも不快を感じられることもあるかもしれませんがあくまで「ふーん、そうなの」程度にすませて頂きたいです。

 

それにしても昨日の記事私としては「羽生すげー、ネイサンもすげー、ボーヤンもうちょっと頑張れ!」的に書いたつもりだったので宇野に対してご不快?の感想をこれほど頂くとは思いませんでした。たぶん終わりごろの「ヘルシンキの表彰台に立つ姿が想像できない」と書いた部分が引っ掛かったのではと思います。これはキスクラの宇野とその後を羽生・ネイサンを見て抱いた感想であって私が想像できなくても宇野がワールドで勝てばもちろん表彰台に立てるのです。その時はあんな文章を書いた人間バカだねと笑えばいいだけだと個人的には思います。

 

最後にこれまでそれ程コメントを頂くことがなかったのですべて承認しほとんどお返事を書かせて頂いていました。今回ご不快に思われたらしい方からあまり良い言葉ではないコメントを頂きまして少し考えました。そのコメントを目にした方が不快に感じられる場合やただ単純な悪口・悪意などで問題があると判断した場合は承認しないで削除させて頂きます。お返事についても出来ない場合があるかもしれません。時間差がありましても目は通しますのでその場合は申し訳ありませんが納得くださいますようお願いします。

 
 
 

 

四大陸選手権上位5選手FS比較

四大陸は面白い戦いだった。3位以下は離れたが優勝を争った選手の得点があそこまで拮抗したのは昨季の四大陸以来だろう。

しかしながらテレビや新聞では相変わらず四回転の種類や本数のことばかりで嫌になる。ネイサンが勝ったのは高難度の四回転誰よりも多く飛んだからというのは正しくない。むしろ羽生がSPでもFSでも基礎点を大幅に取り損ねたためだといえる。
四回転の本数を多く飛んで勝てるのなら昨季ボーヤンがとっくに勝っている。昨年末のGPFでネイサンが勝ったはずだしとっくに世界最高得点を超えているだろう。
その辺りまるっと無視して4種だ5本だとことさらに強調するのを見ると本当にうんざりする。
何か情報があるかもと幾つか録画してみたがろくに見ること無くさくっと削除してしまった。

 

それでも大会として四大陸は非常に面白かった。オールマイティの実績がある元世界王者2名に高難度ジャンプを組み込んだ若手達が殴り込みをかけた試合。五輪王者が自らのミスで大幅に基礎点を失いながらもそれでも勝利を目指して可能なかぎりの得点を求めた演技をすれば、若手トップが今できる自分の最高構成で迎え撃ち逃げ切った試合だった。いつもここにはワールドしか載せてないが四大陸の面白さを残したいのでデータをまとめておく。

 

 

<予定構成>

1位 ネイサン・チェン  4Lz+3T 4F 4T+2T 4T //3A+Lo+3F 4S 3Lz 3A =95.33 
2位 ボーヤン・ジン   4Lz+3T 4S 4Lo //4T+2T 4T 3A+Lo+3S 3A 3Lz =95.18
3位 宇野昌磨      4Lo 4F 3Lz //3A+3T 4T+2T 4T 3A+Lo+3F 3S =89.04
4位 羽生結弦         4Lo 4S 3F //4S+3T 4T 3A+2T 3A+Lo+3S 3Lz =87.53
5位 パトリック・チャン 4T+3T 3A 4S //4T 3A+2T 3Lo 3Lz+2T+2Lo 3F =77.16 

 

ネイサンの構成が直前に3A2本になったため1位に躍り出た。ボーヤンとの差は4Fと4Loとサードが3Fと3Sの違いと後半ボーナス点の違いとなる。

羽生と宇野の違いは主に4Sと4Fの差でいずれにせよ四回転の本数が同じならそれ程差がつかない。
そういう意味ではチャンは四回転の本数が少ないのと難易度の低い種類であることでトップとは滑る前から18点以上も差が合ったことがよくわかる。

 

<実施構成>

                    実施内容          予定達成率

1位 ボーヤン・ジン  4Lz+3T 4S 4Lo< //4T+2T 4T 3A+Lo+3S 3A 3Lz =91.58  96.22%
2位 ネイサン・チェン  4Lz+3T 4F 4T 4T+2T //3A+2T+2T* 4S 3Lz 3A =90.38     94.80%
3位 羽生結弦    4Lo 4S 3F //2S+Lo 4T 3A+3T 4T+2T 3A =77.30      88.31%
4位 宇野昌磨    4Lo 4F 3Lz //3A 4T 4T+2T 3AREP 3S =75.13       84.38%
5位 パトリック・チャン   4T+3T 3A 4S< //4T 3AREP 3Lo 3Lz 3F+2T+2Lo =70.53 91.40%

 

実際に一番基礎点を獲得していたのはボーヤンだった。予定された構成を全て飛びURで少しだけ基礎点を落としたという形だ。結果的に2転倒したもののTESが100超えたのはこの基礎点をほぼ確保したという点が大きかった。
ネイサンは+Lo+3Fコンボが2T+2Tとなりそれが一つキックアウトされたことで基礎点を落とした。しかしほぼ95%基礎点を確保したので大きなマイナスにはならなかったことがわかる。
チャンはREPを食らったこととその分のコンボ2T分の基礎点を落とした。しかし予定された構成をほぼこなしたので90%以上の基礎点を確保できた。
一方90%を割り込んだのは日本人2選手だ。結果的に3クワドのチャンの予定構成並みに落としてしまっている。特に宇野はREPとコンボ2つ落としたため15%以上も予定構成から落ちている。宇野とネイサンのFSの点差が16.57となっているがそのほとんどがこの基礎点の確保の差だったということがよくわかる。REPはほぼコンボが絡むのでそのリカバリの重要性をもう少し自覚する必要があるだろう。
羽生については4Sが2Sになり同時にサード3Sを失ったためこの時点でほぼ15点失った。それをその後の構成を大幅に変えることで10点強まで押さえることには成功した。しかし取り戻せない点数は大きかったことは間違いない。

 

<TES計>
             TES  減点  獲得点  
1位 ネイサン・チェン  115.48
2位 羽生結弦      112.33
3位 ボーヤン・ジン   100.74  -2  =98.74
4位 宇野昌磨        98.69  -2  =96.69
5位 パトリック・チャン   88.94  -2  =86.94

 

TESは転倒が無い2選手が上位に来た。やはり転倒してしまうとGOE-3がついてしまうので大きな減点となる。四回転が増えたからと言って転倒することを当然と思ってはいけない。
宇野とボーヤンは結構点差があるがその大半はPCSであり、テクニカル的には予定構成をこなしたボーヤンの方が上だった。
それにしてもネイサンと羽生はジャンプの実施構成では13点以上差があったのに結果的に3点ほどしか違わないという、羽生の恐ろしさはここにあると実感する。ただこの3点を埋められなかったことが羽生が負けた大きな原因でもあったりする。

 

<ジャンプ得点計>
           TES 減点 獲得点  予定構成獲得率  実施構成獲得率
1位 ネイサン・チェン  94.30           98.92%      104.34%
2位 羽生結弦  90.27            103.13%      116.78%
3位 ボーヤン・ジン   83.69 -2 =81.69            85.83%                     89.20%
4位 宇野昌磨  76.70 -2 =74.70            83.89%                     99.43%
5位 パトリック・チャン 67.43 -2 =65.43            84.80%                     92.77%

 

実施した基礎点を上回ったのは上位二人だけ。やはり転倒すると基礎点を下回る可能性が高くなる。
ネイサンの獲得率を見て思い出すのは昨季のボーヤンだ。着氷はいまいちなものがあるが転倒が無いのでほぼ基礎点分確保できると言う結果。今季ボーヤンが昨季より安定していないのはスケーティングが良くなった為もあるが、体格の変化という理由もあるだろう。昨季も衣装が徐々に小さくなって切り込みを入れたりしていたが今季は更に背が伸びたように見える。細身は変わらないが上半身の体つきがしっかりしてきている。その為昨季のまま飛んでも上手く着氷できなくなっているのだと感じる。高く飛びすぎたり一定のリズムがまだ確立されていない。
ネイサンはボーヤンより小さいし体型もどちらかと言えばしっかりしているので案外こういう影響は受けないかもしれないがそれでもまだ17歳だ。感覚が狂うことが無いとは言えない。1年経ってがらっと変わるケースというのはネイサンだけ見てもありうることだと言うことがわかる。更に技術を上げて着氷を安定させることが出来るか、まだ未知数だなとこの数字を見て感じる。
それにしても羽生は本当に面白い。基礎点で10点以上少なくなっているのに結果的には唯一予定構成以上の得点を確保している。これは飛んだジャンプの質が良くGOEが多くついている&転倒などの大きなミスがなかったということ。報道などで羽生は良く転ぶ的なことを言われることが多いがソチの頃よりはずっと少なくなっている印象がある。4回転を数多く飛ぶからと言って転倒が多くなってはいけないという意識があるのだろうと最近の試合を見て感じる。
面白いのは下位3人の獲得率だ。予定構成からでは3人横並びなのだが、実施構成に対しては格段に宇野が良い。これは転倒以外にマイナスを受けなかったことと成功ジャンプのGOEが高かったことで相殺できているということ。宇野のジャンプの質が良いとはあまり感じないが、勢いを殺さず飛ぶということにジャッジが案外価値を置いているということかもしれない。

 

<スピン得点計>

1位 宇野昌磨      12.99 ALLレベル4
2位 羽生結弦      12.86 ALLレベル4
3位 ネイサン・チェン  12.28 ALLレベル4
4位 パトリック・チャン 12.01 レベル4 2つ レベル3 1つ
5位 ボーヤン・ジン   10.52 レベル4 2つ レベル3 1つ

 

チャンはキャメルでボーヤンはシットでレベルを取りこぼしている。
ただ上位4人はレベルとGOEがもらえているので思ったほど差がつく項目ではない。その辺り評価の厳しいボーヤンはきつい。他の選手にアップライトレベル4一つ多く実行されているようなものだ。ボーヤンは回転もポジションも悪くはないが機械的と言うか必要だから回っています的印象を受けるあたりがGOEが伸びないと感じる。
ネイサンはジャンプをそこそこまとめたのでここはしっかり基礎点を確保するぞ的な正確さと言うか正しさを感じる四大陸のスピンだった。

 

<ステップ得点計>

1位 パトリック・チャン 9.50 レベル4
2位 羽生結弦      9.20 レベル4
3位 宇野昌磨      9.00 レベル4
4位 ネイサン・チェン  8.90 レベル4
5位 ボーヤン・ジン   6.53 レベル3

 

納得のチャン1位だが2つしかない要素で上位4人はレベルを確保しているためあまり差がつかない項目ではある。
個人的には宇野のコレオはクロスしてクリムキンするだけに見えるがあんなに短くていいのだろうかと疑問に思っている。その点ネイサンはジャンプだけじゃないよとしっかり見せているのでメリハリがあっていい。
羽生は今回抑え気味と言うか腰かどこかが悪いのかある程度上下動などの動きを制限しているように見えた。その中でこれだけ取れれば十分なのかもしれない。
ただボーヤンにとってはスピンに続いて困難な要件だ。スピンステップで5点羽生と離れている。3回転ジャンプ一つ分のGOEを増やすのはボーヤンには厳しいのでせめてレベルは取っておきたいところ。

 

<GOE合計>
            ジャンプ  スピン   ステップ   合計
1位 羽生結弦      12.97      + 2.86    + 3.30   = 19.13
2位 ネイサン・チェン   3.92          + 2.08    + 3.00   =   9.00
3位 宇野昌磨      -1.57          + 2.79    + 3.10   =   7.46
4位 パトリック・チャン -3.10          + 2.71    + 3.60   =   3.21
5位 ボーヤン・ジン   -7.89          + 1.22    + 1.23   = -5.44

 

転倒2回するとどうしたってジャンプのGOEはマイナスになることがよくわかる。そのマイナスの大きさから先ほどあった構成獲得率の差が出ることもわかるだろう。
それにしても羽生のジャンプGOEは群を抜いている。抜けた2回転以外は全て1点以上のプラスがついている。急遽変えた構成ですら単純な飛び方をしていないので多少着氷が沈んでも付けずにはいられないだろう。それでも質としては2015年のNHK杯やGPFには及ばないのでもっと高得点が出せそうという期待感は非常に感じる。
スピン得点で宇野が羽生を抑えて1位だったが、これは基礎点の差があるためでGOEそのものは羽生の方が多い。そこまで差はないもののジャンプ・スピン・ステップ全ての要素でGOEすら確実に獲得できるということが羽生の強さの真実だ。
そのあたりがジャンプ超特化型のボーヤンがなかなかトップになれない競技だということがよくわかる。
それにしても実施構成で13点以上あった差が、GOEで10点以上縮めてしまうわけでネイサンがどんどん構成を上げていく理由がよくわかる結果だ。如何に稼げるとしてもGOEにもPCSと同じく限界があり、基礎点差を大きくしてしまえばGOEの獲得率での優位は薄れるからだ。これは本来ボーヤンがやりたかったことだったろう。

 

<PCS比較>
                                              SS TR PE  CO IN  合計
1位 羽生結弦      9.46   9.25    9.54    9.46    9.46    94.34
2位 パトリック・チャン 9.25   9.18    9.14    9.29    9.43    92.58
3位 宇野昌磨      9.11   8.96    9.04    9.18    9.25    91.08
4位 ネイサン・チェン  9.00   8.75    8.89    8.93    8.86    88.86
5位 ボーヤン・ジン   8.04   7.43    7.64    7.82    7.79    77.44

 

全般的にパーフェクトと言う選手がいなかったので羽生やチャン、ボーヤンは結構渋めだなと感じる。ただ宇野とネイサンは高めに出た。ネイサンは最終滑走者で高難度構成を転倒なく滑ったため点が出易かったことはわかるが、宇野についてはかなり微妙だ。何しろコンボ抜けだけで済ませたGPFより高いからだ。高難度ジャンプを成功させたからと言う理由で上がるのはボーヤンを思えば妥当ではない気がする。
それにしてもボーヤンとチャンが毎回僅差で競うことになるのがよくわかる。今回もTES12点差VSPCS15点の争いになった。傾向としては同点の場合FSではPCSが上の方が評価される事から結果的にチャンがいつもボーヤンの上に来るという感じだ。
しかしネイサンと宇野がガンガンPCSを上げているのに今季明らかに滑りの質が良くなったボーヤンがほとんど上がらないのはどうしてだろう?TRが低いのはわからないでもないが・・・9点台・8点台・7点台の差がもう少し明確になるといいと感じる。
ただネイサン場合今季初めの頃のプログラムを思うと出したくなる気持ちはよくわかる。シーズン初めの頃は冒頭の4回転4本を同じ方向ばかり回って飛んでいたし、プログラム全体も非常にあっさりしていた。しかしだんだんとプログラムの肉付きも良くなり同じ方向ばかりではなくなってきた。羽生は特にターンが多く際立っているがそこまでいかなくてもある程度方向転換を入れていこうとする姿勢を見せる必要がボーヤンにはあるのかもしれない。
チャンは2転倒とはいえユーロのフェルナンデスを思うとここまで下がるのかとちょっと驚く。
ここではあげないがブラウンがそこまで良くなかったとはいえSSやTRがネイサンを下回ってしまうというあたりでジャンプ構成によって差別化を図る意図も多少見える気がする。それでもチャンは昨季より構成を上げてきているのだから宇野との差がこの程度しかないのかと思うとすっきりしない印象が残る。

なによりジャンプの難度によりPCSの上限が定められてしまうとしたらそもそものPCSの意味がなくなってしまうような気がする。チャン・羽生と宇野・ネイサンの間にはジャンプ以外のプログラムの質などを見てももう少し差があるように感じる。その辺りをもう少し差別化できないか。PCSの意味や運用についてジャッジ間での意思統一を図ってほしい。

 

TESで3.15ネイサンが勝ち、PCSで羽生が5.48勝った。SPで6.08ネイサンが勝っていたのでそのまま逃げ切ったという形だ。その差3.75と言う僅差だった。4Sが抜けてしまったのはある意味仕方ないがLoをつけた時4Sは無理と判断しても3Sを飛んでいたらTESでも上回れたかもしれない。結果的に実施基礎点差が大きすぎたと言うことが今回の羽生の敗因だ。他の選手でもサルコウのミスが多かったので飛びにくい氷だったのかもしれない。ただこの会場で五輪が来年開かれる。その感覚を味わったことは良かったと思うしかない。

ワールドではわからないがラファの発言を聞くとまだネイサンは構成上げをする可能性がある。転倒も駄目だが抜けもまた致命傷になるということが今回認識しただろう。抜けやすいエッジジャンプの多い羽生としては飛ぶ位置や飛び方などで対策する必要がありそうだ。ただ負け方としては悪くないものだったのでワールドに向けて気持ちを切り替えてほしい。

宇野についてはキスクラで笑顔だったことが印象的だった。3Aは得意なジャンプだから次は大丈夫と言うことか、それとも3位になれれば良いということだったのかよくわからないが、勝てるチャンスがある時に自ら先におちてしまうのは勝負弱いと言う印象がある。後で滑った羽生の自らのミスを少しでも取り返そうとした姿勢や羽生の得点を聞いて高難度の方の構成を決意してやりきったネイサンを顧みるとまだその域には達してないなと感じる。五輪金メダルを目指すなら何としてもヘルシンキでは表彰台に載らないといけない。ネイサン羽生フェルナンデスをはねのけてそれができるか、現時点ではその姿を想像できない。

チャンについては今は2種クワドの両立が必須だ。4Sの成功率もだが現状4Tが不安定化している印象があるので少し心配だ。ただ3Aの質はかなり良くなってきている。決めれば加点も多くつくジャンプなのでいい得点源になっている。高難度若手のミス待ちになってしまう部分はあるが質の良いエレメンツと最上級の滑りで上位に食い込んでいって欲しい。

ボーヤンはジャンプの角度が昨季と変わってきているように感じる。体形や筋力やスケーティングの質の向上など様々な要件の変化の中で模索している印象がある。それを掴みさえすれば昨季のような安定したジャンプが戻ってきそうではあるので、落ち着くまでジレンマはあるだろうがジャンプ以外のエレメンツの質の向上を目指してほしい。

ネイサンは今はジャンプの心配はないだろう。安定して離氷も着氷もできている。だから心配なのはケガだけだ。現構成をほぼ飛べるので更にあげるというのもネイサンならいいかもしれない。しかし良い時だからこそ体のケアに気を付けて長く滑れる技術を身に着けてほしい。今季は変えないだろうが来季はスピン1つだけでももう少し早い位置で入れてほしい。まとめて残りのエレメンツをこなすよ的な配置はジュニア上がりだからこそ大目に見れることであってシニアのプログラムとしては物足りない部分だ。PCSも伸びているので来季のプログラムは改善してほしい。

 

1月にユーロがあり2月の四大陸が終わった。四大陸の上位5位までがユーロの2位の上に来る。この選手たちとフェルナンデスがワールドの表彰台を争うことに恐らくなるだろう。熾烈な四大陸を見るとワールドがますます楽しみになってくる。五輪の枠がかかった今季のワールドは非常に重要だ。誰がその頂点に立つのか・・・あとひと月の選手たちの努力と成果を今から非常に期待している。

 

 

 

全てを出し切った者たちの戦い―――四大陸選手権FS感想

女子は見事三原の逆転優勝!オズモントとデールマンがなかなかノーミス出来ないことは想像できましたが三原があそこまで纏められるとも予想していなかった。直前のナガスノーミスが生み出した良い演技が見られるぞ的な流れに上手く乗れた感じだ。初優勝&初200点超えおめでとう!
残念ながら四大陸の優勝ポイントを入れてもワールド後半グループに入れないのですが、評価は上がっていますので再び同じようなSPが出来れば十分入賞圏内に残れるはず。宮原と二人200点超えれば来季3枠の可能性が生まれます。是非頑張って欲しいです。
樋口についてはFSはだいぶジャンプを戻してきたが同じ場所でジャンプが抜けまくった。心理的なものかあるいは怪我のためか両方かよくわからないがワールドまでまだ1月有るのですっきりと気分を切り替える必要がある。魅力のスピード感が感じられなくなっているのでジャンプにミスが出るとPCS評価が厳しくなってしまうのは仕方ない。何かトラブルがあっても転倒や抜けがあってもプログラムにあった表情で最後まで滑りきる強さを学んで欲しい。転倒して腹を打っても笑顔で立ち上がるオズモンド、この強さもいろいろな敗北や挫折から身につけたものだ。是非乗り越えて欲しい。
本郷は急遽の代役で大変だった。本命はアジア大会だったはずだが前倒しで体調を整えたのだろう。体を急に絞ったためか動きが逆に重くなってしまったように見えた。本来なら徐々に体重を落としながら体力を落とさないよう滑り込む頃だったのだろう。本番使用の経験と切り替えてアジア大会に良い演技が出来るよう頑張って欲しい。

四大陸女子はころころ転倒が多い結果となった。氷に合う合わないと言うのがはっきり出るのかもしれない。会場にいる方からは水たまりが見えるというツイも有ったので観客が多いと溶けやすいのかもしれない。その辺りも出場選手は体験できて良かったのでは?今後に生かして欲しい。


レスリー・イブ 146.74 FS93.88  TES52.32  PCS45.56 -4
冒頭3Lz後の腕上げアピールが良い。2転倒で厳しいが丁寧に滑っている。ジャンプが上がったときに軸がゆがむことが転倒の多い原因。空中の姿勢を維持するには身長の割に筋力が足りない感じ。
スピンのスピードはないが滑りは悪くない。首から背中への姿勢が良くないので改善出来ればもっと良くなりそう。
  
アンドリュー・ドッズ 162.05 FS101.88  TES48.04  PCS54.84 -1
二人続けてピアノ曲。大きな3Lzは軸が曲がり転倒、空中で飛形がズレていく様は怖い。ジャンプは全て軸がゆがむのでおっかない。
後半スピードが落ちたせいかジャンプがまずまずに落ち着く。スピードがあるときにコントロールできないのかも。疲れてくるとスピンのスピードが格段に落ちてしまうのが残念。

マイカー・テン 135.79 FS89.38  TES46.24  PCS44.14 -1
体型と横顔的に本田を思い出す選手。大きな2Aでスタート。この辺りの選手はジャンプの前に飛ぶ方向を凝視する傾向が見られる。その域を超えられるかが上位選手との境なのかも。
ステップはかなり緩やかでエッジが浅そう。ジャンプ高さはあるけど締めが足りないのか回転が緩いのがもったいない。中盤のイーグル連続は印象的で良いかも。スピンはまずまず良い。

カイシャ・チョウ 138.46 FS91.08  TES46.88  PCS45.20  -1
2Aでスタート。全体的にジャンプが低いがなんとか着氷は出来ている。振付は右腕だけが動く感じ。ジャンプはもう少し高さを出すか締める力を付けないとなかなか綺麗に着氷は出来なそう。

チー・イー・ツァオ 169.63 FS118.61  TES64.25  PCS56.36  -2
3A転倒。、コンボOK、これまでの選手の中では高さと幅のあるジャンプ。構える時間をもう少し縮められれば評価が上がりそう。中盤の反転して頭打ちそうな転倒が怖い。ステップはタンゴなのでもう少しメリハリが欲しい、腕だけでの表現はいまいち。ラストのシットスピンはポジションも回転も良かった。

ナム・ニューエン 237.08 FS164.09  TES92.57  PCS72.52  -1
4TOK4S転倒でスタート。回転は大丈夫かSPの採点を見ると気になってしまう。ニューエンも腕は良いがそれ以外の上体が動かない印象がある。ジャンプの前以外は以前よりは滑って見える。スピンも上手くはないが頑張っている。ラスト反対?
PCSが低い・・・

イ・シヒョン 195.72 FS130.32  TES64.04  PCS66.28
韓国人1人目、第2グループに集結している。一瞬田中に見えた、体型似てる。上背があるのでジャンプが決まると映える。観客大喜び。しかしスピンは要練習。セカンドループ惜しい。3連がテンポ良い。もう少し長身を生かした振付にしたら良いのに。

マイケル・C・マルティネス 214.15 FS141.68  TES71.56  PCS71.12  -1
くるくる3Loでスタート、コフトゥンみたいな飛び方。3A軸曲がるがなんとか、飛び方がアメリカン。心地よい音楽がBGM化しているのが惜しい。ジャンプ何とか降りているが3Lzでついにコケ。ジャンプ中は非常に単調だがステップが情熱的なのはモロプロらしい。最後まで良く滑った。


ジュリアン・イー・ジージェイ 202.67 FS130.46  TES63.96  PCS67.50  -1
声と共に飛ぶジャンプ、ちょっと格好良い。でも軸が怖い。ジャンプの質的にはロシアン系か、パワフルで重量感がある。黒一色の衣装は面白くないのでもう少し何とかしよう。それから止まって踊るのはいまいち、腕は動くが足が動いていない感じ。ジャンプは悪くないので滑りを鍛えよう。


キム・ジンソ 195.05 FS130.79  TES63.95  PCS67.84  -1
4T転倒3A抜けと悪いスタート。動きは洗練されているし滑りもスピンも悪くない。楽しそうに滑るのも良いがなかなかその上に上がれないのはジャンプかな。どうしても離氷時も着氷も沈んでしまう。回転中も軸が微妙に揺れている。膝が柔らかいのも考え物かも。腰回りが太く見えるので衣装をもう少し改良したい。

イ・ジュンヒョン 187.58 FS120.03  TES56.11  PCS64.92  -1
3Aバッタン転倒痛そう。スタイルは良いけどジャンプはあまり高くない。ただフリーレッグはここまでの選手の中では綺麗な方。ジャンプ中左肩が下がりがちなので軸が曲がる原因かと。後半の曲の盛り上がりに滑りが負けているのでもう少し空間を上手く使えるようになりたい。

第3グループの前にネイサンの構成変更情報キャッチ。
4Lz+3T 4F 4T+2T 4T //3A+Lo+3F 4Sまたは3Lo 3Lz 3A=95.33(または89.39)恐ろしい。でも出来なくも無い構成。やはり3Aの係数は大事と言うことか。わくわくよりどきどきが上回る新情報だ。

田中刑事 220.18 FS142.63  TES68.71  PCS73.92
4S抜け×2でスタート。体を大きく使っての滑りはいいが高難度とセカンド3Tが無いため点数は伸びない。

ケヴィン・レイノルズ 222.31 FS145.95  TES72.31  PCS74.64  -1
4S抜け4T転倒。今日はSでミスる選手が多い、飛びにくい氷なのか。4T2本目は頑張ったが単独なのでREPもったいない。後半に行くほど滑りが伸びていく感じ。冒頭のミスは大きかったが最後まで頑張った。

ブレンダン・ケリー 227.39 FS149.28  TES76.70  PCS72.58  
おっさん度が高くなったケリー君。髪が盛りすぎ?4Sようやく成功が見れた。非常に高さがあって良い。4TはほどけてSO。3Aコンボはタノ。全体的に昨季よりジャンプに高さがある。しかし後半になると軸ぶれが出てジャンプの質が落ちてくる。飛ぶことに集中しているの音楽がステップ以外BGM化している。スピードもがくっと落ちるので体力面が要課題。  

ジェイソン・ブラウン 245.85 FS165.08  TES79.36  PCS85.72
3Aコンボでスタート。2本目はクリーン。キャメルはスピードがあって非常に良い。滑りも全米の頃よりだいぶ戻している。音に合わせてポーズするステップ良し。清涼感に満ちた演技。後半のコンボをもう少し早く消化した方が良い。ジャンプの質がどんどん落ちてゆくので非常に危険。音楽に遅れディダクションとられるか?

ミーシャ・ジー 239.41 FS157.56  TES80.64  PCS76.92
正直に言うとミーシャのジャンプ前の腕が好きじゃ無い。日本の女子選手にもこういう感じ多いんだけど・・・ジャンプの時は演技じゃ無い感じがするんだ。ただ滑るときは非常に曲を意識している。止まるときでは無く滑るときにもう少し膝下が綺麗に伸びると動きが映えると思う。ジャンプが安定したので途切れない一つの演技としてみせられるようになっている。4回転が無いから点数的には伸びないがこれはこれで正解だと思う演技だ。

グラント・ホクスタイン 235.72 FS153.78  TES77.00  PCS77.78  -1
4T何とか3Aコケ、昨年によく見た光景。2本目4Tは何とか。ミーシャの後だと滑りが軽やかに見える。後半になった方がジャンプの質が良くなってくる。ロングイーグルが曲の盛り上がりにきちんと合って気持ちいい。転倒はあったが演技は纏めた。笑顔がかわいい。

ボーヤン・ジン 267.51 FS176.18  TES100.74  PCS77.44  -2
ベストが戻ったボーヤン壁が近すぎたが4Lzコンボ決める。4SSO、4Lo転倒。小芝居がいまいちぎこちないが滑りはだいぶ良い。4Tfall2本目お手つき+2Tで何とかREPクリア。3連もなんとかOKで基礎点の確保はまずまず出来ている模様。かなり体力的に苦しそうだが何とか頑張った。

パトリック・チャン 267.98 FS179.52  TES89.94  PCS92.58  -2
4T+3T素晴らしい!3Aも流れる。4Sfall。ライスト止まるな、頑張れ!3AREPが痛い。後半も滑るがジャンプが飛びにくいのか着氷がいまいち。点数的にまたボーヤンと近そう。

ハン・ヤン 235.45 FS151.37  TES73.09  PCS78.28  
3Aお手つきというか上から落ちたみたいな怖い着氷。4TSO、2本目はコンボOK。ハンヤン凄く太ももの形が変わっている。3A2本目抜け。3LoSO、3Lzコンボは良し。音楽が相変わらず意味わからないがミスが多い割に最後まで集中して滑っている。

宇野昌磨 288.05 FS187.77  TES98.69  PCS91.08  -2
4Lo4FOKの良いスタート。イーグル3Afall。4T何とか、2本目コンボ成功。3AfallREPで3連無し。ラストスピンがよれる。冒頭の良い流れが後半に生かせなかった。

羽生結弦 303.71 FS206.67  TES112.33  PCS94.34  
4Lo4Sまずまずのスタート。後半4Sが抜けるが3A+3Tのあと4T+2Tに変更。ラストは3Aでリカバリ。コンボは3連なしがもったいないができる限りのことはした。

ネイサン・チェン 307.46 FS204.34  TES115.48  PCS88.86
4Lzコンボクリーン、4FもOK、4TSO、2本目何とかコンボ。3A3連何とか4Sも決める。ラスト3ASOでジャンプを纏める。後はしっかりエレメンツをこなす感じ。スピンも回転を数えて回っている様子。


<総合順位>
1位 ネイサン・チェン  307.46
2位 羽生結弦      303.71
3位 宇野昌磨      288.05
4位 パトリック・チャン 267.98
5位 ボーヤン・ジン   267.51


SPの点差が結果的大きかった。ただ2Sに抜けたときに3連を飛んでいたら面白かったかもしれないと言う結果に。やはり規定数のジャンプを飛び基礎点を稼ぐことが大事ということ。それにしても羽生は四大陸にはついてないらしい。
ネイサンも結果的に構成を上げて成功だったのかどうかは微妙だ。全米の構成のままの方がクリアに飛べたかもしれないのに。でも3Aは大事なんだよな。
チャンとボーヤンは今回もきわどい争いでチャンが勝ち。この二人いつもこんな感じだ。
予想から考えると羽生はSPで抜けた分マイナス、ネイサンは構成が上がったためちょっとオーバー、宇野は290超えないところが当たり。チャンとボーヤンは転倒2回で思ったほど伸びなかったと言う結果になった。

女子がころころ転んだが男子も今日は転倒が多かった。ただ女子も男子も結果的には転倒しない構成を完遂する選手が上位に来た。
ここから読み取れることは予定基礎点を確実に得る。コンボは使い切る。転倒はなるべく少なくということがこの会場で勝つのに必須なのかもしれない。

日本人的には残念な結果だが羽生もSPの抜けが致命傷だっただけでFSではネイサンに勝っている。そこまで悲観的になる負け方では無かった。
またここ数年羽生とフェルナンデスで争ってきたがそこにネイサンや宇野のような新勢力が割り込んできたことを実感させる戦いになったことが明らかになったという意味で面白くなったと思う。
来月のワールドそして来年の五輪がますます楽しみになってきた。

羽生も宇野もネイサンに負けたのはコンボを無駄にしたと言うことがGPFの反省を生かせなかった。ただできる限りのリカバリを羽生はし(3連を諦めたのはもったいないが)て結果的にFS4クワド降りたのでまずまずの成果はあったのでは。ついでに私的にラスト3Aが見れたことはラッキーだった。
宇野も4Loが綺麗に着氷できたことは成果だったでしょう。とりあえずテレビ報道的な嘘は解消されたし。
面白い戦いが見れたので地上波大画面を録画で見ることを楽しみにしています。

それにしても宇野とネイサンのPCSが伸びたなぁ。構成が劣るチャンとフェルナンデスはかなり厳しくなったなぁと感じます。

1年先を見据えて―――四大陸選手権SP感想

仕事のため第3グループから。地上波でなくyoutubeのライスト。フジ演出は好みでないので録画して演技のみ後で見るつもり。女子は転倒だらけで点数的には伸びなかったが男子はどうなのだろう。
6分間練習でハン・ヤンが転倒してにこにこしている。なんか新鮮。
ところがさぁ始まるぞ、と思ったところで家族に呼ばれ中座。結局ドッズの途中からしか見れなかった・・・

 

アンドリュー・ドッズ  60.17 TES28.02  PCS32.15
スピンのポジションは面白いがスピードがないのが惜しい。途中からしか見てないが点数が伸びないのでジャンプはいまいちだったのか?
ただステップは丁寧に滑っている。カンガルーがかわいい。


ケヴィン・レイノルズ 76.36 TES39.57   PCS37.79  -1
鮮やかな衣装のかわいいレイノルズ。4S-3Tコンボがクリーン、4Tもステップは怪しいがOK。しかしアクセルはカナディアン、回転も足りない。
緩やかな曲調からテンポが上がってステップになるところが見ていて楽しい。もう少しスピードが欲しいが滑りはまずまず。

ハン・ヤン 84.08 TES44.61   PCS39.47   
ステップ無し4Tこらえ、3Aもこらえ3Lzコンボはまずまず。SPでジャンプをそろえた。やはり四大陸は相性がいいらしい。ただどのジャンプも加点はあまりつきそうでないので点数が伸びない。
あとはスピン、レベルが取れていないものが多いと思う。特にキャメル重点的に練習を。

ここでようやくケリー君を超えた。ケリー君すごいな、後で動画探さないと。

田中刑事  77.55 TES38.90   PCS38.65   
3S抜け、3AはふわっとOK。若干冒頭から音楽と振りがずれているのが気になる。キャメル回転はいいけどスピードがいまいち。コンボ詰まったがセカンドのフリーレッグをきちんとしたのは好印象。
全体的に重そうな感じだったのが残念だった。


ナム・ニューエン 72.99 TES35.38 PCS37.61  
4T-3T何とか、4SOK、2クワド構成できた! 3A軸ゆがみ幅はないが何とか降りた。
スピードはないがステップは非常に丁寧に滑っている。スピンも上手くはないが綺麗にまとめた。

マイケル・C・マルティネス 72.47 TES37.23  PCS35.24   
見違えるほどたくましく成長したマルティネス、別人みたい。髪型は北米系になってしまって悲しい。スパイラルからの3Aなんとか、コンボもまずまず。ただ大きくなってジャンプが怖い。くるくる3Loも何とか。すべてくるっと回る着氷なのでGOEは付きそうにない。
長い腕を大きく使うステップ良し。シットスピンはいまいち。ビールマンまだできるんだ、と思ったけど以前ほど軸が細くないのでスピードがなくなったのが残念。


ネイサン・チェン 103.12 TES59.58  PCS43.54   
アメリカン3連発第1弾。今回の目玉の一人登場。4Lzコンボ見事、4Fもステップ無いけどOK。3Aは何とか。
ネイサンはジャンプが終わると滑りだすところがボーヤンよりいいところ。スピンも加点が取れるタイプなので安心してみていられる。大歓声で100点超えそう。


グラント・ホクスタイン 81.94 TES42.34  PCS39.60  
4T何とか2T、3AはOK。ネイサンの歓声の後しっとりした空気に変えた。吸い付くような滑りが気持ちがいい、軽やかで優しい。スピンも丁寧に回転していた。
見ている人に優しい滑走順だった。

 

・・・この後も書いていたものの保存忘れてデータが飛びました。メモ帳って一定量以上書き込むと固まってしまうのか?もう少しまめに保存しないといかん。

 

ネイサンは事前の予想通り台風の目となりました。ジャンプも安定しているのでFSも全米並みの演技ができる期待があります。

宇野についてはちょっと微妙。何しろ過去2年SP2位スタートじゃなかったっけ?4位以下とはそこそこ点差があるので大丈夫だと思いたいがこの位置にはかなり不安を感じます。

羽生は4Loイーグルサンドを美しく決めたことが収穫でしょう。4Sは6分間の時から軸が外れていたのでそれを気にしすぎたかなという印象。これを失敗するとキャメルのレベルを落としてしまうことがもっと問題。頭バン抜いたほうがいいんじゃないかな?ステップも途中躊躇したような振りが見え?と思ったらレベルを落としていました。何か抜けたか抜いたかしたのでしょう。ズサーがそり切っていなかったので腰が悪いのかも。ジャンプそのものは綺麗に飛べていますしGOEも一人10点以上稼いでいますので集中できれば問題ないかなとは思っています。

ボーヤンは最初の4Lzコンボはほぼ転倒並みの減点になったことが痛かった。スピンとステップもレベルが揃わなかったしGOEもネイサン・宇野に比べて付かないのでなかなか厳しいかなといった感じ。滑りそのものは昨季に比べ格段に良くなっています。ただボーヤンにも曲にもあっているのですが振付にランが多いのは単調に感じます。もう少し変化をつけないと・・・その辺りがTRが非常に低い原因のような気がします。

チャンは冒頭の4Tを豪快に転倒し、コンボリカバリも上手くいかなかったところが伸びなかった。3Aは良かったからもったいない。レベルは確保したが丁寧に滑っているといった印象でいつもの迫力あるスケーティングには物足りなかった。その辺りがPCSで1点以上羽生と差がついた原因かと。

四大陸は毎年好調のハンヤンは今年もいい出だし。ただしスピンは要改善。キャメルはレベルを落としたどころでなくノーカン、シットも2という結果に。これをきちんと押さえればもう1個順位上がったかもしれないのに・・・ただ復活の兆しが見えたことは良かった。

個人的にはホクスタインと減点されまくったがニューエンの演技が良かった。点数的には二人ともそう出るタイプではないので順位は仕方ないが心情的には見ていて楽しかったです。特にホクスタインの癒し感は凄い。ネイサンの生み出した高揚感をすーっと自然に消し去った。一家に一台欲しい空気清浄機的存在かもしれない。

 

さて羽生3位というちょっと予想外の展開です。しかしネイサンと6点、宇野と3点ですのでFSの予定構成基礎点(ネイサンは5クワドで計算)差とPCS差を加味するとネイサンとほぼ同じ、宇野がちょっと下という感じの気がします。ですから基礎点を確実に確保する&GOEをより多く獲得するそれができた選手が勝つというわかりやすい試合展開になりそう。勝負強さでいえば羽生は折り紙付きですしネイサンはその片鱗を見せているので宇野は昨年までの嫌な展開を払しょくできるかが問われそう。

滑走順はボーヤン→チャン→ハン・ヤン→宇野→羽生→ネイサンというなかなか燃える並びになっています。羽生は得意な滑走順になりますので慣れたルーティンでFSに向かえそう。宇野はプレッシャーを感じることなく集中できるかが演技の出来を左右しそう。ボーヤンは思いきり暴れて欲しいし、ネイサンはラスボスでどっしりとした演技を見せて欲しい。チャンとハン・ヤンには四大陸に強い経験と底力を発揮して欲しい。

セカンドサード4回転が生まれる未来

ボーヤンの5クワドFSがネットに上がっていた。それを見ると4LzコンボはGOE+1の加点、4Sはちょいプラス位、4Loは-1、4Tは-2、4Tコンボは+1、3A3連は-2といった感じ。抜け以外はジャンプはまずまずでした。そう思うと基礎点程度は確保できそう。ジャンプのタイミングは昨季並みに取り戻している感じ。ただしジャンプは3Lz以外はほぼ同じ場所で飛んでいる。
スケーティングの伸びは昨季よりは上がっているがジャンプ前は非常に単調、スピン・ステップは昨季並み。そう思うとやはりネイサンよりはPCSが出ないかなという印象です。

しかし8つのジャンプの内、4回転が5つ3Aが2つということでGOE係数0.7ジャンプは3Lz1つだけという事態に。来季1つジャンプが減るのでもう0.7係数ジャンプはなくなることが確定している状態になっています。本当に恐ろしい。
ネイサンは3Aが苦手で現状4Tと3Tが2つというちょっともったいない状態なので4Lzか4Fを2本という構成にもう少し上がるかもしれないですがいずれにせよ二人ともほぼ天井状態になってきています。彼らに勝とうとする選手はこの二人と同じような構成レベルを目指すことになっていくことになる。それは7ジャンプになればなおさらその傾向は強まるだろう。

みんなが多種クワドになって行くといずれ今の女子のような構成横並び時代になるかもしれない。そうなると差別化を図る意味でもより効率をあげると言う意味でも考慮されてくるのはセカンドとサードジャンプの高難度化だ。

現状男子のセカンドサードジャンプは主に2種類に分かれている。
主流派としては羽生・フェルナンデス・ボーヤンのようなセカンド3T・セカンド2T・+Lo+3S(もしくは3F)の足を変えるタイプの3連のコンボ組。これは比較的新しいルール変更で生まれた効率の良い基礎点を稼げる組み合わせだ。
もう一つは昔からあるセカンド3T・セカンド2T・セカンド2T+2Loという組み合わせ(2Loはセカンド3Tの後ろでも良い)でチャンなどが使っている。
男子は女子に比べセカンドサードLoが非常に少ないのでコンボはほぼこのどちらかになっていてほとんど選手間に差がないという状況になっている。
だからファーストジャンプの構成が近くなってくればコンボによって変化が生まれてくる可能性は高くなってくるだろうことは十分予想できる。

 

実際にはまだ4Tと4Sしか飛ばれていない時代にもセカンド4Tを練習している選手はいた。無良がやっているという話も出ていたしそれ以前プルシェンコが3A+4TをUR位で飛んでいる映像が上がったこともあった。しかし現実にならなかったのはセカンド4Tを回転不足なく飛ぶことが難しかったというだけでなくルール上の不利益も有ったためだ。
というのは3A以上のジャンプはGOEが×1係数だが3Lz以下のジャンプでは係数が下がってしまう。2種しかなかった時に3A以上のジャンプにセカンド4Tを付けてしまうと×1ジャンプが一つ減ることになり非効率だったからだ。
しかし3種4種と4回転が増えて×1係数ジャンプがほとんどになってくるとこの状況が変わる。×1倍の係数ジャンプよりも基礎点の高いジャンプを入れる方がかえって効率が良くなってくる事態になってくるのだ。

 

少し前の記事で羽生の来季構成予想を書いた記事がある。これで簡単に説明する。
羽生は基本毎季構成を上げている。来季も上げることを予想すると4Lzを入れる必要がある。その場合の構成を比較する。

4Lz 4Lo 3F //4S+3T 4S+2T 4T 3A+Lo+3S 3A =95.58
4Lz 4Lo 3F //4S+Lo+4S 4T 3A+3T 3Lz+2T 3A =97.34

セカンドサードジャンプを付けるファーストジャンプは変わるかもしれないが基本的に基礎点はどれも変わらないのでこれで比較する。
×1係数ジャンプが多いのは上の構成だ(×1ジャンプ7つ・×0.7ジャンプ1つ下は6つと2つ)
しかし基礎点を見ると下の方が1.76も高くなっている。それは3Sがなくなり3Lzが入ったためでこの2つのジャンプの基礎点の差だ。係数の差で変わるGOEは最大0.9であるからこの基礎点の差の方が多いわけで当然下の構成の方が最高点も高くなることがわかるだろう。(最高点は上が118.68、下が119.54)ここまで4回転が増えてくればGOE係数差のメリットがなくなる可能性があるわけだ。しかもGOE+3など出ることはほとんどない。3A以上のジャンプでGOE満点を取ったことがあるのはチャン・羽生・フェルナンデスの3人しか居ない。ものすごくまれな現象であると言える。
しかしながらジャンプの基礎点は違う。回転不足なくジャンプが降りれればGOEに関わらず満額もらえる。ジャッジによって匙加減の異なるGOEよりも基礎点の方が確実に点数に響いてくるのが現状のルールだ。係数で得る点数より基礎点差が大きければそちらを選んだ方が得だろう。
(余談だが上の羽生の予定構成の場合で言えばREPの可能性がほぼなくなるというメリットもあったりする。)

 

そんなわけで4種以上のクワドを入れられるようになるとセカンドやサードに4回転を持ってきても効率が悪くなくなるという状態になる。
そうなれば構成的にも入れようとする動きはこれまで以上に出てくるだろう。

生み出される可能性ではセカンド4Tかサード4Sであるが現状3種以上のクワドを飛ぶ選手で考えればネイサンとボーヤンはセカンド4Tを羽生はサード4Sかなという気がする。
実際羽生は練習している映像が出ているのであるいはという可能性はある。しかしネイサンとボーヤンはどうだろうか?セカンド4Tの可能性は出てくるだろうか?
可能性はないとは言えないが今の段階では当分ないかなと言う気がする。というのはこの二人あまりコンビネーションジャンプが得意というわけではないからだ。そもそも男子でコンボが得意という選手は現在ほとんど居ない気がする。ボーヤンはLzに3Tを付けているがセカンドの着氷が詰まることが多い。ネイサンは4Lz・4Fどちらにも3Tが付けられるがセカンドジャンプにそれ程高さがない。二人とも着氷が前傾になりがちのジャンプが多いので4回転回るほどの高さを生み出すことは現状では難しそうだ。最もまだ二人とも成長期で体が完全にできあがっていないのでもう少し筋力を付ければ変わってくるかもしれない。しかし逆に今のジャンプが飛べなくなる可能性もある。単純にパワーが付けばいいわけではないことがフィギュアジャンプの難しいところだ。


その辺り足を踏み換えて勢いを出すことが出来ればサード4Sの方が出来そうかなと言う気がする。もっとも羽生も3連の成功率はそこまで高くないのでよほどタイミングが上手くはまらなければ無理そうだがちょっとだけ期待はしてたりする。

 

ネイサンとボーヤンのセカンド4Tを入れた場合の構成を考えてみる。

4Lz+3T 4F 4T+2T+2Lo 4T //3A 4S 3F+3T 3Lz =91.96
4Lz+3T 4Lz 4F 4T+2T+2Lo //3A 4S 4T+2T 3Lz =97.46
4Lz+4T 4Lz 4F 4T+2T+2Lo //3A 4S 3F+3T 3Lz =101.26
4Lz+4T 4Lz 4F 4T+2T+2Lo //3A 4S 3F+3T 3Lo =100.27

ネイサンのコンボが現状のままだとセカンド4Tを入れる必要は4Lzか4Fを2つ入れた場合で初めて生まれる。2回転が1つ減り3回転が増えるので結構大きく基礎点が上がる。今回は4Lzを増やした場合で計算してみたが、Lz3回だとザヤの可能性が非常に高くなるのが気になる処。3Loの方が基礎点は下がるが危険は少ない。いずれにせよ基礎点が100超えるのが凄まじい。

 

ボーヤンの場合

4Lz+3T 4S 4Lo //4T+2T 4T 3A+Lo+3S 3A 3Lz =95.18
4Lz+4T 4S 4Lo //4T 3A+Lo+3S 3Lz+3T 3A 3F =98.98
4Lz+3T 4Lz 4S //4Lo 4T+2T 4T 3A+Lo+3S 3F =99.86
4Lz+4T 4Lz 4S //4Lo 4T 3A+Lo+3S 3Lz+3T 3F =104.43

ボーヤンもセカンド4Tによって生み出される基礎点の差が大きい。何しろ2Tが3Lzまたは3Fに変わる訳だから。セカンド4Tが入ると2回転をなくせる利点がうまれる。4Lz2回は難度が高いが現状の1回のままでもセカンド4Tを入れられることがネイサンと違う。コンボがうまくなったら頑張ってみたら面白いかもしれない。

 

現状3種以上のクワドが入れられるのが3人しかいないのでセカンドサード4回転はまだまだ未来のお話だ。しかし時代は今急速に進んでいる。この3人以外にもある日突然入れてくる選手がいるかもしれない。GOE係数の効率さえ気にせず入れられるから入れちゃえ的に投入する選手も出てくるかもしれない。そんな未来があっても面白い。いずれ見られるその構成がどんなものでどのくらいの基礎点なのか、計算しながら楽しみに待っている。

 

四大陸選手権予想

四大陸開幕直前と言うことで色々情報が入ってきている。
まずはテンとアブザルのカザフコンビの棄権。テンはユニバの演技を見て棄権するだろうと確信があったがまさかアブザルまで出ないとは驚いた。アブザルの発表の方が早かったのでテンが出ないからと言う理由ではないだろうが残念。アジア大会の方は出場するようなので是非頑張って欲しい。

 

そして昨夜ツイを騒がしたのがボーヤンの新構成。昨季のNHK杯では4つで十分と良い今季はPCSを伸ばすことを目標にしていたボーヤンがここに来て構成を上げてきた。
これは今季の点数が思ったほど伸びなかったことよりもやはりネイサンの登場が大きかったのでしょう。高難度で自分よりもPCSが出る選手が登場してしまうと勝つため負けないためには上げるしかないのかもしれません。

新構成は下の通り
4Lz+3T 4S 4Lo //4T 4T+2T 3A+Lo+3S 3A 3Lz =95.18

うーん、凄い。スピンステップで18点足すと基礎点だけで110点を超える。たいしてGOEが付かなくてもFSで200点超えそうです。
この構成を国内のテストスケートで滑ったようで2本目の3Aが抜けた以外は着氷したた模様。ボーヤンの場合は着氷してもクリーンかどうかは微妙なのだが降りれるのならば試合でも挑戦してくるでしょう。四大陸の空中戦がますます凄まじくなりそうです。

 

テンがアウトしたので四大陸の金メダル候補は羽生・チャン・ネイサン・ボーヤンの4人になりそうです。表彰台候補としては上記の4人に宇野・レイノルズ・ハンヤン・ブラウン辺りが加わりそうな感じ。
スコアとしては優勝が295点以上おそらく300は超えることになりそうです。表彰台は一応270点以上と予測しますが280点を超える可能性が高いです。そういう意味ではユーロより熾烈な戦いになるでしょう。

 

300点を超えると考えると一番可能性が高いのは羽生結弦。すでに1度NHK杯でこれを超えています。これもFSでREPという転倒以上のマイナスを食らっての得点なのでそれがなければ310点も軽く超えそうな予感がします。2か月ほど試合が空いたことがどうでるかわかりませんが滑り込みはできたでしょうから怪我さえなければNHK杯・GPF以上の演技は見れると思います。

ネイサンは全米で羽生以上の得点を挙げていますがこれはナショナル採点なのでストレートには受け止められない。ただしあの演技をすれば国際大会でも300は確実に超えるでしょう。そしてここまで試合をするごとに良くなってきているという実績がありますので今季は怪我さえなければ好調を維持出来そうです。ネイサンも4回転が多い割には転倒はそれ程ないのでターンオーバーやステップアウト程度のミスにとどめられれば300点と表彰台は高確率で見れそうです。

ボーヤンについてはツイ情報、それもジャンプを降りた的な情報しかないのでちょっと微妙ですがどの程度の着氷であれ抜けと転倒がなければFSのTESで100は確実に超えます。ですので重要なのはSPだと思います。トップと僅差にいればPCSであからさまに差を付けることはないので転倒なく滑れば80超えてくると思います。高難度をクリーンに降りればTESも120近く出るでしょうから昨季より200越の可能性は高くなる。四大陸は昨季も良かったので期待が持てます。とにかくSP次第、300越はそこにかかってくると予想します。

チャンは昨季から懸案だったSPがGPFでとりあえず纏められたことがとりあえず朗報。ただSPは1クワドなので100越出来るかは微妙。300越するためにはSPを纏めた上にFSを1ミス程度で収めることが条件かな?羽生・ネイサン・ボーヤンに比べて構成が劣るので確実性が必要だが、2種クワドの影響からか4Tの着氷が昨季に比べていまいちなのが気になるところ。優勝はチャンが演技を纏めた上に高構成の3人の出来次第といったところか。

ハン・ヤンも構成を上げてくるという情報が入っている。4T2本の4S入りと言うことでチャンと同じくらいになりそう。四大陸では表彰台に上ってきているが現時点では4Sがどの程度かわからないので今季はちょっと厳しいかなと予想。4Sがどうのと言うより3Aと4Tを確実に決めることがまず大前提。決まれば加点がもらえるタイプなので良い演技を是非見せて欲しい。

レイノルズは4回転については今季ほどほど安定した結果を見せている。ただ加点の付くタイプではないので確実性が求められる。滑りを魅せられるようになってきているのでクリーンの全ジャンプを降りれればPCSを伸ばすことは出来そう。そうすれば表彰台も見えてくる。

宇野についてはCM等から4Lo投入が確実のように推察される。ただ入れたから点数が伸びるのかは不明。宇野についてはSPでステップからの単独ジャンプと4+3コンボを決められるかが大問題。ジャンプの質についてはスピードを殺さず飛べること以外評価するところが見えない。4Fも4Loも今回複数の選手が飛んでくるため比較されるだろう。正直どういう採点がされるか読めない部分が大きい。ネイサン・ボーヤンよりはスピンで点数が取れそうだがジャンプの方が数が多いのでどこまで有効かは不明。

 

そんなことを踏まえてできるだけいい演技が見られる前提で予想しました。

 

1位 羽生結弦       310以上

2位 ネイサン・チェン   290~305

3位 ボーヤン・ジン    280~295

4位 パトリック・チャン  275~295

5位 宇野昌磨       270~290

6位 ケヴィン・レイノルズ 255~275

 

ハン・ヤンについては点数の予測がつかない。ブラウンについても怪我の回復程度がわからない&4回転を入れるか入れないかが不明なので現状そこまで点数が伸びるとは思わない。URでも着氷すれば入れない時より点数は出そうだがURで着氷することがいいとは思えないので無理そうなら抜いてパーフェクトの演技をした方がいいとは考える。

ニューエンについてはジャンプはそこそこ戻しているが以前に比べ転倒が増えてきているので確実性という意味でのPCSの伸びはいまいち。かといって滑りの質・エレメンツの質もそこまでいいというわけではないのが悩みどころ。背が伸びてよりスピード感が感じられなくなってしまったところが現時点では痛いと感じる。

田中はユニバから連戦で大変だが評価を伸ばす機会として底力を見せて欲しい。REPを食らわない、4Sを確実に降りる、3Aを3本決める、これができれば250超えも夢ではない。順位的には過去最高はちょっと難しい状況だが点数での実績をぜひ作ってほしい。

 

ユニバーシアードFSざっと感想

カザフスタンの公式ライストが1時間半くらい経つと勝手に切れるのが困る。演技中とかお構いなしなんだもん。時々ボケボケしだすし・・・まぁF5押すとすぐに回復するからいいんだけどね。

第1グループの時はがらがらだったが徐々に観客が増えてきて盛り上がっていくのが面白かった。カザフスタンでこういった大会を開催するのは初めてなのかな?フィギュア人気が定着すると良いのだけど。

結果は地元のデニス・テンの優勝。2位がFS3位を確保した田中、3位にFS2位になったマヨロフが入りました。マヨロフ良かったけどこれどっちかと言えばユーロでやるべきじゃなかったのか?枠がかかってたんだから・・・その辺りがもったいない。そして日野が6位、川原も順位を上げました。日本男子頑張りました!

 

テンは優勝しましたがFSはかなり問題のある出来となりました。4Sは4Tがクリーンでなかったので自重した感じですが3Aが2本とも失敗しコンボが1つしか入らなかった。滑っているときもステップ以外ほとんど上体が棒立ちで体力が伴っていないのが明らかでした。今季あまり試合に出ていなくて間に合っていない感が満載。今回はこのメンバーだったからまだPCSが出ましたが正直四大陸やワールドでこの数字が出るとは思えません。体力がないようなのでスピンの質も良くなかった。連戦となる四大陸が大丈夫なのかかなり心配です。

田中についてはまずまずな感じでした。ただやはりREPは痛かった。1本目の4Sもそれ程良い着氷ではなかったですが2T無理して付けて方が良かったのでは?それから3Aも2本とも良いとは言えない着氷でした。REPとなった場合のコンボリカバリも出来なかったのでその辺りが四大陸への課題だと思われます。2週間ないのでとりあえずは体を休めながら対策を検討して欲しい。2位おめでとう!

日野は4Tコケと3Lz抜けが点数的に痛かったがコンボ3つきちんと入れたし、リカバリもできる限り点数を獲得するものを選択した。丁寧に滑っていたし本当に昨季までとはカラッと演技の印象が変わりました。この上をいくには4回転を確実に決めるしかないのでなんとか確率があげられるように頑張ってほしい。

川原は良いところはいいけど色々もったいないが付きまとってしまう演技だった。それでも順位を上げたし今できる部分は頑張ったと思う。3Aを確実に決められるようになればもう少し上に行けるので何とか頑張ってほしい。

個人的にはマヨロフが本日の1位でした。ラストのベターと氷に這うようなハイドロも面白かったし成功したジャンプはなかなか質も良かったです。4Tもこの大会安定していたのでぜひこれを継続しワールドで暴れて欲しいです。

 

ユニバはミニマムとか関係ない大会なので普段目にしない選手が見れるのが面白い。でも結構ユーロから連戦の選手が出場していました。ブレジナの久々の4S成功も見れましたしなかなかレアな大会となりました。

 

次は再来週の四大陸。羽生にネイサン、チャンにボーヤン、レイノルズと4回転台乱舞の大会となること間違いなしです。しばらく試合の空いた選手もいますし出場選手たちがどの程度今季のプログラムを成熟させてくるのか非常に楽しみです。優勝スコア、表彰台スコアをどの程度に設定して予想するかすでにいろいろ考えすぎて混乱しています。それを上回るような物凄い大会になるといいなと願って試合を待ちたいと思います。