つれづれなるままに・・・

日々の思ったことを綴っていきます。

ベテランという名の戦士たち―――NHK杯FSざっと感想

初のスマホによるライスト観戦でした。

youtubeさえもスマホで見るのは初めてだったので当初はなかなかたどり着かず・・・検索の仕方を悩むこと5分、検索しても出てこなくて更に悩むこと10分・・・結局ツイッターでスケカナの時にリツイートしたアドレスから飛んでようやくたどり着くことができました。
1/3サイズの画面は荒く輪郭もぽやぽやしていてTESカウンターの数字は1以外は判別できず・・・それでも回転不足や両足着氷もわかる程度のは見れたので良かったです。
当初は5分おき位にトイレの前でこっそり見ることを繰り返していたのですが、案外人通りが多く、最後の4人の時はもう堂々と見てしまいました。

 

1位セルゲイ・ヴォロノフ 30歳、2位アダム・リッポン 28歳、3位アレクセイ・ビチェンコ 29歳という平均年齢29歳の表彰台はソチ以前を含めても最高齢では無いでしょうか。この高難度時代にあっても自らのスタイルを貫いた者達による勝利だったと言えます。本当におめでとう!

 

ヴォロノフがPBを出してトップになったとき、頭に浮かんだのは「無良、君が今やるべきはこれなんだよ」と言うことでした。背伸びしすぎないで出来る可能な限り高い構成を組み着実に実行すること、スピンステップでできる限りレベルを確保すること、この2つ。そこまで高いGOEが付かなくても若干着氷が乱れても今まで長きにわたって世界で戦ってきた実績もあるのだからこの2つさえしっかり行えればある程度の点数は出るはず。構成に悩みながら演技するのでは無くこれと決めた構成とプログラムをしっかりとやりきること、PBの高さから言ってもそれが出来れば3枠目には入れる可能性は高くなる。どうかこのヴォロノフの姿から戦い続ける勇気と力を受け取って欲しい、そう思った。
そう感じさせるくらいヴォロノフの演技は力強く意思の通ったものだったと思う。若手には出せない魅力がここにある、演技後両手を上げて観客に応える姿に目頭が熱くなった。初GPS優勝、本当におめでとう!!

 

リッポンは4Lzを着氷して非常にうれしそうだった。明らかに回転不足な着氷だったのでその部分のマイナスは仕方ないだろう。しかし「着氷した」という事実はその後の演技に良い意味で作用したと思う。SPの遅れを取り戻して表彰台に上った。まだ1戦目であることからファイナルの可能性もある。五輪の代表を掴むための戦いもあることから良いアピールになったのでは無いか。
レベルも全て4で揃え特に得意なスピンでは多くのGOEを得た。自分の強みを大いに生かすこれもベテランの戦い方だと思う。次戦はスケアメでネイサンやボーヤンもいるが3位に入れればファイナルの可能性も高くなる。是非頑張って欲しい。

 

そして3位にはビチェンコが入った。1本目の3Aの着氷が乱れても直後の3Aをしっかりコンボに出来たと言う点が表彰台の確保と言う事に大きく作用した。ミスを後に響かせないこと、それはいつの時代のフィギュアスケートでも大事なことだ。相変わらずレベルは取りこぼしているしGOEはそんなにつかないがそれでも3位に入ったと言う事は大きい。フランス杯は連戦だしフェルナンデス・宇野・アーロンやサマリンとファイナルに進むにはなかなか厳しいアサインだが怪我などに気を付けて頑張って欲しい。

 

表彰台からこぼれ落ちたのはブラウン。4回転を回避し安全策で表彰台確保を狙ったが得点源の3A2本失敗しREPとコンボ不足を招いてしまった。この時代守りに入っては駄目なのだなという結果かもしれない。
ファイナルはフランス杯の結果に左右されそう。フェルナンデスと宇野が1位2位を占めてくれないと微妙になるかもしれない。4回転はともかく3Aを確実に成功させる必要があるのでその調整をしっかりして欲しい。

 

NHK杯でファイナル当確者は出ませんでした。羽生というカリスマ選手がいない戦いとなったことで改めてフィギュアスケートとはどんなスポーツなんだろうと考えさせられたりもします。4回転バンバン見ることも興奮しますが、個性あふれる演技をじっくり堪能することもやはり大きな魅力であると感じます。羽生を除く日本男子選手はそのどちらについてもまだもう少し力が必要なのかなとも感じたりもしました。今回NHK杯に出た二人もその他の選手たちも代表を争う上でいろいろ参考にして欲しいなぁと思います。

幾つになっても意思を失わなければ戦い方は各々にある、それが今回のNHK杯男子シングルで得た大きな感想となりました。また今後の楽しみが増えたいい試合だったと思います。参加した選手の皆様お疲れさまでした。この経験を踏まえた次戦を楽しみにしています。そして不本意な棄権となった羽生もまた一つ経験をしたと思って次に進んでください。

 

より高く飛び立つために―――羽生結弦NHK杯WDに

午後1時過ぎだったかようやく「羽生棄権」の報を目にしほっとしました。

 

おそらく羽生は4Sと4Tが飛べれば表彰台には乗れる、GPFまで4週間あるからそれまでには回復できて戦えると思っていたのだろう。その考えは理解はできるしその意識こそが羽生結弦だと思う。それでも今回に限っては棄権して良かったと思いたい。なぜならば怪我をしてしまったからではなく怪我をしてもまだ試合を考えられる状態だったからだ。

骨折などの重傷だったらその場で棄権しただろう。そこまでの怪我だったら五輪出場さえ本当に危ぶまれただろう。しかしそこまでひどくはなかった。羽生が望んだとおりやろうと思えばやれないほどではない状態で済んだ、それは不幸中の幸いだったといえる。しかし医者としてはやれるかもしれないが「確実に悪化させる」ことが見える状態だったからドクターストップを掛けたのだろう。五輪という最高の舞台を前に「悪化させた怪我」のリスクを負うべきではない。五輪の金メダルと引き換えるにはGPF五連覇は妥当ではなかったはずだ。

とりあえず今持ってしまった怪我をできる限り直すこと。その上で改めて体を作り直すこと。今回については前日に熱を出したという状態でそこまでもそれほどいいジャンプを飛べていなかった中4Lzというジャンプに向かってしまったことが良くなかったのだろう。制限された練習時間の中でどんな風に体を作っていくのか改めて検討するいい機会になったと思ってほしい。

 

GPFがなくなり1月半時間ができた。カナダに戻って治療しながら全日本に向けて再スタートになるだろう。

ポジティブに考えれば、GPFから全日本まで2週間という過酷スケジュールはなくなった。フェルナンデスもGPFがなくなったことから手術明けのオーサーへの負担も少なくなった。けがの治療を必要とすることから練習や試合ばかりを考える張り詰めた緊張感から多少解放された。改めて自分の考えを整理する時間をとれた。試合から離れることでマスコミ対応の時間を減らすことができた・・・・・・五輪という大舞台を前に悪いことばかりではないと思う。

医者からストップをかけられ涙したという羽生。何を感じて涙したのかはわからないが色々な思いがあったのだろう。それをすべて経験として次につなげていくことができる選手だと思っている。より高く飛ぶためには一度しゃがむ必要もあるだろう。今はその時間なんだと思って回復を第一に考えて欲しい。その上でさらに高みを目指すためにどうすべきか検討しその力を蓄えて大舞台に向かってほしい。

昨季もインフルエンザで不本意な棄権があったが2戦目のワールドで最高の演技ができた。全日本に出場出来れば五輪は2戦目だ。昨季できたことが今季もできないはずはない。平昌で金メダルを、その思いで今の苦難を乗り越えて欲しい。

 

 

それにしても・・・昨日テレビで羽生の転倒シーンを見て以来私も右足首に違和感を感じるようになってしまった。8年ほど前に右足首にひどい捻挫をしたのですが今でも何かあると出てくるんですよね・・・フィギュアスケーターにとって捻挫は良くある怪我なのでしょう。本当に過酷なスポーツだなと足首をさすりながらNHK杯の動画を見ています。どの選手もそういった痛みからできるだけ離れていますように、今痛みを持っている選手には早く回復しますように、改めて願っています。

王者は去り戦いは続く―――NHK杯SPざっと感想

誰が勝っても初タイトルとなることが確定したGPF。そこへの出場権を獲得するための試合が続きます。
とりあえず今回のNHK杯は羽生・チャンと優勝候補がいなくなってしまったため誰が表彰台に上るのか読めない戦いとなりました。

 

そしてやはり帰宅が間に合わず途中からの観戦です。

見たのは1位となったヴォロノフから。衣装は何をイメージしているのか全く理解できませんがとりあえず衣装だとわかるから良しとしましょう。
そして久々にジャンプを揃えた良いヴォロノフをみました。それにしてもSPから3Lzを入れてくるとは!30歳になっても構成を上げてくるというアスリートの姿勢を見せてくれました。
スピンもしっかりレベルを揃えましたし、ベテランらしい観客を意識した演技を見せてくれました。若手がぽんぽん高難度を飛んで点数を稼ぐ戦いが増えてきた中でこうしてベテランが違う魅力を見せて対抗してくれるのはうれしいです。
しかしヴォロノフのここ数年の課題はFSを纏めること。是非明日も頑張って表彰台に乗って欲しいです。

 

2位はビチェンコ。ジャンプは見た中では一番良かった気がします。そしてビチェンコも構成を上げコンボが3Fから3Lzになりました。年を取るにつれて演技が安定してくる不思議な選手です。
ただJOのときは揃ったスピンが今回は駄目でした。スピンは弱いのでレベルはしっかり取っておきたいところ。
そしてステップはJOの時よりもずっと良かったです。表情や目線の使い方など流石に元ロシアンと言う感じ。FSも頑張って是非表彰台に乗って下さい。

 

3位はブラウン。3AのSOとコンボが2Tになったことで点数を取りこぼしました。しかしPCSは非常に高く平均9点台間近に。
衣装も曲に合っていますし無理の無いジャンプ構成ですのではらはらしながら見なくて良い良さを感じる演技です。足を真上に上げた状態で体を止められる体幹の強さとバランス感覚が素晴らしい。ブラウンを見ていると体ってこうやって動かせることが出来るんだなと勉強になります。
4回転は課題ですがそれをミスっても他を纏めれば逆転1位は見えるはず。笑顔の表彰台が是非みたいです。
そしてキスクラでの羽生への温かいメッセージ、人柄の良さが窺えます。またファンを増やしました。ただ日本語は難しい言語です。ローマ字表記をそのままひらがなにしてしまったようなのでどなたか違いを教えてあげて下さい。


若手が飛躍する大会になるかと思いきや超ベテラン二人がSP1位2位のなるというある意味うれしい裏切りの展開となりました。
ここまでの3戦の4回転だらけの空中戦から一息ついた感じ。ここ3シーズより以前の戦いを見ているような気がします。この位の方が落ち着いてみてられていいかも・・・なんて思ってしまいます。高難度のぶちかまし対戦はワクワクしますがひやひやもするので必要以上に疲労するんですよね。今回のNHK杯SPを見ていると高難度化に歯止めをかけたい意図を感じる採点側の気持ちも少し理解できたりして・・・とりあえずどの選手もケガに気を付けて長いシーズンを過ごしてほしいです。

 

見れない悲しみーーーNHK杯を前に

中国杯で優勝したことでコリャダーの初ファイナルが確定した。一方で6位にとどまったフェルナンデスとNHK杯WDのチャンのファイナルがなくなった。昨季のファイナルと顔ぶれが変わる。五輪の前哨戦といわれるGPFの表彰台の意味は大きい。その権利を獲得するためにまずはそれぞれのGPSを勝ち抜かなければならない。

 

 118 佐藤洸彬
55 村上大介        → 58 友野一希
49 キーガン・メッシング
28 ナム・ニューエン
24 ミハル・ブレジナ
23 セルゲイ・ヴォロノフ
20 デニス・ヴァシリエフス
17 ドミトリー・アリエフ
10 アダム・リッポン
 9 アレクセイ・ビチェンコ
 8 ジェイソン・ブラウン
 1 羽生結弦

 

チャンのWDによってメッシングが2戦目を得ることになった。
このNHK杯の出場者は村上と佐藤以外は世界ランキングの比較的高い選手が多い対戦となっている。
日本・アメリカ・カナダ・ロシアとフィギュア強豪国の有力選手がかなり集まっているため枠を争う選手たちにとっては代表に選出されるためにも割と重要な結果となりそうだ。

 

GPFに進出できる可能性を持ったのは1戦目2位の羽生とブラウン。そして初戦となるリッポンとヴォロノフ。PBから言うと羽生・ブラウン・リッポンの表彰台の可能性が高い。ただ1戦目FSで崩れたアリエフが結構怖い存在だと思う。高難度ジャンプを飛ぶことができスケーティングもいい、今のところ体力的な問題も大きいが若手は成長が著しい。前回の経験を上手く生かし急成長していることを期待する。

羽生についてはSPでは4Lo、FSでは前半の4Loと後半の4Tからの3連を成功することを第一にしてほしい。この3つが今シーズンの2戦でまだ成功がない。変な苦手意識をつける前に成功体験を作って欲しい。

 

といってもNHK杯はリアルタイムでは見れないことが確定している。金曜日は仕事で土曜日は忘年会で帰宅は22時半すぎになる。帰宅したら面白い演技がたくさん見れることを願っている。

 

(ただ忘年会ではスマホでライスト見れるかな?とこっそり悪あがきを企んでいます。ユーロのYoutubeNHK杯でもあることを願っています)

 

11月6日追記

村上大介が急性肺炎でWD.代わりに友野一希が入りました。残念ですがゆっくり休んで体調を整えて欲しい。五輪の代表の3枠目はまだ誰が有利という状況ではないので全日本にしっかり備えてください。一方友野はチャンスを手にしたわけですから連戦で大変ですがPBが出せるよう頑張ってください。

 

大自爆大会を制するものーーー中国杯FS感想

強い女達の戦いでした。ほんの少しのミスで順位に差が出る結果に。三原は惜しいところで表彰台に乗り損ねました。やはり前半グループになってしまったことが大きかった。次のフランス杯でもザギトワに当たりますしオズモンドもいますのでファイナルはかなり厳しいですが気持ちを切り替えて次に進んでください。
そして樋口は会心の出来ではないでしょうか。点数も十分に与えられたと思います。この好調を年末まで持続できるようもっとプログラムを深めて下さい。

 

ケヴィン・レイノルズ 226.50 162.10 TES 88.16 PCS 73.94 
クラシカルな雰囲気の素敵衣装。冒頭のジャンプは引っかかって飛べず。4TはOK,4Sコンボも斜めったけど頑張った。丁寧に滑っているが思いの外スピードが出ない感じ。ただジャンプは淡々と降りている。セカンド3Loの回転は大丈夫か?
一つ一つのエレメンツを確実に実行した演技だった。髪の乱れが羽根飾りみたい。リプレイで見るとコンボの4S足りてない。他も着氷でくるっとしているジャンプが幾つかあるのでだいぶ引かれそう。


アレクサンドル・マヨロフ 186.04 121.77 TES 53.63 PCS  69.14 -1
白が気になる不思議衣装。4Tは抜けたが3AコンボはOK。ジャンプは抜けまくるが振付はしっかり行うしつなぎも頑張っている。欧州らしい見せる演技は観客としては楽しい。フライングスピンで転倒、ポゴリラヤみたいでびっくりする。
ジャンプは本当にタイミングが合わないのか乱れまくっているが演技をしっかり見せようという意識が見て取れるのでそこまでの悲壮感は無い。ただ点数は伸びない。

 

フー・ジャン 167.58 120.59 TES 59.15 PCS 61.44 
4回転も3Aも高さはあるがドスンと降りてくるのがちょっと怖い。昨日も思ったが案外滑れる選手で悪くない素材だと思う。ただ曲想や振付が本人に会っているかは微妙。ジャンプの構えや着氷などもう少し良いコーチについて修正すればかなり伸びそうな印象がある。腕のだらんとした時間が長いのがもったいないがどちらかと言えば振付の問題かな。後半がくっとスケートの伸びが落ちるのでもう少し試合に出て経験を積みたい。コンボが入らなかったのが痛かった。

 
グラント・ホクスタイン 216.44 135.89 TES 63.83 PCS 73.06 -1
冒頭4Tが抜け、3Aは踏ん張った。転倒と抜けてTESが伸びない。この氷は抜けやすいのか?シットスピンはいつも深くて好き。3回転はまずまずまとめた。コレオのロングイーグルが曲に合わせて生かされている。ラスト何とかコンボ付けようとした姿勢は評価する。

 

ヴィンセント・ゾー 256.66 176.43 TES 102.35 PCS 75.08 -1
4Lz+タノ3T本日も成功。4Fはこらえ4S転倒。アメリカンの振付にロングイーグル(チェンジエッジ)は必須か。2本目の4LzSO、3Aは今日は決めた。4SコンボOK。ただジャンプの間は上体を起こした腕だけの振りが多いのが単調で長く感じる。ラストの3Lzからの3連も頑張った。とにかく高難度ジャンプを降りるという仕様だがとりあえずやりきった。リプレイで見ると回転はかなりぎりぎり、UR取られそう。ジャンプではらはらして演技よく覚えていない。


アレクサンドル・ペトロフ 186.02 117.44 TES 56.04 PCS 67.40 -6
4回転は両足、3AコンボはOK。ただジャンプ飛んでいる間曲を聴いていない感じ、BGM化している。若い選手に多いがステップで初めて曲を意識して演じる感じ。ジャンプのタイミングが合っていないのか飛び上がるまでに間が空くのが気になる。最高点に上がる前に落ちている感じのジャンプになっている。転倒が増えてしまったためかステップが流し気味。マヨロフの様な頑張りも時には必要。

 

ハン・ヤン 254.61 172.39 TES 88.67 PCS 83.72 
面白い髪色のハン・ヤン。大きな3Aコンボでスタート。ここまで良い4Tは久しぶりに見た。昨季までよりのびのび滑っている印象。表情もいいです。着氷が多少乱れる部分はあるけれど抜けない転倒しないというのはハン・ヤンにとっては大きい。着実にTESを積み上げている。何よりハン・ヤンの持つストレスを感じない滑りが生きている。ここまで纏めたハン・ヤンは2年前の四大陸以来か。コーチに飛びつくハン・ヤン、明るさがとても良い。

 

マックス・アーロン 259.69 176.58 TES 96.60 PCS 79.98 
黒白じゃ無いとグレーなのか君は・・・
アーロンは案外ドラマチック曲を選ぶ傾向にあるけれど本人がそういうの好きなのだろうか?あんまり器用なタイプでは無いので演じるとか情感とかよりダイナミックとか疾走感的な方が良いと思うのだけど・・・
ジャンプはダイナミックに飛んで降りる。どうしても荒くなってしまうけれどやろうという意識は見える。そして久々にジャンプを纏めたアーロンが来た。ガッツポーズの笑顔が良い。ただ曲と衣装が合わないし個性という部分でも違和感が最後まで残る。PCS評価としてはどうなんだろう?


田中刑事 247.17 159.98 TES 81.40 PCS 79.58 -1
ローソン店員にジャケットがついた衣装。4S何とか4T抜け3A成功というまずまずなスタート。何でも無いところでの転倒はもったいない。そしてコンボをやはり余らせる、これは駄目。持越プロなので動けてはいるが色々もったいないところが・・・コンボ抜けとか取りこぼさないように対策をしたい。怪我からの復帰戦なのでまずまずの出来だったのでは。

 

ハビエル・フェルナンデス 253.06 162.49 TES 72.93 PCS 89.56 
3Tでスタート、4Sお手つき、3ASOとジャンプが定まらない。体は締まっているが軸が確立していない感じ。滑りは昨日より良いし動きそのものは悪くないがジャンプが全部ずれて見える。滑り込めていない感じでもないし一生懸命演じているが自分のしたいことと体の状態がかみ合っていない。

 

ボーヤン・ジン 264.48 170.59 TES 92.81 PCS 78.78 -1
丈はそれで良いのか不思議な白衣装。4Lzこらえ、4SSO。曲はともかくローリーがこの曲でボーヤンをどう見せたいのか微妙な振付。4Tが2本とも乱れてREP、抜けないことは良いが着氷がいまいちなものが多くGOEが稼げていない。かなり疲れているようで後半は下を向いている時間が多くかなり押して滑っていた。それでも表彰台は確保したはず。抜けないことは大きい。それでもこのプログラムでボーヤンの良さを感じるのは難しい。


ミハイル・コリャダー 279.38 176.25 TES 90.11 PCS 87.14 -1
今季国際大会だけでももう4戦目、国内を入れると何戦目だのコリャダー。4Lz転倒、4S抜け。3Aコンボは大丈夫でほっと一息。滑ってはいるがどこか堅さを感じる。4Tはクリーンに成功したが3Aで抜けと落ち着かない。3Lzからの3連は良い出来。抜けを幾つかしてしまったためTESは伸びなかった。ただコンボをしっかり消化したことは良かった。


男子は大自爆大会となりました。氷が悪いのかそれとも高難度過ぎてこうなるのか・・・転倒は後半グループはそこまで無かったものの抜けが抜けを呼んで抜けまくったと言う結果に。
そしてフェルナンデスのファイナルが消えコリャダーの進出が決まりました。チャンがNHK杯棄権したため昨季の6強以外少なくとも二人出場になります。


しかしFSでアーロンが1位になり表彰台に乗るとは!SPFS共にヴィンセントを上回ったことも大きいです。次のフランス杯の結果によってはファイナルも・・・・・・いや、今回は無欲の勝利と言う事で次もその精神で頑張って下さい。

SP順位とFS順位がここまで違った試合はそう有りません。大自爆大会でしたがそれでも良い演技だった選手が順位を上げたわけです。そういう意味ではアーロンとヴィンセントは頑張ったと言えます。

 

プロトコルを見て>
何とびっくりアーロンオールレベル4!その昔ワールドのプロトコルでスピンステップが悲しい点数と書いた覚えがあるのですが19点近くも獲得するとは非常にうれしいです。GOEはどうしたってそんなにつかないだけにレベルは大事と書いてきましたがこんなに揃えられるなんて感激です。これが今回の勝因だったと言えます。ぽろぽろジャンプでマイナスを受けていますが今日のところは良いでしょう。抜けず転倒せずレベル確保とやるべきことをしっかりやりました。総合3位FS1位おめでとう!
ヴィンセントは転倒した4Sと後半4LzでURでした。正直最初の二つも危ないと思うのですが4Lzコンボは+2もGOEがついていました。タノの印象が良かったのでしょうか。ジャンプについてはもっとマイナスがついているんじゃないかと思っていましたが3つだけ、中国杯はここまでの2戦よりは若干甘目かなという印象です。全体的にジャンプ飛んで降りるだけの演技ですのでPCSは仕方ないです。シニア入りしたボーヤン並みかな?私的にはTRとPEは6点台でも良かったのではと思っています。
コリャダーは本日はちゃんとオールレベル4でした。ここも1位を確保できた勝因の一つ。あとは成功したジャンプにGOEがつくことが大きかった。PCSは昨日とほぼ同じでした。転倒と抜けという大きなミス有りでこの数字が出ればまずまずではないでしょうか?
復帰戦のハン・ヤンはFS4位で総合5位に入りました。マイナスを受けたのは!の付いたフリップだけというまずまず綺麗なプロトコルです。ここから上げて表彰台を塗らうにはもうひとつ4回転を入れることとスピンステップのレベルをそろえることかな?ただ今回はしっかりジャンプを飛べたことが良かったのではないでしょうか。
ボーヤンは転倒とREPのダブルマイナスが一番大きかったですがそれ以外でもマイナスを受けるジャンプが多かったことが敗因。ついでにPCSを下げてしまったことは今後を思えば良くなかったです。ステップのレベルもとれていませんしPCS評価を見てもジャッジにプログラムを理解されていないなという気がします。私もつかみどころがなくどう楽しめばいいのか理解できませんでした。ジャンプを安定させることも必要ですがその辺りのブラッシュアップが必要かと思います。
そしてファイナルの可能性が消えたフェルナンデスは抜け祭りでREPとコンボ不足の6位でした。レベルが取れていたのでまだこの点数でとどまったと言えます。オーサーが不在ということが大きかったのかな?精神が落ち着かないまま演技してしまって釈然としないまま終わってしまったという感じです。ただこれで時間ができたわけですから気持ちを切り替えて五輪準備をするべきかと思います。強いフェルナンデスを五輪で発揮できるよう十分な準備をしてください。
田中はプロトコルを見るとそこまで悪くないのですがそれがある意味では問題かもしれません。今回は復帰戦ということで試合感覚をつかんだかと思います。次は自分が何をジャッジに評価されたいのか明確に魅せられるよう頑張って欲しいです。

 

女子は神大会といってもいい試合だったのに男子は何でこうなったという感じになってしまったのが残念です。とりあえず今回はコリャダーの美しい4Lzが見れたことが収穫かな?どの選手も次の試合でもっといい演技ができるようしっかり体調を整えて頑張ってください。

 

 

ファイナルを目指して―――中国杯SP感想

PC前でかなり待ってました。時差があるんだよね、中国でも。すっかり忘れていたけど。
アイスダンスはやはりパパシゼが別格でした。チョクベイよりはボブソロの方が良いと思ったけどアイスダンスの点数は良くわからないですね。勉強が足りません。
女子は1位から7位まで3.5点と非常に僅差の勝負になりました。同点で7位・前半グループになってしまった三原は不運でしたがFSに向けて気持ちを切り替えて欲しい。
ここまで上位が競ることになったのはザギトワの転倒があったため。シニアGPSデビューということでかなり緊張しているように見えました。初戦というのはなかなか難しいものです。ただ持ち越しですのでFSは点数を伸ばすでしょう。誰が追いすがることができるか注目です。
僅差なのでFSの出来で順位は大きく変わりそう。五輪選考の対象にもなるので日本女子3名にとって表彰台に乗ることは非常に大きいです。この3人の中で誰がトップになるか、悔いの残らないようやり切った演技を見せて欲しいです。

 


フー・ジャン 46.99 TES 17.95 PCS 30.04 -1 
4S転倒3A3Lz抜けとGPSデビューはなかなか苦しいものになった。ただ滑り自体は丁寧で良く動けてはいる。
これも経験とFS頑張れ。

 

アレクサンドル・マヨロフ 64.27 TES 31.16 PCS 34.11 -1
腕にラインの入った黒T衣装、地味。4Tを豪快に転倒、コンボ何とか。スパイラルからの3A抜けとこの氷ジャンプ不向きなのか。ステップそれ程伸びはないが動きが個性的。音楽が不思議でいまいち乗りにくいのが難点。

 

ケヴィン・レイノルズ 64.40 TES 31.30 PCS 35.10 -2
衣装が学生。4S4T転倒でコンボ無し、3A両足と全滅。フライングアップライトも軸が締めきれない感じに。動けてはいるが滑らない感じ。カウンターが悲しい・・・

 

ハン・ヤン 82.22 TES 41.36 PCS 40.66
手術明けのハンヤン、グレーの襟付きシャツ。クリーンな3Aでスタート、やっと成功ジャンプが見れた。4Tは両手付き。コンボ前のめりだが何とか。滑りがこれまでの選手に比べスムーズで気持ちいい。上体の動きがもう少しだがまずまず復調している模様で嬉しい。コンビネーションスピンがしっかり回れていてよかった。
 

グラント・ホクスタイン 80.55 TES 42.68 PCS 37.87 
解説がユーロになったりロシアになったり変なライスト・・・見れるならどっちでもいいけど。もう2戦目のホクスタイン4TSOで何とか、3Aはこらえて前戦よりはいいか。コンボもしっかり飛んだ。昨年からGPS良くなかったがまずまずいい演技。ロングイーグルはいつも素敵。シットが深いのも好感。
ホクスタインの3Lz、トゥついてからがっくんとエッジが氷に落ちるのがなんか怖い。

 

ヴィンセント・ゾー 80.23 TES 45.66 PCS 36.57 -2
ハン・ヤンと被る地味衣装でGPSデビュー。4Lzコンボ助走が長いけどタノ付きで決めた。4Fはコケ、回転は大丈夫か?コケてもTES速報値が30超えるのが基礎点の威力。3Aも転倒、ジャンプは少しあっていない感じ。天井カメラで酔いそう。スピンの質の良さはアメリカンという感じ。TESはまずまずだがPCSはそこまで出なさそうな印象の演技だった。

 

試合に出ていないのにやたら解説に名前が呼ばれるユズル・ハニュー

 

田中刑事 87.19 TES 47.91 PCS 39.28 
4S今までの最高の出来では?いいスタートです。コンボもOK。キャメル回転足りているか?スピン全体的にスピードがない。ステップ少しバタついたところがあったがまずまず動けていた。ここまでジャンプが良かった演技は久しぶり、復帰戦としては上出来。

 

アレクサンドル・ペトロフ 68.58 TES 32.44 PCS 36.14 
いかにも剣の舞という衣装。コンボにならないコンボでスタート。3AOT、ジャンプは軸が不安定。スピードのある曲に対し動きが割と単調。ステップでは激しく動くがそれ以外にもう少し振付が欲しい。ステップも滑るというよりはねるといった感じ。TESがかなり寂しい。レベルの取りこぼしが多そう。笑顔だけど点数見たらがっかりしそう。

 

マックス・アーロン 83.11 TES 44.50 PCS 38.61 
アーロンのわりには衣装っぽいというべきか、ただやっぱり黒白。4T+2Tでスタート。単独はステップなしか?3Aお手付き。ジャンプが入ったことは良し。曲のつなぎがSPだと唐突すぎる。合唱の部分は滑りの良さを見せる振付の方がいいのでは、イーグルとか。スピードがそこそこ維持できたことは良かった。

 

ボーヤン・ジン 93.89 TES 52.67 PCS 41.22 
赤の差し色がほとんど見えない。4Lzお手付きから3T、相変わらずあそこから飛べるのがすごい。滑りは年々滑らかになってきている。もう少しスピードは欲しいけど進化は見える。4TOT、ステップから間が空くのも変わらず。昨季に比べればまずまずのスタート。曲のつなぎが不思議すぎてよくわからない。体つきがかなりしっかりしてきている、大人になったなぁ・・・

 

ミハイル・コリャダー 103.13 TES 59.63 PCS 43.50 
2戦目のコリャダー。ボーヤンの後だと体の動かし方が滑らかに感じる。ステップ無いけど単独4Lzクリーンに着氷。コンボはまずまず、今日はいいコリャダー来てる。3AもOK。ジャンプが良かったためか非常に集中した滑りと演技。ラインの魅せ方がいい。今季最高のSPだった。100点超えきそう。

 

ハビエル・フェルナンデス 90.57 TES 44.35 PCS 46.22 
踏切に失敗して3T+2Tでスタート。4Sはまずまず。コミカルな演技は相変わらずうまいが少し散漫な印象。3Aも軸ブレしてSO。シットが深い。ステップはらしさが見られるがいつもほど滑っていない感じ。自分の演技に集中できなかったか?


開始直後はジャンプ遭難だらけでどうなるかと思ったが後半グループは転倒無しとやはり違うと思わせる展開に。
復帰戦のハン・ヤンと田中が良い演技を見せたことにほっとした。ここから五輪に向けてどんどん上げていって欲しい。

プロトコルを見て>
コリャダーの4LzのGOEは+3~0と割れたのはやはりステップでしょう。でも1.5点の加点を得て成功したことは大きかった。
オールレベル4はコリャダー・フェルナンデス・ハン・ヤンの3名・・・よく見たらコリャダースピン1個レベル1!勘違いで2名でした。これまでの2戦に比べてステップ4が割と出ました。ステップ要件わりと緩めなのかもしれません。
ボーヤンもスピンではそこそこGOEを取っていますがジャンプで稼げなかった分コリャダーと差がつきました。それでもミス有でPCS41以上出るようになったことは良かったのではないでしょうか?
フェルナンデスはコンボの基礎点を大幅に失ったことが痛かったですがスピンステップで稼いでいるのでミスった割には点数は出ています。そしてPCSではSSよりTRが高いという・・・滑りはいつもほどよくなかったのでこうなるのかな?それにしてもINが高い。振付の動きはできていましたが正直いつもほど共感力はなかったのでここまで高いのかとちょっと驚きます。
田中の4Sでマイナスがついたのはステップかな?そしてキャメルはレベル2とやはり足りていませんでした。怪我からの復帰ということでスピンまでは手が回らなかったということでしょうか?ここから改善していって欲しいです。PCSは8点台まであと少し。今回のような演技が継続的にできれば伸びていくはず。FSをまとめてポイントを稼ぎ五輪代表争いを有利にしたいところ。ぜひ頑張って欲しいです。

 

このメンバーでSP100点超えでトップに立ったことはコリャダーにとって非常に大きいと感じる。そして2位以上になればファイナルの可能性が高くなる。4Lzクリーンに決められたのでぜひFSもまとめて表彰台の高い台に乗って欲しい。

ボーヤンは2戦目が6戦でネイサンと当たる。高構成で似たタイプの選手だがPCSでは不利なのでファイナルに出るためには何とか2位以上に入っておきたいところ。

そしてフェルナンデス、PCSのアドバンテージはコリャダーにはもうなくボーヤンにも半減している。構成が低い分勝つためには二人以上のまとめた演技が必要になる。ただ次はフランス杯で上回れそうなのは宇野だけなので3位でも大丈夫かもしれない。それでも負けたという実績はあまり作りたくはないもの、はまりプロでもあるのでFSで巻き返し強い元世界王者の姿を見せて欲しい。

 

明日は仕事なのでどこから見れるかはわかりません。何とか早く帰りたいけど今日が休みの分仕事が溜まっているので帰宅が読めない。見れなくて悔しい~~と歯ぎしりするような演技がたくさんあることを願っています。

楽しみか休息かーーー中国杯前に

月末月初の忙しさに人手不足が響いて残業続きの毎日。そんなわけで土曜日も出勤続きです。なんとか時間を作って試合を見たいのですが体力的にもきついことになっています。せっかく通常の時間に見れるのに・・・

 

111 フー・ジャン
36 アレクサンドル・マヨロフ
30 ケヴィン・レイノルズ
27 ハン・ヤン
24 グラント・ホクスタイン
21 ヴィンセント・ゾー
20 田中刑事
17 アレクサンドル・ペトロフ
14 マックス・アーロン
 6 ボーヤン・ジン
 4 ミハイル・コリャダー
 3 ハビエル・フェルナンデス

 

あっという間に第3戦、ここまで来るとおおよその選手たちが登場することになる。この中国杯はフー・ジャンを除けば上手くいけばワールド10位以内には入れるかもという地力の持ち主がかなり入っている。そういう意味では順位が読みにくい面白い試合になりそうだ。

それでも表彰台はフェルナンデス・ボーヤン・コリャダーの3人かなと思います。高難度のヴィンセントがまとめればTESはでるだろう。ただPCSはそこまで期待できない。表彰台に乗ることができれば五輪代表を決める戦いに多少の有利が出るだろう。シニアでどう戦うか非常に楽しみだ。

コリャダーは2位以内に入ればファイナルの可能性が高くなる。ただそれには4Lzと4Sのどちらかはクリーンに決める必要があるだろう。ぜひここ一番の演技をしてほしいと願っている。