つれづれなるままに・・・

日々の思ったことを綴っていきます。

代表決定に

ようやく全日本の地上波放送分見終わりました。

個人的な感想を言えば無良のFSが一番印象に残りました。4T1本に絞りジャンプをまとめる作戦、ラストが少し乱れましたがやりきりました。残念ながら代表権は取れませんでしたが五輪代表を決めるこれまでの全日本では一番いい演技ができたのではないでしょうか。惜しむらくはこれをシーズン冒頭からできなかったこと。やらなければという意識とできるだろうかという不安と万全ではない体調で勝負弱さを印象付けてしまった。ただまだ四大陸はある。五輪の補欠になっている。残りのシーズン、前半のもやっとした印象が消え去るような演技を見せて欲しい。

 

五輪シーズンのためか男子女子ともかなり甘めの採点でした。ロシアに比べればましかもしれませんが・・・PCSが田中があの演技で88、宇野が93とかあり得ないでしょう。

田中はREP2回も問題だがそれ以上にリカバリができないという点が非常に不安だ。予定していたところ以外でコンボがつけられないというのは現行のルールではかなり不利になる。TESは基礎点の積み重ねでありコンボは単純な足し算であるからそれを捨てるというのは勝負事としてはあり得ない失策であるといえる。REPの危険が漂うなら1回目を確実にコンボにする。どこかでコンボがダメでも予備でつけられるところを作っておく。その対策が絶対に必要だ。

宇野については・・・とりあえずクリーンなジャンプを飛んでください。五輪では60台ものカメラで360度あらゆる方向で観客が演技を見れるようにするということだ。日本代表として出るわけですから恥ずかしくないエレメンツを見せて欲しい。

羽生は幾つか記事が出ていたがスケ連が発表した以上の情報はないようだ。相変わらずネガティブな含み見られるがしっかり情報統制されているからでありかえって安心できた。四大陸には出ない方向で調整しているのは意外であったが前回も出ていないのでこれはこれで良いのだろう。ぜひ自分にとって一番良い方法で五輪に向かってほしい。

女子の代表が五輪が宮原と坂本・ワールドが宮原と樋口だったことは少し意外だった。坂本と樋口に分かれることは予想通りだったが逆になるのではと思っていたからだ。樋口はGPFまではまずまずいい結果を出してきたが五輪に出られなかったのは残念だった。ただ・・・結局のところ昨季のワールドで枠を減らしてしまったということが大きかったといえる。だから3枠に必ず戻すという強い意志をもってミラノワールドに向かってほしい。

坂本は・・・FSのプログラムをもう少し何とか手を入れて欲しい。止まってのマイムが長いというかいたたまれない雰囲気がある。いかにも作っています的なイメージになってしまうのでもう少しシンプルに。あとは五輪切符をつかんだ勢いのまま自分を出し切って欲しい。

宮原はジャンプがかなり心配です。怪我以前よりも低くなっている気がします。スケアメ・全日本とかなり甘めでしたが五輪で点数的に競る選手がいたら確実に引かれると思います。飛び上がる際の間が以前よりも余裕がないのも気になります。体型的になかなか難しい部分はありますがレビューを掛けられないジャンプを心がけて欲しいです。

 

五輪まであと1か月半ほどになった。まもなく全米が始まるし各国続々と代表が決まっていく。ただ新聞紙面などを見てもあまり盛り上がっていない気がします。世界情勢なども不安定で五輪開催そのものもかなり心配です。それでも各々の選手たちは自分にとって最高の演技ができるよう体調を整えいい状態を作っていって欲しい。最高の舞台で最高の笑顔が見られることを今から非常に期待している。

 

日本女子シングルに未来はあるか

全日本女子シングルが昨夜終了した。表彰台は宮原・坂本・紀平の3名。宮原は五輪とワールドが確定、紀平は年齢制限のため残り1枠は坂本と樋口で検討されるだろう。直接勝負に勝った坂本か、SBやGPFの実績の樋口か・・・終了後に「五輪で点数が出る方を選ぶ」的な記事が出たところを見ると樋口を選びたい意識があるのかな。

kamiyann的には五輪は正直どちらでもいいかな。現状日本女子ではだれが出場してもメダルは難しいと思うので。ただワールドは坂本を選ぶべきだと思う。五輪は国の代表として出場するがフィギュアについてはあくまで個人のみの戦い、だから緊張して失敗しようが本人以外に影響はない。しかしワールドは「枠」がかかわってくる。樋口は昨季のワールド・先日のGPFそして今回の全日本と頑張らなくてはいけない大事な戦いで勝てる演技をすることができない結果を積み重ねている。だとしたら初出場にはなるが今回SP・FSともまとめた坂本が出た方がいいと思う。ただ決めるのはスケート連盟だ。さてどんな選択がなされるか・・・今晩の発表が気になってくる。

 

仕事で遅い帰宅のためもあって今週末の試合、実は全日本は録画で演技以外早送りでしか見ていません。ライブで頑張って見ているのはロシアナショナルの方。だって私どっちかといえば日本フィギュアより外国の方が好きだし・・・そんなわけで深夜というか明け方までライスト見て即寝→6時起き(合間に全日本)という生活をしているので頭がかなりボーとしています。変な時間におきているためか眠いけど眠れない。その大変さも今日まで。明日からまた仕事頑張ります。

さてそのロシアナショナルは女子シングル以外は何というかぐだぐだな印象でした。日程的なものもあるかと思いますが・・・もうちょっといい演技が見たかったなぁという感想になってしまう。特に男子シングルはGPFを超える壮大な自爆大会、ついでにヴォロノフのユーロ・五輪がなくなってしまったことが悲しい。せっかく前半シーズン頑張ってきたのにこれですべてが終わってしまうというのは何ともやるせないです。移動ありのGPFから2週間無いわけですから体力的にもきつかったはず。上位3人も決していい演技ではなかっただけに何とかならないのかなと思わずにいられません。

一方で世界で最も熾烈な戦いである女子シングルはすごく熱い戦いでした。メドベデワ・ポゴリラヤがいなくても210点を萌える選手がぞろぞろいる。同時期に全日本があることからもレベルが違うなぁと思わずにいられません。

ロシア女子と日本女子、どこに差があるかといえばやはり「表現の技術力の差」でしょう。フリーレッグの処理・体のラインの魅せ方・腕の使い方などきっちりしている選手が多いロシアを見ると日本女子は荒いとか緩いとか雑という印象を受ける。全日本で実況アナが「表現力の高い選手」とか言っているのを見るとが恥ずかしくなります。更につなぎや0.1点でも多くの点をもぎ取るという意識のも全く違う。自分のプログラムをミスしないで実行するという感じの日本選手では太刀打ちできない壁が見えました。

少し以前ジュニアでメドベデワやサハノヴィッチがタノタノしい演技で頭角を現したとき片手タノの腕が綺麗じゃないとよく言われた。そうすると現在のジュニアっ子はもっと美しい両手タノでほとんどすべてのジャンプを飛んでくるようになった。先人を上回るにはそれ以上のものを見せなければ上り詰めることはできない、そういう進化の過程が見えてきます。リーザが3Aでシーズンを席巻したころリンク遣いやつなぎ・滑りの質などでロシアンはいまいち的なことを言っている意見を見ましたが今の上位陣はスケーティングについてもそこまで難のある選手はいない。レベルの差は多少見えるがそれを補って上に立てる強い武器を持っている選手ばかりだ。

ザギトワ・ソツコワ・コストルナヤ、シニア2名ジュニア1名の表彰台は全日本と同じだがそれぞれが同順位の横に並び立てるかといえばレベルが違うだろう。少なくとも相手がミスしてくれないと勝てないという状況であることを理解して強化しているのかなと疑問を感じる。工場から出荷されるかのように毎年新たな新星が現れるエテリ門下についてどれも似ているとかジュニア世代で良くてもいつまで活躍できるかわからないといった嫌味を聞くことがあるが、結局ここ数年負けっぱなしであることに対して反省や対策はないのかと思う。練習時間や環境の差もあると思うが紀平の3A入りのプログラムでもコストルナヤには勝てなかった。他にもロシアナショナルに年齢制限で出れなかったトゥルソワだっている。全日本FSで3A2本を決めたことが快挙だと持ち上げている記事を見ると本当に大丈夫かと心配になってくる。3A+3Tは確かに大技ではあるが正直今のルールではやる意味のないコンボであることを全く触れないスケート関係者たち。大技大技とはやし立てスター製造にいそしむマスコミ。こういう報道の姿勢を見ると少なくとも紀平世代ではロシアには勝てないんだなと思えてくる。全日本の解説一つ取り上げてみても本当にルールを熟考しているのだろうか?と頭をかしげたくなる。

基本日本の選手たちの姿勢は「良い演技を見せたら、質の良いエレメンツを示せば良い評価をしてもらえる」という受け身的なものだ。だがロシアンの女子選手たちは違う。ジャッジに「何としても高い点数を出させる」という姿勢だ。なぜならば国内はおろか同じコーチ門下内ですら数多くのライバルが存在しているからだ。良い選手としてコーチの目に留まり試合に派遣してもらうためには受け身的に待っていることはできない。今評価されている先輩よりもっと高い点数が取れることを示していかなければ道はない。だからノービス以下の頃から貪欲に技術を得て磨く姿勢が培われている。もともと身体をコントロールする技術=身体表現の技術は欧州の選手の方が高い。荒川・村主・安藤・浅田の頃はジャンプやスピンといったエレメンツの難度や実行力=テクニカル技術点でそれに対抗してきた。しかし今やその部分でもエテリ門下に及ばなくなっている。タノジャンプや入り出の難しさだけでなくスピンの回転速度やポジションのバリエーションなどでも太刀打ちできなくなってきている。4回転という高難度の取り組む姿勢すらすでに後れを取り始めている。体型や姿勢に難のありがちな日本人選手は今後どこで対抗していけばいいのだろうか?

東だ西だとか中京だ関大だと派閥争いをするのではなく日本フィギュア全体の未来の姿を一丸になって描き対策を打ち出していく必要があるのではないかと熱いロシア女子シングルを見ていて強く感じた週末となった。

 

 

 

全ては最高の瞬間のために

GPFが終了したところで羽生の情報がもたらされた。まだ炎症が治まっていないため氷上練習ができていないと伝えられるとメディアは一気に悲観的な報道であふれることになった。

 

・・・なんで?

 

日本のメディアを全く信用していないため普段はこの手の記事に対して触れないことにしている。それでもスケ連関係者含めてあまりの右へ倣え的な姿勢に困惑している。
というのは私は小林氏が「まだ氷上練習ができていない」と言っている映像を見た時むしろ「あー良かった!」と思ったからだ。

 

怪我後の復帰で一番心配なのは治りかけの状態で無理して練習に入ることだ。治りの状態にもよるが、えてしてこの時怪我を悪化させることが多い。そうでなくても負荷が多ければ完治はさらに遅くなるし庇いながら練習することで変な癖がつきバランスが狂うこともある。ここ一番の大勝負の時なら仕方ないことはあるがこと「羽生結弦」の場合全日本選手権はそこまで大事な試合ではない。五輪代表の選考条件はもう十分に満たしている。
羽生に対して悪く言いたがる人間も少なくないが彼らは結局どんなことでも勝手にわめくのだ。そんなことに気を回す必要はない。

 

怪我をしたのが11月9日で12月10日現在まだ氷上に立っていない。ひと月以上を費やしてもいい状態と思われない限り先へは進まない。このことが分かったことで私は非常に安心した。
ゴールは見えているのだ。そこに向かうためもっとも良い選択をしているはず。
必要なのは2月16日17日に最もよい状態に持っていくこと。そこに至るまで着実に時間をかけて力を蓄えていけばいい。

 

メディアはよかろうが悪かろうが結局のところ目先の話題になればいいだけ。その報道の是非の責任を取るつもりはさらさらない。そんな無責任報道がまかり通るのは結局それを受ける側が厳しく叱責する土壌がないためかもしれない。何事に対してもことなかれで済ましてしまう日本人気質の問題も多い。そういう部分を変えて欲しいが今すぐ変革できるわけもない。

ただ一方で今はネット社会でメディアに頼らなくても情報を得られる時代でもある。そういった自己の都合の良い情報や思い込み・願望ばかり垂れ流すメディアを選別できる手段もある時代だ。受け手側も賢くなれる。

 

羽生結弦が若くしてトップに立ちその地位を維持し続けることができるのはその能力の高さだけではなく自分で考え実行できるという点が大きい。仮にトラブルに見舞われてもその次の試合に対し自分がどうすべきか検討し対策を立てられる。

構成やエレメンツの配置、装飾など現在のフィギュアスケートはただ肉体的な能力が高いだけでは戦ってはいけないスポーツだ。羽生はそういった部分では最も現役選手の中で高い能力の持ち主であると思う。だからこそ現在無理をしていないということはそれだけで素晴らしいことだと私は思う。捻挫による靭帯損傷はフィギュアスケーターにとっては職業病のようなものだろう。自身にもクリケットというチームでも経験があるはず。だからこそ大事な試合に対してしっかり対応や対策ができるだろう。

 

どれほどネガティブに報道されようと試合でしっかり自分らしさを出せれば問題ない、羽生という選手はそのことをこの4年誰よりも味わい経験してきた。

メディアの不誠実さは今始まったことではない。また間抜けなことを書いてるな、とあきれた視線で垂れ流される記事を流し読みしている。

4番目を用意する必要?枠を捨ててまで選手を厳選したワールド以外に補欠が用意されなかった大一番はない。本音がどこにあるのか勘繰りたくなるばかばかしさだ。だからといってくだらない勘繰りで気分を害するのも意味のないことだろう。

 

今週全日本選手権が始まる。今シーズンここまでの実績で羽生と宇野の代表は固いだろう。3枠目に入る、その意思を最も強く持った者がその地位を得ることになるだろう。それぞれが五輪という最高の舞台に立つために後悔しない演技をしてほしい。

仮に羽生が全日本を棄権することになってもそれは全て五輪で最高の演技をするためだ。視聴率とか話題性が下がるとかそういうつまらない損得でその決断を批判してはいけない。代表選考は全日本が必須ではないしその条件を得るための実績は十分この4年積み重ねてきた。他国のメディアからも金メダル候補筆頭に挙げられる素晴らしい選手がいる、そのことを誇りに感じ五輪という最高の舞台に最高の状態で送り込んで欲しいと願っている。

 

 

GPFざっと感想

女子シングルFSライブで見ていました。SPは非常に見応えがありましたがFSはそこまで良い演技というものが無かったのが残念でした。
FS巻き返しの鬼のザギトワもちょいミスが幾つか&いつも以上に滑ってない感じ。後半のジャンプ音からずれていたりやはりシニア最初の大舞台に緊張があったのかな。それでも大崩れしないところがエテリ組のすごさ。PCSも70乗りましたので五輪表彰台にまた1歩近づいた感じです。SPがそれ以上に滑りこなせていない印象があるのでもっといい演技をナショナルやユーロで見られることを期待します。
ソツコワがFS一番纏めたと思う。ただタノ多発があまり効果的では無い印象。ただまだ若い選手なんですが演技そのものは良い感じに演じられていると思います。ザギトワから感じるジュニアっぽさは彼女にはありません。GPF2位はロシア3枠のアドバンテージになるでしょう。そして変わった衣装もやはり素敵。なかなか難しい色なんですが彼女に似合う良いデザインだと思います。
オズモンドは相変わらずFSが鬼門。転倒と抜けは女子では大きすぎるミスです。それでもこの2つに止めたことが表彰台の確保につながった。ただ・・・FSのプログラムは彼女には合っていないと感じます。濃いメイクも浮きすぎていますしそもそも黒鳥にしては健康的すぎる。動きもバレエというよりエアロビですし・・・なんか色々もったいないなと見ていて感じます。
コストナーはひたすら彼女の良さを見せるプログラムだと思います。ジャンプ構成は弱いし抜けがあったりもしましたがこれはこのままで良いのではないでしょうか。見たいものをいつも見せてくれる、そんな選手になりました。非常に感慨深いです。
宮原は取られると思ったジャンプがしっかり取られていました。正直スケアメの時もジャンプが良いとは思わなかったので仕方ないかと。演技の魅せ方・体のコントロールについては今の日本女子ではNo。1だと思います。ただこのジャンプで五輪やワールドで表彰台に乗れるかと考えればかなり難しい。それでもSAですし五輪代表に選ばれる可能性が高いのかな?全体的に点数がインフレ化しているのでジャンプに見ごたえがない彼女にとっては上位がかなり厳しそうだなと感じます。
樋口は・・・コンボのリカバリは頑張ったと思います。ただ途中に昨季多かった悪い樋口を出してしまったことは良くないと思います。ジャンプにミスしたときに所作というか動きが雑になる投げやりに見えるというのは採点競技では最もやってはいけないこと。ジャッジも人間ですからミスして腐る人よりミスを忘れられるような頑張りを見せた人に良い点数を与えたくなるもの。自分の状態が良くないことがわかっての試合で難しかったのでしょうが誰もがいつも良い状態で出れるわけでは無いはず。良くないときでも良く見せ様とする強さを身につけて欲しい。


さて男子シングルはネイサン・宇野・コリャダーというある意味で予想通りの結果でした。
ただ気分的にはヴォロノフ・コリャダー・ネイサンでした。まぁ基礎点差などもあるでしょうから現実的にはコリャダー・ネイサン・ヴォロノフという順位が妥当だったんじゃ無いかなという気がします。
いずれの順位にせよヴォロノフ以外はファイナルらしい演技では無かったと思います。かなりぐだぐだでした。こういう試合を見せられると4回転の基礎点を下げるべきとか「技術」と「芸術」に分けるという意見が出てくることは理解できます。とにかく上位3選手については多種4回転・複数4回転の弊害ばかりが目につく演技でした。
それでもコリャダーとヴォロノフのロシアン二人はまだ見せる演技をしたと感じます。おそらくそれがロシアンフィギュアスケーターの根本なんでしょう。ブラウンとリッポンはジャンプ以外ではある程度それが出来ますが完全に分離してしまう辺りがもう少しかなという気がします。


ファイナルを見ての感想はただひたすらヴォロノフがロシアの2枠めに入れると良いなぁという全くファイナルに関係ないことだったりして・・・

 

GPFというと6戦を勝ち抜いた者たちのいい演技の競演というイメージがあるのでそういう意味では男子シングルはちょっと残念だったなと感じてしまいました。ただまだシーズン半ばです。今回のミスや失敗、その中でも良かったことなど色々今後に生かして五輪で最高の演技を見せてくれることを期待しています。

雑記という名のお知らせ

昨日帰宅したときは21時をかなりすぎていました。土曜日も出勤なのでこのGPFはほぼライブで見られないようです。あとから演技を見ていますが記事を書くまでの時間はしばらく取れそうもありません。

仕事が最も忙しいこの時期に行われるGPFは実はアジア開催の方が見れないのかもしれません。来年はカナダでしたっけ?そうすると4時から11時くらいになりそうなのでジュニアっ子たちの方は見れるのかも。一番いいのは欧州開催だったんだな・・・眠いけど。

今のところ見たのはジュニア女子とシニア男子だけ。女子の争いは熱いですね~ただエテリ軍団が強い理由が良くわかる戦いでした。紀平も良い選手ですがプログラムとエレメンツの質が違う・・・

そして男子はPCS大判振る舞いな採点のようです。こんなに出して五輪やワールドで他の選手との兼ね合いが大丈夫なのかとちょっと心配になります。ただ滑りとしてはコリャダーは良かったと思いますしブラウンもジャンプが少し持ち直した感じでほっとしました。ステップの動きは良かったですがネイサンは滑りという意味ではあまりよくない印象です。FS大丈夫かなと気になります。あと氷に集音器を取り付けているのか音がすごくて気になりました・・・

 

せっかくの日本開催なのにライブで見れないことが非常に残念ですが帰宅していい演技を見ることを楽しみに頑張ります。

 

GPFに向けて―――ファイナル出場者GPS FSデータ

怪我の情報のあったメドベデワとボーヤンのWDが発表されて宮原とブラウンがINしました。宮原スケアメの後アメリカで合宿と言う事だったんだけど日程的に大丈夫なんでしょうか?全日本までのスケジュールもタイトなので上手く折り合いを付けて欲しいです。
しかし女子もまた本命選手が欠場と言う事でシングル競技では今回のGPFは五輪を占うという位置づけでは無くなってしまいました。代わりにカップル競技は熾烈な争いが見られそうで非常に楽しみなんですが残念ながら地上波放送は無し。ちょっともったいないですが日本では仕方ないことです。
メドベデワもボーヤンも大事な時期ですのでしっかり直して五輪に良い演技を持ってきて欲しいです。

 

そんなわけでメンバーはネイサン・宇野・コリャダー・ヴォロノフ・リッポン・ブラウンとなりました。ほぼ米露対戦ですね。誰がとっても初タイトルどうなるでしょうか?

 

<FS得点順>
1位 宇野昌磨     197.48 スケカナ
2位 ネイサン・チェン 193.25 ロステレコム 
3位 M・コリャダー  185.27 ロステレコム
4位 S・ヴォロノフ  181.06 NHK杯
5位 宇野昌磨     179.40 フランス杯
6位 A・リッポン   177.41 スケアメ
7位 A・リッポン   177.04 NHK杯
8位 M・コリャダー  176.25 中国杯
9位 ネイサン・チェン 171.76 スケアメ
10位 J・ブラウン   170.43 スケカナ
11位 S・ヴォロノフ  169.98 スケアメ
12位 J・ブラウン   160.59 NHK杯

ぱっと見て「低い」と思ってしまったのはここ2シーズンのせいでしょう。全体的な得点としてはソチ前後に近いのではないでしょうか?
ただ気になるのは2試合目で点数が伸びているのがリッポンしかいないという点。そのリッポンもごくわずかの上がりでしかも地元開催の試合だったわけでぼんやりしたスケートファンがなんか盛り上がらないなぁと感じてしまうゆえんがここにあるとよくわかります。
今シーズンFSをほぼほぼ纏めた選手がどの位いるのか、高難度化したからという言い訳もちょっと無理があるなという感じです。
フィギュアスケートがどこに向かおうとしているのかわからなくなっている、そう感じるのは私の気のせいでしょうか?

 

<TES上位順>
1位 宇野昌磨     106.32    スケカナ
2位 ネイサン・チェン 104.85    ロステレコム
3位 M・コリャダー  100.27 -4 ロステレコム
4位 S・ヴォロノフ   94.34    NHK杯
5位 A・リッポン    91.46    NHK杯
6位 M・コリャダー   90.11 -1 中国杯
7位 宇野昌磨      90.20 -2 フランス杯
8位 A・リッポン    88.91    スケアメ
9位 S・ヴォロノフ   86.50    スケアメ
10位 ネイサン・チェン  86.68 -2 スケアメ
11位 J・ブラウン    80.77 -1 スケカナ
12位 J・ブラウン    72.73 -2 NHK杯

 

・・・どう評価したら良いのか微妙な数字の並びだ。TES100点超えが3人もいることは評価すべき処だが、コリャダーの3転倒は大きな問題だと思うし宇野とネイサンにしても基礎点が高いから出たのだろうけど良い演技だったかといえば決してそうじゃないところが非常に微妙です。ただ一つこの上位3つについて触れるべきは回転不足やキックアウトがあったにせよ抜けが無かったこととコンボを3つしっかり入れたという点が大きい。コリャダーの様に3転倒してもTESが100超えると言うPCSが伸び悩む選手ならかなり魅力的な結果の象徴的な出来事なのかもしれない。
それは試合では4回転が決められていないブラウンの数字をみてもわかる。高難度が無い&その他のジャンプにミスが出るとどうやっても点数的に及ばない。例えジャンプミスの回数が同じでも4回転がある無いの差は点数としては大きい。
そして総合では唯一2戦目が高かったリッポンも実はTESは下がっていたという結果に。そこを鑑みると2戦目の良かった選手は一人もいないというファイナルメンバー、GPFがただの負担の大きな試合にならないことを願いたい。

 

<ジャンプ獲得点数順>  
1位 宇野昌磨     86.91     スケカナ
2位 ネイサン・チェン 86.54     ロステレコム
3位 S・ヴォロノフ  76.04     NHK杯
4位 M・コリャダー  79.15 -4  ロステレコム
5位 A・リッポン   69.89     NHK杯 
6位 M・コリャダー  69.27 -1  中国杯
7位 A・リッポン   67.54     スケアメ
8位 S・ヴォロノフ  66.83     スケアメ
9位 宇野昌磨     68.69 -2  フランス杯
10位 ネイサン・チェン 66.68 -2  スケアメ
11位 J・ブラウン   57.40 -1  スケカナ
12位 J・ブラウン   50.40 -2  NHK杯

 

4回転の成功の無いブラウンを除くと宇野とネイサンが最後尾というのが何ともいいようが無い。高難度だからまだ基礎点が残って救われている部分はかなり大きいと言える。そう思うとジャンプだけでTES100超えした羽生の質の良さは際立っていると言えるかもしれない。
ブラウンについては高難度が無いことも大きいがその他のジャンプにもミスが多いことがこの順位にとどまっている大きな理由。2シーズン前は4回転無しでもっと多くのジャンプ得点を得ていたため4回転挑戦というのはその他への影響が大きすぎるのかなと思わせる結果だ。
ヴォロノフとリッポンがファイナル進出できたのは3A以上の高難度以外はしっかり飛び加点を得たと言う事が大きい。してしまったミスを限定的に留めると言う事が今は非常に大切だと言える。


<スピン獲得点数上位順>
1位 J・ブラウン   13.77 ALLLv4 スケカナ
2位 宇野昌磨     13.41 ALLLv4 フランス杯
3位 A・リッポン   13.37 Lv4-2 Lv3-1 スケアメ 
4位 A・リッポン   13.27 ALLLv4 NHK杯
5位 ネイサン・チェン 12.77 ALLLv4 スケアメ
6位 J・ブラウン   12.63 Lv4-2 Lv3-1 NHK杯
7位 M・コリャダー  12.42 ALLLv4 ロステレコム
8位 M・コリャダー  12.34 ALLLv4 中国杯
9位 S・ヴォロノフ  11.87 Lv4-2 Lv3-1 スケアメ
10位 宇野昌磨     11.84 Lv4-2 Lv3-1 スケカナ
11位 S・ヴォロノフ  10.90 Lv4-1 Lv3-2 NHK杯
12位 ネイサン・チェン 10.61 Lv4-2 Lv1-1 ロステレコム

 

リッポンとブラウンはさすが、と言いたいがブラウンはキャメルでちょくちょくレベルを落とす。一番の見せ場で稼ぎどころであるのでもったいない。
スピンが得意なイメージがありレベルも取っているのにコリャダーの点数が思ったほど高くないのは基礎点が最も低いから。今は多くの選手がFSではコンビネーションを2つにして基礎点を上げてきている。0.3でも0.5でもGOEで上げるのはなかなか難しい。スピンは得意であると思うのでジャンプだけでなくこういう部分での基礎点上げも検討してみてもいいかもしれない。
SPに比べレベルや姿勢不足で点を落とすことも増えるがそれでも一つ程度なのでスピンに関してはやはりそこまで大きな得点差にならないエレメンツであるといえる。ただ見ている分にはスピンに見ごたえのある選手とこなしてる感の強い選手がはっきり違うのでもう少しその辺が得点に反映されて欲しいなぁとは感じる。

 

<ステップ獲得点順位>
1位 J・ブラウン   9.70 NHK杯   レベル4
2位 J・ブラウン   9.60 スケカナ   レベル4
2位 M・コリャダー  8.70 ロステレコム レベル4
4位 M・コリャダー  8.50 中国杯    レベル4
5位 A・リッポン   8.30 NHK杯   レベル4
6位 宇野昌磨     8.10 フランス杯  レベル3
7位 A・リッポン   8.00 スケアメ   レベル4
8位 S・ヴォロノフ  7.80 スケアメ   レベル4
9位 ネイサン・チェン 7.70 ロステレコム レベル3
10位 宇野昌磨     7.57 スケカナ   レベル3
11位 S・ヴォロノフ  7.40 NHK杯   レベル3
11位 ネイサン・チェン 7.23 スケカナ   レベル3

 

CSの頃ステップのレベルがなかなか取れないイメージがあったがGPSを終わってみると案外とれている選手が多かった。対応できてきているということなのか?
ステップに関していえばこの6人ではブラウンが抜きんでているようだ。確かに美しいスパイラルなど見ごたえのあるステップだ。コリャダーもレベルは取れているがブラウンと比較するとコレオが弱い。時間的にも短いから仕方ないのかもしれない。
SPではステップトップだったネイサンがFSでは最下位。レベルが取れていないのも響いているがやはりジャンプ偏重で滑れていないというところが評価が伸びてこないのだろう。


<GOE獲得点順位> 
             合計    ジャンプ  スピン  ステップ    
1位 S・ヴォロノフ  11.77= 7.77+2.00+2.00 NHK杯
2位 J・ブラウン   11.03= 3.80+3.43+3.80 NHK杯
3位 A・リッポン    9.55= 4.08+3.07+2.40 NHK杯
4位 A・リッポン    9.40= 3.73+3.57+2.10 スケアメ
5位 ネイサン・チェン  8.98= 4.37+2.21+2.40 ロステレコム
6位 M・コリャダー   8.64= 3.40+2.64+2.60 中国杯
7位 S・ヴォロノフ   8.08=-0.28+2.57+1.90 スケアメ
8位 J・ブラウン    6.19=-0.08+3.57+3.70 ロステレコム
9位 宇野昌磨      5.81= 0.90+2.64+2.27 スケカナ
10位 M・コリャダー   1.03=-4.49+2.72+2.80 ロステレコム
11位 ネイサン・チェン  0.74=-3.76+2.57+1.93 スケアメ
12位 宇野昌磨      0.01=-6.00+3.21+2.80 フランス杯

何とNHK杯表彰台独占!(違)GOEについては転倒がない選手の方が有利なわけでそういう意味でヴォロノフとリッポンが上位に来ます。ただそれでもすべてのエレメンツで平均的にGOEを得る必要があります。スピンステップでそこまで高GOEというわけでもないヴォロノフが10点を超えてくるというのはやはりすごいことだなと感じます。
一方で安定しているといわれる宇野の順位の低さ。スピンやステップでヴォロノフより多くのGOEをもらっている割にはという点からしても実は安定した演技ができていないことがわかります。またプラス評価のジャンプについてもその評価に値するのか疑問を感じる部分が多い選手です。そういう意味ではこれでもまだ救われているのかもしれない。


<PCS上位順>
             計  SS TR PE CC IN
1位 宇野昌磨     91.20 9.32 9.00 8.89 9.18 9.21 フランス杯
2位 宇野昌磨     91.16 9.29 8.89 9.04 9.11 9.25 スケカナ
3位 J・ブラウン   90.66 8.86 9.04 9.04 9.07 9.32 スケカナ
4位 J・ブラウン   89.86 8.89 8.93 8.79 9.11 9.21 NHK杯
5位 M・コリャダー  89.00 9.07 8.75 8.75 9.00 8.93 ロステレコム
6位 A・リッポン   88.50 8.82 8.50 8.89 8.93 9.11 スケアメ
7位 ネイサン・チェン 88.40 8.96 8.57 8.89 8.89 8.89 ロステレコム
8位 M・コリャダー  87.14 8.89 8.57 8.54 8.82 8.75 中国杯
9位 ネイサン・チェン 87.08 8.82 8.50 8.57 8.86 8.79 スケアメ
10位 S・ヴォロノフ  86.72 8.71 8.29 8.89 8.68 8.79 NHK杯
11位 A・リッポン   85.58 8.54 8.29 8.75 8.46 8.75 NHK杯
11位 S・ヴォロノフ  83.48 8.46 7.96 8.50 8.39 8.43 スケアメ

 

PCSって本当に何なんだろうと感じる数字の並びです。例えば宇野の数字の変遷。2転倒でグダグダだったフランス杯の方が高い・・・というか滑りがスケカナより良かった?SPから全くスピード感なかったけど・・・
そしてNHK杯からスケアメに流れたリッポンとヴォロノフの数字の変化。上にも挙げたようにリッポンのTESはスケアメで下がったのにトータルが上回ったのはPCSが上がったから。確かに冒頭で肩を痛めた割に頑張っていたがむしろ振付などは簡素化していたのにTRやCC・INが1段階(0.25)以上上がるというのは妥当な評価なのか?
そしてヴォロノフも確かにジャンプの質はスケアメが劣っていたが5項目全部1段階以上下がるほど悪い演技だったのだろうか?本当に疑問だ。自国選手には甘い点数を・演技スタイルが好まない選手には厳しい評価をというようなジャッジの個人的な心情が反映されてはいないのだろうか?別の試合との比較はしないという前提があるようだがいざとなったらSBなどの点数で決まる部分がある以上ある程度のジャッジの一貫性はやはり必要だと思う。その試合だけでの判断などという甘えが現在の採点への疑問を抱かせてしまっていると思われるのでシーズンを通したジャッジの検証を行っていくべきであるとたった2試合を見ても感じる。
また各項目ごとの採点もかなり疑問だ。少なくとも宇野の滑りや動きに音楽性は感じないし、振付が曲の世界観に合っているとは思わない。バッククロスでも音楽性を表現できる選手はいるが現時点では宇野もネイサンもただジャンプを飛ぶためのスピードの確保のためにしか行っていない。それでSSが高くなったりするのはやはりおかしいだろう。
PCSについてはアバウトな文言でなく各項目で0.25点ごとの基準をしっかりと示してほしい。今のままではまるで選手ごと都合の良い順位をつけるための調整に利用されているように思われてしまう。
大きなミスをしたら満点を出さないルールができたはずなのにその辺りも曖昧のまま運用されている。今はライストがあって世界どこにいても自由に演技が見れる時代だ。映像の検証も自由に行われる。その中で説明のできない点数を出し続ける意味がどこにあるのか、ジャッジの好みや利便を感じさせる採点が生み出す危険性を真剣にとらえ競技の未来を考えて欲しいと願っている。

GPFに向けて―――ファイナル出場者GPS SPデータ

某有名ブロガーさんのところでGPS開始前にファイナル出場予想が行われていた。数多くの人が投票していたが男子シングルに関して当てた人はいただろうか?その位今シーズンの出場者は難しかったと思う。
ちなみに私の予想は羽生・フェルナンデス・チャン・ネイサン・ボーヤン・コリャダーの6人。このメンバーが来る、と言うよりもこの6人のファイナルが見たいという願望が強いものだった。五輪前だし1国一人というのも良いだろうとも思ったのだ。
結果的に半分当たった訳だがどちらかといえば当たった3人の方が意外だったと思えてしまうメンバーとなった。


ネイサン・チェン  30P 
宇野昌磨      28P 
M・コリャダー   26P 
S・ヴォロノフ   26P 
アダム・リッポン  26P 
ボーヤン・ジン   20P 
 


GPFの順位予想は後日としてまずは各選手のGPSデータを振り返ってみる。
 
<SP得点順>
1位 ネイサン・チェン 104.12 スケアメ
2位 宇野昌磨     103.62 スケカナ
3位 M・コリャダー  103.13 中国杯
4位 ネイサン・チェン 100.54 ロステレコム
5位 宇野昌磨      93.92 フランス杯
6位 ボーヤン・ジン   93.89 中国杯
7位 S・ヴォロノフ   90.06 NHK杯
8位 アダム・リッポン  89.04 スケアメ
9位 S・ヴォロノフ   87.51 スケアメ
10位 M・コリャダー   85.79 ロステレコム
11位 アダム・リッポン  84.95 NHK杯
12位 ボーヤン・ジン   77.97 スケアメ
 
100点超えの選手が3人と流石高難度時代と思う一方下半分についてはあまり変わらない気がする。リッポン以外は4回転を入れているためミスると大きな減点となってしまうためだろう。
ヴォロノフとリッポンのようにそこまで高難度で無くてもミス無く演技して安定した点数を獲得するというのもSPではまだ有りなのかもしれない。
ただ一方で2試合ともミスがあっても100点を超えるネイサンという存在を見ると基礎点というのは大きいなと感じる。多少の着氷の乱れ位なら4Lzや4Fを入れるのは有りなんだろう。

 

<TES上位順>
1位 M・コリャダー  59.63 中国杯
2位 ネイサン・チェン 59.56 スケアメ
3位 ネイサン・チェン 57.57 ロステレコム
4位 宇野昌磨     57.12 スケカナ
5位 ボーヤン・ジン  52.67 中国杯
6位 S・ヴォロノフ  49.18 NHK杯
7位 宇野昌磨     48.91 フランス杯
8位 S・ヴォロノフ  46.97 スケアメ
9位 アダム・リッポン 45.04 スケアメ
10位 アダム・リッポン 43.16 NHK杯
11位 M・コリャダー  42.19 ロステレコム
12位 ボーヤン・ジン  37.28 スケアメ
 
意外や意外TESトップはコリャダーでした。つまりはコリャダーよりもネイサンや宇野の方がPCSが高いと言う事・・・何となく釈然としない印象があります。実績という部分で弱い処はありますが単純な滑りや表現する技術という点ではこの二人は十分上回れると思うのですが・・・今後上がってくることを期待します。
4回転の無いリッポンのTESは40点代半ば、4T1本のヴォロノフが50点行くか行かないかの辺り。そう考えると2本入れるというのは大きいなぁと感じます。
ただ今シーズン今のところ60点を超えた選手は羽生とフェルナンデスの二人だけ、いかに高難度でも単独前にきちんとステップを入れられなかったりするとなかなか超えられない数字のようです。


<ジャンプBV上位順>
1位 ネイサン・チェン 40.78 4Lz-3T // 4F 3A
2位 ボーヤン・ジン  37.73 4Lz+3T 3A // 4T
3位 宇野昌磨     37.71 4F // 4T-3T 3A
4位 M・コリャダー  37.55 4Lz 4T+3T // 3A
5位 S・ヴォロノフ  29.95 4T-3T 3Lz // 3A
6位 アダム・リッポン 24.70 3F-3T 3A // 3Lz

 

構成差だけで15点以上というなんともすごい数字です。
ただネイサンの4Fもコリャダーの4Lzもステップからは飛んでいません。宇野やボーヤンも二人よりはましという程度です。しかしこれによるマイナスはほぼ無しの状態。ステップから間が空く3Lzのヴォロノフが容赦なく減点を食らうことから考えるとなんとなく釈然としません。
「ステップからの単独ジャンプ」というのが必要エレメンツなので3回転4回転にかかわらず同じ目線で評価すべきだと思うのですがそうではない辺りが微妙な採点だと感じます。

 
<ジャンプ獲得点数順>
1位 M・コリャダー  43.12    中国杯
2位 ネイサン・チェン 42.35    スケアメ
3位 ネイサン・チェン 40.46    ロステレコム
4位 宇野昌磨     40.13    スケカナ
5位 ボーヤン・ジン  36.52    中国杯
6位 S・ヴォロノフ  33.61    NHK杯
7位 S・ヴォロノフ  31.76    スケアメ
8位 宇野昌磨     31.58 -1 フランス杯
9位 アダム・リッポン 26.39    スケアメ
10位 アダム・リッポン 26.33    NHK杯
11位 M・コリャダー  24.69    ロステレコム
12位 ボーヤン・ジン  22.73    スケアメ
 
驚いたのはこの高難度時代にあって転倒は宇野の1回だけということ。GPSとはいえ勝ち抜くためには転倒は基本あってはならないということでしょう。4回転のないリッポンの2試合のジャンプ得点が近いというのも面白い。
ボーヤンの低いのは3A抜けでノーカン、コリャダーはコンボ無しのGOE-3のため。SPでは要素が少ない分抜けとコンボ無しは痛い。埋める方法がないという点で小さいミスはあってもネイサンとヴォロノフの安定はSPでは大きいといえる。


<スピン獲得点数上位順>
1位 アダム・リッポン 13.05 ALLLv4 スケアメ 
2位 M・コリャダー  12.70 ALLLv4 ロステレコム
3位 宇野昌磨     12.55 ALLLv4 スケカナ
4位 ボーヤン・ジン  11.99 ALLLv4 中国杯
5位 宇野昌磨     11.93 ALLLv4 フランス杯
6位 ネイサン・チェン 11.56 Lv4・・・2 Lv3・・・1 ロステレ
7位 ネイサン・チェン 11.51 Lv4・・・2 Lv3・・・1 スケアメ
8位 S・ヴォロノフ  11.41 ALLLv4 NHK杯
9位 S・ヴォロノフ  11.34 ALLLv4 スケアメ
10位 アダム・リッポン 11.33 Lv4・・・2 Lv3・・・1 NHK杯
11位 ボーヤン・ジン  11.27 ALLLv4 スケアメ
12位 M・コリャダー  11.21 Lv4・・・2 Lv1・・・1 中国杯
 
このメンバーではほとんどスピンで差は付かないという結果に。昨季と比較しても1位は高いですが他の上位は低め、ただし全員11点以上という下限の高い数字でもあります。
レベルもおおよそ取れる選手なのでGOE勝負という意味ではリッポンとコリャダーが有利といったところでしょうか。ただ中国杯のコリャダーがびりになっているのは一つレベル1を取ってしまったから。さすがにこのマイナスは取り戻せなかった。
男子は割とキャメルでレベルを取り損ねる印象があります。足を変えた後で必要回転数を満たせないケースが多いのかな?あとは途中で膝が落ちてしまい連続にならないケースとか・・・
いずれにせよスピンは3つある割には上位ではそこまで大きく点差がつかないエレメンツに現状なっているようです。


<ステップ獲得点順位>
1位 ネイサン・チェン 5.70 スケアメ   レベル4
2位 ネイサン・チェン 5.60 ロステレコム レベル4
2位 アダム・リッポン 5.60 スケアメ   レベル4
4位 アダム・リッポン 5.50 NHK杯   レベル4
5位 宇野昌磨     5.40 フランス杯  レベル4
6位 M・コリャダー  5.30 中国杯    レベル4
7位 M・コリャダー  4.80 ロステレコム レベル4
8位 宇野昌磨     4.44 スケカナ   レベル3
9位 S・ヴォロノフ  4.16 NHK杯   レベル3
9位 ボーヤン・ジン  4.16 中国杯    レベル3
10位 S・ヴォロノフ  3.87 スケアメ   レベル3
11位 ボーヤン・ジン  3.24 スケアメ   レベル2
 
何とびっくり、昨季は最下位の方にいたネイサンがトップ!続いてリッポンというアメリカ勢が上位を占めました。確かに今シーズンのネイサンのステップは格好いいですからレベルさえ取れれば評価が高くなるのかもしれません。
そして今のところヴォロノフとボーヤンがレベル4をとれていません。ボーヤンは怪我のせいであまり練習できていないようなので少し心配。シーズン序盤はなかなかレベル取りがしにくい印象がありましたが徐々に取れる選手が増えてきています。エレメンツが少ない分SPではこういった基礎点をしっかりとっておきたいです。

 

<GOE獲得点順位> 
             合計    ジャンプ  スピン  ステップ    
1位 宇野昌磨      9.71= 5.72+2.85+1.14 スケカナ
2位 M・コリャダー   9.68= 5.57+2.71+1.40 中国杯
3位 アダム・リッポン  6.74= 1.69+3.35+1.70 スケアメ
4位 S・ヴォロノフ   6.23= 3.66+1.71+0.86 NHK杯
5位 ネイサン・チェン  5.58= 1.57+2.21+1.80 スケアメ
6位 アダム・リッポン  5.26= 1.63+2.03+1.60 NHK杯
7位 S・ヴォロノフ   4.02= 1.81+1.64+0.57 スケアメ
8位 ネイサン・チェン  3.59=-0.32+2.21+1.70 ロステレ
9位 ボーヤン・ジン   3.35= 1.14+1.57+0.64 スケアメ
10位 M・コリャダー   2.94=-0.96+3.00+0.90 ロステレ
11位 ボーヤン・ジン   1.94=-1.21+2.29+0.86 中国杯
12位 宇野昌磨      1.30=-2.43+2.23+1.50 フランス杯
 
転倒した宇野が最下位というわかりやすい結果に。昨季は10位以下はマイナスだったことを考えると割合みんなGOEを取っているということがわかります。
今回は4T1本のヴォロノフや4回転無しのリッポンが入っていることも大きいのかもしれない。いずれにしても転倒するとGOE-3がついてしまう。そのマイナスを打ち消すことが困難ということ。ファイナルに進出する選手はその辺りがしっかりできていたということだろう。
しかし宇野のジャンプ加点5.72というのは・・・他の選手に比べても幅も高さもなく奇妙な着氷のジャンプのどこにそんな要素があるのか本当に理解できない。

 
<PCS上位順>
             計  SS TR PE CC IN
1位 宇野昌磨     46.50 9.29 9.14 9.46 9.32 9.29  スケカナ
2位 宇野昌磨     46.01 9.29 9.04 9.07 9.32 9.29  フランス杯
3位 ネイサン・チェン 44.56 8.89 8.64 9.07 9.00 8.96  スケアメ
4位 アダム・リッポン 44.00 8.64 8.50 9.00 8.82 9.04  スケアメ
5位 M・コリャダー  43.60 8.96 8.54 8.68 8.71 8.71  ロステレコム
6位 M・コリャダー  43.50 8.75 8.36 8.93 8.75 8.71  中国杯
7位 ネイサン・チェン 42.97 8.61 8.39 8.61 8.57 8.79  ロステレコム
8位 アダム・リッポン 41.79 8.32 8.11 8.43 8.36 8.57  NHK杯
9位 ボーヤン・ジン  41.22 8.32 8.07 8.29 8.29 8.25  中国杯
10位 S・ヴォロノフ  40.88 8.25 7.89 8.39 8.21 8.14  NHK杯
11位 ボーヤン・ジン  40.69 8.29 7.89 8.11 8.29 8.11  スケアメ
12位 S・ヴォロノフ  40.54 8.18 7.86 8.18 8.14 8.18  スケアメ

宇野とコリャダーの2試合の比較が面白い。特に宇野については転倒した分だけPEを下げましたという採点。ものの見事に計算しつくしましたという平均点を打ち出している。あまりにも鮮やかすぎる採点マジックですねと言いたくなります。
そしてコリャダーはコンボ抜けのジャンプミスの多い方がPCSでは高かったという結果に。地元という部分が大きいかと思いますが、地元だから高いというのも本来はおかしいはずなんですが・・・
そしてスケアメの自国上げとライバル下げの鮮やかさも見事です。ヴォロノフは確かに旧採点下の選手ですので今の採点方式に合っていない部分はあるでしょう。しかしこうあからさますぎるとただのジャッジの好みじゃね?と思われます。まずはこういう場合には8点台がつきます9点台になります的な誰が見てもわかる指標を示すべきだと思います。
この6人の2試合の数字を並べただけで妙なうさん臭さが漂ってしまうというのはいかがなものなんでしょうか?