つれづれなるままに・・・

日々の思ったことを綴っていきます。

日本女子シングルに未来はあるか

全日本女子シングルが昨夜終了した。表彰台は宮原・坂本・紀平の3名。宮原は五輪とワールドが確定、紀平は年齢制限のため残り1枠は坂本と樋口で検討されるだろう。直接勝負に勝った坂本か、SBやGPFの実績の樋口か・・・終了後に「五輪で点数が出る方を選ぶ」的な記事が出たところを見ると樋口を選びたい意識があるのかな。

kamiyann的には五輪は正直どちらでもいいかな。現状日本女子ではだれが出場してもメダルは難しいと思うので。ただワールドは坂本を選ぶべきだと思う。五輪は国の代表として出場するがフィギュアについてはあくまで個人のみの戦い、だから緊張して失敗しようが本人以外に影響はない。しかしワールドは「枠」がかかわってくる。樋口は昨季のワールド・先日のGPFそして今回の全日本と頑張らなくてはいけない大事な戦いで勝てる演技をすることができない結果を積み重ねている。だとしたら初出場にはなるが今回SP・FSともまとめた坂本が出た方がいいと思う。ただ決めるのはスケート連盟だ。さてどんな選択がなされるか・・・今晩の発表が気になってくる。

 

仕事で遅い帰宅のためもあって今週末の試合、実は全日本は録画で演技以外早送りでしか見ていません。ライブで頑張って見ているのはロシアナショナルの方。だって私どっちかといえば日本フィギュアより外国の方が好きだし・・・そんなわけで深夜というか明け方までライスト見て即寝→6時起き(合間に全日本)という生活をしているので頭がかなりボーとしています。変な時間におきているためか眠いけど眠れない。その大変さも今日まで。明日からまた仕事頑張ります。

さてそのロシアナショナルは女子シングル以外は何というかぐだぐだな印象でした。日程的なものもあるかと思いますが・・・もうちょっといい演技が見たかったなぁという感想になってしまう。特に男子シングルはGPFを超える壮大な自爆大会、ついでにヴォロノフのユーロ・五輪がなくなってしまったことが悲しい。せっかく前半シーズン頑張ってきたのにこれですべてが終わってしまうというのは何ともやるせないです。移動ありのGPFから2週間無いわけですから体力的にもきつかったはず。上位3人も決していい演技ではなかっただけに何とかならないのかなと思わずにいられません。

一方で世界で最も熾烈な戦いである女子シングルはすごく熱い戦いでした。メドベデワ・ポゴリラヤがいなくても210点を萌える選手がぞろぞろいる。同時期に全日本があることからもレベルが違うなぁと思わずにいられません。

ロシア女子と日本女子、どこに差があるかといえばやはり「表現の技術力の差」でしょう。フリーレッグの処理・体のラインの魅せ方・腕の使い方などきっちりしている選手が多いロシアを見ると日本女子は荒いとか緩いとか雑という印象を受ける。全日本で実況アナが「表現力の高い選手」とか言っているのを見るとが恥ずかしくなります。更につなぎや0.1点でも多くの点をもぎ取るという意識のも全く違う。自分のプログラムをミスしないで実行するという感じの日本選手では太刀打ちできない壁が見えました。

少し以前ジュニアでメドベデワやサハノヴィッチがタノタノしい演技で頭角を現したとき片手タノの腕が綺麗じゃないとよく言われた。そうすると現在のジュニアっ子はもっと美しい両手タノでほとんどすべてのジャンプを飛んでくるようになった。先人を上回るにはそれ以上のものを見せなければ上り詰めることはできない、そういう進化の過程が見えてきます。リーザが3Aでシーズンを席巻したころリンク遣いやつなぎ・滑りの質などでロシアンはいまいち的なことを言っている意見を見ましたが今の上位陣はスケーティングについてもそこまで難のある選手はいない。レベルの差は多少見えるがそれを補って上に立てる強い武器を持っている選手ばかりだ。

ザギトワ・ソツコワ・コストルナヤ、シニア2名ジュニア1名の表彰台は全日本と同じだがそれぞれが同順位の横に並び立てるかといえばレベルが違うだろう。少なくとも相手がミスしてくれないと勝てないという状況であることを理解して強化しているのかなと疑問を感じる。工場から出荷されるかのように毎年新たな新星が現れるエテリ門下についてどれも似ているとかジュニア世代で良くてもいつまで活躍できるかわからないといった嫌味を聞くことがあるが、結局ここ数年負けっぱなしであることに対して反省や対策はないのかと思う。練習時間や環境の差もあると思うが紀平の3A入りのプログラムでもコストルナヤには勝てなかった。他にもロシアナショナルに年齢制限で出れなかったトゥルソワだっている。全日本FSで3A2本を決めたことが快挙だと持ち上げている記事を見ると本当に大丈夫かと心配になってくる。3A+3Tは確かに大技ではあるが正直今のルールではやる意味のないコンボであることを全く触れないスケート関係者たち。大技大技とはやし立てスター製造にいそしむマスコミ。こういう報道の姿勢を見ると少なくとも紀平世代ではロシアには勝てないんだなと思えてくる。全日本の解説一つ取り上げてみても本当にルールを熟考しているのだろうか?と頭をかしげたくなる。

基本日本の選手たちの姿勢は「良い演技を見せたら、質の良いエレメンツを示せば良い評価をしてもらえる」という受け身的なものだ。だがロシアンの女子選手たちは違う。ジャッジに「何としても高い点数を出させる」という姿勢だ。なぜならば国内はおろか同じコーチ門下内ですら数多くのライバルが存在しているからだ。良い選手としてコーチの目に留まり試合に派遣してもらうためには受け身的に待っていることはできない。今評価されている先輩よりもっと高い点数が取れることを示していかなければ道はない。だからノービス以下の頃から貪欲に技術を得て磨く姿勢が培われている。もともと身体をコントロールする技術=身体表現の技術は欧州の選手の方が高い。荒川・村主・安藤・浅田の頃はジャンプやスピンといったエレメンツの難度や実行力=テクニカル技術点でそれに対抗してきた。しかし今やその部分でもエテリ門下に及ばなくなっている。タノジャンプや入り出の難しさだけでなくスピンの回転速度やポジションのバリエーションなどでも太刀打ちできなくなってきている。4回転という高難度の取り組む姿勢すらすでに後れを取り始めている。体型や姿勢に難のありがちな日本人選手は今後どこで対抗していけばいいのだろうか?

東だ西だとか中京だ関大だと派閥争いをするのではなく日本フィギュア全体の未来の姿を一丸になって描き対策を打ち出していく必要があるのではないかと熱いロシア女子シングルを見ていて強く感じた週末となった。