つれづれなるままに・・・

日々の思ったことを綴っていきます。

新年あけました―――DOIの感想など

2016-17シーズンで私が見た中で最も好きだったプログラムはケイトリン・オズモンドのSPだった。初めて見た時非常に喜んだ覚えがある。「私が見たいフィギュアスケート女子シングルってこういう演技だわ!」と久々に感じたからだ。

ジャンプの成否が勝利を大きく左右するようになってすっかり少女潮流になってしまった女子シングル。軽やかに元気に躍動する姿も楽しいがそれでもヴィットから入った私には物足りなく感じることが多くなった。せめてEXで違ったものが見たいなと思ってもせいぜい少女が少し背伸びしたしっとり演技になるくらいだ。悪くないけどなんか違うんだよな・・・そういう印象が付きまとうシーズンをいくつも越えてきた。

そんな中で見たオズモンドのSPは本当に久しぶりの「大人の女性の美しさやおしゃれ感」満載のプログラムだった。今現在でも十分素晴らしいが10年後にジャンプの難度を落として滑ったとしてもきっとさらに美しいプログラムになっているのだろうな、そう思えるプログラムだった。音楽・振り付け・オズモンドの個性・衣装や化粧すべてが好きだと感じた。来季もぜひこの路線のプログラムをお願いしたい。持ち越しさえ期待してしまいます。

 

さて年が改まりはらはらどきどきの五輪シーズンがスタートしました。新プロ情報もぼちぼち判明しています。

DOIは放送が見れなかったんでちょろちょろ動画探して見ています。ネイサンちょっと背が伸びた?髪型のせいかもしれないけどちょっと大人びたというかおっさん臭い印象が。たださすがアメリカン、魅せるショースターをしっかり演じていました。そういうところは日本の若手は少し弱いな。男子だけではなく女子も全体的に。昔に比べればショー慣れしている感じはするけど盛り上げる盛り上がるというよりはかわいさアピール的な印象に収まっている。外国人スケーターを見てしまうとなんか違うなとあまり昔から変わらない感想を抱いてしまいます。新作が多いのでこれから進化することを期待します。

そんな中世界女王のメドベデワはやはり違うな、と映像を見て思いました。どちらかといえば女優派スケーターの部類に入りプログラムも好みではないことが多いのですが、それでも見るとやはりすごいなという感想を抱きます。彼女のすごさは足元の多彩さ、ジャンプした後何もしないことはほとんどないという技術力の高さと安定性、更にそれを難しいと感じさせない滑らかさでしょう。それはこの2シーズン十分認識してきました。

今回のDOIでそれ以上に印象的だったのは彼女の非常に優れた体の動きでした。腕を伸ばす足を上げる体を反らす、何をするにつけピタっピタッと形がきまる、曖昧なポージングが全くないそのコントロールされた肉体にとても感銘を受けました。動きの滑らかな美しさや華という点では本田真凜にも可能性を感じますが、美しい動き・整えられた美の形状・的確な表現ができる肉体という点ではまだ差があるなと思いました。

もちろん同じプロセスでプログラムや体を作っていくわけではないので本田をはじめとする日本選手もそれぞれの求める「美」や「形」を作っていけばいいのです。ただメドベデワにはプロセスと形を結びつける法則というか肉体のコントロールの仕方やメンテナンスの仕様がどういうものかわからないけどあるのだなと感じました。調子がいいからミスしないではない確固たる自信につながる何か、それこそがこの2シーズン勝ちまくった強さなのかもしれないとアンナ・カレーニナを見て感じました。

女子はやはり今シーズンもメドベデワを中心に回りそうです。そしてジュニア女王のザギトワは2プロ持越しでシニア入りします。あの後半固め打ち構成を安定して飛べば上位に十分入ってくることでしょう。そして昨季ワールド銀銅のカナダ勢も怖い存在です。特にロシアとカナダは団体戦の金メダルを争います。メダル2つ獲得できる可能性の高い彼女たちのモチベーションは高いでしょう。

怪我から復帰する宮原、シニア入りの本田・坂本・白岩、昨季飛躍した三原、昨季伸び悩んだ本郷・樋口、日本人選手は代表が誰になっても初五輪となります。フィギュア最高の大会でどこまで自分の演技ができるか、確実な強さを求めてその若い力で伸びていって欲しいです。

 

 

 

 

 

 

 

こっそり願望を書くと個人的にはできれば(男女問わず)日本人選手のプログラムにタンゴやフラメンコがあまりないといい、と思っています。昨年の全日本男子シングルですごく多くて・・・でも何か違うと違和感を感じてしまいます。日本のマスコミやコーチ陣の言う「表現力」とフィギュアスケートの求める表現力にはかなりの齟齬がある気がします。そしてそれを最も感じるのがタンゴやフラメンコといったわかりやすい振付というか型のある曲・・・なぜか日本人選手は昔から多くの選手が選ぶ傾向があるのですが見ている側としてはよほど舞踊の才がなければあまり選ばない方がいいのではと個人的に思っています。